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2017年5月の8件の記事

2017.05.28

日本ダービー予想 2017

日本ダービー馬の称号を得たサラブレッドは レース後に振り返れば、頂点に立つべくして立った馬ばかりだと気付かされるものだ。 それは言い換えれば、ダービーを勝つためにベストな選択をしてきた馬だとも 表現できるのではないか。今年、本命にするのはスワーヴリチャード。 デビュー以来、四位が手綱を取る同馬には3度の敗戦があるが、 いずれも負けもダービーを勝つための“糧”としてきた。 差し遅れた新馬戦は脚を溜めることを覚えさせる、教育的な騎乗だった。 最速の上がりを繰り出すもゴールでクビ、交わされたのは東スポ杯。 次走、共同通信杯で四位は他馬をギリギリまで引きつけてから、 ゴール前で一瞬の脚を爆発させるベストな乗り方を会得させた。 消耗戦の皐月賞はレースに参加せず、体力を温存することを選んだ。 ダービー馬になるため、スワーヴリチャードは着実に王道を歩んできたと言えよう。 東京コースはめっぽう得意のサウスポー。 ウオッカ、ディープスカイとダービー2勝している四位のサポートで、 ゴールに真っ先に飛び込むことを期待したい。 対抗は大外枠も3連勝の内容が圧巻だったアドミラブル。 単穴に距離不安もパワーアップしているアルアイン。 連下は左回り克服鍵のレイデオロ、粘り腰クリンチャー、調子が戻ればペルシアンナイトなど混戦だ。

◎スワーヴリチャード ○アドミラブル ▲アルアイン
△レイデオロ、クリンチャー、ペルシアンナイト、サトノアーサー、ダンビュライト、ダイワギャグニー

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2017.05.23

オークス回顧 桜の借りを返すソウルスターリング完勝 
眞子さまのご婚約の皇室馬券は?

ソウルスターリングが人気に応えて優勝したオークス。 フローレスマジックが押し出されるようにハナに立つ展開は、 1000メートルが61秒7というスローペースで流れた。 ソウルスターリングは少し折り合いを欠きそうになるが、 ルメールがしっかりなだめながら逃げ馬の直後を追走する。 4コーナーを回って馬場の中ほどに出し、直線入り口では持ったまま先頭に並びかけた。 内から伸びるモズカッチャンが一度は先に出るが、 ムチを入れられると瞬時に加速。後続を突き放してゴール。圧倒的人気を裏切った桜の借りを返した。 内外とも絶好の馬場状態で、2番枠の利を活かしたルメールはライバルに付け入る隙を与えなかった。 吉田照哉総帥によればチューリップ賞はフケが来ていて、桜花賞でも少し残っていたとのこと。 前走の敗因は道悪には違いないが、体調面は桜からグッと上昇していたのだろう。 パドックでも馬のデキは際立っていた。ルメールは母スタセリタで仏オークスを勝っているが、 その時も2番手から抜け出す競馬だったそうだ。競馬は歴史を繰り返すスポーツなのかもしれない。

2着モズカッチャンはフローラSも強かったが、勝ち馬と同様に内枠を上手に使った。 今開催の東京は時計は出るが、ディープインパクト産駒のような瞬発力に秀でたタイプより、 多少パワーの要る馬場が得意なタイプが好走している。ハービンジャー産駒のモズカッチャンは馬場も合っていたのだろう。 3着に大外から差してきたアドマイヤミヤビ。良馬場で力は出せたものの、 外枠とペースに泣かされた。デキもそれほど良く映らなかっただけに、地力の高さを証明したと言えよう。 4着に最内を伸びたディアドラ。あとわずかで複勝圏内。中1週で頑張っている。 この馬もハービンジャー産駒だ。5着に3番人気リスグラシュー。 私は府中のスタンドで声が枯れるまで応援したが、残念ながら思うような競馬ができなかった。 最大の課題は馬体維持。432キロは及第点だが、腹は巻き上がってギリギリのつくりではあった。 輸送の影響でパドックでは入れ込みが目立ち、出遅れ、道中は折り合いに苦労した。 さらに直線では挟まれる不利。ちょっとアンラッキーが重なった。 夏はじっくり休養して、成長した姿を秋に見せてほしい。

