2008.06.05

東京ダービーはDスカイ 騎手も2連覇で325万馬券

南関東の祭典、第54回東京ダービーが4日行われ、JRAから武豊と内田博幸が参戦するなど、大井競馬場は1万9000人のファンで盛り上がった。 1番人気は1.4倍の圧倒的な支持を集めたディラクエ。北海2歳優駿や京浜盃を制し、一冠目の羽田盃でも2着に好走していた。2番人気は羽田盃でディラクエを破ったニックバニヤン。鞍上は東京ダービー優勝の悲願がかかる"大井の天皇"、的場文男(51)。リーディング21回、通算5500勝をあげた生ける伝説ながら、過去26回の騎乗がある東京ダービーでは【083 15】と未だ勝利がない。羽田盃馬を操る的場文が今年こそダービーを勝てるのか、ファンの注目はそこに集まっていた。その瞬間を見逃すわけにはいかないと、私も仕事を終えて、ギリギリに大井へと駆けつけた。

夜風の気持ちいいパドック。ノーズダンデーが落ち着きなく立ち上がったりしているものの、他馬は粛々と周回を続けている。一際よく見せていたディラクエだが、牝馬もいないのに突然、発情。すわ馬っ気で消しかと思いきや、次の周回では矛を収めていた。ディラクエの胸中に浮かんだものは不明である。騎手が跨ると、観客から「フミオ!フミオ!」の声が飛んだ。もはや、恒例の東京ダービー名物だが、今年は2番人気。「最後だぞ!」と、発破をかけるファンも。レースはディアヤマトがつくる息の入らない流れ。ニックバニヤンも果敢に先行。ディラクエは中団待機。3コーナー、ハナを奪ったモエレラッキーをニックバニヤンが並びかける。人気のディラクエも前を捕まえようと早めに動いた。直線、ニックバニヤンは手応えをなくして後退。ディラクエも伸びを欠く。後ろから飛んできたのは10番人気ドリームスカイ。粘るモエレラッキーをクビだけ差しきった。

ドリームスカイは出遅れて後方4番手からの競馬を強いられた。鞍上の戸崎圭は動じることなく、末脚勝負にかけることを決めて鮮やかな差し切り勝ち。人気を背負った同厩舎のディラクエらが早めに仕掛けたため、ドリームスカイをアシストする結果になった。戸崎は去年のアンパサンドに続く東京ダービー連覇。奇しくも中央のダービーを彷彿とさせる、「直線一気」「Dスカイ優勝」「騎手連覇」だった。このサインに気づいたファンは大きな魚を得たかもしれない。 3連単は325万920円のTCK重賞史上、最高配当で大波乱の結末。今年も大井の天皇の悲願は叶わなかったわけだが、ドリームスカイの前2走の手綱を取っていたのは、皮肉なことに的場文。大井競馬の神様は何故こうも意地悪なのか。来年の東京ダービーも、「フミオ!」の声援を聞きに行かねば。

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2008.05.22

後期高齢者の星! 笠松発 ”パクじぃちゃんプロジェクト”

まだ”パクじぃちゃん”って誰?と思われるファンも多いかもしれない。パクじぃは笠松競馬場で活躍する誘導馬。今年、25歳という人間で言えば100歳に迫ろうかという年齢ながら、バリバリの現役で仕事に邁進する後期高齢者の星なのである。パクじぃの本名はハクリュウボーイ。門別・倉見牧場で生まれ、1985年に笠松でデビュー。オグリキャップと同じレースで走ったこともあり、通算50戦12勝の胸をはれる成績を残して引退した。芦毛が幸いして誘導馬となり、以来15年に渡って競走馬を先導する仕事を続けてきた働きものだ。

そんなパクじぃにファンとの架け橋になってもらおうと始まったのが「こそっとパクじぃを有名にするプロジェクト」。希望者を募って行われる「ふれあい会」は、パクじぃの厩舎までファンを招き、直接、触れ合ってもらう機会。帰路につく人々を出口で見送ることもある。開設されたブログにはパクじぃの日々が掲載され、掲示板もたくさんのファンで賑わっている。ステッカーや絵葉書などのパクじぃグッズも発売され、人気を集めているという。土地の明け渡し訴訟など問題も山積している笠松だが、パクじぃはひとりでも多くのファンに訪れてほしいと頑張っている。

>>「こそっとパクじぃを有名にするプロジェクト」

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2008.05.09

旅打ち高知競馬! 南国・土佐の大らかさに包まれて

天皇賞観戦の翌朝、私は大阪にいた。このまま帰京するのも芸がない。そうだ、地方競馬へ行こう! 「競馬界を今一度、洗濯いたし申し候」ということで、思い切って四国へと向かうことにした。めざすは未踏の地、高知競馬場である。あいにくの土砂降りのなか、無料バスに間に合うよう駅前へと急ぐ。小さなバスターミナルは駅に向かって左側にあった。発着場所は「C」。ところが、乗り場が見当たらない。表示もない。焦っていると、遅れて競馬場行きのバスが現れた。これで一安心…とはいかなかった。バスはターミナルに入ってくると、誰一人の客も乗せないまま、あっという間に走り去ってしまったのだ。雨に打たれ、立ち尽くす阿呆がひとり。事務所で乗り場を確認すると「Cはその辺やか」との返事。ちょ~テキトーである。「おまんら許さんぜよ!」と、45分後。今度は正面にやってきたバスに鉄火面ばりのホップ、ステップ、ジャンピング~で乗車成功。駅前からの乗客は私ひとり。GW中の開催にしては少し心配になる光景だ。

だが、競馬場に近づくにつれて、それは杞憂であることがはっきりしてきた。駐車場はたくさんの車で埋まり、場内は多くのファンの姿があった。三紙ある競馬新聞から「福ちゃん」(500円)をチョイス。早速、検討へと移ろうとすると… 馬柱が読めないよ! こんなことはサンタアニタ以来だ。北米か! 福ちゃんは競馬ブックのような横組だが、ひとつの枠に出走したレースの情報が記載されているのではなく、前6走の着順、騎手、位置取りなどが細かな字で横一行ずつ書かれている。言わば四季報やnetkeibaの新聞版。さらに目を凝らすと、平均ハロン、過去20週の着順、季節ごとの勝利度といった詳細なデータまで散りばめられている。豊富な情報量の福ちゃんを使いこなしてこそ通か。ちなみに右端の「談話」は「これも変わりない」「これも徐々にマシに」「これも今イチ」など、ことごとく「これも」から書き出しが始まっていて、いったい誰の談話か分からない。それも「ほがなこんまいこと、いいがやないかね」というところか。

高知競馬場は一周、右回り1100メートル。もっとも多用される1300メートルは4コーナー付近にゲートがおかれ、スタンド前を二度走ることになる。1着賞金は9万円から13万円。窓口の多くは効率化のため、カーテンが閉められている。「赤字即廃止」の厳しい条件のもと運営されている、苦しい台所事情も伺えた。不良馬場ということもあって、ハナを切った馬がほとんど連対する展開。本命馬が先手を取れないと波乱必至なわけだが、人気馬が後手を踏んでもスタンドは淡々としたもの。怒号や悲鳴が飛び交うことはない。福山あたりなら死人が二人ぐらい出ているレースでもだ。パドックも同じ。手の届きそうな距離で騎手が回っていても、野次も飛ばないのだ。あるのは「本田くん、がんばってー」というオバチャンの黄色い声援だけ。本田は恥ずかしそうに俯き、ダクでパドックを出て行く。パドックで厩務員が手綱を放すのも高知名物だ。地方競馬の魅力はオヤジたちが真剣勝負する空気だが、高知の南国競馬はどうも一味違う。鉄火場とはほど遠い、ホノボノした雰囲気である。優しさ、大らかさに包まれているようなのだ。

スタンドは4階建て かわいらしいパドック

直線200メートルも攻防は熱い 高知のJRA-VANこと福ちゃん!?

