2007.06.01

映画「ハルウララ」 2年遅れでネット無料配信

渡瀬恒彦、賀来千賀子、竹中直人ら豪華キャストを揃えながら、長らくお蔵入りとなっていた映画「ハルウララ」(監督:森川時久)が、無料ブロードバンド放送のGyaOで放送されることになった。この映画は一昨年の4月に完成し、高知で先行ロードショーが行われたものの、オーナーサイドからのクレームによって全国公開はかなわずにいた。あれから実に2年が経ってしまった。今回、劇場ではなく、ようやくネットで陽の目を見ることになったわけだが、これほど機を逸した公開というのも珍しい。ブームの盛りは過ぎていたとはいえ、製作当時は高知競馬の期待も大きかったかもしれないが、もはや世間の記憶から消えてしまった今では競馬場に人を呼び寄せる効果もほとんどないだろう。

それでも、競馬ファンなら、一度は観ておきたい作品ではある。映画は負け組みの星として人気を博したハルウララと、厳しい厩舎経営を余儀なくされている宗石大調教師との実話がストーリーベースになっている。連敗続きの牝馬を勝たせようと奮闘するスタッフと、そこに芽生える人々の絆。もちろんドキュメンタリーではないが、経済原理だけでは語れない競馬の魅力が詰められているような気がしてならない。こんな曖昧な書き方をしているのは、残念ながらまだ冒頭部分しか観ることができていないから。 GyaOでは6月4日まで無料で視聴可能だということなので、ぜひ腰をすえて観ようと思う。それにしても、出演者、製作陣を始めとして、どれだけ多くの人々の努力が台無しになったのかと考えると、馬鹿馬鹿しい騒動にやりきれなくなる。

>>GyaO 無料動画 |ハルウララ
>>映画ハルウララ オフィシャルホームページ

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.01.18

ハルウララ 立役者たちが振り返るブームの内幕

先月末に発売された情報誌・季刊高知にハルウララブームのきっかけをつくった2人の仕掛け人の対談が掲載された。この記事は「飼い葉桶一杯のリアルワールド」と題されたもので、高知新聞の石井研記者、高知競馬を実況している橋口浩二アナウンサーが、ハルウララが那須へと連れ去られるまでに何があったのかを語る内容となっている。話題の半分は現オーナーの安西美穂子氏に関するものだ。当初から安西氏に不信を抱いていた競馬組合が、馬主になる際に「迷惑はかけない」との念書を書かせていたことなど、当事者ならではのディテールが語られている。

彼女はハルウララ関連の売り上げで競馬組合にすごい儲けがあって、何億円というお金をこっそりプールしていると思い込み、「私のウララを使って儲けているくせに現場が潤っていないじゃない?」と正義のヒロインみたいなことを言いだした。そして、サポートKRAに内容証明を送りつけたり、映画の出演を巡って揉めたという経緯があったんです。(石井記者)

実際、サポートKRAは安西氏が思いこんだほどプール金はなかったが、競馬組合は誤解を解くことができず、馬主の不信感を募らせてしまったと言う。もし、その後の安西氏のエキセントリックな行動を予測できていれば、最初の火種は消すことができたのにと悔いている様子がうかがえる。一方、橋口アナは連れ去りの目的について、安西氏とともに厩舎を訪れた血統評論家の白井透氏が自身のサイトで明かしていた”白井ドリーム”に言及している。

ハルウララを繁殖牝馬にして、それに一流種牡馬をつけて、その子を高く売ろうという計画があった。ハルウララ株式会社を作るというのを当時ぶちあげていたんですね。(橋口アナ) ハルウララを半ば無理やりに連れて帰る時、白井さんは「調教師に止める権利はないんだ」ということを宗石調教師に懇々と言った。エムエイオフィスのスタッフは「警察呼びますよ」ときついことを言うし、それで宗石調教師は最後には捨て鉢な感じになって。(石井記者)

1億円の資本金でハルウララ株式会社を設立すると高らかに謳っていた白井氏。今となっては見てみたかったという気もする。計画性のない基金ではなく、ぜひ自らの資産で実現させてはくれないだろうか。バカバカしい昔話を思い起こさせてくれた当事者の対談だが、メディアやネットで報じられた以上の事実が出てこないところは、遠くから眺めていたブロガーとしては寂しくもあり、逆に書いてきたエントリーが誤った事実に基づいたものではなかったと安堵するところでもある。

当時、負け続ける馬が持て囃される風潮に懐疑的な見方も強かったが、渦中にあったブームの立役者も「なんか違うな」と思いながら、高知競馬を存続させるために踊り、踊らされていたのだと振り返っている。いずれブームは「醜悪な終り」へと導かれるだろうという予感があったそうだ。強奪なる出来事は想定外だったにせよ、それは日経・野元賢一記者の記事でも臭わされていた。「無邪気な祭が終わった後の着地をさせるべき義務を負っていたはずなのに、放り投げてしまった」(橋口アナ)と当事者は顧みているが、高知競馬の状況を考えれば責めることができようか。

僕がウララに傾倒したのは、高知競馬の労働の現場に共感して魅力を覚えたから。その象徴としてウララを書いたんです。でも、全国メディアは高知競馬で労働している人には目をむけていなかったと思う。 …ディープインパクトにかける労働もハルウララにかける労働も一緒だと橋口さんが言ってくれた。 …藤原くんが毎日毎日必死に歩かせていたのは儲かるからではない。… 「飼い葉桶一杯のリアルワールド」なんです。僕と橋口さんが本当に伝えたかったことはそういう事だったんだけど、いつの間にか銭金や、芸能の世界になって、どんどん醜悪になった。(石井記者)

宗石師も藤原厩務員も古川騎手も、日々、安い賞金をいかに稼ぐかという現実と向き合いながら、ハルウララに1勝させてあげたいというロマンチシズムを持ち合わせていたのかもしれない。だが、「ただ刺激的で、騒ぎになる美談を書きたい」全国メディアにブームを仕掛けて成功させた二人は、高知競馬存続のためならと、喜んで代償を差し出したはずではなかったか。嘆くことはない。その選択は例え”醜悪”な結末になろうと、間違いではなかった。高知競馬が今日まで続いてきたのはウララ貯金の恩恵であるからだ。

希望としては、もう一度高知競馬場にウララが来て、ファンの前で顔見せするという幕を引いて欲しいと思いますね。… ウララブームがどうやって盛り上がっていったかということを考えたら、ファンに向かって「どうもありがとうございました」と、顔見せするのが礼儀だと思うんですよ。 …それも出来ないのに、ファンの買ったグッズのお金だけは受け取っていますという状況で、何の礼儀も果たさないというのであれば、これは道義的に責められてもしょうがないかなと。(橋口アナ)

きちんとした形でハルウララに区切りをつけさせたいと願う橋口アナの言葉からは、ファンのためというよりも、最低の別れ方に誘ってしまった彼なりの罪悪感を感じてしまう。しかし、仮に引退式が実現しても、それは贖罪にもハッピーエンドにもならないと思う。高知競馬を立て直して、後世のファンに「苦しかった一時代、ハルウララという馬が最大の危機を救ったのだ」と語り継いでもらえるようにすることが、感謝の念を表わす方法ではないか。ふりむくな、ふりむくな、後ろには夢がない。すべてを裁ち切り、前へ進むしかない。 馬にもオーナーにも応援団長にも、さらば涙と言おう。

※「季刊高知」が全国発売されているかどうかは分からないが、私は偶然、渋谷ハチ公口の啓文堂で見つけた。

| | コメント (4) | トラックバック (2)

2006.05.31

ハルウララ生存確認 週刊プレイボーイ誌上で

もはや世間の記憶から忘れ去られつつある高知競馬所属のハルウララ。去年8月の「ハルウララ基金設立」の記事以来、消息すら明らかでなかったが、週刊プレイボーイという一般メディアでひさびさに姿を現した。記事は「ハルウララからの便り2006」と題されたもので、グラビア3ページに渡って厩舎で飼い葉を食べたり、放牧地を駆け回る様子など 11枚の写真が掲載されている。写真からは元気に暮らしているように見える。取材ライターは名古屋JBCでキャンペーンガールを務めた井上オークス氏だ。

