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2016.05.31

日本ダービー回顧 運も引き寄せた川田の勇敢な騎乗

世代の頂点を決める日本ダービー。最高峰ゆえに極限まで仕上げられた馬たちの激しい戦いになり、 わずかな位置取りや追い出しのタイミングの違いが勝敗を大きく左右する。 今年、8センチの差を制して栄冠を手にしたマカヒキ。 3番枠を利してロスなく内々を走れたことが勝利につながった。 鞍上の川田は好スタートを切ると先頭から7、8頭目という、いつもより前目のポジションを取った。 サトノダイヤモンドを先に見る理想的な形になった。 1000メートル通過は平均と言える60秒フラット。 だが、直後に12秒9、13秒1とラップが落ちて、上がりの求められる競馬になった。 マカヒキにとっては望んだ展開だった。直線、馬群の中ほどに持ちだした川田の前にはエアスピネル、 外にはサトノダイヤモンドがいてスペースはなかった。このままなら強引な手綱が必要だったかもしれない。 しかし、残り200メートル手前、追い出したサトノダイヤモンドが少し外に寄れて進路が生まれた。 脚を溜めていたマカヒキは瞬時に加速すると、エアスピネルを交わして先頭に躍り出る。 川田は膝を立ち気味にして必死にムチを入れた。そこに態勢を立て直したサトノダイヤモンドが 脚を伸ばす。鬼気迫る追い比べ。2頭が並んだところがゴールだった。 どちらが勝ってもおかしくはなかったが、川田の勇敢な騎乗が運も引き寄せて8センチ, マカヒキを先着させた。

サトノダイヤモンドのルメールもまた、文句のつけようがない手綱さばきだった。 八分の仕上げだった皐月賞とは打って変わって、馬体は研ぎ澄まされていた。 直線で外に寄れたのは誤算だった。影響のほどは分からないが、向こう正面で落鉄までしていた。 ノーザンファームとしては里見治オーナーにクラシックを プレゼントしたかっただろうが、金子真オーナーの強運には敵わなかった。 3着には皐月賞馬、ディーマジェスティが入った。単勝1番人気に推されたのは蛯名正義に ダービジョッキーになってほしいというファンの願望だった。 その証拠に複勝は3番人気、連もマカヒキから売れていた。 ディーマジェスティはダービーで圧倒的に良績ある白い帽子を被ったが、 1コーナーではマカヒキより外に出して最内のアドバンテージを早々に放棄した。 包まれるのが嫌だったのだろう。だが、外を回したことで直線では寄れたサトノダイヤモンドに 邪魔される格好になり、理想的なコースを通ったマカヒキに追いすがることができなかった。 だからといって内にいれば逆転できたというものでは決してないが、 安全策を選び、負けたというのも事実である。中間、時計を出せない日があるなど皐月賞勝ちの疲労が心配されたが、 調子は取り戻せていた。エアスピネルは正攻法の競馬で4着。将来、2000メートル以下ならG1を勝てるかもしれない。

私が期待したリオンディーズは5着。返し馬からうるさく、デムーロは折り合いをつけるため 後方から競馬をせざるを得なかった。それでもスタート後は口を割るなど、コントロールできる状態ではなかった。 上がりは最速の33秒2と能力の片鱗を見せたものの、この日の展開と切れるライバルたちが 好位で競馬をしていたことを考えれば、勝てる要素は一つもなかった。 個人的に反省するのは、各馬の情報に対して客観的な洞察力が欠落していたことだ。 ダービーというのはデビュー前から周到な準備をして臨むもの。 直前、操縦性を高めるために「舌を縛る」といった工夫を買い材料だと捉えていた。 しかし、本番の幕があがろうかという段になって、そうした策を講じなければならないのはマイナス材料でしかなかった。 東京2400メートルが得意な父母で埋められた血統表への過信、 デムーロなら先団で折り合いをつけられるはずだという思い込み、 4番人気まで急落したオッズの皮算用…。逆にマカヒキにはスタミナが足りないのではないか、 ディーマジェスティは皐月賞の反動があるのではないかなど、根拠の薄い情報をネガティブに受け取っていた。 まったく考え至らず、都合の良い情報を切り貼りしていただけだと肩を落とした次第である。 来年こそは納得行く予想で的中させたい。

ダービーは皐月賞1着から5着がそのまま掲示板を占めたが、グレード制導入後は初めてのことだという。 以下、着外に敗れた馬にも簡単に触れたい。 6着は京都新聞杯勝ちのスマートオーディン。思い通りの展開にならないなか、 大いに健闘している。7着はマウントロブソン。出遅れての巻き返し、能力は高い。 9着にレッドエルディスト。良く追い込んできた。 10着にブロディガルサン。青葉賞より内容は大きく進展した。 一息入れて秋へのステップにしてほしい。 13着に青葉賞を快勝したヴァンキッシュラン。 実質4連勝中で前走がピークだったよう。お釣りがなかった。 殿18着はブレイブスマッシュ。最初から最後までレースに参加せず。 とてもG1に出走できる状態ではなかった。 横山典弘が無理をさせなかったのが幸いだった。

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