もう一つ、余所者が驚かされるのが競馬場とは思えない、たくさんの”お子様”たち。ざっと数えたところ、大袈裟でなく4人に1人は子どもではないか? 決して「こどもの日特別」がメインレースだからではないらしい。コースやパドックのいちばん前に陣取り、我が物顔で走り回る姿は、公営競技場だか遊園地だか分からなくなりそうなほど。パドックでは「お姉ちゃん、何が良い?」「8番が良い!」などという微笑ましい母子の会話が繰り広げられていた。さらにゴール板前には馬券オヤジに説教する驚くべき小学生が…。「7番は確実やて言うたやろ。おっちゃん、アカンわー」、そう言って懐から取り出したのは的中馬券! 「そりゃ、わからんわー」と頭を抱えるオヤジ。土佐のガキども恐るべし。もちろん、本人が窓口で買えるわけもなく、あくまで父親の馬券を預かっていることが分かったが、中央なら緑服の人がすっ飛んできそうなやり取りだ。

高知競馬には数々のアイドルホースがいる。ハルウララを挙げるまでもなく、オースミレパード、エスケープハッチ、ヒカルサザンクロス、ナムラコクオーなどなど。 8レース、記者選抜にはヒカルサザンクロスの記録に迫る253戦目のダイナブロスが出走していた。新潟や上山を経て高知へやってきた12歳馬。森井美香がきっちり2着へ持ってきた。このレース、すべての馬が連闘だった。賞金額の低さからも明らかな通り、高知に集まるのは底辺に位置する馬たちだ。調教師や厩務員は他場で走れなくなった老齢馬や故障馬を立て直し、再びレースに出走させる。限界まで馬を鍛え抜いて頂点をめざす、中央や南関東とは異質の競馬だ。そこに最多連敗、最多出走、最高齢現役馬など、ただ強さを求める競馬にはない見方が生まれてくる。だから、土佐の人々は温かい眼差しと"おらが村の馬"という連帯意識を懸命に走る馬たちに向けるのかもしれない。

さて、ここに来たからには観ておきたいのが「ハルウララギャラリー」だ。出迎えてくれたのは馬房に入った等身大のハルウララ模型。さらには映画「ハルウララ」の写真や衣装、出演者の渡瀬恒彦や賀来千賀子の手形が展示されていた。結局、映画は全国公開されず、ウララも高知に戻ってくることはなかった。ウララ関係の記事が閲覧できるコーナーには「競馬最強の法則」が積まれ、付箋のついたページには「社台ファームに7000万円で馬主が売りつけようとした」懐かしい話が載っていた。どこか抗議の仕方も奥ゆかしい。帰り際、展示品限りというTシャツとストラップを買うと、せっかくだからとポストカードとキーホルダー2個をオマケにつけてくれた。これでは儲けはなかろう。この分け隔てない親切心が結果的に付け込まれることになったのかと思うと、残された模型が物悲しくも見えた。さながらギャラリーは兵どもの夢の跡か。

最終レースのスタンド、嬉しそうなおっちゃん達に出会った。「余裕でてきて、競馬できそうやでって」と開催の行く末に盛り上がる。いつ廃止になってもおかしくない高知競馬は、部外者には知る由もない様々な問題も抱えているのだろうし、これからも困難が待ち受けているはずだ。だが、一つだけ明らかなのは、競馬場は地元の人々に愛され、存続を願う多くの声があることだ。それはハルウララがいなくなり、メディアの目が向かなくなっても変わりない。「いちばんがおれば、ビリもおる。あたりまえやん」 競馬場を去るとき、来たときの雨が嘘のように青空が広がっていた。馬券の負けも忘れる大らかな気分で帰路に着いたのは、天気のせいだけでなかっただろう。

パドックに陣取るチビッ子馬券師 森井美香とダイナブロス

等身大のハルウララ模型 ギャラリーには映画の撮影の写真が

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2008.03.22

新生1年を締めくくる 最強馬決定”ばんえい記念”

23日(日)は「ばんえい競馬」の大一番、ばんえい記念が行われる。負担重量1000キロという最強馬を決めるのに相応しい厳しい条件で争われ、真にパワーを持つチャンピオンしかレースを制することは許されない。馬場は乾いており、時計のかかる展開になりそうだ。となれば、今季の帯広記念で900キロを引いて優勝したナリタボブサップに食指が動く。登板力に秀でた同馬は860キロで北見記念を勝っている。ここ数戦は不調だが、昨年の覇者・トモエパワーも高重量戦になれば一変しておかしくない。堅実なスーパークリントンの粘りこみも怖い。

◎ナリタボブサップ ○トモエパワー ▲スーパークリントン
△シンエイキンカイ、ミサイルテンリュウ

新生ばんえい競馬がスタートして1年、今年度の売り上げは予想より18億円余を上回る130億円となると発表された。オッズパークによる経営と、関係者の不断の努力が世界唯一の競馬を甦らせた。ファーストシーズンを締めくくる今年のばんえい記念は関係者、ファンにとって忘れられないレースになるだろう。なお、前日の22日(土)にはファン有志による協賛レース、「第2回 ばんえい応援ブロガー盃」が開かれる。特設ブログでは予想イベントも行われているようなので、訪れてみてはいかがだろうか。

>>第2回ばんえい応援ブロガー盃

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2008.01.30

川崎記念・ヴァーミリアン取消 フリオーソが急浮上!

