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2012年11月の6件の記事

2012.11.30

追徴課税5億円! あらわにされた「競馬と税金」の矛盾 

競馬で利益を得ていたにも関わらず、3年間で5億7千万円を脱税したとして、大阪市の会社員が起訴された。しかし、現実に儲けていた額は1億4千万円。それがなぜ4倍もの追徴課税がなされることになったのか? 各紙報道によれば、男性は3年間で28億7千万円分の馬券を PATで購入。払戻金として30億1000万円を受け取っていた。予想ソフトを制作して、ほぼ土日の全レースを買っていたとようだ。尤も、男性がウン十億円を一度の賭け金にしていたわけではない。競馬ファンなら分かるだろう。例えば1万円を最初のレースにつぎ込み、2万円の配当を得たとする。次のレースに2万円を投じたが1万円しか払い戻しがなかった場合、トータルの儲けはゼロでも、2度の的中で得た3万円は利益とみなされる。そして税法上、ハズレ馬券は経費として計上できず、認められるのは直接の的中馬券の原資だけ。 つまり、1点あたり1000円の馬券が10倍の配当で1万円になったときは、9千円が課税対象、1000円が必要経費になる。ほかに何点買っていようが、経費には認められない。現行の運用では経費を除いて年間で合計90万円以上、払い戻しを受けた場合は 申告義務が生じるのだという。

これまでも馬券で儲けた所得は税金を払わねばならないのかと、議論の俎上に載ることはしばしばあった。今年の天皇賞春当日、須田鷹雄は2500万円のWIN5を的中したことを公にし、600万円余りを納税することを明らかにした。だが、有名人が高配当を得たことを喧伝する場合を除いて、ファンが自発的に納税することは極めて稀だろう。税を納める義務があることを知らない人もいよう。3連単、WIN5と100万馬券が飛び出すのが、そう珍しくない昨今、潜在的な犯罪者が続々と 生産されているのが現状なのかもしれない。そうでなくとも、90万円以上の払い戻し(トータルでは赤字でも)を受けているファンなど掃いて捨てるほどいる。JRAは2億円のリターンある馬券を売る一方、厳密に法を適用すれば脱税となる実情に目を瞑ってきたわけだ。もともと馬券は25%ものテラ銭が差し引かれているわけで、払戻金を対象とするのは二重課税である。市井のファンが安心して馬券を楽しめるよう、政治や行政に働きかける努力をすべきだったのだ。

馬券による脱税として思い出すのが、3年前に発覚したニュース。イギリス人が経営する香港の会社が3年間で160億円も稼ぎ出し、法人税法違反に問われた。結局、社長は海外へ逃亡してしまったが、このグループも独自のソフトを使って大量に馬券を購入していた。 160億円は純益なのか、ハズレ馬券を差し引かない額なのかは不明だが、足のつかない場外馬券場で投票していたと言われている。馬券ベタな私には想像もつかないが、コンピューターソフトを利用して予想をし、生計を立てている人は現れてきているようだ。「ほはてい一直線」というブログを運営されている男性もその一人。公開されている2009年のPAT成績では、1億6千万円の購入に対して 回収率113%、1億8千万円の払い戻しを得ている。購入レース数は2800余り。趣味ではなく、立派な仕事である。男性は事業所得として正直に申告したそうだ。 ところが、税務署は一時所得であるとして、 1千万円の追徴を求めてきたという。税務署からの通知に記されたの理由とは

競走馬の着順に係る予想は、必ずしも的中するとは限らないため、 馬券を購入する行為と購入馬券の的中との間には相関関係がなく、 予想の結果がどのようなものになるかは、偶発性のみに由来すると 認められる上、競馬については、いわゆる必勝法はないとされている ことからすると、競馬に営利性があるとは認められません。 …当該行為から生じた所得について、営利を目的とする 継続的行為から生じた所得ではなく、事業所得には該当しないこととなります 。(「ほはてい一直線 2012/7/12」より)

税務署にとって、予想が的中するかどうかは賽の目を振って 当てるのと同じもののようだ。不確実性という観点からは株式投資やパチプロと変わらないと思うのだが、競馬だけは事業性が認められていない。男性は国税不服審判所への審査請求など係争を続けていく構えで、冒頭の事件とともに競馬と税金を巡る矛盾をあらわにし、根本から揺り動かす事態になりそうだ。裁判所などには社会通念に照らして、ごくごく常識的な判断を下すよう願いたい。

