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2016.10.01

凱旋門賞展望 マカヒキが立ち向かう強敵と難コース

ディープインパクトがロンシャンで敗れて10年になる。競馬ファンに留まらず、日本中の人々が“世界一”の瞬間を待ち侘び、みな肩を落としたのは一昔前の出来事。光陰矢の如しだ。この間、2010年にナカヤマフェスタが、2012年と2013年にオルフェーヴルが2着に惜敗。特に2012年はゴール前で見せた悪癖がなければ、確実に栄光は手中に収まっていた。かつてのように凱旋門賞が遙か先にある夢ではなく、もう日本競馬が十分にタイトルを得る資格があることをファンは知っている。それでも1969年のスピードシンボリが挑戦して以来、凱旋門賞を大きな目標に掲げてきた歴史に一区切りつけ、次のステージに進むためには勝って呪縛を解き放つしか方法はない。大いなる期待はマカヒキにかけられる。その年の日本ダービー馬が渡仏し、ニエル賞を勝って本番に臨むのはキズナに続く2頭目。斤量の軽い3歳馬が、現地のステップレースを使うことが最良の策であろうことは、苦杯の歴史から得た教訓である。鞍上は欧州のコースも日本競馬も熟知したクリストフ・ルメール。条件は揃った。

では、ライバルとの力関係はどうか。現地で1番人気に支持されているのは6連勝中の5歳馬、ポストポンド。ドバイシーマCでドゥラメンテを退け、その名を日本のファンにも響かせた馬だ。その後もイギリスでコロネーションC、インターナショナルSと連勝。3、4番手につけて抜け出す安定した競馬と、時計の速さや馬場の軽重を問わず力を発揮できるのが強みだ。キングジョージを回避した呼吸器系の疾患も後を引いていないようで、順当にいけば凱旋門賞も勝ち切ることができるはずだ。とはいえ、凱旋門賞は波乱のレース。2009年にシーザスターズが勝ってから、1番人気が連敗しているデータは重しになろう。トップホースには失礼だが、近年の優勝馬トレヴ、 ザルカヴァ、あるいはエルコンドルパサーを下したモンジューなどにあった絶対的な強さを感じさせるかというと、そこまでの凄みはない。ポストポンドが背負う斤量は59.5キロ。マカヒキは56キロと3.5キロの差がある。2010年のナカヤマフェスタは3歳馬のワークフォースにアタマ差、遅れを取ったが、今回、この斤量差は日本馬の味方だ。

さらに、マカヒキの前に立ち塞がるのが4歳牝馬のファウンド。ハイレベルだった愛チャンピオンSで2着。勝ち馬のアルマンゾルは出てくればポストポンドと人気を分け合っていただろうが、この女傑も侮れない。去年、米BCターフで優勝。今年はG1で5度、2着と勝ちきれていないものの、堅実な成績には目を見張る。混戦になれば、こうした馬が相対的に浮上してくるだろう。同じく愛チャンピオンSをステップにするのが4歳牡馬のニューベイ。 追い込み馬同士の決着となった同レースで、好位から競馬をしての4着。去年は仏ダービー、ニエル賞を制して凱旋門賞は3着と好走した。復調気配が伺える実力馬が、得意のシャンティイであっと言わせるかもしれない。 また、愛チャンピオンSで1番人気ながら8着と大敗したハーザンド。他馬と接触して外傷を負ったのが原因とされ、こちらも巻き返しは必至だ。愛チャンピオンS組と比べると、ヴェルメイユ賞を勝ったレフトハンド、フォワ賞を勝ったシルバーウェーヴは一枚落ち、好走には展開の助けが必要だ。

30日、抽選が行われ、出走16頭の枠順が決まった。マカヒキは外目、14番枠。シャンティイの2400メートルは奥ポケットからのスタートがトリッキーで、すぐに左にカーブするが、2コーナーでは右へと曲がる。少頭数なら気にならないが、多頭数になるとポジション争いでゴチャつく場面もあるだろう。一方、下り坂になる3、4コーナーの角度はきつい。上手くインコースに入れられなければ、外々を回らされてロスを強いられる。ポストポンドが7番枠を引いただけに、マカヒキはルメールの手綱さばきが注目される。例年のロンシャンよりは日本馬に向くとも評されるが、シャンティイもまた独特のコースだ。今回も過去の挑戦と同じように勝つのは容易ではない。ライバルも強い。だが、チャンスは少なからずある。ディープ、オルフェと違って1番人気を背負わないのもプラスに働く。静かに、胸を高鳴らせながら、歴史的瞬間を待ちたい。

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