ドバイへの壮行レースとなるはずだった川崎記念。ところが、主役のヴァーミリアンは右脚フレグモーネのため出走取消となる大事態、それに加えて、去年のフェブラリーSの覇者・サンライズバッカスまでハ行で取り消し。 12時現在、両馬の入っていた枠連5-8は44倍となっているが、取り消し後に残った同枠2頭の組み合わせは馬連で1484倍。早めに枠連で投票するリスクを改めて思い知らされる。今後、ヴァーミリアンはドバイ一本で再調整される予定だが、結果的に連戦の疲れを癒す良い休養になればと願う。サンライズバッカスはフェブラリーSの参戦も難しいようだ。

大駒のいなくなった川崎記念で、俄然、チャンスが大きくなってきたのがフィールドルージュフリオーソの2頭。フィールドルージュはジャパンカップダートで、フリオーソはJBCクラシック、東京大賞典でヴァーミリアンの2着。ともに強敵の前にG1制覇を阻まれた。昨春はひ弱な面もあったフリオーソだったが、 JDダービーを制してから本格化の様相を見せている。東京大賞典の積極的に仕掛ける競馬は高く評価できる内容だった。地の利のある南関東なら、フィールドルージュとも互角に戦えるだろう。馬券はこの2頭を1、2着に固定した3連単で狙ってみたい。3着争いは混沌。東京ダービー馬のアンパサンドが強力だが、高知のサンエムウルフも抑えてみたい。

◎フリオーソ ○フィールドルージュ
△アンパサンド、シャドウゲイト、サンエムウルフ、ケイアイダンシング

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2008.01.15

旅打ち福山競馬! オヤジたちの”CLUB KEIBA”を体感

まだまだ訪れたことのない競馬場はいくつもあるが、広島県にある福山市営競馬もそのひとつ。つい先ごろまで、アラブだけの競走を行っていたところだ。東京から何かのついでに赴くといった機会はほとんどないと見て、先週、意を決して機中の人となり福山をめざすことにした。広島空港から福山駅まで高速バスで一時間ほど。駅前からは競馬場行の無料バスが出ている。昨夏、金沢競馬を訪れた際は無料バスの車中で熱い洗礼を受けたが、乗客10人ほどのこちらは静かなもの。嵐の前の何とやらか。。。クネクネと住宅街を抜けて、とうとう競馬場へ到着。大きな看板に描かれた楽しげな馬たちと、「マジで そんな楽しいなら 福山競馬連れてって♪」とポップなオリジナルソングが出迎えてくれた。妙齢のオネエさまのご挨拶をいただきながら、100円玉を入れてゲートをくぐる。福山って、ファミリーで遊べるテーマパークなのかもしれないね!

「マジで楽しい」福山競馬の場内施設には、コンセプトを強調するかのように「わくわくルーム」、「どきどきルーム」、「にこにこホール」といった心の高揚を示すナイスなネーミングがなされている。私も早くドキドキしたいと、コースへ向かうことにした。ゴール板前、「今日はブログ用の写真、うまく撮れるかなぁ」と、買ったばかりのα700のファインダーを覗いていると、いきなり後ろから咎められた。「許可取ってるかね?」、警備員のおじさんだ。いきなりドキドキである。「ほら、フラッシュとか焚くと馬がびっくりするから」って、こんなピーカンの日にフラッシュ使わんけど。警備員室に連れて行かれ、名前と住所を書かされる。注意事項は2点。フラッシュ禁止、決して他の客とトラブルを起こさないこと。胸に許可証をつけてカメラをぶら下げている私は、一目瞭然、カモネギ余所者観光客である。コーチ屋が見たら声をかけずにいられない!?

福山競馬場は1周1000メートル、直線は220メートルの小回り。弁当箱とも言われる長方形のコースはカーブがきつく、それ故、丈夫なアラブしか走らせることができないのだとも言われていた。過去には全日本アラブ大賞典を勝ったローゼンホーマなど、何頭ものアラブの怪物を輩出してきたが、平成17年12月にサラブレッド導入に踏み切った。収容2万人強というスタンドは非常に年季の入ったもの。スタンド裏のパドックは出走馬名や馬体重を示す掲示板もなく、地方競馬のなかでも昭和のディープな薫り漂う競馬場という印象を受けた。競馬新聞は福山エース、キンキ、特報の3紙。私は手前のブースにある特報を購入することにした。 1部500円、赤鉛筆はサービスである。紙面には独特の言い回しも見られる。「いい駆けりをしているが馬が肥えてきた。絞れるといいカオ」(原文ママ)。顔も予想材料とは奥深い。

応援ソング「One day」が流れる入場門 ゴール前スタンド

まくり必勝 コーナーはきついカーブ

場内を歩いていると、とにかく耳に飛び込んでくるのがオヤジたちの姦しい予想談義。「明け4歳じゃけぇ強いじゃろ」「それが来たら30万じゃけぇなぁ」「3と4で絶対じゃけーのー」。って、仁義なき闘いな方々に囲まれているような気分になるのは私だけ? レース中の声援も熱さ半端なし。「出遅れじゃ。5は死んじゃろ」「どうなっとんじゃ。まくって潰せぇい!」。それだけに外れたときの落胆は激しい。「ダメじゃー。なさけないのー」「あれだけついていかれん」「おかしいことばかりしてんのじゃ。このレースは!」。隣のグループではパンチな中年男性が不機嫌になり、八つ当たり気味に連れの若手に怒りをぶちまける。「おう○○! いい加減にせい! 帰れ!」。そこへ年配者がドスの利いた声で一言、「そういうこと言うとツマラン」。グループ全体に張り詰める空気…。どこの組織の方々ですか><。大人のテーマパーク、福山はドキドキしっぱなしだ。

刺すか刺されるか、女子供はすっこんでろ。そんな雰囲気の中でやたらにシャッターを押していたら何が起きるかわからん。ようやく許可証の意味を理解した私は、騎手を撮るなら安全だろうとパドックへ移動した。実は今月末まで流しジョッキー、ミスターピンクこと内田利雄騎手が福山で短期騎乗中なのだ。ミスターピンクはここでも大人気。周回中、「こうとるからの~」とファンから脅迫 温かく声をかけられていた。ミスターピンクと言えば、百万ドルの流し目。レンズを向けると視線を贈ってくれるファンサービスは全国に知れ渡るようになった。私のカメラにも、いつものようにニッコリと笑って流し目をくれるミスターピンク。ところが、福山のオヤジはそんなことは通じない。「今、笑ったのは誰じゃー。ウチダか。わらっとる場合じゃないけーのー」低音ボイスが響き渡る。ごめんなさい、内田さん><。「池田、お前の馬はゴミじゃー」そのオヤジは不適な笑みを浮かべて去っていった。

慣れないうちは、ちょっと臆してしまうガラの悪さ。だが、しばらくすると言葉の荒さも、喧嘩しているわけでも機嫌が悪いわけでもないことに気づく。きわどい写真判定、「2が残れ!」と叫んだ私に「5じゃろー、5じゃろー」と満面の笑みで話しかけてくるオヤジさん。「2じゃないですか」と返すと、「5じゃろー、5じゃろー、5じゃろー」と再返答。思わず笑ってしまった。ひとたび万馬券など飛び出せば皆で大騒ぎ。「ボックスじゃ。とっとるよ10万じゃ!」「失敗したなぁ」「馬単もマンシュウよ!」。レースは道中からまくっていく大胆な競馬が多いことも、ワイワイ、ガヤガヤと盛り上がれる理由かもしれない。福山では主催者がタレントを使って CMなどしなくても、勝手にオヤジたちが「CLUB KEIBA」を楽しんでいるのだ。