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2012.11.24

ジャパンカップ予想 2012

オルフェーヴルはまた大外枠を引いた。今年6戦中、5回目の大外枠である。阪神大賞典は壁をつくれなかったせいで逸走。さすがに同じ過ちを繰り返すことはないと思うが、内が伸びる馬場状態、凱旋門賞からの帰国初戦であることを鑑みると、稀代の名馬にも一部の隙がみえてくる。3歳馬、フェノーメノに本命を打つ。天皇賞秋はエイシンフラッシュの奇襲に敗れたが、1番人気を背負い、堂々の横綱競馬をしての2着。最も強いレースをしたと言えよう。前走からの調子落ちはなく、得意の左回りで金星を狙いたい。ビートブラックがつくる平均ペースを好位で追走し、早めに仕掛けるのが理想か。ジャパンカップと相性の良いダービー連対馬でもある。対抗はオルフェーヴル。単穴にルーラーシップを推す。

◎フェノーメノ ○オルフェーヴル ▲ルーラーシップ
△ジェンティルドンナ、ダークシャドウ、エイシンフラッシュ

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2012.11.18

マイルCS予想 2012

今年も大混戦のマイルCS。かつては最も堅いGⅠとも呼ばれたが、最近3年は二桁人気馬が連対している波乱のレースだ。どの馬からでも入れそうだが、繰り上がりで 出走権を得たダノンシャークを狙ってみたい。マイルは8戦して5連対、京都コースは8戦して6連対だから舞台はもってこい。前々走の毎日王冠はグランプリボスやストロングリターンに先着するなど、重賞未勝利ながら古馬になってグンと力をつけてきた。前走のスワンSは距離不足で、1ハロン伸びる今回のほうが走りやすい。馬場の回復具合は分からないが、 土曜のように内有利だと枠も味方につけることができる。対抗は安田記念馬・ストロングリターン。右回りに出走するのは1年半ぶりも陣営に不安はない。叩いて一変する可能性十分。単穴には思い切ってフラガラッハ。嵌ったときの追い込みは父デュランダル譲り。出遅れ、仕上がり途上の前走大敗は参考外。外差しの馬場になれば一気に台頭する。

◎ダノンシャーク ○ストロングリターン ▲フラガラッハ
△ファイナルフォーム、マルセリーナ、ドナウブルー、グランプリボス

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2012.11.11

エリザベス女王杯予想 2012

牝馬三冠でジェンティルドンナに惜敗を続けてきたヴィルシーナが圧倒的な人気を集めるエリザベス女王杯。過去10年、優勝馬の半数は3歳馬が占めており、位置取りも自在なヴィルシーナには死角がなさそうだ。しかし、どこか一筋縄で収まるような気がしないのがこのレース。データ的には買いづらい6歳馬だが、フミノイマージンから 馬券は狙ってみたい。夏の札幌記念は古馬一線級のダークシャドウを 封じて優勝。八分の仕上げで臨んだ京都大賞典も 1着争いに加わって僅差で入線した。京都外回りは脚さえ残っていれば進路が開くコース。 この馬とのコンビで重賞4つを制した太宰にとっては、初めてのGⅠタイトルに賭ける思いは強いだろう。対抗はヴィルシーナ。単穴はスマートシルエット。新潟記念は先週のアルゼンチン共和国杯2着のムスカテール、小倉記念勝ちエクスペディションらと同タイムで駆けており、 息を入れて先行できればあっと言わせる力がある。

◎フミノイマージン ○ヴィルシーナ ▲スマートシルエット
△マイネイサベル、ホエールキャプチャ、マイネオーチャード、ピクシープリンセス

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2012.11.05

天覧競馬にドレスコード!? 産経の主張にネット沸騰

東京競馬場で行われた秋の天皇賞は7年ぶりに天皇、皇后両陛下の臨席を仰いだ。優勝したエイシンフラッシュのミルコ・デムーロ騎手(伊)がゴール後、正面スタンド前で下馬し、 芝にひざまずいて貴賓室の両陛下に最敬礼。スタンドの喝采を浴びたのがいかにも「天覧競馬」で華やかだった…のだが、産経新聞が「天覧競馬と知っていても普段着で出かけた人が大半だろう」 「いったい何人が、天皇皇后両陛下に敬意を払ってレースを見ていただろうか」と、行幸啓に際してファンはドレスアップすべきだとする記事を掲載し、ネットでいま、カンカンガクガクの論争が起きている。なんで?
>>天覧競馬で最敬礼は違法!? 満場の喝采さらった伊騎手の行為にネットで議論沸騰(産経ニュースwest)

産経のスポーツコーナー「競馬サイドストーリー」は大新聞らしからぬ軽妙な筆致と夕刊紙のようなネタを得意とし、一部のファンに好評を博している。とりわけ、天覧競馬を取り上げた記事はツイッターを中心に広く言及されているようだが、それも当然だろう。何しろ関西人ならずともナンデヤネン!と突っ込みたくなるトラップが幾重も埋め込まれているのだから。だいたい見出しからして凄い。「最敬礼は違法!?」とある。どういうことか読み進めると、「競馬法は第120条で『到達順位が第7位までの馬の騎手は、競走終了後、直ちに検量を受けなければならない』 と定めている」というのだ。競馬法は開催回数、馬券発売など競馬の根幹をなす重要法令だが、実は第34条までしか条文がない。私の浅薄な知識によれば、後検量に関する規則はJRA理事長通達で出された 「競馬施行規程」に記載されているもの。検量所まで下馬してはならないというのは「法律」に違反しているわけではない。もし違法行為であれば、一特殊法人にすぎないJRAが大岡裁きなどできるはずがない。さらに記事では

