カテゴリー「ハルウララ問題」の4件の記事

2009.11.23

ハルウララ繁殖入り 種付け相手にディープインパクト?

ここ数日、おかしなアクセスの増え方をしているなと思ったら、久しぶりにあの馬が話題になっていたようだ。今月20日、フジテレビの「探そう!ニッポン人の忘れもの」という番組で、ハルウララがオーナーの安西美穂子氏とともに出演し、北海道の牧場で繁殖生活を送ることが明らかにされた。さらに、番組内では「ハルウララの交配相手がディープインパクトで既に交渉もほぼ終わっている」(座布団が行司にクリーンヒット)とも発表されたようだ。競馬中継を手がけるフジが報道しているのだから、社台への事実確認もされているとみるのが当然だ。本当に社台の懐の深さには恐れ入る。ディープは一発1200万円というグループの至宝。社台といえば、安西氏がハルウララを7000万円で売りつけようとして、伝説をつくった相手。7000万円といえば、ディープがセレクトセールで落札された値段であり、オーナーサイドからすれば「ウララもディープも同じ価値」ということなのかもしれない。

よもや種付け料までハルウララ基金で賄うわけではあるまいが、長らく消えていた「ハルウララ公式ホームページ」が立ち上げられている。1枚3500円でDVD販売が行われ、『傷ついた魂に』なる安西氏作詞のCDも近日発売予定だとか。ハルウララは高知から那須に連れ去られ、その後、千葉では「ホースセラピー」なるものに従事させられていた。多くの知らない人々に触られるアニマルセラピーは、動物にとって非常なストレスにもなることが指摘されている。安西氏に対して「いつもきっちりセラピーの仕事(人を癒すこと)をしていたウララはそれを教え命じた私に対しては、いつも怒ってばっかり、ちっとも優しくない」(公式サイト)というのも、気の小さい同馬にとってはセラピー向きでなかったということかもしれない。裏側にどんな人間の思惑があるにせよ、北海道の広々とした牧場で、より良い生活環境のもと暮らせるなら悪い話ではなかろう。馬は自分が一度も勝てなかったことや、日本中のバカ騒ぎとその後の醜悪な結末など、知る由もないのだから。

>>黒髪の館2☆ハルウララ☆

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2009.01.30

映画『ハルウララ』ヒロイン AV女優として再出発

芸能人がアダルトビデオ女優としてデビューするのが最近の流行のようだ。そうしたなか、先週、業界最大手のソフトオンデマンドが「奇跡のAVデビュー」と題して大々的に売り出した女性がいる。原紗央莉(21)。だが、彼女の名前を知る人は少ないだろう。 ”原紗央莉”の名はAVデビューを前提にして現在の事務所に所属した際につけられたもので、以前は”七海まい”で芸能活動を行っていた。テレビ東京系のアニメ「マシュマロ通信」の主題歌も歌っていた彼女だが、女優としての代表作は映画「ハルウララ」である。調教師・宗石大の娘、高校生の美佳役を難関のオーディションを突破して獲得。厩務員・健祐と淡い恋に落ち、やがて高知から旅立っていく役どころを熱演した。「ハルウララ」は渡瀬恒彦、賀来千賀子、竹中直人ら豪華キャストを揃えながら、例のオーナーサイドからのクレームによって全国公開はかなわず、ひっそりとDVD発売され、お蔵入り同然の状態になった幻の作品だ。あれから4年、ヒロインの一人、調教師の娘が旅立った先は意外な業界だった。

原紗央莉は自身のブログで出演を決める経緯を語っている。それによれば、中学2年生の時に広島から上京、高校生まで七海まいとして活動。その後、何らかの原因で芸能界から身を引き、卒業して2年間はフリーター生活を送っていた。華やかな芸能界とは程遠い単純作業を繰り返す日々。転機が訪れたのは成人式だった。熱心に仕事をしていたり、夢に向かって勉強していた同級生たちに触発され、もう一度、芸能界に復帰して、自分も夢を掴もうと決意する。