ウララは春の日差しを受け、元気に駆け回っていた。やんちゃに尻っぱねをして蹴り上げた土の塊が、ラチを越えて飛んでくる。肌は10歳とは思えないほどツヤツヤ。ホっとした。ウララはラストランに備えてここで調教を積まれていたが、オーナーの安西美穂子氏いわく、「走らせてあげたかったんですけど…」(週刊プレイボーイ 6/12号)

週刊プレイボーイのグラビア記事 中山競馬場の売店に並ぶウララぬいぐるみ

公式サイトの更新もなく、基金が暗礁に乗り上げてからは情報らしい情報もなかった。今回は「あの人は今?」的な取り上げ方だったが、このような形でしかメディアに出ることはないのだろうか。記事は強奪騒動に端を発する一連のトラブルには一切、触れられていない。ウララのプロフィールには「04年9月に放牧に出されたまま競馬場には戻らず、実質上引退の現在に至る」と記されている。人間のエゴに翻弄された馬だったが、これからは静かな余生を過ごさせてあげたいものだ。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2006.02.14

ハルウララが7000万円!? 馬鹿げたゲームの果てに

「金と灰皿は溜まれば溜まるほど汚くなる」のだそうだ。それでも金は1円でも欲しいのが、悲しき人間の性というもの。だが、 7000万円という額は金銭感覚が世の中とはかけ離れた競馬界にあっても小さな数字ではない。セレクトセールでディープインパクトが落札されたのがちょうど7000万円だった。もし一介の未勝利馬に7000万円の価値がついたとしたら歴史的な出来事だが、それは道理が通らぬというもの。先日、競馬最強の法則にそんな驚くべき記事が掲載された。負け組の星、ハルウララの話だ。

引退後を考え、浦河の優駿ビレッジAERUと交渉したようだが、資金面の問題や、ゴタゴタ続きの現状を考え、AERU側が断った。そこで新たな引き取り先として浮上したのがノーザンファーム。といっても、まさか繁殖牝馬として入るわけではなく、行き先は観光施設のノーザンホースパーク。… 馬主サイドは強気に出たらしい。ハルウララの譲渡金の額は噂どおり、 7000万円。…天下のノーザンF。7000万なんてふたつ返事でOKしちゃうか? とも思ったが、まさかまさか。丁寧にお断りしたという。(競馬最強の法則3月号)

ブームはとうに過ぎ去ったというのに、ハルウララを栃木に連れ去った馬主サイドは高知競馬に歩み寄る気配はない。元はと言えば、安西美穂子オーナーは引退後の余生をみることを条件にウララを無償で譲り受け、多額のグッズ収入を得たはずだった。しかし、うらら基金なるものは頓挫。後ろ盾の森田健作元議員からも三行半をつきつけられ、打つ手すらないというのが現実ではないか。もはやウララは卵を産む鶏ではなくなった。暴騰していたウララ株は上場廃止寸前。 馬鹿げたマネーゲームは終了させるべき時をとっくに過ぎているのだ。

今、ウララを忘れずに心待ちにしているのは、ホリエモンにすら頑張れと声援をおくるピュアな高知の競馬ファンだけだ。馬主サイドは無条件でウララを手放し、高知へ返したらどうか。走ることは無理でも引退式はできる。今後、ウララだけで食っていけるわけではないだろう。いつまでもウララに固執せず、コツコツと真面目に引退馬余生事業に打ち込んだ方が、精神的にも楽になれるはずだ。ノーザンファームとの交渉決裂は「北海道の関係者の間で "ネタ"と化している」(最強の法則)という。ホリエモンと違って小菅にいるわけではない。これから灰皿を洗って、誠実にやり直すこともできるのだ。

| | コメント (4) | トラックバック (4)

2005.12.09

発起人の森田健作 "ハルウララ基金とは無関係"

ハルウララの安西美穂子オーナーと「1勝プロジェクト」を発足させ、自ら応援団長を買って出た森田健作元議員。森田氏は引退後にウララが全国の地方競馬場を巡業する「うらら基金」発起人として、企業に寄付を呼びかけていた。しかし、12月8日、一転して森田氏は自身のオフィシャルサイトに「お詫びと訂正」として、ハルウララ基金の事業とは関係がないとの声明を発表した。 10月下旬、森田氏のサイトに掲示板が設置されると、ウララについての質問や意見が書き込まれ、掲示板は10日あまりで突然、閉鎖されていた。

この度は何の予告もなしに、こちらの都合で掲示板を止めて本当に申し訳ありませんでした。理由は私だけでなく、第三者までもが誹謗中傷を受けてしまう可能性がある為です。掲示板に関してのお問い合わせを送って頂いた方々をはじめ、皆様に多大なご迷惑をおかけしました事を深くお詫び申し上げます。‥ お問い合わせの方でハルウララの件に関しまして色々なご意見を頂きました。一つお断りしておかなければならないのですが、私、森田はハルウララの応援団長であり、事業とは関係ありません。つきましては安西美穂子さんのHPをご覧下さい。(森田健作オフィシャルサイトWEB

ウララ基金の公式サイトでは設立趣旨のページに「ハルウララ応援団長の森田健作氏が発起人となり、当社は、ハルウララ引退後の全国巡業を企画するとともに、今般、『ハルウララ基金』を設立することと致しました」とある。 また、東京中日スポーツ(10月16日付でも「この秋には森田が中心になってキャラバンの資金を集めるための『ハルウララ基金』を設立した」と報じており、森田氏のサイトでも上記記事は掲載されている。基金には「森田との縁もあって後援会長を名乗り出た」(東京中日)モスバーガーを展開するモスフードサービス櫻田厚社長まで引き込んでいる。なぜ、今頃になって森田氏は逃げるように安西オーナーに責任を押しつけ、事業との無関係を強調しはじめたのだろうか。

森田氏のサイトに掲示板が設置されたのは10月の終り。間もなく掲示板には森田氏のタレント活動などに混じって、ウララに関する意見や質問も書き込まれ始めた。その多くは輸送に弱いとされるウララの体調を気遣うものであったり、安西オーナーが高知競馬からウララを連れ去ったことへの批判だった。事業計画や予算がまったく明かされていない基金の不透明性を指摘するものもあった。地方競馬を救うという考えをお持ちであるならまずは高知競馬を救うことから始められるのが筋ではないでしょうか」「具体的な事業の計画等について、基金の発起人である森田さんから説明していただければ」「森田さんにとって大きなマイナスになることは間違いありません。一刻もはやく手を切って下さい そして11月5日深夜、掲示板は何の前触れもなく消えてしまった。

12月5日、森田氏は自身の社会人野球チーム「千葉熱血MAKING」を結成したばかり。もちろん、これは萩本欽一の茨城ゴールデンゴールズの二番煎じであることは言うまでもない。森田氏のマスコミへの露出戦略は一貫しており、世間の話題になっているものにウリである「青春」「熱血」を絡めて話題をつくっていくことだ。以前、拙ブログでも森田氏が女子ボクシングや再々デビューした演歌歌手の応援団長になって、スポーツ紙に取り上げさせていたことを指摘した。ウララの応援団長に就任したのも、そうした活動の一部に過ぎなかった。多少、ウララに関するトラブルは聞いていたかも知れないが、事務所のお膳立てに従って軽い気持ちで引き受けたのだろう。

今回、森田氏サイドが「事業とは関係ありません」と公式にアナウンスしたのは、強奪騒動の経緯を知ったからだけではないと思う。ハルウララ基金という金銭的な活動に関わったことに危うさを感じ取ったからではないか。社会的問題を起こした企業の広告に出演したことで、その関係を批判されるケースが増えている。安易に広告塔になった有名人にも責任があるとの理由からだ。メディア露出だけが目的の森田氏にとって、面倒なトラブルに巻き込まれるのは避けたいのは当然だ。金絡みともなれば、選挙の出馬にも影響を与えかねない。事業計画も公にされず、活動先も決まっていない基金の発起人となったのは軽率だった、せめて事業とは無関係だと先に主張するのが得策だと判断したのではないか。