松永幹騎手(現調教師)は下馬せず、ヘルメットだけを脱ぎ頭を下げた。松永幹騎手は競馬法の条項が骨身にしみて分かっているから、失礼を承知で馬上礼をとったのだ。なにも天皇陛下への尊敬の念がイタリア人より劣っていたわけではない。デムーロ騎手がその条項を知っていたかどうか。「調教師から、勝ったら陛下に一礼と言われていたそうだ」「さすが欧米人は礼節をわきまえている」「でも例外を認めると今後悪用される」「開催委から許可がないなら当然制裁だ」などとネット上で議論が沸騰している。

とあるが、寡聞にして白熱した議論が行われていることを知らない。それに松永幹が「失礼を承知で馬上礼をとった」というが、これは本人の言葉だろうか? 例えば馬術競技では臨席する国家元首などに対して敬礼することが決められているが、競技者は騎乗したまま脱帽することになっている。馬上礼は礼儀を失するものではないのだ。もし規則で下馬できないから両陛下に失礼な行為を騎手にさせていたとすれば、それこそJRAは非難されるべきだろう。デムーロより松永幹が礼を欠いていたとする事実認識、些か疑念が生じる。またロイヤルアスコットのドレスコードを引き合いに出しているが、すべての一般来場者にまで厳しく適用されているわけではない。「国内唯一の国際GIジャパンC」の表現はJRA国際部に泣いてもらうとして、 「それ(関係者)にあわせて観戦者が着飾るのは見たことがない」と嘆くのは、凱旋門賞当日のロンシャンが安物のジャンパーを羽織った親父で溢れかえっているのを鑑みると、少し悲観的になりすぎているのではないかと思ってしまう。

だが、せっかくの提言に対してネガティブな感想ばかり述べることは生産的であるまい。 想像してみよう、ドレスコードが厳格化されたときの天覧競馬の姿を。男性は黒のモーニングスーツとシルクハットを着用、女性は直径30センチの土台ある帽子を被らなければならない。入場門では緑服のJRA職員が「卑しい下人どもめっ! 」と小汚いファンを警棒で殴りつけ、着慣れぬ格好をした徹夜組には「ルネッサ~ンス!」とワイングラスを回す連中が続出。フジビュースタンドは鈴木淑子と愉快な仲間たちに我が物顔でハイジャックされてしまう。 壮大な光景だ。この雰囲気に陛下もご気分麗しくされ、畏くも馬券を購入。レース後、「やはり、いっくんは来ませんでしたか」と競馬研究を御手にのたまふ。外人騎手の最敬礼には目もくれず、「何事にも先行馬はあらまほしきものですね」と最終の検討に入る。アッパレ天覧競馬。ロイヤルアスコットにも負けない熱気。王室と国民が一体となる瞬間である。そう考えると、一見すると「不毛」に感じる今回の記事も、なかなか捨てたものではない気がしてくる。 斜め上を行く「競馬サイドストーリー」の快進撃に注目したい。

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2012.11.04

アルゼンチン共和国杯予想 2012

今週はGⅠの谷間。東京のメインレースはアルゼンチン共和国杯になる。このレースの特徴はハンデ戦らしく、上がり馬の活躍が顕著なこと。過去10年、連対馬10頭が前2走のうち1000万条件を勝っていたか、準オープンで2着以内の成績を収めていた。今年は該当する馬が3頭いるが、最も魅力的なのが内田博幸鞍上のムスカテール。ノーザンファームの生産馬では珍しいマヤノトップガン産駒だ。前走のオクトーバーSは32秒9の差し脚を繰り出して楽勝、1600万クラスでは力が違うところを見せつけた。前々走の新潟記念は先行して5着に敗れたが、このときも上がりは32秒9。勝ち馬とはコンマ1秒の僅差で、ちょっとしたアヤが違えば重賞を手にしていただろう。中京、新潟、府中と意識して使われてきたように、モタれずに走ることができる左回りが大の得意。陣営もアルゼンチン共和国杯はメイチの勝負だろう。相手は古豪オーケンブルースリ。往年の勢いはないが、前走より体調は上向いている。ジャパンカップ2着があるように、このコースは良く走る。3番手にギュスターヴクライ。58キロは見込まれた感もあるが、この馬もひと叩きされて上昇気配だ。

◎ムスカテール ○オウケンブルースリ ▲ギュスターヴクライ
△ルルーシュ、マイネルマーク、オーシャンブルー、フォゲッタブル

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