逃げたフローレスマジックが6着。古馬になって本格化する血統で、これだけやれれば十分だ。 桜花賞・レーヌミノルは13着。もっと積極的な競馬をするものだと思っていたが、 距離延長に対応しようと中団で折り合いに専念する作戦をとった。 それでも2400メートルの壁は厚かったよう。馬体は頗る良さ気に見えたが。 穴人気だったホウオウパフュームは16着。鮮やかな寒竹賞は忘れられないが、当時のデキが戻ってこないようだ。 以下、余談。先週は眞子さまの婚約で世間は湧いただけに、JRA十八番の皇室馬券が 炸裂するのではないかとサインを探したファンは多かった。 井崎脩五郎は婚約相手が藤沢市主催のコンテストで海の王子に選ばれたことから「藤沢厩舎」。 クリストフ・ルメールの「キリスト」が出身の「国際基督教大学」を想起させることから、 ソウルスターリングを本命にしていた。見事的中ではあるが、JRAのサイン馬券とはもっと素直なものではないか。 私の友人は眞子さまのお印「モッコウバラ」に注目していた。花の色は白と黄色の2種類しかない。 ならばと枠連1-5を買ったのだがハズレ。しかし、ソウルスターリングのウイニングランを見て気づいた。 白の帽子に黄色の勝負服。馬上に美しいモッコウバラが咲いていた。

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2017.05.21

オークス予想 2017

去年9月、阪神1800メートルの未勝利戦をレコード勝ちしたとき、 もしかしたらオークスを獲れるかもしれないと思った。 一口馬、リスグラシューのことだ。次戦、東京で行われたアルテミスSを快勝し、 さらに期待は膨らむことになった。 クラシックの王道を歩んできたゆえ、ここ4戦はすべてマイル。 だが、未勝利のパフォーマンスを見る限り、距離はもう少しあったほうがいい。 桜花賞も4コーナーで置かれるシーンがあったように、エンジンのかかりが遅いタイプ。 広々としたコースと距離延長を味方につければ、切磋琢磨してきた ソウルスターリングにも先着できると考える。 今週の東京は前週から馬場が回復し、内が有利な状態。 それでもパワータイプが好走していて、純粋な瞬発力比べにはならなさそうだ。 対抗は1番人気ソウルスターリング、単穴にコース替りで激走が見込めるアドマイヤミヤビ。 連下は混戦。3連勝中モズカッチャン、忘れな草賞は強かったハローユニコーン、 500万組を狙えばディアドラ、モーヴサファイアらの一発。

◎リスグラシュー ○ソウルスターリング ▲アドマイヤミヤビ
△モズカッチャン、ハローユニコーン、ディアドラ、モーヴサファイア

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2017.05.16

ヴィクトリアマイル回顧 アドマイヤリード作戦勝ちで金星 
あのジンクスは今年も更新

前日の激しい雨に打たれた馬場は回復に時間がかかり、 ヴィクトリアマイルは稍重で行われることになった。 水分を含んだ芝は見た目よりも重かったようで、スタミナとパワーが問われるタフなレースになった。 スプリント戦を使われてきたソルヴェイグがスピードの違いからハナに立つ展開。 ただ生粋の逃げ馬でもなく、ペースはあがらない。 馬群は馬場の悪い4、5頭分の内側をあけながら、ダンゴで淡々と流れていく。 前半800メートルは47秒9。まったくのスローペースだ。 高松宮記念2着だったレッツゴードンキは折り合いを欠いて自滅してしまったほど。 1番人気ミッキークイーンは反応鈍く、中団から伸びなかった。 前走の阪神牝馬Sは鮮やかな勝利だったが、重馬場を快走した反動があったのだろうか。 これまで牝馬相手では複勝圏を外したことはなく、差し遅れはあっても 脚なく負けることはなかった。詳しい原因はわからないが、何らか体調面に問題があったとしか思えない。

優勝したのはアドマイヤリード。初めての重賞勝ちがビッグタイトルになった。 逃げたソルヴェイグがコンマ3秒差の5着に粘ったように、先行有利の展開。 追い込みタイプのアドマイヤリードが突き抜けたのは、巧みな手綱さばきによるものだ。 ルメールは6番枠を活かし、前半は状態の良い内ぎりぎりを走ってロスを防いだ。 3角に差し掛かると今度は内へと切り込み、コーナーリングを利してポジションをあげていく。 ピッチ走法の同馬は他馬ほど重い芝を厭わない。直線入り口では先頭集団を射程圏内に捕えることに成功。 そこで馬場の中ほどに持ち出し、芝の傷みの少ない進路を確保した。 アドマイヤリードの最大の武器は一瞬の切れ。ルメールは仕掛けのタイミングを見計らう。 残り200メートル手前、スマートレイアーとソルヴェイグの間に1頭分の空間が生まれた。 その瞬間、解き放たれたバネのように脚を炸裂させたのだった。 ルメールはこの日、JRA記録タイの9連対。 極限の集中状態“ゾーン”に入っていたようなパーフェクト騎乗だった。 一方、陣営は一週前の追い切りではウッドで2頭を先行させ、最後に狭い隙間から抜き去る稽古を積ませていた。周到に準備をしてきた作戦勝ちだったわけだ。