この日の最終レースはアラブ系B-2クラスによる睦月特別。今は亡きコウザンハヤヒデ産駒の4歳馬、エイケイボーイが力強く逃げ切り勝ちを収めた。あと数年もしないうちにアラブ最後のレースが福山で行われることになろうが、その時までアラブはオヤジたちの熱い語らいのなかで走り続けるのだろう。およそ20億円の累積赤字を抱えている福山競馬。サラブレッドへの転換など大きな変化の波に晒されているが、今年度上半期は7600万円の黒字を産み出している。オヤジたちが「マジで競馬を楽しんでいる」限り、廃止など無縁のものであると信じたい。競馬場を去る頃、スタンドの喧騒は不思議と耳触りの良いBGMへと変わっていた。

ご存知、百万ドルの流し目だったが… 名物・尾道ラーメン 卵入り

金子馬じゃなけんのー アラブの怪物・スイグンの優勝レイ

※追記
私は福山競馬場で遊んだ翌日、原爆ドーム、厳島神社の2つの世界遺産を訪ねて一泊二日の小旅行を終えた。福山競馬は週末に開催されることが多いので、土日を利用して観光とセットで足を伸ばしてみてはいかがだろうか。福山では企業や個人がスポンサーとなる冠レースが行われているが、 1月27日は「須田鷹雄全公営競技場踏破記念」が、2月2日は競馬サイト「WEEKEND DREAM盃」が実施される。ご参考まで。

※文中のお国言葉はほとんど広島初訪問の私が拙いヒアリングで聞き取ったものです。実際はかなり異なるかもしれませんが、どうぞご容赦ください。

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2007.12.18

有馬の軍資金稼ぎ 全日本2歳はイイデケンシン◎!

有馬記念の軍資金は、19日のJpn1で稼ごう。川崎で行われる全日本2歳優駿。中央、地方の将来を嘱望される若駒が集い、ダートの2歳王者を決める。去年はJDDを勝つフリオーソが全日本2歳優駿を制したが、過去の優勝馬にはユートピア、アグネスデジタル、トーシンブリザードといった錚々たる顔ぶれが並ぶ。今年、注目したいのは1枠1番を引いた中央のイイデケンシン。サンダーガルチ産駒の同馬は、初ダートとなった前走のポインセチア賞を人気薄で逃げ切り。もともとダートの潜在能力を評価する向きもあったが、その期待に違わぬ内容だった。鞍上は度胸いちばんの藤田伸二なら、今回は内枠から果敢に先行して、能力をフルに引き出すはず。地元川崎のヴァイタルシーズとの兼ね合いが心配されるが、その分、他の有力馬も深追いできないはず。行った行ったまで考えたい。

◎イイデケンシン ○ディアヤマト ▲タカラストーン
△レインボーペガサス、ヴァイタルシーズ、ディラクエ

>> 第58回全日本2歳優駿 (netkeiba)

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2007.11.29

高齢者の星・オースミレパード 処分寸前で命を救われる

戦後生まれのサラブレッドのなかでは、日本最高齢の現役馬として活躍してきた高知のオースミレパード。ナリタブライアンと同期生で16歳になった今年も29戦を戦い、この秋には通算33勝目をあげた。高知競馬は高齢者の星としてファンやメディアにアピールし、特製のスタンプを押した健康長寿のお守り馬券は名物になっていた。苦しい高知の台所事情に貢献したのは間違いない。ところが、今月11日のレース後、脚元に異変が起きた。「以前からの持病だった左前屈腱炎を再発。乗馬に転向するのも困難なほど」(日刊スポーツ)で、陣営は悩んだ末に処分を決断したという。走れなくなった馬のほとんどは殺されてしまうのが競馬の悲しい現実。オースミレパードは九州の屠殺場へ送られてしまい、最期のときを迎えるばかりとなった。

しかし、14年間、ひたむきに走り続けたレパードには思いを寄せるファンがいた。いつもパドックで応援幕を張り出している女性がレパードの消息を追跡。県内の養老牧場・土佐黒潮牧場で受け入れの手配を整え、 27日、処分寸前のところでレパードを救い出すことに成功したのだ。まさに奇跡の生還だった。経済動物ゆえ、競走馬が処分されていく現状は変わらないが、 1頭の馬の命が救われたという事実に安堵し、レパードの功績をファンが報いてあげたことに素直に喜びを感じる。もちろん、こうした幸運なストーリーは滅多にあるものでなく、公にできなかった厩舎が責められるべきではない。新天地には同い年のナムラコクオーもいる。レパードの静かな余生を祈りながら、多くのファンが何かできる仕組みはないのか、考えさせられた一件だった。

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2007.11.28

レジェンドハンター去る 笠松の歴史に伝説を刻んで

笠松競馬から中央へ殴りこみをかけ、ファンを大いに沸かせた2頭の名馬が惜しまれつつ引退する。 2年連続でデイリー杯3歳S優勝を笠松にもたらしたレジェンドハンター(牡10)とフジノテンビー(牡9)だ。まだ中央入り前の安藤勝を背にしたレジェンドハンターは朝日杯3歳Sで1番人気に推され、地方馬として初めて芝G1を勝てるのではないかと期待された。果敢に先行したレジェンドハンターだったが、エイシンプレストンに差しきられて 2着に敗れてしまう。この4年前、安藤勝はライデンリーダーで牝馬クラシックを闘い、その雪辱を賭けていたこともあって、レジェンドハンターの挑戦は大いに注目を集めた。同馬の父がマイナーなサクラダイオー(その父マルゼンスキー)というのもファンの心をくすぐった理由であった。

ユニコーンSでも2着したフジノテンビーは、28日の古太尽特別に出走。 10頭立て9着で現役生活を退いた。レジェンドハンターは29日、いろり火特別がラストランになる。あの朝日杯から8年。安藤勝は中央を代表するジョッキーになり、笠松は廃止の危機に直面しながら関係者の不断の努力で経営改革を続けている。長い間、笠松のトップホースとして活躍し、笠松を支えてきた両馬に心から敬意を表したい。 29日のメインレースは第3回笠松グランプリ(SPⅠ)。前身は交流重賞だった全日本サラブレッドCで、04年には中央勢を蹴散らしてレジェンドハンターが勝利を収めたこともある。その後は東海・北陸・近畿・中国交流となり、今年は笠松の雄・ミツアキタービンが連覇に挑む。来年への楽しみをつなぐ強い勝ち方を期待したい。

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2007.11.17

岩手競馬に存続宣言 コストカットの連鎖を断ち切れ 

今年3月、一度は知事による廃止表明にまで追い込まれた岩手競馬。直後、県議会に緊急提出された融資案が1票差で可決され、薄氷を踏む逆転劇で今年度の存続が決まった。但し、その最低条件は収支均衡。その見通しが立たなければ年度途中でも廃止という約束を呑んで、背水の陣での再出発を余儀なくされた。そして、今月12日、岩手の達増知事は「(本年度の)黒字がほぼ確実になったので来年の存続もほぼ確実と言っていい」と述べて、来年度も引き続き開催を行えるとの認識を示した。知事が存続に向けて強い自信を明らかにしたことは、競馬ファンとしては非常に心強い。昨春は地方競馬の巨人と言われた岩手競馬が廃止されることで、競馬産業そのものの土台を揺るがす事態が誘発されることも、かなり現実味を帯びるところにあったからだ。まずは瀬戸際で踏みとどまれた事実に敬意を表したい。

