2008.07.19

TCK.tv 山本モナ降板でうまたせ緊急会見

不倫騒動の渦中にあるTCK.tvのキャスター、山本モナ(32)。 18日、同番組のうまたせ総合プロデューサーが緊急記者会見し、「事務所から番組出演を見合わせたいという連絡があった」として、 TCK.tvのキャスターを当分の間、休養することが発表された。謹慎中と書かれたカキワリの山本を隣にしたうまたせPは、「モナさんの分まで昼寝を惜しんでがんばっていこうと思う」と深々と頭を下げた。これに合わせて、都内に掲示してあるポスターも撤去、視聴者にプレンゼントされるはずだった山本デザインのモナTシャツも製作を見合わせることが決まった。 TCK.tvでは山本がトップジョッキーと対談する「モナ談」の動画が視聴できるようになっているが、すでに収録済みものに関しては公開を続けるという。

うまたせも謝罪

読売ジャイアンツの二岡智宏選手と五反田のホテル(9800円)に入室したと報道された直後、山本はジャパンダートダービーの表彰式にプレゼンターとして参加。多くのマスコミやファンが集まり、ユキチャン取消しの影響を吹き飛ばす賑わいとなった。今回、大井競馬は山本と契約を解除するのではなく、あくまで休養であるとしている。ある意味、不倫騒動も大井競馬のメディア露出することに多大な効果をもたらす結果になったわけで、復帰後も同様の注目を集めることが予想され、山本の起用は大的中と言えるかもしれない。ハッスルの高田総統も「最高のモンスターだ」と獲得に乗り出すことを表明、ガッツ石松も「モナと二岡はOK牧場」とゴーサインを出すなど、モナ株は急上昇している。一日も早いTCK.tv復帰を望みたい。

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2008.06.26

競馬ファンドで63億円詐取 絶対に損しない方法は?

25日、馬券の共同購入で高配当をうたった「競馬ファンド」を設立し、違法に資金を集めた出資法違反の容疑で、投資会社「東山倶楽部」の元幹部ら3人が逮捕された。同社はサイトなどで「的中確率が72.5%と高いビクトリー方式を開発」と宣伝し、月間30%以上の利回り、元本保証といった甘い誘い文句で出資者を募り、 2年間で63億円もの金を騙し取った疑いが持たれている。いわゆる予想提供会社ではなく、ファンド形式にしたことで、ひとり数百万円といった大きな金を引っ張ってこれたのだろう。出資者は競馬に無知な市民だったと言う。 FNNニュースに出ていた被害者は「国、農林水産省でやっていることだから、『絶対大丈夫』って、そう言われて」と語っていたが、JRAが前もって勝ち馬を公開していると信じている人々が、レッドデータブック収録のタカモト主義者以外に生息していたとは驚きだ。

ところで、このビクトリー方式、中央競馬のレース結果を72.5%の確率で当てるシステムということなので、皐月賞以来、連敗の続くヴィクトリーに由来するものではないだろう。むしろ、ビリー隊長の決め台詞が元になったと考えるほうが自然だ。「国の事業だからつぶれない」と社会保険庁も口アングリーな口説き方で、「ワンモアセッ」と追加出資を求めたに違いない。ビクトリー方式は血統や過去のレース結果、騎手情報をもとに予想するシステムだったそうだが、それって普通じゃん…という突っ込みもありやなしや。警察が捜査したところ、独自のソフトは存在せず、市販のソフトで予想をしていたというから、さらにトホホだ。同社は63億円のうち8億5000万円で馬券購入。払戻金は6億3000万円というから、回収率は74%と意外に健闘。市販ソフトの名前が知りたい。

競馬ファンドを巡る事件では、5月に福岡のソフト販売会社社長が15億円の詐取で逮捕されている。また、スポーツ紙や雑誌に溢れる「有料競馬情報」の広告を見れば、ファンを含めた多くの人々が一攫千金の欲を掻いて、不確実な情報に手を伸ばしているかが分かろうと言うもの。著名評論家や元騎手が広告塔になっているもの、何とか軍団が極秘情報を提供してくれたり、馬券の女神とかいうオネエちゃんが天才予想を授けるものなどあるが、こうした状況は私が競馬を始めた17年前から少しも変わっていない。長年、それに見合うだけの会員が集まり続けているんだなと感心させられる。ネットでは田原成貴が「BigGet」という有料予想サイトを開いているが、料金は4週で1000円。過去の予想も公開しており、東山倶楽部の悪行と比べれば「シャバで真面目に更正してんな」と労いのひとつもかけたくなる。

ちなみに、最近はネットオークションで情報商材を売りつけてトラブルになる事例が増えている。これはモノではなく、情報を売買するものだが、100%騙されたと地団駄を踏むことになる。今月、様々な情報商材を購入した人の実体験が書かれた掲示板が話題を呼んだ(俺がヤフオクで騙されて買ってしまった情報を晒す:ハムスター速報 2ろぐ)。そのひとつに「競馬で絶対に損しない方法、損したら全額返済いたします」というものがある。値段は3000円。落札してワクワクしながら待っていると、「競馬を予想します。しかし馬券は買わずに貯金してください。これで競馬をして、損も絶対にしません」というメールが送られてきたそうだ。東山倶楽部の被害者も、この程度なら少し腹を立てるぐらいで済んだかもしれない。

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2008.06.19

「競馬場を爆破」 ネット掲示板で犯行予告の男が逮捕

兵庫のエリザベスクィーンがハクホークインの記録を抜いて、 162連敗と最多連敗記録を16年ぶりに更新。川崎ではユキチャンが8馬身差の圧勝で関東オークスを制し、白毛馬として初の重賞制覇。ほのぼのとした話題が巷を包んだ今週、競馬界隈を震撼させる物騒なニュースも飛び込んできた。

インターネットの掲示板「2ちゃんねる」に、東京競馬場の爆破予告を書き込んだとして、警視庁捜査1課は18日、威力業務妨害の疑いで、兵庫県宝塚市南ひばりガ丘、会社員、浅井崇容疑者(34)を逮捕した。「日本ダービーの発走時間に東京競馬場を爆破する。時限爆弾をすでに仕掛けた。死者はかなりの数に及ぶだろう」などと書き込んだ疑い。(産経)

犯行予告の舞台になったのは競馬の話題を扱う掲示板。書き込みを受けて、JRAは競馬場内の不審物を調べるなど対応に追われたと言う。浅井容疑者は「ここはネットカフェ」「身元を確認できない」とも記述していたが、実際には携帯を使ってスレを立てており、履歴からすぐに身元を特定された模様だ。ちなみに、この掲示板では携帯からの書き込みは、 IDの末尾に「O」が表示される。当該の書き込みにも表示されていたが、容疑者は知識がなかったのかもしれない。ダービーの馬券は購入していた。

秋葉原の無差別殺傷事件では、加藤容疑者が犯罪予告を携帯サイトで実況していた異常性がクローズアップされた。その後、事件を模倣するようにネットでの犯罪予告が相次いでいるが、いずれも書き込みをした者は警察に特定されている。防犯カメラのあるネットカフェでも同じだ。一見、匿名性の高いネットも、警察による捜査がなされれば裸同然である。現在、浅井容疑者が書き込んだ掲示板には、JRA理事長の殺害予告のスレも立っており、こちらも逮捕されるのは時間の問題だろう。「お馬で人生アウト」は馬券だけに留めたいものだ。

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2008.06.11

新馬戦は”メイクデビュー戦”へ 起源はルー語にあり?