波乱を起こしたのは11番人気デンコウアンジュ。外から差して上位に入ったのは、この馬だけだ。 2歳時はアルテミスSでメジャーエンブレムを差し切り、オークスは不利がありながら シンハライトからコンマ4秒差。言われていたように直線の長い府中は得意だし、 多少時計のかかる芝もメイショウサムソン産駒には合っていたのだろう。 前走の福島牝馬Sで早めに動く競馬をしたのも良い刺激になっていたはずだ。 とはいえ、G1ではなかなか印が回せないのも事実。難しい。 3着は上がり馬のジュールポレール。サダムパテックの半妹で、重馬場も苦にしないのだろう。 上位3頭は4歳馬。過去の傾向通りではある。4着に私が本命にしたスマートレイアー。 2番手から思い通りの競馬ができたと思うがスローペースだった分、 ゴール前のコンマ1秒の切れを争う展開のなかで、クビ、アタマ、連対に至らなかった。 6着にクイーンズリング。阪神牝馬Sに続いて馬場に殺された。 秋は良馬場で走らせたい。2番人気ルージュバックは10着。 マイルは短いし、位置取りも後ろ過ぎた。

なお、拙予想記事で改めて取り上げたジンクス。 「ヴィクトリアマイルでは2走前までに、大外枠または大外から2番目の枠に入っていた馬が連勝中」 というものだが、4頭いた該当馬のうちのアドマイヤリードが勝ったことで、 ジンクスは8年連続更新されることになった。 不思議なものだが、来年もしっかりチェックしておきたい。

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2017.05.14

ヴィクトリアマイル予想 2017

例年にも増して馬場状態の変化に悩ませられる府中。 土曜日は激しい雨が降って、メインの京王杯SCは道悪の巧拙が勝敗をわけることになった。 その雨は日が暮れてあがり、日曜日は湿った芝も急速に回復していくものと思われる。 ただ、その乾き具合を事前に予測することは難しい。 直前まで馬場を見極めることが肝心だ。尤も、あらかじめ予想をしておくなら、 こんな想定ではどうだろうか。 今週からBコースに変って、悪かった内は仮柵の中に移動させられている。 そして、府中の芝は内から乾き始める特性を考えれば、内の先行馬が有利になり、外の差し馬は不利でないか。 本命は武豊鞍上のスマートレイアー。 去年の東京新聞杯で逃げて勝利する脚質転換に成功してから、 海外遠征を含めて1度も掲示板を外していない。 前走の京都記念はマカヒキに先着してファンを驚かせもした。 先行してしぶとく粘る競馬が板についてきたが、 多少時計のかかるマイル戦は好条件ではないだろうか。 ハナ、もしくは2番手からのロングスパートで、あっと言わせるシーンがあって良い。 相手は実力ナンバーワンのミッキークイーン。 単穴には追い込み脚質も、道悪は苦にしないアドマイヤリード。 ルメールで一発気配だ。連下に先行力あるディープ産駒・ジュールポレール、 ハナを切る可能性あるソルヴェイグ、高松宮記念2着のレッツゴードンキなど。

◎スマートレイアー ○ミッキークイーン ▲アドマイヤリード
△ジュールポレール、ソルヴェイグ、レッツゴードンキ、アスカビレン、クイーンズリング

ちなみに、このレースは不思議なジンクスが続いている。 「ヴィクトリアマイルでは2走前までに、大外枠または大外から2番目の枠に入っていた馬が連勝中」というもの。今年はリーサルウェポン、アドマイヤリード、クイーンズリング、スマートレイアーが有資格だが果たして。

>>ヴィクトリアマイル回顧 7年連続更新! 不思議なジンクス(2016.5)