しかし、今回の知事の発表を手放しで喜んでばかりはいられない。収支均衡の見通しを示すため、岩手競馬は売り上げ目標の下方修正と、帳尻を合わせるための度重なるコストカットを行ってきたからだ。岩手競馬の当初計画の発売額は274億7200万円。ところが、今年度の開催を始めて以来、売り上げの減少には歯止めがかからず、各期ごとに設定した目標達成率は期を追う度に下がり続けた。 1期(4~5月)が93.9%、2期(6~7月)が87.9%、3期(7~10月)が77.1%。競馬組合は収支計画を厳しく見直し、発売目標額を42億400万円減の232億6800万円まで押し下げた。その分、必要になるコストカットは3回行われ、賞金や運営費、人件費は大幅に削減されてきた。今月8日に決まった追加コスト削減では、賞金や出走手当て(賞典費)が1億2100万円、広告宣伝費や優待バスの本数を減らすことで1億4500万円を切り詰めた。

収支均衡が崩れれば即廃止という条件下では、増収が見込めない以上、経費を削減していくしか生き残る道はない。一方、開幕時に18億円余のコストカットの対象とされた賞典費については、さらなる削減を続ければ岩手競馬の基盤を危うくするという声もある。賞金が少なくなればレベルの高い馬が流失し、レースの面白さもなくなる。その結果、ファン離れが加速し、売り上げ減少を招き、また賞金を削らねならないという、負のスパイラルに陥ってしまうというのだ。実際、なかなか転入馬がやってこないという事態が起きているそうで、厩務員のリストラにもつながっていると聞く。厩舎スタッフだけでなく、競馬組合の職員も冬の賞与は全面カットされることになり、岩手競馬全体の再建へのモチベーション低下も心配されるところだ。コストカットの繰り返しでは、近いうち限界がやってくる。問題を先送りせず、スパイラルを断ち切ることが必要だ。

紅葉美しい水沢競馬場 小回り故かスピード感は楽しめる

ファンとパドックの距離は近いが、野次は少なめ 売り上げ不振は続くか人出はある

決して経営側も手をこまねいていたわけではない。6月には「ルネッサンスプラン」を策定。客単価が落ち込むなかで、ファン感謝デーの開催、携帯サイトでの映像配信、産直市などイベント実施でファン獲得をめざし、入場者数を増加させる実績もあげた。今月11日、私は水沢競馬場を訪れたが、ひどく老朽化した施設にも関わらず、少なくないカップルや家族連れの姿があったことに驚かされた。この日は「ご当地グルメ市」と銘打って各地の名物料理を売る露店が出ていたり、レースの度に馬券を持っていくとリンゴやジュースなどが抽選で当たる JAとタイアップした企画が行われていた。このほか、アイドル・ふじぽんらによるレース予想や、子供向けゲームセンターもあり、来場したファンを楽しませようという姿勢が伺えた。そこには馬を走らせておけば勝手に穴場に金が入るという、前時代的な役所競馬の発想は感じられなかった。それだけに売り上げ減少が止まらないのには、歯がゆい思いだろう。

賞典費や人件費に関しては、これ以上のコストカットは望むことはできまい(業務委託費は分からないが)。ギリギリの予算のなかでファンを呼び込むイベントや、地元企業との連携も進んでいるように見える。オッズパークグランプリLJSなど、ネット販売企業から強力な支援もあった。それでも売り上げが足りないのなら、盛岡、水沢のどちらかに開催を集約するなど、根本的な改革に手をつけなければならないのではないか。自転車操業で景気が好転するのを待つような、旧来の悪い神頼み意識には戻ってはならない。来年度の収支計画は恒久的な黒字が出せるよう、現実と向き合ったものにしてほしい。苦境の岩手競馬だが、ひさしぶりの明るい話題もある。額にハート形の流星を持つトレジャースマイルの人気ぶりだ。デビュー戦は5着に敗れたものの、全国メディアに取り上げられ、多くのファンが応援に駆けつけた。単勝馬券にハートのハンコを押すサービスも実施し、通常より300万円ほどレースの売り上げも増えたそうだ。ハートのエースになってくれとは言わないが、岩手で頑張る人々を勇気付けてくれたらと願う。

勝ちそーの予想コーナー。隣の中央実況がうるさくてかわいそうだった トレジャースマイルに寄せる期待は大きい

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2007.11.11

新たな地方最強決定戦 第1回オッズパークグランプリ

月曜日(12日)、水沢競馬場で「オッズパークグランプリ2007」が開催される。このレースはオッズパークがスポンサーとなり、優勝賞金1000万円をかけて、全国の主催者から推薦された馬たちが激突するお祭りイベント。初めての施行となる今回は笠松からミツアキタービン(ダイオライト記念・オグリキャップ記念)、金沢から上がり馬・エフテークリニックが参戦。この2頭を岩手の女傑サイレントエクセル(ビューチフルドリーマーC)、テンショウボス(赤松杯)らが迎え撃つ。注目は岩手転厩初戦を3.1秒の大差をつけて勝ったタイガーマスク。賞金の一部を児童養護施設に寄付するとして話題になった "あしながホース"だ。キングマンボ産駒とあってダートで激変、一気の大物食いで寄付金を稼ぐことができるだろうか。

実は前日の日曜日(10日)、私は初めて水沢競馬場に足を伸ばしてみたばかり。オッズパークグランプリを盛り上げようと、場内ではさまざまな催しが行われていた。ハズレ馬券と引き換えにクジが引ける抽選会、全国のご当地グルメが出店した屋台村、ふじぽんが後半レースを予想する「勝ちそー」リベンジ大会などなど。厳しい経営が続く岩手競馬だが、そんな暗い話が出るのが不思議なほど場内は盛り上がっていた。水沢観戦記は後日、改めるとして、まずはオッズパークグランプリの馬券予想を楽しもう。雨の影響で馬場が軽くなった水沢は、内枠の先行馬が非常に有利になっている。1枠に入ったサイレントエクセルは優位。水沢は【8113】と鬼だ。相手は脚元との戦い続くミツアキタービン、ひょっとすると岩手の看板馬となるかもしれないタイガーマスク。

>>「オッズパークグランプリ2007」公式サイト

◎サイレントエクセル ○ミツアキタービン ▲タイガーマスク
△ニシノグレイシャ、テンショウボス、エアウィード

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2007.11.06

女たちの華麗な戦い レディースジョッキーズS開幕!

