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2017年3月の6件の記事

2017.03.28

ドバイWC回顧 世界最強馬の勝ち方は“ハリウッド”

「これで勝つようならハリウッド映画じゃないか」、そうアメリカの バファート師は思ったという。 ゲートで出遅れ、挟まれて最後方に押しやられたアロゲート。 それでも速脚を使って馬群に取り付くと、3コーナー手前から一気に加速する。 泥だらけになりながら隙間を縫うように中団まであがっていく。 勢いは衰えることなく、4コーナーは外を回して先団へ。 内から膨らんできた相手を弾き飛ばし、直線は粘り込みを図る2頭をめがけて襲いかかった。 残り200メートル、ガンランナーを外から捻じ伏せると、あとは独壇場だった。 2馬身のセーフティーリードを広げると、手綱を抑えて悠々とゴール。 何たるエンジンの凄さ。信じられないパフォーマンス。まさにハリウッドな勝ち方だ。 第22回ドバイワールドカップの覇者となったアロゲートは、アンブライドルズソング産駒の4歳牡馬。 BCクラシックではカリフォルニアクロームを破り、 前走は世界最高賞金のペガサスワールドカップを圧勝していた。 世界一のダート馬の勝ち方とはかくなるものか。 アロゲートのような馬を生み出す、アメリカ競馬の深遠さを感じずにはいられなかった。

アロゲートと対戦した日本勢は、アウォーディーの5着が最高だった。 一昨年、オールウェザーからダートに戻ったワールドカップは 日本馬が好走するには厳しいレースになった。その中で最後まで食らいついていったアウォーディー、 最後方から8着まで追い上げたラニの兄弟は大いに健闘したと言えるだろう。 一方、去年はラニが制したUAEダービー。国内無敗のエピカリスがハナを切り、ゴールまでサンダースノーと一騎打ち。 わずかに短頭差だけ交わされたが、世界レベルの実力があることを証明できた。 次走は渡米し、プリークネスSかベルモントSに挑むという。 キャロットクラブの出資者にとって夢のようなクラシックシーズンになるだろう。 そして、日本馬が得意とするドバイターフ。リアルスティールに続く日本馬の優勝は 難しかろうという大勢の見方を覆し、4歳牝馬のヴィブロスが海外初遠征で大金星をあげた。 鞍上のモレイラは強風を嫌って他馬を風よけに、後方3番手にポジショニング。 4コーナー、内を回って順位を押し上げる。直線では残り400メートルから外へ持ち出し、 ディープ牝馬らしい鋭い脚で差し切ったのだった。佐々木主浩オーナーの強運と名手の戦術が 栄冠を引き寄せた。秋はアメリカ遠征も視野にあるというから楽しみだ。

ドバイ国際競走の翌日、国内では高松宮記念が行われた。 私は凖メインに出資馬が出走することもあって、初めて中京競馬場に遠征することにした。 あいにくの雨模様で、午前中は内の逃げ馬が有利な馬場状態だったが、 レースが続くに連れて芝は掘り返され、傾向は読みづらくなった。 この馬場をまったく苦にしなかったのがセイウンコウセイ。 好発4番手から競馬を進めると、絶好の手応えで直線へ。馬場の真ん中に持ち出されると、 内でもがくライバルを悠々と追い抜き、先頭でゴール板を駆け抜けた。 これが初重賞勝ちとは思えない、威風堂々たる完勝であった。 ニシノ・セイウン軍団としてはセイウンスカイの菊花賞以来のビッグタイトルだが、 西山茂行オーナーの名義としては初G1制覇になる。桜井牧場(静内)は家族3人と従業員1人で 繁殖12頭を世話する小さな生産者。こちらも初めてのG1勝ち。 名門オーナーと家族経営の牧場の栄誉は、競馬界に彩りを与える。心からお祝い申し上げたい。 私が本命にしたレッツゴードンキは内を突いて2着。今回もプラス体重だったが、昨夏から30キロも馬体は大きくなった。 スプリンターとして本格化している。シュウジ、メラグラーナ、ソルヴェイグあたりは悪馬場に 対応できなかった。