広く有権者の声に耳を傾けるべき代議士だった森田氏が、ウララと関連性のない書き込みを含めて、掲示板を丸ごと削除したのはお粗末な対応と言わざるを得ない。それも元はと言えば、メディアに名前が出ることなら何でも引き受けてきた節操のなさが原因だ。依然として基金は森田氏の名義を借りて寄付金を集めている。「発起人だが事業とは関係ない」とは、あまりにも無責任な対応ではないだろうか。もし、森田氏が基金の内容について責任が持てないならば、まず発起人を辞すべきだろう。現在、森田氏は「I am 日本人」と題した映画を制作している。新聞記事のために思慮なく発起人になり、都合が悪くなると関係ないと強弁するのが日本人の典型的な姿なのだろうか。同じ日本人として、できることなら映画のタイトルは「I am 日本の元政治家」ぐらいでご勘弁願いたいものだ。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2005.09.11

ウララ強奪騒動から一年 未だ結末は見えず

今月15日、ハルウララ強奪騒動から 一年を迎える。 この間、ウララを連れ去ったオーナーの安西美穂子氏は、 新高崎競馬応援団の仲介で宗石師と会談を持ったり、 元議員の森田健作氏ハルウララ応援団長に就任させたりしながら、 メディアに向けてウララを高知に返すと繰り返し発表してきた。 しかし、愛を持って世話してくれた調教師や厩務員がいる、 ウララの厩舎(おうち)へ戻る見通しは立っていない。 否、レースから遠ざかり、すっかり筋肉は落ちて 繁殖馬のような体型になってしまった9歳馬を復帰させる行為は、 動物虐待に近いと考えるべきだろう。

だが、こんな状況になっても、安西氏サイドは ウララを使った資金集めを諦めていないようだ。 先月、中日新聞には「ハルウララ基金設立」の記事が掲載された。 ウララを連れて地方競馬場を巡業しながら、 企業やファンから募金を求める計画だという。 基金の運用方法などは協議中ということで、 とりあえずお金を集めることだけは先に決めたようだ。

(安西氏は)「基金はウララに、よりいっそうの活躍の場を与えることになる。 ウララの披露巡業で観客が大勢集まり、財政難にある地方競馬が少しでも活気を取り 戻し、ほかの馬たちを救うことにつながればいい」と力を込める。 …「ウララ自身も早く走りたがっている。10月末には引退レースを行いたい」と安西 さん。中央競馬の武豊騎手にも引退レースの騎乗を依頼し、内諾を得ているという。 基金の具体的な運営については、引退レース前のスタートを目指して協議を重ねてい る。基金設立の趣旨に賛同して、協力に名乗りを上げている企業もあると言い、 森田は「こうした企業の協力を仰ぎながら、一般のファンの方にも参加していただけ るような運営方法をとりたい」と説明。(中日新聞)

虫の息の地方競馬場がやっと育てたアイドルホースを連れ去っておきながら、 どこから「地方競馬のために」などという発想が生まれてくるのだろうか。 ウララを無償で譲り受けて、一千万円を超えるグッズ収入を 手にしただけでなく、パチンコメーカーとキャラクター契約を結び、 ヌイグルミを大量発注して、 芸能事務所にプロモーションを委託までした安西氏。 だが、ウララ基金にこれまで儲けたお金が寄せられるとの話は、終ぞ聞かない。 そうした中、先月の高知新聞で、ひさしぶりに 強奪騒動のキャストのひとりの名前を目にした。

待ち合わせの喫茶店にやってきた競馬評論家の白井透さん は、ラフな服に、 温厚そうな眼鏡。ハルウララの話題を振ると、急に言葉を選び、 何度も詰まり、時々黙った。 「だからー、純粋に、休養さして、 勝たしてやりたいと。あのままじゃ、日本中の人に一回も勝てなかった 高知の駄馬と呼ばれ続ける、わけで」 … 馬主の意向で栃木に移送されたのが昨年九月。この時、馬主とともに 東京から連れ出しに来たのが、この白井さんだった。 …本来は競走馬の血統評論の第一人者。 十年ほど前には自身が設立した情報会社「サラブレッド血統センター」の経営が 立ち行かず、別の企業に売却した。どんな理由があったのか、 意気投合した馬主ともすでに関係が切れ、白井さんの夢物語も、とうに雲散霧消した。 (高知新聞8/8『夢物語?』) 

強奪騒動からしばらくの間は、 自身のホームページやギャロップの連載で血気盛んに ウララドリームを喧伝していた白井翁も、 いつの間にかサイトごと姿を消してしまっていた。 最近は馬事通信などで執筆活動を再開したようだが、 その前に強奪騒動の内幕を明らかにし、 素直に過去の清算を行っていただきたいものだ。 当時、絶好調だったウララを「純粋に、休養さして、勝たしてやりたい」と 連れ去ったと強弁するのなら、JRA賞馬事文化賞の名が泣く

あれから一年。世間はウララを忘れ去り、 全国で封切られるはずだった映画は未だに公開されずにいる。 振り返れば、拙ブログで「ハルウララ強奪騒動 泥にまみれた美談」と 題したエントリーを掲載したのは、強奪騒動の翌日のことだった。 しかし、本当に美談が泥にまみれるのは、その後からだったとは…。 この一年、飽きもせず、次から次へと奇々怪々な出来事が起こされた。 一見、強奪騒動は複雑に思えるが、問題の本質はシンプルなものだ。 過去の高知新聞の言葉を借りるなら、 "花咲か爺さん"が満開に育てた後でタダでもらい、 多額のグッズ収入を手にし、連れ去った上に爺さんの悪口を流布した、 ということをどう判断するかだろう。 このバカバカしくも悲しいストーリーの結末は、まだ見えていない。

※これまでの経緯は「ハルウララ問題」のカテゴリーから記事をご参照ください。

| | コメント (2) | トラックバック (3)

2005.05.19

引退レースの目処立たず 迷走止まらぬハルウララ

高知競馬とハルウララの安西美穂子氏の会談(13日都内)について、 15日、高知競馬から公式発表がなされた。 それによると、高知競馬場で引退レース、引退式を行うことは確認されたものの、 時期については合意に至らなかったようだ。

高知競馬場で引退レース、引退式を実現したい考えに変化はありません。 それに向けて、ハルウララの馬体を最優先に 考え、那須のトレーニングセンターで十分な休養を取り、馬体回復を目指してき ましたが、現在、順調に仕上がっており、時期を見て宗石厩舎に帰厩させ、引退レ ースに向けて最後の調整を行う予定とのことです。引退レースの時期については、 全国のハルウララファンが高知競馬場で、また TV等で観戦できる時期を考えています。 (高知競馬ニュースリリース)

テレビ観戦できる時期とはどう解釈すれば良いのか分からないが、 おそらく高知側は来年3月の黒船賞の日を念頭に置いているのではないか。 安西氏が武豊騎乗を譲らないなら、交流レースの日に行う以外にない。 但し、経営的な問題から黒船賞の実施は未定で、行われないことも充分に考えられる。 「各方面に迷惑がかからないように具体化していきます」と高知側が慎重になるのも当然だ。 一方、森田健作氏を応援団長にして、 大々的に行うはずだったウララプロジェクトの記者会見を 延期したことについて、安西氏は「高知競馬さんとウララ復帰の日程調整がうまくいかなかっただけ。 近いうちに改めて会見を開きますよ」(東京スポーツ5/18)と語っている。 この会談で安西氏は「武豊騎乗で10月引退」に固執したという。

ウララのオーナーは、昨年のレーシングプログラムで日程を決めてしまったのではないか、 とも言われている。高知競馬の関係者は 「去年のように10月にも交流レースがあって、その日に武騎手が乗ってくれるとばかり 考えているのではないでしょうか。今年はないのに。 こっちにも予定がありますし大迷惑ですよ」と怒りをあらわにした。 それでも武騎手にこだわるとすれば、ウララの引退レースはいつになるのか。… 「黒船賞の実施OKが出たとしても来年の3月までは無理。それまでに太ってしまったウララの 調教もしなければならないし」(東京スポーツ5/18)