中央、地方で活躍する女性ジョッキー11人によって争われる、レディースジョッキーズシリーズ(LJS)の第一ラウンドの火蓋が水沢で切って落とされた。LJSは荒尾で行われていた全日本レディース招待競走を3競馬場の持ち回りとしてシリーズ化したもので、今年で2回目の開催となる。各地で2レースずつ、合計6レースを対象にポイント制で順位が決まる。去年は荒尾、高知、名古屋を転戦し、3勝をあげた名古屋の山本茜が優勝した。今年の舞台は水沢、荒尾、浦和。5日の水沢では地元の皆川麻由美が初戦を制してトップ。 2戦目を勝った山本、堅実にポイントを稼いだ高知の別府真衣が僅差で追っている。セクハラ訴訟を取り下げたばかりの山本は、精神的な影響はあるのだろうが、競馬はしっかりと乗れているようだ。

中央からはマッキー改めマッスー?になった増澤由紀子西原玲奈が参戦している。先週、増澤はLJSの準備のためか、1年ぶりに2鞍騎乗。ハナと最後方待機という極端な競馬だったが、良いリハビリになったのではなかろうか。実際、初戦で増澤は果敢に逃げて3着に粘る手綱さばきを見せており、残り4戦でチャンスも巡ってきそうだ。増澤も西原も最近3年間、勝ち星のない寂しい状況だけに、LJSでは久しぶりの美酒を味わってほしい。LJSを盛り上げようと、オッズパーク楽天競馬ではレアグッズのプレゼントやポイント付与などのキャンペーンを行っている。NARの特設サイトも充実しており、普段、地方の馬券は敬遠しているファンもお祭り気分で参加してみてはいかがだろうか。この後、第二ラウンドは荒尾で13日、第三ラウンドは浦和で22日に施行される。

>>「レディースジョッキーズシリーズ2007」特設サイト

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2007.10.31

JBC展望 ブルーコンコルドの3階級制覇となるか

きょう(31日)、地方競馬の祭典、第7回JBCが大井競馬場で行われる。 2000メートルのJBCクラシックは交流重賞の大横綱、ブルーコンコルドが参戦する。一昨年の名古屋1400で施行されたJBCスプリント、去年の川崎で変則的に1600で施行されたJBCマイルを制しており、クラシックを勝てば空前絶後の3階級制覇となる。本質的にはマイラーなのだろうが、去年暮れの東京大賞典で優勝してから、距離への不安は大きく薄れた。前走の南部杯も快勝しており、死角らしい死角を見つけられないのが死角というべきか。逆転を狙うなら内田博幸が操るフリオーソ。1番人気の羽田盃、東京ダービーは惜敗したが、ジャパンダートダービーは完勝。所有するダーレー・ジャパンも溜飲をさげたことだろう。若さの勢いが続くか、脆さが出るか。 3月のドバイ以来となるが、ヴァーミリアンは仕上がり次第では面白い。JCDへのひと叩きの一戦でどこまで。荒れるなら岩田を鞍上に据えた船橋のルースリンド、中央勢シーキングザダイヤクーリンガーの忘れた頃の一発。3連単には加えておきたい馬たちだ。

一方、JBCスプリントは3年ぶりに本来の設定距離である1200で開催される。ステップレースの東京盃はリミットレスビッドが勝利を収め、ダートスプリントチャンプに王手をかけている。内田博幸ということもあって人気を集めるだろうが、こちらはクラシックと違って横一線。先週のチーム・メイショウサムソンが送り出すメイショウバトラー(松本好雄オーナー・高橋成忠厩舎・武豊)は前走の太め残りが解消されていれば、リミットレスビッドとの着順を引っくり返せる。個人的に肩入れしたくなるのは、前走スプリンターズSで◎を打ったプリサイスマシーン。交流重賞は3戦して、いずれも2着。前走はスタートが今ひとつで流れに乗れないなか、勝ち馬とコンマ4秒差まで押しあげた。年齢的にズブくなりつつある今は、芝よりダートの方が良いかもしれない。もともと南関東でデビュー5連勝して中央入りした馬で、勝って故郷に錦を飾る可能性も低くない。地方勢で心に留めておきたいのは御神本フジノウェーブ、石崎駿ベルモントダンサーだが、連対に至るには何か乗り方の工夫が必要だろう。

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2007.09.26

ファン有志がイベント企画 ばんえい応援ブロガー盃

存続危機を乗り越えて、ばんえい十勝として再出発した"ばんえい競馬"。今週末、ウェブを通じてばんえい競馬の魅力を伝えてきたブロガー有志が集まって、協賛イベントが開かれることになった。 29日(土)には協賛レース「ばんえい応援ブロガー盃」が行われ、午後1時から現地では観戦オフも企画されている。特設サイトではブロガー盃と翌日の岩見沢記念を対象にした勝ち馬予想クイズを実施。上位入賞者にはレアグッズがプレゼントされる。また、30日(日)にはドキュメンタリー映画「人馬一体 ~ミサイルテンリュウ 砂地の頂へ~」の上映会が近隣のとかちプラザで開かれる。詳しくは特設サイトをご覧頂きたい。

一口に協賛イベントと言っても、企画提案からファンへの告知、著作権者との交渉、会場探しまで、やらなければならない手間は幾らでもある。今回、イベントを主催しているブロガーは、遠く関東から駆けつける方々もいると聞くが、 2日に跨る大型企画をボランティアで実現してしまう実行力と情熱には頭が下がる。忙しい本業の合間を縫ってなのだから尚更だ。ウェブでもリアルでも、境界なく活躍されるブロガー有志に敬意を払いたい。私は現地に赴くことはできないが、ネットで馬券を買ってブロガー盃を楽しませていただこうと思っている。

>>ばんえいブロガー応援盃(特設サイト)

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2007.09.15

3年ぶり出走コスモバルク 凱旋レースで故郷に恩返し

13日夜、3年ぶりに故郷、ホッカイドウ競馬で瑞穂賞(ダート二一)に出走したコスモバルクは1番人気に支持されたが、勝ち馬から2馬身離された3着に敗れた。海外G1馬となって初めて道営ファンの前での競馬だったが、凱旋レースを飾ることはできなかった。コスモバルクは6月の宝塚記念以来の休養明け。北海優駿を制した3歳ブルータブーがかかり気味にレースを引っ張るなか、コスモバルクも積極的に2番手を追走。ところが、道中で五十嵐騎手が先頭に立とうと手綱をしごいても反応は今一歩で、 4角では逆にブルータブーに突き放される苦しい展開。ゴール間際では再び差を詰めてきたものの、外から勢いよく伸びてきたギルガメッシュに差しきられた。 3年前、同じ旭川競馬場で行われた北海優駿も辛勝だったように、コスモバルクは地方馬ながらダートが苦手。物足りない内容だったことは事実だが、敗戦は想定の範囲内だろう。