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2017.03.25

高松宮記念予想 2017

有力馬不在のスプリント戦線。日曜の名古屋は50%の雨予報ということもあって、いっそう競馬予想も難解になる。人気でも道悪が苦手なメラグラーナあたりは軸に据えづらい。狙ってみたいのは、前走で長いトンネルを抜けたレッツゴードンキだ。桜花賞をまんまと逃げ切ってから、オークス、秋華賞と駒を進めたものの低迷。ずっと不調が続いていたが、昨秋の地方交流重賞参戦あたりから上昇気配が感じられるようになった。そして、年明けの京都牝馬Sでは鮮やかな差し切りで約2年ぶりの勝利を上げた。前走は1400メートル戦だったが、レッツゴードンキは抑えるのに苦労して道中、鞍上は手綱を引っ張り続けたまま。陣営は様々な条件を試してはきたが、この馬のスピード値を考えれば1200メートル戦が最も能力を発揮できる舞台ではないか。高松宮記念は5歳馬が好成績を残しているのもレッツゴードンキを後押しする。主戦の岩田康誠は去年、重賞を1つも勝てないなど、こちらもスランプに苦しんでいた。だが、今年になって重賞3勝。ファンディーナという至宝も手に入れた。レッツゴードンキともどもコンビで完全復活を遂げてほしい。

◎レッツゴードンキ ○レッドファルクス ▲セイウンコウセイ
△ソルヴェイグ、シュウジ、メラグラーナ、フィエロ

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2017.03.22

フラワーC圧勝の衝撃 ファンディーナの次走はどこに?

種牡馬としてシンザンを繋養していたことでも知られる谷川牧場。 数多の名馬を輩出してきた日高の名門である。 古くはタケホープ、ミナガワマンナから、近年はサクセスブロッケン、インカンテーションなど枚挙にいとまがない。 ヒシアマゾンと競ったオークス馬・チョウカイキャロルも生産馬で、 いまも彼女は功労馬として牧場で余生を過ごしている。 23年前、チョウカイキャロルは1番人気に推されたフラワーCで3着に敗れたが、 同じ牧場で生まれた後輩は衝撃的な強さで快勝し、ファンの度肝を抜くことになった。 ファンディーナは500キロを超える、ディープらしくないディープ牝馬だが、 柔らかく、大きなストライドで飛ぶように走る姿は父を彷彿とさせる。 レースではスピードの違いでハナに立とうとするところ、 鞍上の岩田が宥めると2番手で折り合った。道中は楽々と弾むように走っている。 ゾクッとしたのは4コーナーだ。わずかに手綱をしごかれると、次の瞬間、ヒュンと加速。 あとは持ったまま差を広げていく。直線では岩田がターフヴィジョンをマジマジと見る余裕があった。 まるでファンディーナだけが、他馬と異なる時空にいるかのような光景だった。 時計は問題ではない。ただただ強さが違っていた。

ファンディーナはターファイトクラブの所属馬で、1口9万円の500口、 総額4500万円で募集された。フランス産の母・ドリームオブジェニーは タタソールズ・ディセンバー繁殖セールを経て導入され、1つ上の兄・ ナムラシングンを産んでいる。一族にはバゴらがいる。 ディープインパクト×Pivotalの配合はダノンジェラート(セントライト記念3着)、 ワールドインパクト(青葉賞2着)の兄弟と同じ。やはり芝の中距離以上で真価を発揮するタイプだろう。 レース後、メディアの関心はファンディーナの次走に集まっている。 普通ならば桜花賞ということになろうが、デビュー3戦とも1800メートルを使ってきており、 いずれもスローペースの競馬だった。速いラップの刻まれる多頭数の桜花賞で、 リズムを崩すようなことになれば将来に影響が出る。 マイルがベストに思えるソウルスターリングという強敵もいる。 初めてのG1欲しさにクラブが桜参戦を強硬に主張しなければ、日本ダービー、もしくはオークスを目標にして 次走が決まるのではないか。管理する高野師はショウナンパンドラを エリザベス女王杯でなくジャパンカップに向かわせて勝利した成功体験もある。 いずれにせよ、ひさしぶりに日高の名門が輩出した女傑の未来が楽しみでならない。