今年度、各地で相次いだ交流レース廃止の動きを全く知らなかったとしたら、 あまりにお粗末な主張としか言いようがない。 そもそも、一度、騎乗しただけの武豊以外の騎手で引退レースをしないのは何故か。 ウララの主戦は古川騎手のはずだ。 最近、安西氏側はウララのヌイグルミを大量に発注したそうだが、 結局、武豊のネームヴァリューを借りてビジネスにしたいだけではないのか。 安西氏はウララを連れ去ったとき、「本気で調整して、勝つことを目指させたい」と広言した。 ならば、人間のスケジュールで決めずに、馬の体調に合わせてレースに出すべきではないか。

まったく勝つ見込みのない高齢馬に中央のスタージョッキーを乗せて、 さも世紀の大勝負のように見せかけるのは、公正競馬の根幹に触れる気がする。 それに、そんな猿芝居に欺かれるほど、世間もお人好しではないだろう。 一連の事件以降、宗石厩舎のサポートやウララ帰還の運動を続けてこられた ♪カフェ・ド・トサジン♪さん は 「もう、このまま引退させた方が、高知競馬や高知県民にとってベターではなかろうか」 として、預託解除にまで言及している。 無様なウララのレースを見せ物にするのは、確かに高知のファンには辛いことだろう。 地元の人々に囲まれながら、引退式だけで幕を引く のが私には最良の方法に思えてならない。これ以上、社会現象を引き起こしたアイドルホースを、 金の醜聞にまみれさせるのは見るに忍びがたい。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.05.14

"ウララ1勝プロジェクト" 記者会見延期の謎

先月、明らかにされた森田健作元議員を 応援団長に据えた「ハルウララ1勝プロジェクト」。 この詳細を発表するため、ウララの繋養されている那須で行われるはずだった 来週16日の記者会見が直前で延期されることになった。 記者会見はいつ開かれるのか、 プロジェクトはどうなるのかは不透明なままだ。 13日、オーナーの安西美穂子氏のサイトには、 会見を開く旨のプレスリリースが掲載されたばかりだった。

報道関係者各位  ハルウララ“夢に向かって”プロジェクト 立ち上げ記者会見のお知らせ  現在休養中のハルウララですが、おかげ様で体調も良くなり、 このたびラストランを迎えさせるため、 『ハルウララ“夢に向かって”プロジェクト』を立ち上げることとなりました。 応援団長には、元衆議院議員で俳優の森田健作氏が就任。 当日は元気になったハルウララ号、オーナーの安西美穂子氏とともに会見に出席いたします。 会見ではプロジェクトの内容を発表、オグリキャップをはじめ、 先日の桜花賞、NHKマイルカップを制したラインクラフト等、 数々の名馬を調教し、このたびハルウララの調教に騎乗した中央競馬瀬戸口厩舎所属、 辻本光雄助手も駆けつけ、ハルウララの公開調教を行なう予定です。 お忙しいとは存じますが、ご取材のほどよろしくお願いいたします
★とき 5月16日(月)午後12時30分開始(正午集合)

ところが、急転直下、同じ日にこのリリースは消され、 「記者会見ですが、都合により延期とさせていただきます」との告知に 差し替えられてしまった。このリリースは多数の報道関係者にもFAXで送付されているようだ。 注目すべきは中央の調教助手がウララの調教を行っていた という下りだ。 中央の調教師や騎手は競馬法によって、地方競馬所属の馬を 調教することが禁じられており、免許取消事由に該当する。調教助手、厩務員もこれに準じると聞く。 今月、テレビのニュース番組でも安西氏は 『プロジェクトには中央の調教師も招聘する』と発言していたが、 安西氏は競馬関係者なら誰でも知っている常識を持ち合わせていなかったのかもしれない。

安西氏は16日の会見に向けて、やはり13日に高知競馬組合と会談している。 議題はウララの帰還問題についてだろうが、 武豊鞍上で引退レースをさせたがっている安西氏サイドは、 高知競馬に交流競走を開催するよう求めたのではないか。 おそらく高知競馬は開催に否定的な返答をしたと思われるが、 席上で中央の関係者が地方馬を調教することの問題点を指摘したことは十分に推測できる。 名前を出された辻本助手は、事前に発表することを知らされていなかったか、 安西氏と同じように規則を知らなかったかだろう。 今春、波に乗っている瀬戸口厩舎に水を差すことにならなければ良いが。 ライターの花岡貴子氏のブログによれば、高知競馬は15日にも 会合の結果を発表するよう。ひとまず推移を見守りたい。

※ハルウララに関して検索エンジン経由でお越しになる方が非常に多いので、新たに 「ハルウララ問題」のカテゴリーを設置しました。今までの記事をお読みになりたい方はどうぞ。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2005.05.05

ハルウララ1勝プロジェクト 応援団長に森田健作氏

ハルウララをいったん世間に戻すため、高知でラストランを迎えさせるため 「ハルウララ一勝プロジェクト」を立ち上げます。有名政治家、芸能人の応援者もいます。 …そして、「ハルウララ一勝プロジェクト」をマネジメントしてくれる会社が、 いよいよJRAに動くことになりました。… 今こそJRAにハルウララを応援してもらう べきという主旨から、スポンサードをお願いするそうですが、 皆様の中でこの件に賛同する方がJRAに直接何らかのアクションを見せていただければ、 実現性も高まると思われます。(おうちへ帰ろうクラブ会報)

人気の絶頂期にウララを無償で譲り受ける幸運を得た安西美穂子オーナーだが、 自身の起こした高知競馬からの強奪騒動の影響で連載打ち切り、 出版中止など窮地に立たされている。 その安西氏が起死回生策として打ち出したのが、 4月14日付け記事で詳報したハルウララ1勝プロジェクトだった。 この企画は会報で明らかにされ、4月中に記者会見を行うと予告されていた。そして、 大々的とはいかなかったようだが、一部スポーツ紙に1勝プロジェクトが掲載され、 「有名政治家、芸能人の応援者」の名も明らかにされた。

113連敗中の人気牝馬ハルウララ(9歳)が10月に高知競馬で引退レースに臨むことが3日、 分かった。今月中旬には森田健作氏を応援団長に迎えた「ハルウララ1勝プロジェクト」が発足。引退レースまで1走し、万全の態勢を整え、初勝利をかけたラストランに向かう。 …ウララの所有者・安西美穂子オーナーが、低い下馬評を覆し、 当選候補に肉薄した森田氏の戦いぶりに注目。白羽の矢を立てたものだ。 森田氏も「選挙で敗れ、負けることの痛みが身に染みた」と言い、 負けても負けても挑戦し続けるウララの生きざまに共鳴。団長就任を快諾し、 あの甲高い声でウララを奇跡の走りへサポートするつもりだ。 (デイリー)

「おれは男だ!」など青春ドラマや映画で知られる森田健作氏は、 平成4年に参議院議員に当選。タレントから政治家へ転身を果たした。 平成12年には比例転出を拒否して無所属で衆議院議員(東京4区)に立候補、当選して話題になった。 その後、埼玉県知事選へ出馬を表明するも叶わずに引退。 今年3月、千葉県知事選に出馬して政界復帰をめざしたが、僅差で現職に敗れている。 選挙で負けた森田氏がウララに自らの姿を重ね合わせたとデイリースポーツは書いているが、 果たして森田氏はこれから何連敗するつもりだろうか。 これまで森田氏と競馬の接点は見当たらないが、 見ず知らずの分野でも応援団長を務めるのは珍しいことではないようだ。