当初、陣営は毎日王冠などをステップに天皇賞をめざすプランを持っていた。しかし、馬インフルエンザ騒動で禁止措置が取られた地方馬の中央参戦解除の見通しが立たず、また今年の賞金獲得額も少なかったために瑞穂賞への出走を決めた。ホッカイドウ競馬はインフルエンザにより3日間開催中止となったことが響いて、売上額が目標に届かないでいた。13日は普段の倍の2200人が訪れ、売り上げも計画より5%多い1億8000万円に達したそうだ。なかなか地元には姿を見せるチャンスのない同馬だが、厳しい経営が続くホッカイドウ競馬に恩返しができたのではないだろうか。 1着のギルガメッシュはインフルエンザ騒動当初に中央馬が出走を取り消したブリーダーズGCを勝って、優勝賞金4000万円を満額獲得したラッキーホース。だが、今回のレースで単なる棚ぼたではなかったとアピールできた。

コスモバルクの次走は盛岡で今月30日に行われる交流競走OROカップ。こちらは地方競馬でも芝コース、1700メートルで争われる。得意の芝に戻って、万全の状態で天皇賞へ向かう予定だ。岩手競馬でも中央や他の地方競馬と競走馬の移動を禁止してきたが、 9日から感染馬が確認されていないため入退厩の制限を解除し、交流競走も再開することにしている。 出走馬が揃わずに少頭数のレースを強いられたり、ダービーグランプリがローカル重賞に変更を余儀なくされるなど、存続の危機にある岩手もインフルエンザの影響を強く受けてきた。コスモバルクの参戦でOROカップが大きな注目を集め、売り上げに貢献してくれることを期待したい。13日、農水省は「2開催連続して感染馬が確認されない」ことなどを条件にして、出走馬の全頭検査の終了を認める方針を打ち出した。一刻も早い通常開催への復帰を祈るばかりだ。

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2007.09.11

門別に開催集中 ホッカイドウ競馬のラストチャンス

"Too big to fail"、「大きすぎて潰せない」と言われてきたホッカイドウ競馬。大きいというのは借金のことだ。売り上げ不振から15年連続の赤字が続き、累積赤字は226億円に上っている。廃止した場合、北海道はこの借金に加えて、補償費や施設解体費など巨額の債務を処理しなくてはならなくなる。さらにホッカイドウ競馬が他の地方競馬と違って「潰せない」と言われる所以は、馬産地競馬であるという点だ。競馬は単に自治体財政を潤すものではなく、馬産という基幹産業を維持、発展させるための欠くべからざるものと位置づけられてきた。ホッカイドウ競馬の馬主の半分は生産者であり、出走馬の半数は他場へ転厩していく。売れなかった2歳馬を牧場名義で走らせて買い手を募るショーウインドであり、あるいは高額なJRA認定競走の賞金を得て牧場経営の支えとなるセーフティーネットであった。酪農や畑作に補助金が使われるように、競馬に税金が投入されるのも公共投資の一部という意見もなかったわけではない。だが、追い詰められた北海道財政の前で、そうした甘い考え方は許されなくなっている。

一昨年、高橋はるみ道知事は06年度から08年度までの3年間で、赤字額を半減させ、単年度収支が均衡する見通しを得ることが廃止を免れる条件だと示した。ホッカイドウ競馬は新馬券の導入、ミニ場外(Aiba)の設置、ネット販売の強化による商圏拡大など様々な努力を重ね、売り上げ回復の効果は現れ始めていた。だが、知事が求めた条件を満たし、納税者の理解を得るまでには至っていないのが現状だった。そうした中、7日、北海道地方競馬運営委員会は「北海道競馬改革ビジョン(素案)」を発表した。これによれば、現行の3場開催(札幌・旭川・門別)をやめて、来年度を最後に旭川から撤退。大半の開催は門別に集中させて、輸送コストや賃借料の軽減を行う。また、現行の運営機関である北海道競馬事務所を廃止し、新たに日高町に新公社を設立して運営を委託する。こうした施策によっても10年度までに黒字転換できない場合は、ホッカイドウ競馬を全廃する方針だ。これは道からホッカイドウ競馬と馬産地に突きつけられた最後通牒と見るべきシロモノだ。

97年、ホッカイドウ競馬は帯広、岩見沢から撤退を決めて、トレセンを改造して門別競馬場を新設した。札幌から高速バスで1時間半もかかる門別競馬場は、集客定員が500人。馬券は場外で買ってもらうことを前提にした競馬場で、門別本場の売り上げ比率は9%余り。一方、4000人以上を収容できる旭川はナイトレースが名物だったが、立地が悪いこともあって本場での売り上げは全体の6%に留まっていた。このため、賃借料などで年間2億円の経費がかかる旭川での開催を取りやめて、門別に開催を移行させるのは収支均衡には必須と判断されたのだろう。門別もスタンド改築を行って収容人員を増やす予定だというが、 Aibaや南関東での場外発売、ネット販売に依存すればするほど、各地を回ってレースを行う意義は薄れていくのが当然だ。しかし、ホッカイドウ競馬を基幹産業の一部として存続させることが第一義ならば、 "無観客競馬"になろうと些末な感傷に浸る必要はあるまい。

また、門別競馬場のある日高町に設立される新公社は、馬産地を抱える自治体や生産者団体にホッカイドウ競馬の運営を主導してもらおうという狙いがある。ホッカイドウ競馬がなくなれば、中小牧場も潰れる。両者は一蓮托生の運命だ。道から派遣されている役職員は本庁へ引き上げ、日高管内の自治体、生産者団体が新公社に出資。競馬実施のための業務は新公社が担うことになる。新公社は身の丈にあった、小回りの利く組織へ生まれ変わることが期待されている。一口に北海道と言っても、サラブレッドの産地は胆振、日高管内などに限られる。大部分の道民にとって、競馬の赤字はお荷物にしか感じられていないのが事実だ。「産地主導」と聞こえは良いが、競馬を続けたければ自助努力で行えと言われたに等しい。だが、今回の抜本的な改革の先には、不可能と見られていた黒字転換を達成し、馬産地競馬を存廃論議から救い出す明るい兆しが見えてはいないか。瀬戸際に立たされたが故に、ここまで思い切った案が実行できる。死中にこそ活路がある。ホッカイドウ競馬の再生を楽しみにしたい。

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2007.08.06

最多出走記録タイ ヒカルサザンクロスが250戦!