皐月賞トライアル、スプリングSはウインブライトが制した。 拙ブログでは本命を打っていたが、単勝8倍の5番人気は美味しい配当だった。 中山1800メートルをマクって勝ち切ったのは前走と同じ。 このコースは滅法得意なのだろう。ただ、馬体は仕上げられていた分、 ここがピークという気がする。皐月賞で上位に食い込むのは難しかろう。 むしろ、2着のアウトライアーズの方が上積みがある。1番人気の2歳王者・サトノアレスは4着に敗れた。 スタートダッシュつかず追い込みにかけたが、差し切るだけの脚はなかった。 朝日杯で2着だったモンドキャンノがブービーだったのは負けすぎにしても、 同レース組のレベルに疑問符がついたのは認めざるを得まい。 ワールドインパクトの半弟、トリコロールブルーは5着。府中で見直したい。 西の阪神大賞典はサトノダイヤモンドが有馬記念以来の勝利。 直線では先に抜けたシュヴァルグランに狙いを定め、1完歩ずつ追い詰めて交わしさった。 これで神戸新聞杯から4連勝となったが、王者の風格を纏うようになった。 天皇賞春でのキタサンブラックとの再戦が待ち遠しい。

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2017.03.20

フラワーC予想 2017

今年の牝馬クラシック戦線はソウルスターリングを筆頭にして、 稀に見る逸材が花咲いているように思える。 フラワーCに参戦するファンディーナもその1頭。 デビュー戦を9馬身差で逃げ切ったのに続き、 つばき賞は超スローで逃げる相手を33秒0の凄まじい脚で差し切った。 ファンディーナに太刀打ちできそうなライバルはフラワーCには皆無で、 難なく通過すると考える。しかし、ヒモはどんぐりの背比べ。 先行力あるデアレガーロ、まだ伸びしろあるハナレイムーンが有力も、 スロー必至の展開では紛れも多いだろう。

◎ファンディーナ ○デアレガーロ ▲ハナレイムーン
△ディーパワンサ、モリトシラユリ、サンティール、ブライトムーン

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2017.03.19

スプリングS予想 2017

朝日杯の上位2頭が参戦するスプリングS。 これに500万を勝ち上がってきた新興勢力が挑む構図だが、 狙いは皐月賞への出走権を手にし、さらに先を見据えて賞金を加算したい後者であろう。 なかでも前走の勝ち方が圧巻だったウインブライトを本命にしたい。 昨夏、デビューしたときは450キロほどだった馬体は、 レースを使われるごとに増加して470キロを超えた。 ひいらぎ賞では先に抜けたアウトライアーズの後塵を拝したものの、 年明けの若竹賞は1頭、次元の違う競馬で快勝した。 4角手前から馬なりであがっていき、大外を回って楽に突き抜けたのだった。 直線半ばで鞍上の松岡が後ろを振り返る余裕があり、 最後も持ったままで流してゴールした。 若竹賞はスプリングSと同じ中山1800メートル。高い成長力で金星を掴むことを期待したい。 相手は人気どころになろうが、スローで前残りになったときを考えて手広く流したい。

◎ウインブライト ○サトノアレス ▲アウトライアーズ
△モンドキャンノ、トリコロールブルー、エトルディーニュ、プラチナヴォイス、ダノンケンリュウ

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2017.03.12

フィリーズレビュー予想 2017

順当ならばハイレベルの阪神JFで3着したレーヌミノルで堅いレース。 クイーンCでは逃げて敗れたが、距離短縮になって死角はなくなる。 だが、そんな実力馬を脇に置きつつ、 本命を打ってみたいと思わせる馬がいる。 ダートながら2戦2勝で参戦してきたタガノカトレアだ。 前走は牝馬限定の500万とはいえ、1頭だけ次元の違う競馬をしているように突き抜けた。 軽くあしらった2着馬は次走、牡馬相手に完勝している。 母タガノチャーリーズはスプリント時代のフェアリーSで3着するなど 芝で活躍しており、血統的にもダート専用とは思えない。 やや内の4枠に入ったのもプラスに作用するはずで、 ロスない競馬が運べれば逆転の目もあり得る。 フィリーズレビューは軽いスピードだけでなくスタミナも問われるレース。 未知の魅力に賭けてみたい。

◎タガノカトレア ○レーヌミノル ▲ジューヌエコール
△カラクレナイ、ゴールドケープ、アズールムーン、シグルーン

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