「今日子お前に」で再々デビューを飾った山口あゆみに、強力な応援団長が出現した。 同曲を有線で聞いた参院議員の森田健作が、「なんて素晴らしい声だろう。 聞けば33歳で再々デビューという苦労人なのも気に入った」 と所属事務所「MCJ」にバックアップを申し入れたもの。 …「頑張れよ。君のような苦労人は報われなけりゃいけない。 出るクイは打たれるけど、出過ぎたクイになって見返してやれ」(92' スポニチ)
プロシードが企画・運営する「女子ボクシング ファイティングガールPart3」の 記者会見が行われた。会見には初代コミッショナーに就任した「青春の巨匠」森田健作衆院議員をはじめ メーンイベントに出場する日本フェザー級王者・ライカ、豪州からの3選手が出席。 森田は「みんなきれいな顔をしているのに、本当に殴り合うんだから凄い。 オリンピックの種目になる可能性も高いし、これからも女子ボクシングを応援していきたい」 と ゛応援団長゛になることを約束した。 (03' moov 芸能一直線)

蛇足だがウララ1勝プロジェクトを詳報したデイリースポーツは安西氏の 配偶者が記者として勤務しているメディアであり、 プロシードは安西氏がウララのプロモーションに関して契約を結んでいる芸能事務所である。 政治家としては浪人中の森田氏サイドにとって、 全国的な知名度のあるウララの応援団長に形ばかりとはいえ就任することは、 話題作り、メディアへの露出という意味では悪い話ではない。 付き合いのあった芸能事務所からのアプローチなら、受け入れやすいということもあっただろう。 ただ森田氏サイドが強奪騒動以降の一連の出来事を把握しているとは感じられない。 5月16日、森田氏と安西氏はウララのいる那須 トレーニングファームで会見する。高知競馬場も訪れる予定があるそうで、 どこまでプロモーションに関わるつもりなのか、どの程度の現状認識で協力することになったのか 注目してみたい。 森田氏のオフィシャルサイトから質問をぶつけてみる手もあると思う。

安西氏はウララの引退レースをJRA交流レース「黒潮盃」が行われる10月某日に 設定しているらしい。武豊騎手に再び騎乗を依頼するためだと言う。 そのため、9月に高知へ帰厩、一叩きして引退レースに臨むスケジュールを立てている。 だが、そう簡単に事が運ぶとは考えられない。 前回の拙記事でも言及したように、 高知競馬は財政難からJRA交流レースを取りやめることにしており、黒潮盃が行われる可能性は低い。 また、ウララは増えすぎた馬体を絞っている最中だというが、 これほど休ませた高齢馬をレースで勝負できるまで再調教するのは楽なことではない。 一説には60キロ以上も増えいると聞く。 第一、受け入れ先の高知競馬との和解はどうなったのだろう。 1月に帰厩させる約束を反故にされた高知側からは、 「馬のためにもう引退させるべき」との三行半を突きつけられている。

メディアと芸能人(政治家?)とタイアップして、 何としてもウララを復帰させたいと画策する安西氏。 「警察を呼ぶぞ」「この調教師風情が!」こう言って 無理矢理、調教師の元からウララを連れ去った去年9月、 安西氏は「(高知競馬は)みんな大変だから馬のことを考えてない」と記者会見で言い放った。勝てない無名馬を大切に世話してきた調教師、厩務員に対して、 人気が出てから無償で譲り受けた馬主が公の場で断言するのだから、 ウララへの愛情は余程のものなのだろう。だとしたら、 高齢馬にハードな調教を課す危険なことはやめて、引退させて後生大事に繋養したら どうか。それともウララを走らせて、すがり続けなければならない理由があるのだろうか。 高知競馬がウララを酷使して命が危ないのではなかったのか。 「大変だから馬のことを考えていない」、天を仰いで吐いた唾は自らへ降りかかってくる。

>>森田健作オフィシャルサイト・お問い合わせ

| | コメント (5) | トラックバック (5)

2005.04.14

"ウララ一勝プロジェクト" 安西美穂子氏の起死回生策?

おうちへ帰ろうクラブの皆様へ
拝啓 桜の開花宣言もあって、本格的に春の到来を感じる今日この頃、 お元気でいらっしゃいますでしょうか。 「フォレスト・ガンプ」、「アルマゲドン」以来、 数年ぶりに映画館で映画を見ました。 「レイシングストライプス」です。 もう底抜けに明るい映画で、笑い泣きしながらハッピーになれました。 是非皆様もご覧になって下さい。 私もあと3回は見ようと思っています。

これはハルウララオーナー、安西美穂子氏が ファンクラブの会員に向けて、 4月3日付けで送付した文書の冒頭部分だ。 今年になって発刊するはずだった 「ラスト・ラン ハルウララ物語 ~プライド~」は出版中止に、 さらに週刊Gallopの「ハルウララとの日々」も連載が 打ち切られるなど、一連の強奪騒動以降、 安西氏は厳しい状況に追い込まれている。 自身も「理不尽な圧力で本業の本さえ奪われ、 精神的な打撃を受けただけでなく、経済的にも どん底まで追い詰められました」と語るほどだ。 そんな四面楚歌の安西氏から一転、 「ハルウララはいよいよセカンドステージに突入します」 「4月中に記者会見を行います」と威勢の良い言葉が飛び出した。 いったい何をしようというのか。

ハルウララをいったん世間に戻すため、 高知でラストランを迎えさせるため 「ハルウララ一勝プロジェクト」を立ち上げます。 有名政治家、芸能人の応援者もいます。 …そして、「ハルウララ一勝プロジェクト」をマネジメント してくれる会社が、いよいよJRAに動くことになりました。… 今こそJRAにハルウララを応援してもらう べきという主旨から、 スポンサードをお願いするそうですが、 皆様の中でこの件に賛同する方がJRAに直接 何らかのアクションを見せていただければ、実現性も高まると思われます。

安西氏は1月に新高崎競馬応援団の仲介で、 宗石調教師と境町トレーニングセンター(群馬・伊勢崎)で 話し合いをし、高知にウララを戻すことで合意したと報道された。 しかし、その後、安西氏は高知に全く戻す気配を見せず、 痺れを切らした高知側からは「引退させてもらってけっこう」との反応も出ていた。 長い休養の間にウララの価値は急落、 出版活動もままならない中、安西氏の打つ手はなくなっていった のは想像に難くない。そこで思いついた起死回生策が、 「ハルウララ一勝プロジェクト」なのだろう。

まず、政治家、芸能人、JRAの後押しを受けて 再びマスコミに話題にしてもらう。 安西氏単独ではできないから、バックボーンが欲しいということか。 安西氏はラストランまでの過程で 様々なイベントを打ち、ウララを ショーアップしていく思惑ではないだろうか。 政治家や芸能人はピンキリ。 安西氏は芸能事務所(プロシード)と契約を結んでいるのだから、 いくらでもツテはある。だが、 イメージ戦略を大切にするJRAが、高知競馬の意向も聞かず、 騒ぎを起こした安西氏とタイアップするとは考えられない。 安西氏サイドに秘策はあるのだろうか。 ところで、このプロジェクト名を聞いて、 すっかり忘れていた話を思い出した。

休養を兼ねて北海道に送り、青草を食べさせ、英気を養う。 トレセンで調教する。来年、今年走ったレースで、 再び武騎手に騎乗依頼し、必勝を期す。 勝ったら繁殖に上げて子供をとる。 …もし、一流の種馬を10年配合すれば、 中には走る馬が出てくるだろう。上手くいけば、 子供から孫へとハルウララ系をつくることもないとはいえない。 … このストーリーを成し遂げるには、ハルウララを現物出資し、 同時に出資を募り、株式会社ハルウララを設立することだ。 …私はこの会社は、資本金1億円ぐらいからスタートする必要が あると思う。…この方法ならば、ハルウララを確実に勝たせ、 シンデレラストーリーを完結させ、そして発展させることができる。 (白井透・ハルウララ日記より)

ウララを安西氏とともに宗石厩舎から連れ出した白井透氏。 ウララに1勝させ、ウララ系を繁栄させるという、 血統評論家とは思えない白井ドリームをぶちあげて話題を呼んだ。 引退後の計画はともかく、「ハルウララ一勝プロジェクト」は 第三者の支援を得て、武豊騎乗で勝利をめざすというのは 白井ドリームと共通するものだ。 紆余曲折を経て、安西氏は強奪騒動の原点に帰ったとみるべきか。 その白井氏はあれほど力を入れていたサイトを閉鎖し、 すっかり姿を隠してしまっている。 今回のプロジェクトにも関わっていないようだ。