今年も21日(土)からドキドキワクワク、待望の新馬戦がやってくる。 JRAでは「新馬」という堅苦しい響きを分かりやすくし、新たなファンを獲得するため「メイクデビュー」なる衝撃的な愛称をつけることを決定した。レーシングプログラムの出馬表、馬券、公式サイトの表記にも、メイクデビューが用いられる予定。新馬戦はメイクデビュー戦と呼ばれることになる。新規ファン開拓のためになされたこの名称変更は、JRAの英断だと言っていいだろう。「ケイバのシンバセン」なんて聞かされても、一般人には何の関心も呼び起こさない。それより「今週、メイクデビューが始まるんだぜ!」と言ったほうが、競馬を知らない友人も「え? メイクデビューって何?」と乗ってくるに違いないからだ。

想像してほしい。メイクデビュー、まるでメイクラブとか大学デビューとかイメクラデビューとか、何だか知らない世界が始まるような、胸のトキメキを感じないだろうか。つい去年も、退屈な会話をビビッドな英単語に置き換えることで、ハッピーなパラダイスにチェンジさせるスーパースターがいたことをリメンバーせねばなるまい。そう、「藪からスティック!」の名言で知られるルー大柴だ。「新馬戦」を「メイクデビュー」に置き換える発想はルー語を意識したものに他ならない。オールドヤングメンアンドウイメン(老若男女)にアズスーナズ、メイクデビューでトゥギャザーしてほしい。ソー、ナイスなワンデイになることプロミスするぜ! JRA企画部のナウなアイディアにチキンスキン(鳥肌)が立ってくる。

風のレターによれば、JRAは新馬戦以外にも積極的に取り組みを広げていくらしい。そうすれば、ノーテイストサースティ(無味乾燥)な告知も、ファニーなインフォメーションになる。

11R(オークス)における制裁
15番トールポピーナンバーの池添謙一は、ラストのストレートラインレーストラックでインサイドに斜ラインしたことについて、 5月31日(アース)から6月1日(サン)までマウントストップ。
※15番のインサイドへの斜ラインによるダメージは走行インターフェアには至らないが、継続的かつフィックスアクションの無いデンジャーなマウントであると認められたため、マウントストップの制裁となりました。

ファンをアングリーさせた判定も、「ストレートラインレーストラックでデンジャーなマウント」などと言われると、理解するのも面倒になって、わざわざJRAに抗議の電話をしようと思わなくなるのではないか。仮に電話したにせよ、「アポロジー。Youのオピニオンはボスにセイしておくよ」と返されれば、まあネクストウィークもホースレースパークでエンジョイするかな、という気分になってしまう。つまりは脱力感だ。メイクデビューと聞いて、体全身からパワーがラナウェイしてしまった諸君は、すでにJRAのハンドの中にあると言っていい。これから頑なに新馬戦と呼ぶか、レープロに従ってメイクデビューと呼ぶか、それはあなたの自由だー。メイクデビューイズフリーダム♪ メイクデビューイズフリーダム♪ でも、ルー大柴をCMキャラに起用すると、ハズレ馬券買うのMOTTAINAIって売り上げ下がるかもしれへんで。ジャカジャカジャカジャン♪ サンキュー! (完)

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2008.05.28

平成の源平合戦! 三浦皇成 ”アドマイヤには跨らない”

有名馬主の後援者が取組前の支度部屋に入り込み、禁煙にもかかわらず紫煙をくゆらせるなど、緊張感も緩んでいる。もはや終戦ムードと言っていい。(日経)

これは横綱・朝青龍が千代大海に敗れた先場所、支度部屋の様子を報じたものだ。有力馬主が誰かは書かれていないが、朝青龍の後援者と言えば、あの人しか思い浮かばない。アドマイヤ軍団の総帥、近藤利一。ちなみに同日のスポニチにも、朝青龍が「支度部屋では馬主の近藤利一氏と談笑」していたと掲載されている。解体業から伸し上がり、相撲界でも競馬界でも絶大な影響力を持ち、押しも押されぬ実力者となった近藤。地頭も黙る阪神馬主協会会長である。今シーズンもアドマイヤジュピタで天皇賞を制し、ダービーにもアドマイヤコマンドという有力候補を送り込み、我が世の春を謳歌している模様。平家の世ではないが、「アドマイヤにあらずんば人にあらず」というのが今の競馬界だ。

近藤と言えば、去年、武豊の騎乗に不満をぶちまけ、アドマイヤオーラから降板させたエピソードは有名だ。以降、近藤は武豊と絶縁。自身や妻名義の馬に乗せることはなくなった。天下の武豊を降板させた馬主など前代未聞。ある意味、近藤は社台すら超越した存在と言えるかもしれない。 4頭の所有馬を出走させたを今春の天皇賞では、レース前に厩舎を越えて騎手や調教師を集めて決起集会を開くなど、これまでの常識を覆すことを多々やってきた。穿った見方をすれば、成金の傍若無人な振る舞い。一方で、傷害事件やナリタトップロードを落馬させた失格処分で、引退も考えていた後藤を励まし、アドマイヤコジーンで安田記念を勝たせるなど人情家の面もある。大阪市役所に福祉に役立ててほしいと300万円を寄付したこともニュースになった。良くも悪くも、漫画に出てくるようなベタベタのタニマチなのだろう。

この栄華を極める近藤利一に、真っ向から盾突いた命知らずの猛者がいたらしい。何と新人ジョッキー、三浦皇成(18)だ。「競馬学校の思い出はコンドームを買いに抜け出して見つかったこと」と堂々と発言し、デビュー前から臆するところのないニューフェイス。実力も10年に一度の逸材との評判に違わない。わずか2ヵ月あまりで22勝をあげて、先週の土日は全24レースに騎乗する記録を打ち立てた。この若武者が「もう、あの人の馬には跨りません」と近藤に果たし状を叩きつけたのには訳がある。詳細は評論家・清水成駿のメールマガジンに述べられていた。

