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2015.06.03

日本ダービー回顧 ドゥラメンテの勝利を決めた一瞬は

第82回東京優駿はドゥラメンテが春のクラシック二冠を達成して幕を閉じた。 ガーサント、ノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンスと重ねられてきたボトムラインにキングカメハメハが配合された血統表。 社台グループというより日本競馬の正史を体現するものとして語り継がれていくだろう。昨今のダービーでレースに最も影響を与えている ファクターは枠順だ。今年は1番枠のサトノラーゼンが2着に食い下がって 配当をつけたが、これで過去11年で2012年を除く10回、1~3番枠に入った馬が必ず連対したことになる。ダービーは先行馬が容易に止まらないレースであり、差し馬や追い込み馬にしても道中は内でロスなく脚を溜めることがアドバンテージになる。 かたや外枠を引くと、先手を取るにはダッシュで脚を使わなくてはならないし、外々を回して差し切るにはディープインパクト級とは言わないまでも相当な実力差が必要になってくる。 だからレース前、今年の3強で内枠の幸運を掴んだ馬を本命にしようと考えていたのだが、その目論見は3頭とも11~14番枠に押しやられたことで崩れ去った。

私はドゥラメンテは3頭のうちで最も後方に位置するのではないかと思っていた。 前々走の共同通信杯は序盤で折り合いを欠いてリアルスティールの後塵を拝し、皐月賞ではミルコ・デムーロが待機策を選択していたからだ。下手にポジションを取りに行き、荒々しい気性に火がつくのは避けたいところだ。リアルスティールはスプリングSで差し届かず批判されたが、皐月賞では好位につける積極的な競馬に成功していた。瞬発力ではドゥラメンテに分があることが明白なら、リアルスティールは多少の冒険をしても先行するはずだと考えた。ところが、そうはならなかった。 スタート後、デムーロは8枠のスピリッツミノル、キタサンブラックを先にやると、 ドゥラメンテを減速させずに7、8番手を奪いに行ったのだ。 案の定、折り合いを欠きそうになるドゥラメンテ。そうはさせまいと体重を後ろにかけ、力強く手綱を引くデムーロ。間もなく馬は落ち着いた。この瞬間が今年のダービーを決定づけるものになった。陣営はリスクを取ることで外枠の不利を最小限に抑えたのだった。無論、そこに勝算を見出だせるだけの調教が積まれてきたのは言うまでもない。

一方、リアルスティールはドゥラメンテの後ろに控えた。 「一発勝負に懸けて後ろから運んだのは作戦」(スポニチ)と矢作師は言う。 1コーナーで口を割る場面もあったが、距離や折り合いに不安を抱いていた可能性もある。 ドゥラメンテが気性の悪さを見せれば、共同通信杯の再現があるという思惑もあったかもしれない。 しかし、ダービーで展開の利があるのは先行馬であり、よほどの乱ペースが出現するのでなければ直線で逆転するシーンは想像しがたかった。矢作師が栄冠を掴んだディープブリランテの果断さとは対極にある作戦だったと思う。今年こそはと福永に期待していた多くのファンも、おそらく大半がガッカリしただろう。ワールドエースの敗戦から学ぶところは何だったか。サトノクラウンは発馬一息で、こちらも後方からの競馬を余儀なくされた。 4角では外を回って良く追い込んできたが、理想的なレースをしたドゥラメンテとの差は遠く、サトノラーゼンも交わすことはできずに3着。それでも皐月賞の凡走が実力ではないことを証明したし、秋は距離を短縮して飛躍できる場を見つけられるだろう。驚かされたのは16番人気、コメートの5着。 レース後、苦労人である鞍上の嘉藤は涙を流したと聞くが、大舞台にかけた気迫を感じさせる手綱さばきだった。

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