スターホースは作ろうと思って作れるものではありません。 ハルウララのラストランは武豊騎手が手綱をとることも決まっています。 負け続けのヒロイン、ハルウララこそが、馬と人間の 関係を変える存在になりえるのではないかと 夢みるのは私だけでしょうか。… 「ハルウララ一勝プロジェクト」を一緒に盛り上げて下さい。 今となってはこれほどの仕事を与えてくださった 神様と、これまで出会ってきた馬たちすべてに感謝します。 (安西氏の会報)

ウララの故郷、高知競馬は財政再建から交流競走や 招待レースの取りやめを決めていて、 交流重賞当日に武豊に乗ってもらうというプランは難しくなりつつある。 そもそも、一勝プロジェクトに高知競馬サイドが納得して、 安西氏とラストランへの協力体制を組むことができるのか。 ハルウララストーリーは馬だけではなく、 斜陽の競馬場、貧しくとも優しい調教師、厩務員という パッケージがあってこそ成立する。 タレントに頼った小手先の人気回復策は見当違いも良いところだ。 無償で馬を譲り受けた安西氏がこれまでの非礼を詫び、 高知競馬に手を携えてくれるようお願いする のが正しい一歩だろう。 今月中に開かれるという記者会見で安西氏が何を言うのか、プロジェクトの具体的な中身は何なのか。 よもや有料サポーターの募集などではないだろうが、 とにかく楽しみに待つとしよう。

※これまでの経緯をご存じない方は下記記事をご覧下さい。
>>ハルウララ強奪騒動 泥にまみれた美談
>>安西美穂子氏と白井透氏 "強奪"する側の論理
>>「日経記者 安西オーナー痛烈批判」を読み解く

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2005.01.06

ハルウララ 強奪後、高知に初帰郷へ

栃木県の牧場に強奪、移送されていた ハルウララが、今月中に高知競馬場へ戻ることが明らかにされました。 4日、宗石調教師安西美穂子オーナーが 会談しました。その席上で安西氏サイドより 「宗石さんが栃木県に来てハルウララの健康状態をチェックし、 出走できると判断した上で1月中に高知に戻したい」と提案。 宗石師も「いつまでも馬主と調教師が言い争っていても誰の利益にもならない。 ぜひそうしていただきたい」と応じたそうです

>>高知新聞「ハルウララ月内高知へ 宗石さんと馬主が合意」

ハルウララは150日以上出走申し込みがないため、能力検査を受けなければなりません。 さすがに公正競馬維持の観点から、衆人環視のもとでハルウララを特別扱いすることは できないでしょう。 宗石師は3月の引退レースまでに2戦は走らせたいとの意向を示していて、 高知に帰って再び調教を積むことになりそうです。ところが、 安西氏は会談後も、高知競馬を批判する文章を繰り返しネットで 公開しています。そのほとんどがグッズの取り分に関わる内容です。 もはや、いちいち指摘するのも嫌気が差しますが、 ハルウララを強奪したのは金銭的要求のため と自ら広言しているような文章です。 (暇ができたら懲りずに検証してみますか)。 ちなみに12月28日の高知新聞に興味深い記事が掲載されました。 「ハルウララグッズで得た利益の使途が不明」「私は利用され、だまされた」 と一般メディアで高知競馬と宗石師を非難する安西氏への反論としています。

グッズの権利をめぐって内容証明書を送り付け、 周囲には「私のウララで稼いだ巨額を現場に回さず、こっそりプールしているのでは」 などと言いだした。これが事実なら怒るのは無理からぬことだが、 実は全く根拠のない話。 …馬主はハルウララの馬主資格も得ていない昨年からオーナー会員を募り、 引退までは月会費をニンジン代に使うと金を集め ておきながら、 財務内容は出資者にも明らかにしていない。 …3月には「ハルウララ」の名称で商標をちゃっかり出願し、 これまた名付け親の調教師にも、地元関係者に断りすらない。 考えてもみてほしい。貧しい競馬場で弱い馬を走らせ続け、 枯れ木に花を咲かせたのは調教師であり、厩務員たちだ。 「花咲かじいさん」が満開に育てた後で無償でもらい、 半年で700万円以上のグッズ権利金を手にし、 連れ去った揚げ句に「高知競馬は馬を酷使している」。 あんまりじゃない?と思うのは無理からぬこと。 馬主側の財務内容こそ明らかにしてもらいたい。 (夕刊話題・使途不明?)

記事では高知競馬側(KRA)は契約書通りに権利金を支払っているのに、 安西氏から内容証明などを用いて不当な要求をされているとしています。 また、非常に注目されるのは、馬主資格を得る前から オーナー会員を募り出資者を集めていたと指摘している点です。 出資者との間でどのような契約を交わしていたか 詳細を検討しなくてはなりませんが、 一般には競馬法にも関わりかねない行為です。 収益の分配、出資馬の元本、運用の形態、解約によるファンドへの影響など、 私たちがクラブの一口馬主となる際にも細かな契約書が必要です。 地方競馬ではクラブ馬主は認められていませんから、 果たしてハルウララのオーナー会員が法的にどのような位置づけが なされているのか、明らかにしてほしいところです。 出走賞金及び賞品等について何ら契約がないのなら、 道義的な問題になるのでしょうが。

ともあれ、高知市民と厩舎スタッフの手にハルウララが帰ってくるのは 喜ばしい限りです。 今後ともハルウララを巡る動きに注視することは必要でしょうが、 これまでの鬱憤を晴らす走りをラストランまで期待したいですね。 今回、宗石師と安西氏の会談を実現させたのが新高崎競馬応援団です。高崎競馬の馬主と存続派調教師を中心に 活動されているとのことで、地域の身の丈にあった新しい形の競馬場開設へ 準備を進められている模様です。この日の会談は新高崎競馬のイベントの一部として行われました。

新高崎競馬応援団のブログによれば、 当初「各方面の競馬関係者の方々に支援を求めるメールをお送りした」ところ、 安西氏からハルウララをイベントに参加させても良いとの返事が来ました。 ところが、「休養させると強奪されたハルウララがなぜ他場の イベントに参加できるのか」とネットの良識あるファンの猛抗議を受け、 ハルウララには辞退してもらうことになりました。 その結果、呼ばざるを得なくなった安西氏とバランスを取るために 宗石師にも来てもらうことになったというのが事の顛末ようです。 今回はケガの功名でしたが、高知帰還へ上手い役割を果たしてくれたのでないでしょうか。 こちらもハルウララ同様、 遠くからですが見守らせて頂きたいですね。

| | コメント (5) | トラックバック (4)

2004.10.17

第2次ウララ戦争! 安西氏と高知新聞が全面対決 後編

高知新聞「ウララ馬主」と題する短いコラムが 掲載されたのは今月8日のことだ。 強奪騒動後、ハルウララ関連記事や読者投稿欄で チクリとやったことはあっても、 正面から安西美穂子氏を批判したのは初めてだった。 ブーム以前から宗石師とウララを見守ってきた地元紙記者。 彼らにとって糊口をしのいで高知競馬を盛り上げようと努力してきた 関係者が、一部のスポーツ紙や週刊誌から 中傷を受けるのは耐え難いことだったに違いない。

ハルウララの馬主はもともと北海道の生産者だった。… 今の女性馬主が高知競馬に顔を見せ始めたのは、すでにウララ人気に火が付いている昨年夏のことだ。 …宗石さんは「引退後は引き取る」との申し出にほだされたのか、 ほかにも希望者がいたにもかかわらず、彼女との口約束を律義に守り続けて、三月に無償でハルウララを譲った。 そうした経緯を私たちは、実は冷や冷やして そばで見てきたのだ。この女性は馬主にもならないうちから インターネットで自分の団体の宣伝にハルウララをしきりに使ったり、 現地集合、現地解散の高額な「高知競馬ツアー」を開催したり。 馬主資格が得られた数日後には、待ち構えていたように「ハルウララ」の名称で商標登録を申請。 ほかにも「ハルウララカー」(自動車か?)なる商品やお守りやステッカー、加護用札などを次々に出願している。 …「馬主の自由」と言われれば逆らえまい。せめて高知の人たちだけは、 言いたい言葉をのみ込んでいる、宗石さんらの気持ちを察してあげてもらいたい。 (高知新聞「話題」)

