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2012.10.03

凱旋門賞展望 オルフェーヴル1番人気に
勝利は容易ならず、勝機は大いにあり

7日に迫った凱旋門賞。大手ブックメーカーはオルフェーヴルに単独1番人気のオッズをつけている。ここにきて相次ぐ有力馬の出走回避が同馬にとって追い風とみられているためだ。エリザベス女王杯連覇後、ジャンロマネ賞、アイリッシュチャンピオンSと快進撃を続けてきたスノーフェアリーは脚部不安を発症。そして、昨年の凱旋門賞の覇者、デインドリームも在厩するケルン競馬場で伝貧感染馬が見つかたっため、移動制限の対象となり出走を断念することになった。古馬になった今年もキングジョージでは強烈なパフォーマンスを披露していただけに、この歴史的牝馬の名がレーシングフォームから消えたのは残念極まりない。また、スノーフェアリー、デインドリームとここ2戦、接戦を演じてきたナサニエルも熱発のため取り消しを行っている。オルフェーヴルにとって最大のライバルが脱落したことで、夢の凱旋門賞にグッと近づいたことは間違いない。一方、それだけで楽観視できるほど甘いレースではないことは心に留めておきたい。

前走のフォア賞は十分に合格点のつけられる前哨戦だった。帯同馬アヴェンティーノはハナに立つと、馬群がバラけないようペースにスローに落とす。おかげでオルフェーヴルは口を割る仕草を見せながらも、壁をつくって折り合いをつけることができた。がっしりと手綱を抑えられたことで、スミヨンには逆らえないことも学習したのではないか。フォルスストレートでもかかる素振りなく、4コーナーでは作戦通りにアヴェンティーノに進路を譲らせて最内から抜けてきた。阪神大賞典で逸走した前科もある同馬が、初挑戦の難しいコースを勝ち切ったのだから安堵した。だが、完璧な競馬をした割には後続を思ったほど突き放せなかったのも事実。極端なスローペースとはいえ、日本での能力を知っているファンにすれば物足りない着差だった。8分の仕上げを叩いてどれだけの上積みができているのか、現地での調教がどれだけオルフェーヴルのフォームをヨーロッパ仕様に変えているのかが、大きな鍵になる。

回避した牝馬2頭に代わってオルフェーヴルの前に立ち塞がるのは、やはり3歳勢だろう。凱旋門賞はニュースターを誕生させるためのレースであり、3歳馬と古馬との斤量差は3.5キロもある。最近10年でも3歳馬の優勝は8回。エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタに先着したのも、ディープインパクトを交わし去ったのも3歳馬だった。追加登録料を払って出走するサオノワはニエユ賞の勝ち馬。本邦に輸入されたチチカステナンゴ産駒のフランスダービー馬だ。瞬発力勝負になれば、軽量を生かして台頭するはず。モンジュー産駒のキャメロットは惜しくも英三冠を逃したが、セントレジャーは力負けとは言いがたい。この他、4歳牝馬シャレータも侮れない。ヴェルメイユ賞を勝ち、去年の凱旋門賞でも2着しているのだから、このコースが余程合うのだろう。実はフォア賞をステップにして本番を制した馬は過去に2頭しかおらず、彼らと比べてデータ的にはオルフェーヴルの不利は否めない。

しかし、オルフェーヴルがこれまでの日本馬の挑戦と決定的に違うのは、鞍上に地元のトップジョッキーを手配したこと。デビュー以来、主戦騎手だった池添をおろしてスミヨンを指名。浪花節的に考えれば、日本初の凱旋門賞馬の背には日本人がいてほしい。とはいえ、密集した馬群で体をぶつけ合う激しいレースで、「余所者には勝たせたくない」という欧州騎手たちに武豊や蛯名らは苦い思いをさせられてきた。その結果がスミヨンへの大胆なスイッチであり、私も最良の選択だと考える。勝つべき力のあったディープインパクトがお祭り騒ぎのなかで一敗地にまみれた経験は、謙虚に戦いに臨むオルフェーヴル陣営の糧になっている。今年、オルフェーヴルが先頭でゴールを駆け抜けることが容易だとは思わない。本番の独特な雰囲気に飲み込まれてしまう可能性もあろう。だが、チャンスは大いにある。勝機は大いにある。半世紀に渡る日本競馬の悲願が叶えられたとき、また新たな競馬史が幕を開けるだろう。今週末がその日になることを願いたい。

>>凱旋門賞 知っておきたいロンシャンのコース(2006.09.28)

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