「人はええ。馬はどないなったんじゃい」携帯に届いた落馬報告に、そうまくし立てた馬主。人とはジョッキー。それも昨日初めて手綱をとったばかりのアンちゃん騎手。問題はそれで終らなかった。今度は所属厩舎と馬主が、生産ファームの担当者をはさんでこじれた。結局は同じ冠がつけられた所有馬のすべてが転厩。最悪の形で幕がおろされた。唇を噛み、うつむくアンちゃん。が、まさに「親」であり、管理馬という財産をなげうち、体を張って自分を擁護してくれた調教師への恩は金輪際忘れまい。「もう、あの人の馬には跨りません」顔をあげ、キッとまなじり決したアンちゃん。思わず調教師に熱いものがこみ上げる。これで東西2人目の騎乗拒否宣言となった。(SUPER SELECTION メールマガジン「清水成駿の競馬春秋」)

3月2日の1000万条件、デビュー2日目の三浦が操るアドマイヤベッカムは、4コーナーで他馬と関係なく故障を発生。馬は転倒して予後不良。三浦も前のめりに地面に投げ出され、顔面頭部打撲のケガ。重賞初騎乗となるはずだった中山記念は乗り替わりとなった。三浦は「関係者のみなさんに申し訳ないです」と頭を垂れた。この一件がきっかけで、同馬を管理し、三浦が所属する河野通文師が近藤の怒りを買ったという。

実際、河野厩舎にいたアドマイヤキック、タイトル、フライトらが続々と転厩しており、メルマガの話も、根も葉もない噂ではないようだ。競馬界の平清盛に睨まれて、生き抜いていくのは並大抵のことではない。だが、奢る平家は久しからず。数年後、平成の牛若丸は義経となってアドマイヤ軍団をバッサリと倒す日は来るのか。屋島は天皇賞か、壇ノ浦は宝塚か。最後に天下を獲る頼朝は最初に反旗を翻したあのジョッキーか? 競馬は談合や運動会では面白くない。ひさしぶりの大型新人の暴れっぷりに期待して、勝手に源平合戦になぞらえ、耳なし芳一の気分で語り継いでいこう。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕す…。三浦皇成、東国にて挙兵のときを待つ。

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2008.03.11

サンアディユ急死 さよならを告げる間もなく

オーシャンSのスターターのミスは競馬史に語り継がれるであろう悲劇へと連なってしまった。その因果関係は未来永劫、不明のまま…。単勝1.7倍の1番人気に支持されたサンアディユだったが、隣枠の馬が後ろ扉を蹴った音に驚いてエキサイト。暴れて前扉の下から潜り出ようとした。ゲート係が頭を押し込めたものの、またゲートを潜る格好になってしまう。今度はサンアディユの担当厩務員が近寄っていくが、この時、スターターの川崎由量発走委員はゲートを開こうとしていた。ゲート委員は戸惑う担当厩務員を引き戻し、スタートが切られた。結果は大出遅れで殿負け。鞍上の内田博幸は「馬がゲートを潜ろうとして、それを引き上げようとした時に切られてしまった」(スポニチ)と言う。

川崎委員は、サンアディユが再びゲートを潜ろうとした際、台上から「開けるよ」と声をかけたという。この言葉を騎手たちは「後ろ扉を開けてゲート入りをやり直す」意味だと受け取った。やり直しの準備に入ったところで前扉が開いてしまい、複数の馬に混乱をもたらした。JRAは誤解を招く発声だったと謝罪、川崎委員も「態勢が整った時にサンアディユの厩務員が飛び出して微妙にずれた」と釈明している。しかし、同馬が発走できる状態になかったから厩務員が近寄ったのではないか、ゲート入りをやり直すケースではなかったか、馬体検査は必要なかったかなどの判断について言及されることはなかった。テレビ中継のため急いだわけではあるまいが、正常な出走体勢が整えられないままボタンが押されたミスだったと私は考える。

だが、本当の悲劇はこれからだった。レース終了後、中山競馬場を出発したサンアディユは日が変わった午前零時過ぎに栗東へ帰厩した。翌朝、馬房で倒れている同馬をスタッフが発見。治療が尽くされたものの、心不全のために死亡したのだ。まともなスタートが切られていても、あるいは発走除外になっていたとしても、死は避けられなかったかもしれない。何が原因になって過度のストレスがかかっていたかは分からず、 JRAのコメントのように「そのこととは関係ない」と言うしかないのである。ただ願わくば、今回の出来事を振り返って、発走のあり方に問題はないのか、改めて検証してもらいたい。サンアディユとは仏語で「さよならは言わないで」の意だそうだ。さよならすら告げられない別れだった。安らかに。

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2008.02.29

卒業・入学シーズン 内田博は17頭がスタンバイ

競馬界は卒業、入学シーズン。先週は6人の調教師が勇退した。関東ではトップジョッキーとしても活躍した加賀武見、増沢末夫、ギャロップダイナを管理した矢野進、個性派ツインターボを育てた笹倉武久の4人。ダービーでトウショウボーイを怯ませた加賀クライムカイザーの伝説的騎乗はビデオでしか観たことがないが、逃げの増沢は私が競馬を始めた頃はバリバリの現役だった。ユキノサンライズでダイイチルビー、メジロライアンを相次いで完封した中山牝馬S、中山記念は今でも鮮烈な印象に残っている。長い間の競馬界への貢献にお礼申し上げたい。笹倉厩舎は成績不振から馬房を埋められず、経営難に陥っての引退。なお、山田要一厩舎も調教師の体調不良から3月中に解散することになっている。

関西では松元省一福島勝。松元省はトウカイテイオー、フラワーパーク、スティルインラブを管理し、 G19勝をあげた歴史的調教師だった。特に師が思い出深いのはトウカイテイオーのジャパンカップだと言う。ルドルフの仔として父子制覇した皐月賞、ダービーもワクワクしたが、惨敗を重ねて臨んだジャパンカップでナチュラリズムとの叩き合いを制したシーンは、私にとっても最も感動したレースだった。最近では日本馬がホームアドアンテージでジャパンカップを勝つのは当たり前になっているが、当時はまだ世界の壁が厳然とそびえていた。師も同じ想いだったことは非常に嬉しい。 厩舎を手伝ってきた奥様が5年前に倒れたのが定年前の引退を決心した理由だとか。惜しまれながらターフを去った。