白井透氏は「人の良い安西氏が断り切れずに馬主になった」と 述べていたが、高知新聞は「ほかにも希望者がいた」と明確に書いている。 宗石師が安西氏に無償譲渡を決めたのは「口約束を律儀に守った」からだと言う。 安西氏の引退馬繋養事業を信頼したからかもしれない。 この辺りは宗石師の実直な人柄を考えれば想像もつく。 だが、現地集合のツアー(17000円)や間髪入れぬ商標登録も併せれば、 安西氏は全くのボランティアの意思でウララを引き取ったというわけではなさそうだ。 いずにせよ結果的には「冷や冷やしてそばで見てきた」記者たちの直感のほうが、 正しかったということになる。そして13日、 安西氏はこのコラムには 「なんとしても安西美穂子を悪者にしようという意図がある」として、 高知新聞に抗議文を送付した。

今回の記事のように、ハルウララの馬主に対する悪いイメージを植えつけること、 すなわち、ハルウララのイメージをダウンさせることは、高知県にとって、 何かプラスになるのでしょうか。 高知の地元メディアによって、馬主に対する悪いイメージを植えつけられた今の状態のままでは、 ハルウララを高知に戻す事はとても出来ません。 …もし、貴社が、今回のハルウララの休養放牧に関するやりとりを、 「ひどい馬主」と「かわいそうな調教師」との間の争いに仕立て上げ、 読者に同情を求める意図があるのならば、読者をあまりに馬鹿にしていると思います。
当社は、貴社に対し、以下のことを求めます。 (1)石井記者の記事掲載に関し、責任者から安西美穂子及び当社に対して、直接謝罪すること。 (2)同記事により、読者に対し、安西美穂子に関する誤ったイメージを与えた事について、紙面にて謝罪すること。 (3)私情をはさまない記者が、安西美穂子及び広田龍馬 (現在、ハルウララが休養中の那須トレーニングファームにおけるハルウララの管理者)に取材を申し込み、 ハルウララの現状を正確に伝えること。 (高知新聞社への抗議)

安西氏の主張によれば、 地元新聞が馬主のイメージダウンを行ったので、 ウララを高知へ帰すことができないということになる。 主催者である高知競馬がというのなら分かるが、 一メディアに過ぎない高知新聞の報道と帰厩問題がどうリンクするのか私には理解できない。 また、安西氏は高知新聞に謝罪と謝罪文の掲載を要求している。 通常、メディアの謝罪というのは、名誉毀損やプライバシー侵害の行為に対して行われるものだ。 今回、安西氏が問題としているのは「全体を通してイメージを低下させた」点であり、 「他にも譲渡希望者がいたこと」、 「次々と商標登録をしたこと」、 「現地解散の高額なツアーを行ったこと」などについて 記事の真実性を争う姿勢はないようだ。 ウララは全国的な話題となった社会的関心の高い事象であり、 公益性に富んだ題材だと言える。とすれば、 高知新聞がウララに関連した 事実を評論して記事にすることに違法性を見出すのは難しい

安西氏は「私情をはさまない記者」の取材を望んでいるが、 そもそも記者の私情のみによった記事を新聞社が掲載することはなく、 署名記事か否かに関わらず、 このコラムは高知新聞社の公式見解だと捉えることは当たり前である。 安西氏は「なぜ馬主の名前を実名で書かないのか」 「まるで悪意のあるインターネット上の掲示板での書き込みのよう」 といぶかしがるが、 むしろ、これは氏の名誉を尊重してのこととではないのだろうか。 続いて抗議文は安西氏の健康診断を高知新聞が取り上げないことに矛先を向ける。

獣医による触診の結果、ウララは腰が弱く、 さらに、長期間にわたって無理をしていたことが 蓄積したとみられる股間節の筋肉疲労がかなり進んでいること、も分かりました。 …すなわち、あのまま休養放牧に出さず、走り続けていたとしたら、 ハルウララは競走能力を失っていた かもしれないほど、危険な状態にあったことが分かったのです。

獣医の診断については前編で触れたが、 競走能力を失っていたかもしれないとは看過できない表現だ。 肺出血の兆候や屈腱炎でも見つかったのだろうか。 高知新聞のコラムで安西氏が最も怒りを爆発させたのは、 ウララを使って金儲け をしていると書かれたことらしい。 抗議文はその反論で締めくくられている。

貴社の関連会社である株式会社高知新聞企業は、 ハルウララの記念切手を発売なさっておりますが、 当社は、ハルウララのグッズを一つも作ったことがございません。 …馬主がハルウララで商売をしようとしていることが悪いことのように書かれておりますが、 もし、馬主が所有馬で商売をしていたとしていたら何かいけないのでしょうか。 …当社は、株式会社です。お金を稼がなくては所有している馬たちを養っていくこともできません。 所有している馬を使っての収入も得ることも、会社として成り立っていくため、 そして所有している馬たちの生活を支えるために、必要なことなのです。

高知新聞は株式会社の営利活動が悪いとは述べていない。 指摘されているのは、「引退後の余生をみる」と約束して無償譲渡を受けた立場にもかかわらず、 高知競馬と宗石師からハルウララを連れ去り、 多額のロイヤリティ(700万円以上)や 高額な現地集合ツアーを組んで利益を得ていることだ。 安西氏は「株式会社としてお金を稼がなくては所有している馬たちを養っていくこともできない」 と言うが、ウララはエムエイオフィスの引退馬繋養事業を維持させるために 無償譲渡されたのではないはずだ。 コラムは 「宗石さんらの気持ちを察してあげてもらいたい」と結んでいるが、 拙サイトに寄せられたメールから2通ほど紹介したい。

「なんとか 今まで世話をしてきた厩務員さんや調教師さんの手に 戻してあげることはできないのでしょうか?馬だけを見つめて生活してきた人たち (正直な田舎者)が何もしらないのをいいことに  (強欲な都会者)が彼らを騙して横取り してったみたいです」 「全国放送のTVは高知競馬が悪者と思わせるような内容ばかりですね。 …安西オーナーがしたことは ハルウララの人気で、やっと競馬に目を向けてくれた多くの人達に ただ不信感を与えてしまったというだけですよね。… 馬たちがしゃべれたなら・・・とつい思ってしまいます。 公の前で馬の言葉をでたらめ翻訳をして、平気な人間もいるんだ、と 今回のことで勉強致しました」

今月には高知の競馬ファンによる 「ヘイ、ハルウララ♪ カムバック コウチ !」 が開設された。 このサイトによれば、今月24日、安西氏の主宰するクラブの会員を対象に 2万円で「ハルウララツアー(ディナーショー付)」が行われる予定だという。 ストレスで敏感になっており人前には出せないと公言していた安西氏が、 まさかこのようなツアーを組むとはにわかには信じがたいが、 本当なら驚くべきことだ。否、 安西氏によればウララは競走生命を奪いかねないほどのひどい状態だから、 当面は静かな環境で休養を与えられると信じたい。

一方、当の安西氏は一連の騒動の心労で療養中だという。 高知新聞に謝罪文を求めたヒステリックな対応をみると、 安西氏もウララ同様、人前に出ずにゆっくりとリフレッシュされる ことが必要なようだ。失礼だが、 支離滅裂な抗議文からは、 文筆家生命を失うほど危機的な状態にあるのではと心配になってしまう。 全国メディアでネガティブキャンペーンを繰り広げられた 高知競馬と宗石厩舎と同じ痛みを感じているのだろうか。この際、 安西氏は思い切って、ウララを手放して高知へ返し、 競馬界ともご縁を切られてはどうか。 安西氏の手を離れても、ウララを面倒見てくれる牧場や施設は必ず見つかる。 これは安西氏の体調を思っての本心からの忠告だ。 純朴な競馬主催者らを手玉に取ったメディア戦略は、第二次ウララ戦争、 高知新聞との対決では見るべき陰もない。

| | コメント (7) | トラックバック (2)