そんな思いでいる時に今の事務所に声をかけてもらいました。 …AVのお仕事をする事も前提でのお話。最初は家族にも、友達にも話さずに一人で考えました。 …本音を言うと、まったく知らない世界でしたし、実は偏見ありまくりでした。女の子だし、一生ついてまわるものだと思っています。 …昔と違って、今は現役のAV女優さんが芸能活動をガンガン頑張れちゃう時代。 “脱げる”事でこれまでよりお仕事の幅が拡がるなら思いきりやってみよう!失うものもあるけど、今までの私じゃない私この時期、このタイミング…私にしか得ることのできないものがきっと見つかるはず。私は必ずやってやる!(原紗央莉公式ブログ)

昨秋、原紗央莉はソフトオンデマンドのエイズ撲滅キャンペーンの一環で、渋谷交差点に巨大看板になってお目見えしている。私も記憶があるが、彼女がハルウララの七海まいだとは全く気がつかなかった。現在、話題性もあってプレイボーイやヤングマガジンといった週刊誌でグラビアや特集を組まれている他、篠山紀信撮影の写真集を発売したり、特命係長・只野仁シリーズへの出演が決まるなど活躍の場を広げつつある。旬の逸材も瞬く間に消費されていく芸能界で、より大きなステップを踏んで階段をあがっていくのは簡単なことではないだろうが、頑張ってほしいものだ。

ところで、彼女のAV出演にいち早く反応した有名人がいた。「少女時代にちょっとした芸能活動やっただけで、いきなりAVデビューってのはすげーと思った。サンプル動画ちょっとだけみたけど…やばいなー、ハードル高いなあ」(六本木で働いていた元社長のアメブロ)と興奮してトラバまで発射したのは堀江貴文。かつて、ライブドア社長として高知競馬と業務提携したのも懐かしいが、愛馬だったホリエモンは年が明けてからも高知で駆けている。そう言えば、自ら発起人になったハルウララ基金から逃げるように無関係宣言をした森田健作は千葉県知事選へ立候補を表明したばかり。観光振興策の目玉はハルウララをセラピー馬として活用することをマニフェストに明記、するわけがないか。光陰矢のごとし。あの大騒ぎに興じた人たちも陰日向、それぞれの道を歩んでいるようだ。便りがないのは当のハルウララだけというのも皮肉なものか。

>>原紗央莉オフィシャルサイト
>>芸能人 原紗央莉 奇跡のAVデビュー (amazonリンク)

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2005.04.14

"ウララ一勝プロジェクト" 安西美穂子氏の起死回生策?

おうちへ帰ろうクラブの皆様へ
拝啓 桜の開花宣言もあって、本格的に春の到来を感じる今日この頃、 お元気でいらっしゃいますでしょうか。 「フォレスト・ガンプ」、「アルマゲドン」以来、 数年ぶりに映画館で映画を見ました。 「レイシングストライプス」です。 もう底抜けに明るい映画で、笑い泣きしながらハッピーになれました。 是非皆様もご覧になって下さい。 私もあと3回は見ようと思っています。

これはハルウララオーナー、安西美穂子氏が ファンクラブの会員に向けて、 4月3日付けで送付した文書の冒頭部分だ。 今年になって発刊するはずだった 「ラスト・ラン ハルウララ物語 ~プライド~」は出版中止に、 さらに週刊Gallopの「ハルウララとの日々」も連載が 打ち切られるなど、一連の強奪騒動以降、 安西氏は厳しい状況に追い込まれている。 自身も「理不尽な圧力で本業の本さえ奪われ、 精神的な打撃を受けただけでなく、経済的にも どん底まで追い詰められました」と語るほどだ。 そんな四面楚歌の安西氏から一転、 「ハルウララはいよいよセカンドステージに突入します」 「4月中に記者会見を行います」と威勢の良い言葉が飛び出した。 いったい何をしようというのか。

ハルウララをいったん世間に戻すため、 高知でラストランを迎えさせるため 「ハルウララ一勝プロジェクト」を立ち上げます。 有名政治家、芸能人の応援者もいます。 …そして、「ハルウララ一勝プロジェクト」をマネジメント してくれる会社が、いよいよJRAに動くことになりました。… 今こそJRAにハルウララを応援してもらう べきという主旨から、 スポンサードをお願いするそうですが、 皆様の中でこの件に賛同する方がJRAに直接 何らかのアクションを見せていただければ、実現性も高まると思われます。