さて、今週はニューフェイスが登場する。目玉は何と言っても大井から移籍した内田博幸。メインの中山記念はディアデラノビアの故障引退で騎乗はないものの、デビュー週から17頭がガッチリとスタンバイしている。厩舎サイドの期待は予想以上に高い。とりわけ、藤沢和厩舎は4頭を依頼。水仙賞(3歳500万)のスマイルオンザラン(母スマイルトゥモロー)は鉄板の気配すらある。他にも何頭か持ってきそうな馬もいる。また、ニュージーランドTでは 2歳チャンプのゴスホークケンの手綱を任されることも決まっており、トップと18勝差の関東リーディングを逆転するのも先の話ではないだろう。後藤や横山典はどこまで意地を見せられるか。

高知と同じく旧姓での登録が認められた鷹野宏史は、二ノ宮厩舎に所属することになった。 43歳にして初めての中央騎乗とハンデは大きいものの、「中年の星」ブームを巻き起こしてもらえれば。年々、競馬学校出身者の育成環境は厳しさを増しているが、今年度は選りすぐられた少数精鋭3人がデビューする。三浦皇成(河野)はいきなり重賞騎乗。中山記念でトラストジュゲムでコンビを組む。競馬学校時代の思い出は「財布に入れておいたコンドームを教官に見つかったこと」だそうで、水も漏らさぬゴム三浦の手綱さばきを楽しみにしたい。この他の2人は父が障害で名を馳せた大江原圭(作田)、伊藤工真(古賀史)。一流騎手への一歩を踏み出してほしい。なお、競馬学校のブログでは「新人ジョッキー応援キャンペーン」が行われている。

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2008.02.18

「ホースニュース馬」経営難で休刊か 63年の歴史に幕

1945年の創刊以来、中央・地方で競馬専門紙を発行してきた「ホースニュース馬」が17日をもって休刊することが、辻三蔵記者のブログで明らかにされた。ホースニュース馬は井崎脩五郎や丹下日出夫など著名な評論家を抱えていて、「伝統の競馬専門紙」のキャッチフレーズで知られていた。しかし、昨夏の馬インフルエンザ騒動の際には、辻記者は倒産を覚悟していたとし、「幾度となく、倒産の危機を迎えながら、何度も生き延びてきたが、今回ばかりは絶体絶命だった」()と、経営難を伺わせる書き込みも行っていた。18日午後、同社の公式サイトでは休刊に関する情報は掲載されていない。

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2008.02.15

最後の大物 大井・内田博幸がJRA騎手合格

平成20年度のJRA騎手免許試験合格者が発表された。地方競馬からは大井・内田博幸(37)、高知・片山宏史(43)の2人が合格した。内田博はすでにJRAで通算132勝をあげており、一昨年は 1日6勝の記録を打ち立てたり、柴田善を抑えて一時は関東リーディングトップに躍り出るなどウチパク旋風を巻き起こした。また、NHKマイルC(ピンクカメオ)やオーシャンS(ネイティヴハート)で、あっと驚く大穴馬券を炸裂させた記憶も鮮やかだ。今後は美浦の嶋田潤厩舎などのバックアップを受けながら騎乗すると見られているが、これまでの実績を考えればG1でも有力馬を任され、リーディング争いに絡んでくることは間違いない。技術は武豊以上と評価する声も聞こえ、年度当初から騎乗できる来年は難攻不落の武豊の牙城を脅かす可能性も高い。

一次試験から合格した高知の片山は「鷹野宏史」として知られる2000勝ジョッキーだが、地元での成績は中堅クラス。中央の騎乗経験がない地方騎手が合格したのは初めてのことで、昨夏には調教師課程研修も受講していた。次男は競馬学校に在籍しており、数年後には親子対決も見られるかもしれない。この他、競馬学校の卒業生として合格したのは3人。進級条件や卒業基準のハードルを高くしたため、退学者が出た影響だと聞くが、これまでに比べると非常に少ない人数だ。新人ジョッキーが育てられない中央の環境が影響している。また、ほとんど報道されていないが、一次免除の資格を持つ名古屋・吉田稔は3年連続で不合格になった模様だ。騎乗技術以外の部分で JRAが受け入れない理由があるのだろう。これで一次免除される地方騎手はいなくなり、地方トップジョッキーの移籍はしばらく落ち着きそうだ。

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2008.02.03

降雪のため東京開催は中止 4日に代替開催へ

本日(3日)、行われる予定だった東京開催は降雪のため中止となった。また、京都開催は同じく降雪のため、障害レースが取りやめになり、発走時刻とコースの変更がなされている。5レース(未勝利)、7レース(500万)の芝コースがダートコースへ変更。メイン・京都牝馬Sと準メイン・松籟Sは芝コースのまま。 3日のフジテレビ「みんなのケイバ」の放送は通常通り。なお、東京の代替開催は翌日の4日に行われる。出馬投票のやり直しはなく、枠順は変わらないため、新聞などはそのまま使用できる。

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2008.01.10

JRA賞 年度代表馬はアドマイヤムーン圧勝

2007年度JRA賞の年度代表馬と全10部門の受賞馬が発表された。年度代表馬はアドマイヤムーンが178票を獲得、 2位ダイワスカーレットに100票以上の差をつけて選ばれた。宝塚記念、ジャパンカップ、ドバイデューティーFと国際G1を3勝、国内ではメイショウサムソンを2度下した実績が高く評価された。去年はメイショウサムソンが春秋天皇賞を連覇し、ダイワスカーレットが牝馬G1を3連勝、ウオッカが64年ぶりに牝馬としてダービーを制するなど、終盤まで年度代表馬の行方は混沌としていた。しかし、有馬記念を伏兵マツリダゴッホが勝ち、サムソンとウオッカが大敗を喫したことで、消去法的に傷のつかなかったアドマイヤムーンが票を集める結果になったと思われる。アドマイヤムーンは40億円でダーレーに売却されたものの、お家騒動で中央馬主登録が抹消されるドタバタぶりや、武豊降板劇、宝塚やJCは刺客的存在として勝利したことなどから、どこか重厚さが感じられないこともないが、成績を眺めれば文句なしということだろう。

各部門を見ていく。最優秀3歳牡馬はアサクサキングス。但し、「該当馬なし」に30票も入った。ダービーで牝馬に完敗した馬が最も強いはずの菊花賞馬に輝いたわけで、最優秀と呼べる3歳牡馬はいないという判断か。「世代レベルが低かったから牝馬でもダービーを勝てた」と後世の評価を受けないよう、ウオッカのためにもアサクサキングスやロックドゥカンブは頑張ってほしい。最優秀3歳牝馬はダイワスカーレット。ライバルのウオッカはわずか14票しか集められなかった。それだけ、宝塚以降の戦いぶりは精彩さを欠いていた。ウオッカを惜しむ投票者の気持ちは最優秀父内国産馬に現れた。ダイワスカーレット162票に対して、ウオッカは123票。タニノギムレットとの初めての父娘ダービー優勝、日本に長く根付いた牝系。競走成績は譲っても、サンデーの孫より父内国産というノスタルジアを漂わせる響きはウオッカこそ似合っていた。唯一、客観的な視点を覆しても許された部門だった気もする。