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2017.05.10

NHKマイルC回顧 人気馬惨敗に競馬の難しさを痛感

NHKマイルC、馬券は大外れ。だが、口取りで見せたノリの破顔一笑に救われたファンは多かったのではないか。私はそうだ。先行馬が有利だった桜花賞で、普段とは違う追い込みに賭けた横山典弘とアエロリット。素晴らしい差し脚を見せたが5着に敗れた。今回は一転、抜群のスタートを切ると、控えることなく好位をキープ。逃げるボンセルヴィーゾの後ろにつけて、積極果敢に馬群をリードした。4コーナーでは早めに仕掛け、後続を寄せ付 けることなくゴールを駆け抜けた。前後半は【46.1-46.2】の平均ペース。これで完勝したのだから展開に恵まれただけの勝利とは言えまい。トップレベル牝馬のアドマイヤミヤビ、ソウルスターリングらと接戦してきた実績はダテではなかったということだろう。それにクロフネ産駒は持続力を問われるマイル戦は強い。当日の仕上げも素晴らしく、ノリも自信を持って乗っていた。アエロリットはサンデーレーシングでは格安の1400万円で募集された馬。会員は痛快だろう。

この日の馬場は内が伸びず、先に行った馬が有利であった。2着に13番人気のリエノテソーロ。二桁人気が激走するレースではあるが、ダートで勝ってきた印象が濃く印は回せなかった。尤もダート馬が好走しやすいのもNHKマイルCの特徴なのではあるが。3着に逃げたポンセルヴィーゾ。この5戦、重賞を走って1着はないものの、複勝圏を外したことがない。祖母リュバンドールはリトルオードリーの半妹で、当時、POGでも人気を集めた馬。そこからサクラローレル、ダイワメジャーと重ねられて、ボンセルヴィーゾのような個性派が誕生したのだから面白い。1番人気カラクレナイはブービー17着。桜花賞ではアエロリットと同じような競馬をして先着していたが、アエロリットが前走より上昇していたのに対し、カラクレナイは桜がピークだったよう。それに輸送、初めての左回りとマイナス材料もあっての惨敗か。体調の見極めが難しかったと言えば、私が本命にした4番人気アウトライアーズ。まったく良いところなく、後方のまま13着に沈んだ。レース前、管理する小島茂之師はブログで戸惑う気持ちを率直に記していた。

変に落ち着いていて
気になっていた心の部分は
少し気持ちが乗ってきた感じ

それでも
以前の張り切り過ぎて
若さあふれていたころと比較すると
何だかやけに大人しい(中略)

デビュー以来
気持ちが入ると
なかなかおさまらず苦労していたのに
今は一応カーッと怒るのだが
直ぐにおさまって有難いけど
やっぱり不安 (小島茂之厩舎の本音)

アウトライアーズはNHKマイルCに向けた軽い追い切りで疲労感が出たため、レース前は予定を変更して坂路で追いきったという。その後「いつもの良い時のアウトライアーズ」に戻ったと、小島茂師は期待を持って送り出したのだった。結果的にはアウトライアーズもカラクレナイと同様、本調子ではなく、闘争心に欠けていた。だが、毎日接している一流の調教師でさえも本当の状態を見抜くことができないなら、私のような素人に適切な判断などできるわけもない。改めて競馬の難しさを痛感させられるばかりである。

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2017.05.07

NHKマイルC予想 2017

確たる逃げ馬不在のNHKマイルC。 時計の出やすい東京の馬場でペースが落ち着くようなら、 外差しや追い込みは決まりづらくなる。 狙ってみたいのは内の3番枠に入ったアウトライアーズ。 2000メートルの百日草特別でアドマイヤミヤビ、カデナと接戦したことはあるものの、 最もパフォーマンスを発揮できたのはマイルのひいらぎ賞だった。 締まった流れのなか、後半も【12.3-12.2-11.8-11.7】とゴールまで加速していくラップ。 アウトライアーズは外を回して豪快に突き抜けた。 1馬身半遅れて2着ウインブライト(スプリングS)、3着ナイトバナレット(ジュニアC)、 4着エトルディーニュ(共同通信杯2着)と実力馬が上位を占めたハイレベルな一戦だった。 3歳の始動戦、スプリングSは仕上がり途上ながら2着。 皐月賞は先行馬か内の差し馬しか勝負にならない展開で、 外から追い込んだアウトライアーズにとっては参考外の結果だ。 もとより陣営の照準は皐月賞ではなく、NHKマイルC。 牝馬に人気が集まっている状況でマークも緩くなるだろう。 対抗は桜花賞が好内容がだったアエロリット。今回はある程度、前につけるのではないか。 単穴には皐月賞組からプラチナヴォイス。激走が目立つ二桁人気のなかでは魅力的な存在だ。 単を厚めに、連は広く。