5日、高知競馬のヒカルサザンクロス(セン14)が 250戦目の出走を果たして、アラブ系のウズシオタローが1987年に達成した記録と並んだ。ヒカルサザンクロスはハルウララで知られる宗石大厩舎の所属馬で、父はミルフォード、母はヨネマンナ、母の父はミスターシービーという血統。 1993年に美浦・田子厩舎から江田照を鞍上にしてデビュー。初戦は14頭立て8着だったものの、翌年4月に新潟ダート千七の未勝利戦で2着馬に1秒8をつけて大差勝ちを収めた。1997年に上山へ移籍すると、以後は金沢、高崎、高知と渡り歩いた。同期にはフサイチコンコルドやダンスインザダークがいる14歳馬だが、今年3月には勝利もあげている。

高知には無事是名馬で有名なオースミレパードも在籍しているが、ヒカルサザンクロスは2歳年下になる。宗石師は蹄鉄を替えて蹄の傷を治したり、飼い葉を1日4回に分けて与えるなど(日刊スポーツ)、様々な工夫を凝らしながら体調管理を行っているようだ。一方、高知の在籍頭数は10年前の半分になり、賞金も削減されたために頻繁に出走せざるを得ない背景もある。同馬の今年に入ってからの出走数は21回。月に3、4走とするなら、連闘か中1週で走り続けていることになる。但し、仕上げ方、スピード、馬場も異なる中央と比べて、ローテーションを非難するのは見当外れだ。コンスタントに出走させる難しさに着目すべきだろう。

ほとんどのサラブレッドは走ることでしか輝くことができないのなら、ヒカルサザンクロスは"アイアンホース"となって記録を伸ばしていってほしい。そして、高知競馬を盛り上げた功労馬として、第二の人生の場が与えられることを望みたい。最多出走の新記録が生まれるのは、来週11日か12日と見られている。
>>★ヒカルサザンクロス応援サイト★

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2007.07.13

帯広ばんえい競馬 藤田、安藤勝らが異種格闘技戦?

16日(月・祝)、帯広競馬場に6人のスタージョッキーが集まり、ばんえい騎手となってエキシビジョンレースを繰り広げる。ばんえい競馬は去年、廃止の危機に直面したが、帯広市の単独開催となって存続。今年はナイター開催を行うなど、経営の立て直しが進められている。今回は藤田、安藤勝、四位、横山典、勝浦、池添らが新生ばんえい競馬応援しようと、イベントに駆けつけることになった。ばんえい競馬は通常の競馬と違って、馬に引かせたソリの上に騎手が乗り、長手綱を操りながらゴールをめざす。同じ競馬とはいえ、まったく求められるものは異なる。サラブレッドの扱いに長けた中央騎手は巨大なばん馬も動かすことできるのか、ばんえい独特の仕掛けのタイミングを巧く判断できるのか、とにかく非常に興味深いレースになることは間違いない。

日刊スポーツの報道によれば、イベントを開くために最も汗を流した騎手は藤田だという。ばんえいの馬主協会の理事が安藤賢一調教助手(元騎手)に相談し、安藤助手の呼びかけにいち早く藤田が手を上げたとする。北海道出身ということもあって、去年の廃止危機の際も組合を通じて存続の署名集めをしたそうだ。去年暮れの暴行事件で騎乗停止になり、復帰してからも公式なコメントもなく、 JRAのファン向けイベントには参加せず、NHKマイルCの勝利ジョッキーインタビュー拒否騒動も記憶に新しい。だから、ばんえいイベント参加からは、決してファンや公のために汗をかくことが嫌なのではない、藤田なりの憤りがあって協力しないのだという彼なりの姿勢も感じる。だが、それが何なのかは藤田自身が言葉にしなければ、ファンには届かないのもまた事実だろう。

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2007.06.27

帝王賞予想 ブルーコンコルド堅軸も相手難解

上半期ダート競馬の総決算、帝王賞が今日(27日)、大井競馬場で行われる。去年、中央のチャンピオン・カネヒキリを地方の雄・アジュディミツオーが突き放した名勝負は記憶に新しい。今年は残念ながら両馬とも帝王賞に出走することはできなかったが、ダートグレード競走最優秀馬に選ばれたブルーコンコルドが主役を張ってくれるなら伝統と格式に相応しいレースになるだろう。そのブルーコンコルドは年明けのフェブラリーSで2着、名古屋大賞典で3着と思わぬ不覚をとっている。だが、いずれも力負けしたわけではなく、展開のアヤ、酷量、コース特性が敗因。条件が整った前走のかしわ記念ではアジュディミツオーを完封しており、大井二千のコースも東京大賞典勝ちがあるように全く不安はない。素直に本命にしたい。

すんなりと軸は決まっても、ヒモになるライバルたちは横一線。中央勢も一長一短ある。実績上位は9度のG1連対があるシーキングザダイヤだが、ここ2戦は衰えが目立ち始めた。一息入れてどこまで立て直しが進んでいるか、鉄砲に不安はないが掲示板から消えても驚かない。フェブラリーSでブルーコンコルドを破ったサンライズバッカスは、距離と脚質がネックになる。穴馬ということなら、大井得意のクーリンガー。近走不振も忘れた頃にやってくるタイプだ。地方勢では大井で10連勝を達成したフジノウェーブに注目したい。前走のさきたま杯で連勝はストップしたが、出遅れて競馬にならなかったのが敗因で、それでも勝ち馬からコンマ4秒差なら悲観する内容ではない。東京ダービーでもヘマをした御神本が汚名返上できるか。馬券には関係なく復活なった笠松のミツアキタービンも応援したい。

◎ブルーコンコルド ○フジノウェーブ ▲クーリンガー
△シーキングザダイヤ、サンライズバッカス、ボンネビルレコード

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2007.06.20

旅打ち金沢競馬! 百万石の男気に触れる北陸路

思い立ったが吉日。博徒が旅打ちに出かけるのに理由は要らない。地方競馬の開催スケジュールを確かめると「金沢」の文字が私を誘ってくれていた。朝7時半、羽田から小松行の飛行機に乗り込み、バスに乗り換えて金沢駅へと到着したのは2時間後の9時半だった。駅西口の1番乗り場から出発する競馬場行き無料バスの第一便には、タイムテーブルが組まれているかのようにちょうど良く間に合った。15分ほど揺られれば、いざ加賀百万石の競馬場へ討ち入りである。私が金沢競馬場を訪れたのは大きなレースもない今週月曜日(18日)。金沢はこれまで三度、立ち寄ったことがあったが、競馬場は初めて。私にとって金沢は場外やネットでも手を出しづらい、馴染みのない競馬場のひとつだ。正直、印象は薄い。だが、この金沢競馬、ただものではなかった。

バスに乗り込むと、すでに車内は騒がしい。前日に行われた重賞レース「百万石賞」や、今日の予想についてなど、パワフルなおじちゃん、おばちゃんが口角泡を飛ばして舌戦を繰り広げていた。私が恐る恐る空いていた席に座ると、早速、六十代とおぼしき紳士が話しかけてきた。「兄ちゃん、競馬場は初めてか? わしは競馬ある日は32年間毎日、いっとんねん。知らん顔はすぐ分かるんや」。いきなり余所者バレバレである。「東京から来た? ここは草競馬やで。大井に行っとけや」、言葉は荒いが顔は嬉しそうに笑っている。おっちゃんにとって金沢競馬場は我が子の如く自慢の対象なのだ。「内外、言うたら外枠や。昔ほどではないがな」「そりゃ先行せな話にならん。追い込みなんかきかへんで」。おっちゃんは知り合いに「この兄ちゃん、東京から来たんやて。朝から競馬しにやで」と触れ回り、「今日はしっかり頑張らなアカンで」と無料入場券を手渡して去っていった。いきなり百万石の男気の洗礼を受けることになった。

競馬場の門をくぐると、5つの専門紙がブースごとに販売されていた。キ