票が割れたのは最優秀4歳以上牝馬。ヴィクトリアマイルを勝ったコイウタが113票で選ばれたものの、該当馬なしが103票、サンアディユ53票、フサイチパンドラ17票など、10通りの記述がなされた。サンアディユはスプリント重賞を3勝。スプリンターズSでアストンマーチャンを交わしていれば文句なしだったのだったが。コイウタは他のレースが惨憺たる結果だっただけに、私が投票者だったら入れづらかっただろう。最低限、ヴィクトリアマイルを勝てば自動的に受賞できるのなら、該当馬なしは永遠にないことになる。最優秀短距離馬はダイワメジャーが234票でトップ。こちらは逆に該当馬なしの4票は何故なのか、聞きたくなる。安田記念、マイルCSを勝った馬は受賞資格がないのだろうか。それとも、「短距離」は字面通りスプリンターしか認めないということなのだろうか。それならスズカフェニックスではダメなのだろうか。

おそらく満票ではないかと見られていたのが最優秀ダートホース。中央、地方でG1を4勝したヴァーミリアンがいたからだ。ところが、1票だけ他の馬に入れた人がいた。メイショウトウコンに投じた福島競馬記者クラブの会友、谷上泰正氏。メイショウトウコンには父内国産でも競馬ニホンの清水敬三氏が一票入れている。マヤノトップガンヲタクなのだろうか。他に少数票で目立っていたのは最優秀2歳牡馬のヤマニンキングリー(黄菊賞勝ち)か。投票者は東京競馬記者クラブ会友の橋本邦治氏。去年もアンバージャック、スイープトウショウなど不可解な一票を投じていたが、今年もご老体は健在だったようだ。もはや新春名物か。同じくロジック、フィフティーワナー、テレジェニックなど、好き勝手な名前を書いていたジャパンタイムスのバーバラ・バイヤー記者は今年は至って普通の投票。改心されたようだ。

※追記:
今年の投票内容非公開希望者は東京スポーツの田沼亨記者など23人。去年より3人増えている。JRA賞を巡る議論については、この数年間、ほとんど同じことを言い続けているので、過去のリンクを張っておく。ただ今年は名前から父内国産と勘違いたり、牝馬であることを忘れたりといった低レベルな投票がなく、心穏やかに結果を眺められる年だった。年度代表馬の「無効1」は解せないが、よもや「ディープインパクト」ではあるまい。

>>JRA賞 私が記者投票に”理由の付記”を求める訳(07.1.14)
>>JRA賞 年度代表馬・ディープインパクトは満票ならず(07.1.11)

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2008.01.07

ホリエモン ネットオークションに1円で出品される

かつて、ライブドア社長だった堀江貴文被告が所有し、自らの愛称を馬名にしたことで話題になったホリエモン号。現在は流浪の果てに高知競馬でひっそりと競走生活を送っているが、年末にネットオークションに出品されていたことが明らかになった。出品者はライブドア事件後、ホリエモンを購入した大阪のIT企業社長・阪口源太氏。「『ゴルフの方が楽しくなった』と心変わり」(asahi.com)したそうで、12月30日に2chオークションに売りに出された。最低入札価格は1円。結局、3人から応札があった末、1月3日に10万3円で落札された。しかし、実際には取り引きに至らず、阪口氏はこのオークションがフジテレビで取り上げられるなど注目は集められたとし、「興味のある方はご連絡いただければと」と直接取引を呼びかけている。高知競馬は全国でも賞金額が低いことで知られており、 1着賞金が9万円しかないレースもある。ホリエモンは月2走のペースで元気に走り続けてはいるが、出走手当てを含めても預託料を賄えるかどうかは微妙なところ。まだ5歳とはいえ、先の見えたこのクラスの馬に値段らしい値段がつくのは容易ではないだろう。

ホリエモンはアタラクシア(00ダービー3着)、ダンツキッスイ(07東スポ杯2番人気)などを生産した浦河・丸幸小林牧場で生まれた。父ブラックタイフェアー、母グリーンバレー。堀江被告がセールで購買したときは588万円だった。金にモノを言わせるはずの堀江被告にしては、非常にリーズナブルな馬を買ったものだ。地方競馬経営に名乗りをあげた際にはホリエモンが安馬だったことを引き合いに、本気で競馬参入を考えてないのではないかとも言われた。その後、中央の小桧山厩舎でデビューしたものの4戦0勝。すべて二桁着順で全く勝負にならなかった。高知では10勝をあげて、140万円弱の収得賞金を得ている。賞金をファンクラブの会員に分配する試みも行われたが、配当は24円分のライブドアポイントに留まった。デビュー前からマスコミの寵児となり、公式ブログも開設されるなど一挙手一投足が話題になったホリエモン。一転、堀江被告の凋落とともに都落ちするなど数奇な運命を辿ったが、馬自身は人間社会の喧騒とは関係なく健気に頑張ってきた。地方競馬の下級条件で走る牡馬の行く末は決して明るいものではないが、この先はホリエモンであったことが幸運だったと言えるような将来が待っていてくれたらと願わずにいられない。

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2007.12.27

「言いたい放題 年忘れ対談2007」のお知らせ

毎年恒例の重賞対談のコーナーですが、今年は有馬記念前に行うことができませんでした。その代わりといっては何ですが、2007年の競馬界を楽しく振り返る「年忘れ対談2007」を行いました。今年のコンテンツの更新はこれが最後となります。年末年始はちょっくら東南アジアへと脚を伸ばしてくる予定です。みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。来年も馬券日記オケラセラをよろしくお願い申し上げます。

>>言いたい放題 重賞対談(年忘れ2007)

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2007.11.08

ジャパンカップダート 来年から阪神1800に

9日付け東京スポーツによると、来年からジャパンカップダート阪神ダート1800メートルを舞台に施行されることが明らかになった。これまでJCダートは原則としてジャパンカップ前日の土曜日に行われてきたが、今回の条件変更に伴って日程もジャパンカップの翌週に移行される。そのため、阪神JF、朝日杯FSも一週ずつ繰り下げられ、有馬記念までG1レースが谷間なく組まれることになった。今秋、JCダートの阪神移行は一部で囁かれていたが、当初の噂されていた 2000メートルではなく1800メートルに距離変更された理由には、スタート地点が芝になることを避けたものと思われる。また、ワールドスーパージョッキーズシリーズと同じ週に行うことで、トップレベルの騎手と馬を集める狙いもあるとみられている。これまで招待馬の質に恵まれていなかっただけに、JCダートが阪神で新たに生まれ変わることを期待したい。