安西氏は1月に新高崎競馬応援団の仲介で、 宗石調教師と境町トレーニングセンター(群馬・伊勢崎)で 話し合いをし、高知にウララを戻すことで合意したと報道された。 しかし、その後、安西氏は高知に全く戻す気配を見せず、 痺れを切らした高知側からは「引退させてもらってけっこう」との反応も出ていた。 長い休養の間にウララの価値は急落、 出版活動もままならない中、安西氏の打つ手はなくなっていった のは想像に難くない。そこで思いついた起死回生策が、 「ハルウララ一勝プロジェクト」なのだろう。

まず、政治家、芸能人、JRAの後押しを受けて 再びマスコミに話題にしてもらう。 安西氏単独ではできないから、バックボーンが欲しいということか。 安西氏はラストランまでの過程で 様々なイベントを打ち、ウララを ショーアップしていく思惑ではないだろうか。 政治家や芸能人はピンキリ。 安西氏は芸能事務所(プロシード)と契約を結んでいるのだから、 いくらでもツテはある。だが、 イメージ戦略を大切にするJRAが、高知競馬の意向も聞かず、 騒ぎを起こした安西氏とタイアップするとは考えられない。 安西氏サイドに秘策はあるのだろうか。 ところで、このプロジェクト名を聞いて、 すっかり忘れていた話を思い出した。

休養を兼ねて北海道に送り、青草を食べさせ、英気を養う。 トレセンで調教する。来年、今年走ったレースで、 再び武騎手に騎乗依頼し、必勝を期す。 勝ったら繁殖に上げて子供をとる。 …もし、一流の種馬を10年配合すれば、 中には走る馬が出てくるだろう。上手くいけば、 子供から孫へとハルウララ系をつくることもないとはいえない。 … このストーリーを成し遂げるには、ハルウララを現物出資し、 同時に出資を募り、株式会社ハルウララを設立することだ。 …私はこの会社は、資本金1億円ぐらいからスタートする必要が あると思う。…この方法ならば、ハルウララを確実に勝たせ、 シンデレラストーリーを完結させ、そして発展させることができる。 (白井透・ハルウララ日記より)

ウララを安西氏とともに宗石厩舎から連れ出した白井透氏。 ウララに1勝させ、ウララ系を繁栄させるという、 血統評論家とは思えない白井ドリームをぶちあげて話題を呼んだ。 引退後の計画はともかく、「ハルウララ一勝プロジェクト」は 第三者の支援を得て、武豊騎乗で勝利をめざすというのは 白井ドリームと共通するものだ。 紆余曲折を経て、安西氏は強奪騒動の原点に帰ったとみるべきか。 その白井氏はあれほど力を入れていたサイトを閉鎖し、 すっかり姿を隠してしまっている。 今回のプロジェクトにも関わっていないようだ。

スターホースは作ろうと思って作れるものではありません。 ハルウララのラストランは武豊騎手が手綱をとることも決まっています。 負け続けのヒロイン、ハルウララこそが、馬と人間の 関係を変える存在になりえるのではないかと 夢みるのは私だけでしょうか。… 「ハルウララ一勝プロジェクト」を一緒に盛り上げて下さい。 今となってはこれほどの仕事を与えてくださった 神様と、これまで出会ってきた馬たちすべてに感謝します。 (安西氏の会報)

ウララの故郷、高知競馬は財政再建から交流競走や 招待レースの取りやめを決めていて、 交流重賞当日に武豊に乗ってもらうというプランは難しくなりつつある。 そもそも、一勝プロジェクトに高知競馬サイドが納得して、 安西氏とラストランへの協力体制を組むことができるのか。 ハルウララストーリーは馬だけではなく、 斜陽の競馬場、貧しくとも優しい調教師、厩務員という パッケージがあってこそ成立する。 タレントに頼った小手先の人気回復策は見当違いも良いところだ。 無償で馬を譲り受けた安西氏がこれまでの非礼を詫び、 高知競馬に手を携えてくれるようお願いする のが正しい一歩だろう。 今月中に開かれるという記者会見で安西氏が何を言うのか、プロジェクトの具体的な中身は何なのか。 よもや有料サポーターの募集などではないだろうが、 とにかく楽しみに待つとしよう。