2004.10.14

第2次ウララ戦争! 安西氏と高知新聞が全面対決 前編

ハルウララを栃木に連れ去られて、 意気消沈の高知競馬。強奪騒動の当初こそ、 宗石調教師や高知競馬は安西美穂子氏の行動を批判したものの、 「酷使され続きのハルウララを競馬場から救った善人馬主」という 一般メディアの論調を受けて沈黙を余儀なく させられてしまった。 ネットでは高知競馬擁護論が大勢を占めているが、 世間では全く情勢は逆だという事実を忘れてはならないだろう。 安西氏サイドはハルウララ放牧後、 一般メディアで金銭問題など高知競馬のイメージを損なう批判を繰り返してきた。 フライデーなどに掲載された 「ハルウララ健康診断」の記事はその最たるものだろう。 内容は地元の宇都宮競馬の武田孝造獣医師に診断を行わせた結果、 ハルウララの肝機能の低下や数値の異常が発見されたというものだ。 高知競馬が金のために走らせすぎたということが仄めかされている。

血液学、生化学検査の計14項目中、5項目でウララに異常が見られた。 白血球数13300/立方ミリメートルは、通常なら7000~8000で 同獣医師は 「かなり高い。化のう疾患、風邪、筋肉疲労があるが、筋肉疲労の可能性が高い」という。 ほかにも、肝機能を示す指数など高い数値を記録。 「ここ数か月の悪化でなく、かなり以前から肝機能が低下していたと思われる。 能力に影響を及ぼしているだろう」と同獣医師。 触診結果でも両腰、特に股関節周りの筋肉に疲労がみられ、 精神的なリラックス、馬体がゆるまない程度の軽めの調教、筋肉の炎症を治す投薬が必要と話した。 (報知)

私は獣医学のことは分からないが、 白血球や肝機能から現役競走馬の健康を診断しようという試みは初めて聞いたことだった。 こうした数値が慢性的な疲労を明らかにするものならば、 ぜひ移送前の数値、休養後の数値、他の現役競走馬の数値との比較も知りたいところだ。 アスリートとして鍛えられる以上、競走馬の筋肉に疲労がないほうが不思議だろう。 本来、競走馬は自然な状態からかけ離れたところで調教されており、 慢性的な疾患や脚元の不安、ストレスから生じる胃潰瘍など、 何らかの症状を抱えていることは珍しくない。 調教師の腕はそうした馬を如何に走らせるかで評価される。 第一、ベストな健康状態を維持できなくなったからといって調教を諦めてしまえば、 それは廃馬、つまり殺処分されることになる。 もし、獣医師の言うように数年来からハルウララの体調が芳しくないのなら、 そんな馬を100戦も無事に走らせてきた宗石厩舎のスタッフこそ一流だということではないか。 ともあれ、こうした安西氏側のマスコミへのリークは 「強奪」の正当化を意図するものとしか考えられず、 高知競馬の立場を貶める結果を生むことになった。

一方的に高知競馬を悪者にする報道に耐えかねて、 寡黙な高知市民もハルウララを呼び戻そうと署名活動を行うなど声をあげはじめた。 そんな高知市民のオピニオンリーダー的存在となっているのが 高知新聞だ。 存続の危機に立たされた高知競馬を仔細にルポした 長期連載 「高知競馬という仕事」 は大きな反響を呼んだ。実は ハルウララブームの仕掛け人となったのも、高知競馬広報と高知新聞記者だった。 ブームを生み、社会現象になるまで育て上げた当事者と言っても良いだろう。 最近、紙面の投稿欄には相次いでハルウララを返してほしいという 悲痛な市民の声が載せられている。その中のひとつを抜粋したい。

昨夏、報道でウララを知ったあなたが高知に来て、 「引退後のウララを引き受けたい」という申し出をされたのを受け、 人一倍優しい宗石調教師としては、 引退後のウララの余生が保証された(命が守られる)ことを喜び、 あなたに「よろしくお願いします」と言ったはずです。 …もらったからには自分の物だと、 馬主の地位と権利を振りかざして、警察を呼ぶとまで言って、 大切に守ってきた宗石さんの元から無理にウララを連れ去っていく、 そんなことが許されるのですか。 …「高知競馬がもうけのためにウララをこき使っている」といった情報を流し、 さも正当な行いをしているのだと装われています… 金や欲にまみれさせては、 これまで築いてきたウララ伝説が台無しになるのではと、危惧しています。 (高知新聞『声ひろば』より)

全国的な風潮はともかく、やはり地元市民の思いは高知競馬側にあるようだ。 そして今月8日、ハルウララ担当記者による 「ウララ馬主」 と題された安西氏の批判記事が掲載された。 一般メディアの正面切っての馬主批判は日経の野元賢一記者に次ぐものだが、 今回はブーム以前からハルウララを傍で取材しつづけた記者によるものであることから、 安西氏も相当、泡を食ったようだ。 安西氏は高知新聞に謝罪を求める文書を送付し、両者は全面戦争へ突入する勢いだ。 次回は高知新聞の記事と安西氏の反論について掘り下げてみたい。

| | コメント (2) | トラックバック (3)

2004.09.22

「日経記者 安西オーナー痛烈批判」を読み解く

辛口の硬派競馬記者として知られる日経新聞運動部の 野元賢一記者がコラムでハルウララのオーナー、 安西美穂子氏を痛烈に批判しました。コラムは日経の運営するサラブnetに不定期連載されている野元氏のコーナー「専門記者の競馬コラム」です。 「祭りは終わった ハルウララの移送を巡って」と題された今回の記事は、大マスコミの記者としては最も辛辣に安西氏を突き上げるものです(安西氏寄りのフジサンケイグループは騒動すら黙殺)。いや、それにしても、ここまで書くか。強奪騒動の様子も、これまで触れられなかったディティールが記されています。

安西氏が競馬評論家の白井透氏や、移送先の牧場関係者を伴って高知に現れたのは、 15日午前10時。予告もなく、いきなり馬運車できゅう舎に乗り付けたという。放牧を主張する安西氏と、宗石調教師や高知競馬関係者のやり取りは3時間に及んだが、安西氏の秘書と見られる人物が、警察の介入をにおわせたため、宗石調教師も抵抗をあきらめた。

白井氏が現場にいたことはあちこちで言われていたけれど、はっきりと実名で報じたのは初めて見ました。東スポもS氏だったしね。 3時間も押し問答したというのも驚き。その上、警察沙汰にするって脅しても、合意と呼べるんでしょうかねぇ。「秘書と見られる人物」ということは警察云々を発言したのは白井氏ではないだ。安西氏の日記に出てくる女秘書か?

安西氏と宗石調教師、高知競馬の主催者側の溝は、8月から深まっていた。最も象徴的なのは、8月29日の出走予定が、安西氏の意向でキャンセルされたことだ。関係者によると、この時期のハルウララはいつになく好調で、29日は対戦相手も楽だった。地元専門紙関係者の中には「今回は勝つのでは」と予測する人もいたという。出走回避の真相について、高知陣営の間には「イベント性の薄いタイミングで勝たれて、同馬の商品価値が落ちる ことを安西氏は嫌ったのでは」と推測する声さえあった。

「サラブレッドとして勝たせてあげたい」と放牧に連れ出した安西氏が、商品価値が下がることを恐れて出走を回避させたって?そんなバナナ。信じられないですよ。って、実は先日、 日本のへそ特別の管理人さんからメールがあり、白井氏が日記で「ハルウララ早く勝たせる必要はない」と書いていたとの情報をいただいていました。そんなアホなって思いましたが、探したら確かにありました(o。o;)。

8月3日のパドックを見ると、春より馬体に張りがあり、馬から発する精気も感じられた。… 武騎手の乗った3月のレースよりははるかにレースに見所あった。これなら、勝つ可能性はある。… 来年の1月から、JRAが公営の馬券を売ることが出来るようになった。これはハルウララにとってはまたとない追い風である。 …3月21日のレースの売り上げは高知競馬場5606万80