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2007.11.03

噂を信じちゃいけいないよ♪ POG界を揺るがすデマ情報

G1を狙うような有力馬ならともかく、コアなPOGファンばかりが熱視線を投げかけているような新馬や1勝馬の情報というのは、ネット社会になってもなかなか手に入れることはできないものだ。むしろ、誰でも情報を発信できるような環境だからこそ、真贋の見極めは受け手の器量次第になりかねず、「嘘を嘘と見抜けないと掲示板を使うのは難しい」などとインターネッツのエライ人に言われてしまうのである。POGにおいても危ういネットの噂が飛び交うのは日常茶飯事だが、情報の少ない有力馬の話というのは信憑性に関わらずファンの関心事となる。先月、東京競馬場で衝撃的なデビューを飾ったダイワカンパニーも、そうした1頭だった。勝利後、百日草特別をめざすと報じられたが、レースが近づいても一向に時計は出ず、ファンの間に心配は少しずつ広がっていた。

そんな折、お約束のように「全治1年って、クラシック絶望だな」「屈腱炎みたい」など、カキコがネットを飛び交った。もちろん、匿名のソースなき情報に馬鹿騒ぎするほどネット住民はリテラシーを欠けてはいなかった。しかし、事態は一変する。競馬評論家・水上学氏のブログで、ダイワカンパニー故障との情報がもたらされたのだ。水上氏は「先ほどアップした記事ですが、ダイワカンパニーについては、まだ噂の段階を出ないものらしい」(白線のうちがわ)とすぐに削除したものの、関係者から言及があっただけにダイワカンパニー故障の噂は、確度の高いものとして広まっていった。匿名掲示板だけでなく、netkeibaやブログでも話題になり、多くの人の耳に届くことになったのだ。ところが。。。ほどなく、クラシック絶望だったはずの同馬が、直近のベゴニア賞に参戦すると新聞に掲載される。

ここにおいて、噂は完全なデマとして否定された。 POGの巨匠、丹下日出夫氏の「丹下の懺悔」でも、ダイワカンパニー騒動の顛末が記述されている。 POG仲間から「ダイワカンパニーが屈腱炎にかかった」と聞かされ、ソースを確認すると「ある競馬ライターのブログ」だと言われたそうだ。しかし、厩舎周辺では誰もそんな情報は知らず、丹下氏の取材で「馬は元気にしている」ことが判明した。まさか水上氏も匿名掲示板をソースにしたとは考えられず、どこか巡り巡ってデマが噂にランクアップし、知らぬ間に関係者情報に出世したのかもしれない。噂を信じちゃいけいないよ♪ 山本リンダの声が胸に響いた私は、ベタなフレーズしか思い浮かばない自分に絶望し、ダイワカンパニー騒動は幕を閉じることになった。

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2007.11.02

寸鉄人を刺す 「福島に行け」福永発言について追記

先日の天皇賞回顧のエントリーのなかで福永のコメントに対して言及したが、一部の読者の方々から思わぬ誤解を受けていたことが分かり、改めてレースの波紋について見直してみたい。もっとも困惑したのは、私がコスモバルクの五十嵐の御法を擁護し、その上で福永を批判しているというものだった。ブログ「地方競馬に栄光あれ」さんでは、「ネットでは福永が批判され、五十嵐擁護の論調が目立つ」一例として取り上げられた。「地方競馬に栄光あれ」さんには誤解であることをお伝えし、迅速な対応を取っていただけたが、私の書き方に曖昧なところがあったのであれば、こちらも反省しなくてはならない。まず前提として、五十嵐の斜行は過去にも繰り返されたことであり、コスモバルクでレースを壊した端緒をつくったものとして処分されるのはあまりに当然である。そして、福永カンパニーは明確な被害者であり、レースの不利は同情される立場にある。だが、レース後に出した「福島に行け」という発言は、プロとして軽率でお粗末なものだった。この両者はまったくの別問題であって、混同して語られるべきでないというのが私の考えであることはご理解していただきたい。

五十嵐のラフプレーはしばしば報道されてきたこともあり、ファンの間でも良く知られている。 4年前の函館2歳Sの直線では、事もあろうに男・藤田フィーユドゥレーヴ(1着)を左ひじで押圧して進路を妨害。過怠金10万円が科せられたものの、翌週に同じ行為を繰り返して裁決の怒りを買い、騎乗停止とされた。その後も数多くの処分を受けてきた五十嵐は、中央の騎手から危険な騎乗をする常習犯として厳しい視線が送られるようになった。簡単に4コーナーで内を開けてしまうような中央騎手へのアンチテーゼとして、危険を顧みない地方騎手の騎乗を歓迎する声も聞かれるが、五十嵐に限れば御法は非難されてしかるべきだろう。一方、今回、武豊はレース前から「バルクはふらふらして危ない。近くにいれば直線の入り口までに並ぶか前へ行っておく」どうでもいいことたくさん並べてくだらない日記と言っていたそうだが、実際、被害を受けないよう内の進路を選択している。それだけでなく、直線ではメイショウサムソンを外のバルクに仕向けているように見える。「昨日の風はどんなのだっけ?」さんの指摘するとおり、確信的にやったのなら武豊という男の恐ろしさ、肝を冷やす。

本題の福永のコメントだが、気持ちは良く分かるし、過去の経緯を踏まえれば、多少の汚い言葉であっても許容されるだろう。とりわけ、福永には侵食してくる地方騎手への敵愾心があって、中央対地方の『プロレス的なショーマンシップという側面も含めて』(傍観罪で終身刑さん)楽しもうという器量の広さもあっていい。しかし、余計だったのは「福島に行け」の一言。事実、福島開催は騎手も馬もB級レベルと言えるだろうし、若手が修行する場にもなっている。以前、武幸四郎は取材のなかで、拙い騎乗をした若手に「早く福島行け」ときつく言うと答えている(『ジョッキーズロード』を武幸四郎騎手が激プレイ&インタビュー)。「福島に行け」はジョッキーの間ではスラングになっていて、福永も思わず口から出たのかもしれない。だが、他者を批難するのに関係のない第三者を比較対象にするには繊細な注意が必要だ。イチローが「※※はメジャーに来るな。四国アイランドリーグでも投げてろ」と公に言うのは下品この上ないのである。競馬とは関係ないが、かつて酒造会社の社長が「東北は文化程度も極めて低い」と発言して大問題になったことがあり、今でも東北ではこのメーカーの酒は売れないのだそうだ。寸鉄人を刺す。福島で福永の馬券が売れないことはないだろうが、プロとして言葉は選んでほしいというのが、期待している福永への私の思いである。今回の騒動はそれ以上でもそれ以下でもない。

※競馬評論家・水上学氏の「問題の『福島で乗ってろ』云々は、ここだけ取れば福島蔑視みたいに聞こえますが、おそらく先週の福島がみんな外へ大きく張り出して乗っている馬場傾向になっていたことを受けての喩え話でしょう」(白線のうちがわ)という見解には、福永発言以上に口アングリーだった。専門家ならではのユニークな発想でこれからもファンを楽しませてほしい。

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2007.10.20

「包み隠さず見せろ」 調教師が女性騎手に全裸強要?