※これまでの経緯をご存じない方は下記記事をご覧下さい。
>>ハルウララ強奪騒動 泥にまみれた美談
>>安西美穂子氏と白井透氏 "強奪"する側の論理
>>「日経記者 安西オーナー痛烈批判」を読み解く

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2003.12.17

100連敗 ハルウララからのメッセージ

高知競馬、始まって以来の全国的著名馬となったハルウララが、14日、めでたく?デビュー100連敗を達成した。ハルウララは単勝1.8倍の1番人気。先行して見せ場はつくったものの、中盤で力尽き10頭中9着でゴールインした。この日、高知競馬場には通常の3倍という4800人の観客が詰めかけ、東京から応援ツアーも組まれた。高知競馬もこのレースを「ハルウララ100戦記念」と銘打ち、スタンドでは「ハルウララ応援歌」を流す念の入れよう。各メディアも、ハルウララ狂想曲さながら、繰り返し取り上げた。そもそも、ハルウララのニュースは高知競馬の広報がメディアに売り込んでブレイクしたものだから、不振にあえぐ高知競馬としてはしてやったりではないか。

ハルウララの父はニッポーテイオー、母の父はラッキーソヴリン。一部には天皇賞馬の仔と良血のように報道されたが、競馬ファンなら父は種牡馬落第だったのは周知の事実。三石町の小さな牧場で生産された三流馬というのが妥当な評価だろう。気性の激しさを直してほしいとのことから、ハルウララという穏やかな名前がつけられた。当初は生産牧場の服色で走っていたが、地元の馬主へ所有権が移転している。いったんは陥った廃用の危機を救ったのは、管理している宗石調教師の熱意だったという。未勝利馬でも大切に扱い続ける調教師。そこに、斜陽の地方競馬、愛らしい名前、100連敗という響きが加わって、ハルウララブームは巻き起こったのだと言えよう。

地方競馬では2000年にドージマファイターという馬が一般メディアを賑わしたことがある。中央から足利へ都落ちしたドージマファイターは、サラブレッド29連勝の日本記録を達成して「リストラの星」と呼ばれた。住宅ローンを抱え会社にしがみつかざるを得ない厳しい不況。気にくわない上司や理不尽なサービス残業にも文句ひとつも言えない現実。オヤジたちは一発逆転をドージマファイターに夢見ていた。では、ハルウララはどうなのか。100連敗なんて、誰もあやかりたくない記録じゃないのか。

最近は「勝ち組」「負け組」という言葉が流行りだ。軽薄な先物取引や保険勧誘の広告に限って「あなたも負け組から勝ち組へ」などと謳っている。不況下、ちょっとばかり他人より稼いでいる人間のなかには「あなたは勝ち組ですか?」などとしたり顔で聞く者もいる。確かに年収三百万円で暮らせという本がベストセラーになる時代、一億総中流意識は消え去り、経済面だけで言えば勝ち組、負け組の差は広がり始めている。だが、年収二千万円稼ぐのが、本当に人生の勝ち組になる道なのだろうか。必死に収入維持に全力疾走しても、いつ足下を払われるか分からない。もんどり打って倒れたとき、残るものは何なのか。周りを見たらひとりぼっち、誰からも相手にされないかもしれないのだ。

そりゃ、凱旋門賞や日本ダービーを勝てるに越したことはない。でも、そんなことができるのはエリート一握りだ。勝てなくたって、豊かに生きることはできる。いちばん大切なものは、家族との団欒だったり、余暇に使う時間だったり、仕事以外の秀でた一芸かもしれない。競馬界ではハルウララは負け組だ。底辺の田舎の競馬場で1勝もできない。だけど、ハルウララは愛情をかけて世話してくれるスタッフに囲まれ、100回も走ることができた。たくさんのファンの声援を受けた。「人生に勝ちも負けもあるものか、例えあっても誰にも分からぬ」 うわべのだけの"勝ち"にどれほどの価値があるのか、ハルウララはそう投げかけているように思える。

ハルウララは引退後、那須の乗馬クラブで障害馬術用の馬として引き取られることになった。トレーニングするのは障害馬術の五輪代表だそうだ。もし、ハルウララが途中で故障していたら、他の馬と同じように処分される運命だったに違いない。無事是名馬、負けても100回走り続けた。負けることも決して無駄ではないのだ。

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