◎アウトライアーズ ○アエロリット ▲プラチナヴォイス
△レッドアンシェル、ディバインコード、カラクレナイ、モンドキャンノ

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2017.05.02

天皇賞春回顧 キタサンブラックがレコードで連覇 
死力を尽くした名勝負が胸を打つ

キタサンブラックが連覇を達成した春の盾。 2006年にディープインパクトが記録した不滅のレコードをコンマ9秒も上回る 驚異的なレースになった。ヤマカツライデンがハナを切り、最初の1000メートルが 58秒3というハイラップで馬群を引っ張った。キタサンブラックは離れた2番手。 鞍上の武豊が全体の流れをコントロールする主導権を握った。 最内をロスなく走るキタサンブラックは4コーナーで一杯になったヤマカツライデンを交わし、 早めのスパートを試みる。それまでのペースから繰り出せる脚を計算し、 全能力をゴールで使い切るであろう絶妙のタイミング。 淀3200のすべてを知る武豊の完璧な仕掛けだった。 最後の1ハロンは12秒2とキタサンブラックも一杯になったが、ライバルたちの脚も残っていなかった。 肉を切らせて骨を断つ、死力を尽くした名勝負に胸を打たれた。 去年の天皇賞春ではキタサンブラックは格下のカレンミロティックにハナ差まで迫られた。 故に決して生粋のステイヤーではないのだが、あの時よりも遥かにパワーアップしていることを 証明したと言えよう。それに秀でた先行力と稀有な自在性が備わることで、 毎回のようにレースを支配することができるわけだ。

2着は福永のシュヴァルグラン。 去年は消極的なレース運びで不完全燃焼だったが、今年は一転、積極的な競馬を見せてくれた。 阪神大賞典での予行演習の成果が出た。ステイヤーとして能力をフルに発揮できる展開になり、 前走で力負けしたサトノダイヤモンドに先着することができた。 2番人気、そのサトノダイヤモンドは最速の上がりは記録したものの、 勝ち馬を捕らえるだけのスタミナは残っていなかった。 外枠の不利は小さくなかったが、激しい消耗戦では分が悪かったということか。 それでも悲観する内容ではなく、歴史に刻まれる二強対決の片方の主役としての責任は果たした。 あわやの4着に10番人気アドマイヤデウス。岩田のパーフェクトな騎乗が光った。 6着ディーマジェスティは蛯名が「ずっと突っ張っているような感じで進んでいかない」と述べていたが、 本調子ではないのだろう。それでも、この着順に来ているのは地力の高さなのだが。 7着ゴールドアクターは出遅れて終わった。9着に3番人気シャケトラ。こちらも出遅れ、 ポジションを取るために早々に脚を使った。キャリアの浅さが露呈したが、まだまだ成長の余地がある。 いずれにせよ、1番人気10連敗中のジンクスを跳ね返したキタサンブラックの圧勝劇は、 一時、巷で騒がれた春盾の距離短縮論を黙らせるに十分なレースだった。 今後は二強とも体調を第一に、ロンシャンに狙いを定めてほしい。

一方、その2時間ほど後、香港ではネオリアリズムが クイーンエリザベスⅡ世カップ(2000メートル)を制し、初G1タイトルを手に入れた。 1000メートル通過が67秒3という超のつくスローペース。 ネオリアリズムも堪らずに折り合いを欠いていたが、 3コーナーで鞍上のモレイラは手綱を緩めて一気に先頭を奪う。 そこからペースをあげて持続力勝負に持ち込み、1番人気ワーザーらの差し脚を封じて ゴールまで粘り込んだ。ネオリアリズムは乗り方の非常に難しい馬だが、 展開に応じて馬を動かし、抑え込む、高度な技術があってこその勝利。 神がかり的な騎乗だった。堀厩舎はモーリス、サトノクラウンに続く香港G1制覇だ。 先週、もう1つ強烈な印象を与えたのが青葉賞のアドミラブル。 最後方に位置していたが3コーナーからスパート。4番手まで進出して直線を向くと、 残り400メートルで先頭へ。詰め寄られると二の脚で突き放して2馬身半差でゴール。 それが2分23秒6のレースレコードである。デムーロ曰く「今回はダービーの練習。ダービーでも乗りたい」。 皐月賞2着のペルシアンナイトを袖にすることになるようだ。本番でも1番人気に推されそうで、 牡馬クラシックも面白くなってきた。

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