名古屋競馬で女性騎手として最速の通算100勝を達成するなど活躍を続ける山本茜騎手(24)が、所属先だった原口次夫調教師から悪質なセクハラを受け続けたとして、 550万円の損害賠償を求めて訴訟を起していたことが明らかになった。各社の報道によれば、山本騎手は2003年に原口師のもとに弟子入りして以降、度々抱きつかれるなどのセクハラを受けたという。さらに、今年1月には調教師宅に呼び出され、騎乗機会を与えることを条件に服を脱ぐよう求められたとしている。この時、原口師は「俺はお前に全部見せることができる」と言って全裸になった上、「お前も包み隠さず見せてみろ」と山本騎手にも全裸を強要したとされる。

競馬界で全裸と言えば、田中剛が江田照に行った「全裸ヘッドロック」が有名だが、調教師が女性騎手の前で全裸になったのでは洒落では済まされない。まして、原口師は騎手を指名できる調教師の立場を利用したとなれば、セクハラだけでなくパワハラにも当たる卑劣な行為になる。原口師の管理馬にはオグリキャップ記念を勝ったウイニングウインド、サマーチャンピオンを勝ったキングスゾーンなどがいる(両馬とも来週のJBCに出走予定)。また、騎手時代には東海最強と言われたゴールドレットの手綱を取ったことで知られる。オフィシャルサイトでは自ら「グッチ」と名乗り、ファンサービスにも努めていた。妻と3人の子どもにも恵まれ、理論的で仕事熱心。名古屋競馬の紳士的な人物と評されていただけに、今回の訴訟がもたらした衝撃は大きい。

原口師が"強い馬"(asahi.com)への騎乗機会を盾にして、全裸を強要したとされるのは今年1月のこと。直前の11月、山本騎手は浦和記念でキングスゾーンに騎乗して、11番人気ながら2着に持ってくるファインプレーをみせていた。しかし、2走後の12月、安部幸騎手に乗り替わりになっている。原口師が服を脱がせる口実にしようとしたとされるのは、キングスゾーンの手綱であった可能性が極めて高い。この乗り替わりに関して原口師は、「茜が乗せてくれと言わないからだ。そのことは茜自身が一番よく知っているはず」(毎日)と答えている。記事は厳しい親心として書かれているが、山本騎手の訴えが真実なら、原因は己のキングスゾーンを露出したことになる。

これまで度重なるセクハラに耐えてきた山本騎手だが、要求を拒否したため5月に厩舎を解雇されたとしている。周囲の目を気にすれば、裁判などしない方が山本騎手にとっては精神的に楽だったはず。これまでの活躍も色眼鏡で見る向きも出てくるかもしれない。それでも、提訴に踏み切ったのは泣き寝入りしてしまえば、他の女性騎手も同じ被害にあうと意を決したからだと言う。角界では時津風部屋が”かわいがり”に名を借りた殺人を行っていたことが強い批判に晒されているが、徒弟制度のもとで違法行為が行われていたとすれば、構図は同じだ。名古屋競馬は迅速で徹底的な調査をして、かつ被害者である山本騎手を守らなければ、相撲協会の二の轍を踏むことになりかねない。

JRA試験を2度、不合格になった山本騎手はジョッキーの夢をあきらめきれず、地方競馬をめざした。その時、厩舎に属していた方が合格しやすいと考えた山本騎手が、ほとんどの調教師に断られるなか、唯一、受け入れてもらえたのが原口師だった。原口師は「女の騎手をやとったのではない、男の騎手でもない、初めての弟子をとった。… 女性騎手は最初からハンディを背負っているのが現実。『本当に乗れるのか』という目だ」(毎日)と語っていた。「ジョッキー」ではなく「女」としてしか見ていなかったのは本当は誰だったのか。原口師は「全裸になったことは事実」としながらも、「説教のためで性的な意味ではない」とセクハラを否定している。ぜひ、裸ではなく真実を「包み隠さず」見せてほしい。

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2007.09.19

旭川で3位入線馬失格 シンコウシングラー事件再び

18日、旭川10レース・ふらのにんじん特別で3位入線したハングオンが失格となる事件が起きた。理由はレース前後の検量において、 1.2キロの重量差があったこと。鞍上の三井健一騎手は公正競馬を害したとして10日間の騎乗停止処分が科された。負担重量が前検量と後検量との間で1キロ以上の差が生じた場合、出走した馬は失格となる。また、1キロ以内については騎手が制裁を科される場合はあるが、着順の変更はない。今回は200グラムの差で失格処分となったわけだ。なぜ重量差が生じたのか、詳細は発表されていない。問題は失格となった馬の的中馬券がパーになるばかりでなく、返還も行われないため、何の落ち度もないファンがトバッチリを受けることだ。

同様のケースで話題になったのが、99年のシンコウシングラー事件だろう。緑風Sで2位入線した同馬は1.7キロの負担重量不足が判明。レース後、しばらく経ってから審議となり失格になったのだ。鞍上は柴田善臣。原因は前検量が終わった後、重量調整用の装具が外れたのに気づかずに出走していたこと。騎手には20万円、調教師には50万円の過怠金が科された。00年には失格にはならなかったものの、 1位入線の柴田未崎が前検量の後、トイレに行ったため700グラムの負担重量不足で過怠金を科されたこともある。こちらはわずかなウンの差で失格を免れたわけだ。いずれにしろ、こうしたケースは瑕疵のある馬券をレース前から売っていたわけであり、関係者の過失はファンでなく主催者側の管理責任に帰するべきだろう。元返しの廃止も結構だが、ファンの信頼を失うつまらないルールは早く改善したほうが良い。

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2007.09.07

有力馬が続々と帰厩 中央はインフルエンザ沈静化か

馬インフルエンザの拡大防止のため行われていた JRA施設と牧場との移動が限定的に解除されたのは4日から。 1日の入厩検疫頭数は美浦60頭、栗東50頭程度程度で、血液検査とインフルエンザの簡易検査が行われる。秋のG1戦線に向けてステップレースを使うには、リミット間近の移動制限解除だったのではないか。 3歳牡馬ではヴィクトリー、ドリームジャーニー、サンツッェペリン、牝馬ではローブデコルテ、ザレマらが7日までに帰厩した。古馬はダイワメジャー、デルタブルース、アロンダイト、カネヒキリといった看板馬の名も見える。来週中にはダーレー・ジャパンの服色で天皇賞秋に直行するアドマイヤムーンも戻る予定だ。トレセンでは陽性馬の割合が急速に減少しており、インフルエンザは終息へと向かっている模様だ。

中央競馬よりウィルスがもたらされたとみられている地方競馬では、数字を見る限りは多くの陽性馬が陰性に転じているものの、一方で新たな感染馬も次々と見つかっている。例えば、岩手では隔離した陽性馬が陰性に転じたことを確認した後、厩舎へ戻す作業を続けている。しかし、枠順確定後に陽性反応が出て多数の出走取り消しが出たり、 5日にも発熱馬2頭が陽性と診断されるなど、まだ非常事態解除とはいかない。また、日本からウィルスが運ばれた可能性を指摘されているオーストラリアでは、在厩頭数7000頭を超えるランドウィック競馬場で感染が広がっていることが確認された。州政府は馬だけでなく、ウィルスを運び手となる人の出入りも厳しく制限した。同競馬場でレースが再開されるのは早くて11月だと言う。

中央競馬では厳格な検疫体勢で入退厩を行えば、多少は新たな入厩馬に感染するものが出るにせよ、次第にインフルエンザ騒動は落ち着きを取り戻していくだろう。馬産地でトレセンほど感染が拡大していないというのが前提ではあるが。地方競馬は入退厩が頻繁でないだけ、在厩馬に感染が出つつも開催を行いながら、騙し騙し終息を待つ形になろうか。現在、陽性馬ゼロという浦和、福山、高知、荒尾に感染が広がれば、同じことが繰り返されることになり、経営状態の悪い高知などは致命傷になりかねないのは心配だ。今回、競馬界は改めて馬インフルエンザ禍の影響の凄まじさを痛感したはずだ。このようなことが再び起きないという保証はない。開催再開のタイミングはベストだったのか、検査や防疫措置に不十分な点はなかったか、感染はどのようにして拡大したのか、徹底した調査と検討を重ねて不測の事態に備えなくてはならない。

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2007.09.06

安田元騎手が逮捕 コンビニで「一千万円払え」と恐喝

「G1制覇の安田元騎手が恐喝」 Yahoo!トップページのヘッドラインを見てタマゲテしまった。あの温厚そうなトウカイテイオーの主戦、安田隆行が恐喝で捕まるなんて!? しかし、本文を読んで納得してしまったと言ったらおかしいか。安田元騎手は隆行でもなければ、富男でもなかった。メイショウドトウの手綱で宝塚記念を制した安田康彦(34)の方だったからだ。父に安田伊佐夫師をもち、ヤスヤスの愛称で親しまれた安田康は競馬学校の7期生。同期には去年暮れに飲食店の従業員を殴った藤田伸二、ジョッキールームで後輩に暴力を振るった郷原ジュニアらがいる。何とも荒くれ者が揃った7期生だが、この年だけ格闘技の授業を行ったとかいうわけでは決してないのだろうが。安田康は騎手引退後、消息が明らかでなかっただけに、こうした形で公に姿を現したことが波紋を広げている。

8月13日の早朝、安田康は京都市東山区のコンビニエンスストアでビールや缶チューハイなど 17点をレジに持っていった際、男性店員に「日曜に買った新聞が土曜のやった」と言いがかりをつけ、「1000万円払え、殺すぞ」などと脅迫。代金の約4600円を支払わずに立ち去った疑い。安田康は酒に酔っていたものの、「脅した認識はある」と大筋で容疑を認めている(asahi.com)。日曜に買った新聞が土曜のものだったとは競馬開催日は翌日までスタンドに並ぶようになった大阪(東京)スポーツでも買ったのだろうか。それにしてもヤクザ、チンピラとしか思えない行為で、開いた口がふさがらない。酩酊して早朝に酒を買いに行った状況からは、アルコール中毒の気配も感じられる。

実は安田康には前科がある。2000年秋、北海道で34キロの速度超過で捕まったところ、酒気帯び運転まで発覚したのだ。逮捕されたのは朝の9時半ということで、調教を終えて一杯ひっかけて車を運転したようだ。2005年以降、安田康は奇行が多くなり、数ヶ月間、レースに騎乗しないこともあった。2006年4月、父が引退届けを出す形で騎手を廃業し、その後は行方知れずになっていた。今回、報道された安田康の職業は”自由業”。 ”ヤのつく”とは書かれていない。もはや競馬界とは関係ない人物だが、トウカイテイオーの復活劇が田原成貴のお陰で語りづらくなっているように、メイショウドトウらの歴史に泥を塗ったことが残念でならない。

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2007.08.29

終息宣言なきレース再開 安全は確保されたのか?

馬インフルエンザ禍の収まらぬなか、一部には批判もあった中央競馬のレース再開。休止期間はわずか1週で済んだかのようにみえるが、地方競馬では感染が広がり続け、牧場などからの入厩制限も解除されないなど状況は予断を許さない。 だが、25、26日の開催は入場人員、売り上げとも前年比で減少したものの、例えば新潟の26日の総売り上げは94%程度の下落に留まり、主催者としては安堵した数字ではなかっただろうか。メインの新潟記念は後藤トップガンジョーの暴走で乱ペースになったものの、 2番人気の吉田豊ユメノシルシがきっちり人気に応えた。吉田の2年ぶりの重賞勝利をアシストしたのが後藤とは、やはり切っても切れない因縁か。全体的な傾向として特に荒れたという印象はなかったが、厩舎サイドがインフルエンザ発症の気配のある馬を出走させるわけがなく、人気通りに走る馬もいれば、凡走する馬もいるのはいつものこと。馬が走ってしまえば、公正競馬云々を議論する余地もなかった。

JRAは今週も出走予定の全馬に検査をすることで開催を行う構えで、このままレースを続けながら終息を待つようだ。先日来、メディアの議論は公正競馬を担保できるのかという点が中心だったが、レース結果で判断はつかず、現実としてJRAが開催を継続する以上、主観によるところの多い「公正」「不公正」を議論することは意味を成さない。今後、重きを置かなくてはいけない点は、開催を行うことで感染を拡大させないのか、終息を長引かせることはないのかといった防疫上の観点になる。症状が現れても陰性と診断される馬が多いことについて、新種のウィルスでワクチンが機能していないのではないかという見方も出ている(山野浩一氏)。また、競走馬と関係のない乗馬施設の馬にも感染は広がっており、人などにウィルスが付着して媒介になっているとの指摘もある。100%の安全が確保されなければ開催を行うべきではないとは思わないが、科学的な根拠に基づくデメリットが明示されなければ開催への賛否も難しい。

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