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2012.07.28

オルフェーヴル口取り写真 社台グループが遺憾の意

凱旋門賞へ向けて着々と準備が進められているオルフェーヴル。これまでコンビを組んできた池添謙一は降板し、現地2戦はスミヨンが手綱をとることになった。日本初の凱旋門賞馬の背には日本騎手がいてほしいという浪花節的な願望もあって、この乗り替わりは物議を醸した。だが、私自身はこれまでヨーロッパ勢のプライドの高さゆえ、日本騎手が厳しい競馬を強いられてきたことを考えれば、歓迎すべき選択ではなかったかと感じている。かつて、社台ファームが所有していたホワイトマズルに武豊を配して惨敗を喫したのは象徴的だが、2着に健闘したエルコンドルパサーの蛯名もできることならハナは切らずに馬群でレースをしたかったはず。力は抜けていたディープインパクトはロンシャン特有のコースで チグハグな競馬をしてしまったし、思い通りのレースができたのは伏兵ナカヤマフェスタの1度目の挑戦ぐらいではないか。本気で勝ちに行くなら地元ジョッキーに依頼するのは筋が通っている。 逆に1度、勝ってしまえば次からはロマンチシズムに依った差配もしやすくなるだろうから。

ところで、三冠馬を外国人騎手に譲る形となった池添だが、もしかしたらオルフェーヴルが凱旋門賞から帰国しても手綱が戻ることはないかもしれない。先週、会員のもとへ届けられた社台グループの会報「Thoroughbred 8月号」、その巻頭に「宝塚記念の優勝記念撮影の現場から」とするコラムが掲載された。この春、阪神大賞典で逸走、天皇賞春は着外に敗れたオルフェーヴルは、決して万全ではない体調ながらグランプリで鮮やかな復活劇を遂げた。インタビューで池添は嗚咽を漏らし、「この馬の強さをやっと見せることができた」と涙を流した。苦悩に打ち克って愛馬を勝利に導いた池添は悲劇のヒーローであった。 しかし、このときの口取り写真にオーナーサイドが遺憾の意を表したというのだ。

<会員の皆様のお喜びに水を差すつもりは毛頭ないのですが、ひとつだけ残念に思えたことについても触れておかなければならないようです。>と始まっているので、会員さんに何かよろしくない行為があったのかと思ったら、ぜんぜん違った。宝塚記念の口取り写真でオルフェーヴルのまわりに写っているのが厩舎関係者とその家族ばかりで、端に追いやられた会員さんたちがまったく写っていないことに対して 、<まさにオーナー不在の状況となってしまい、皆様に申し訳ない気持ちでいっぱいになったのです。>と、暗に厩舎関係者を批判する内容だった。(日々の覚え書き)

このコラム、吉田照哉、勝己、晴哉の三兄弟の連名が添えられていたというから尋常ではない。確かに口取り写真を見ると、オルフェーヴルの両脇には幼い娘を抱えた池添、同じく子どもを抱いた池江泰寿師と父・泰郎氏が佇んでいる。まさに感動のレースを演出した主役たちである。ただ一方で、競走馬はスポットライトを浴びやすいジョッキーや調教師ばかりに支えられているわけではない。オルフェーヴルを立て直すにあたってはノーザンファームのスタッフの力は大きかったし、一口クラブにあってお金を出資してくれる会員たちは欠かせない存在だ。個人馬主が減ってクラブの重みが増すなかで、口取りは「記念写真」に入れてあげるエキストラサービスに留まらない。馬主としての権利はないクラブ会員を満足させ、つなぎとめるための大切な場になったということだろう。結果的に今回の口取り写真は、厩舎関係者以外の人々を蔑ろにする形になったとオーナーサイドには感じられたのではないか。もし、これが乗り替わりにも何らかの影響を及ぼしていたとしたら物語は数奇である。人間万事塞翁が馬。三冠達成から春のアクシデント、復活、乗り替わりと、オルフェーヴルと池添には特にそう感じさせられる。

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コメント

正直、厩舎関係でもなく一口もやってないものから言わせると「どーでもいいはなし」ではあるんですが、シンボリ和田オーナーと二本柳師とのバトルの時代からすると、「随分変わったんだね~」という印象です

投稿: 銭やって揉んでやって | 2012.07.29 10:15

はじめまして。おじゃまします。
厩舎関係者を除けば、口取り写真の中央にいる「池添騎手の家族」は池添騎手本人と抱かれている娘さんだけ。これが怒りを買ったんですかね?騎手が端にいるっていう構図もおかしいです。信じられませんね。もっと検証する必要があるんじゃないでしょうか?噂をそのまま書いたっていうレベルの記事ですよ、これ。

投稿: レイ | 2012.07.29 13:18

写真の構図は、撮影前に分かっていたこと。なるべく中央にいないと写らないのは子供でも理解できる。もしも馬主達がクレームしたなら、違和感がある。社台が謝罪しているのは、馬主達が写る位置に立つよう助言出来なかったことであろう。なぜ池添騎手が怒りを買うのか?彼が出資馬主達に「中央に来るな」とでも暴言を吐いた証拠があるのか?

投稿: 中井 | 2012.07.29 19:02

コメントありがとうございます。確かに不正確、粗雑な表現がありましたので、一部改めました。反省致します。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2012.07.29 20:50

記事の趣旨とは大きく外れますが・・・

なんの権利ももたせず(例えば凱旋門での騎手選択に発言権がちょっとでもあったんでしょうかね?)「オーナー気分」に金だけ出させてる社台に「出資者たちを蔑ろにしている」とか厩舎関係者を非難できるなにかがあるんでしょうか。
むしろ蔑ろにしてるのは、そんな制度でリスクだけを折半してるクラブだと思いますけど。
しかもそのことを覆い隠して機嫌を取るために、騎手や厩舎関係者を非難するという偽善欺瞞。
「オーナー不在」とかいって出資者たちを持ち上げて、オーナー気分を助長させようとする浅はかな魂胆が見え透いているようにしか思えません。

投稿: | 2012.07.30 16:27

社台の批判のコメントは適切です。厩舎関係者は調教手、騎手、助手本人に限るべきです。家族を写真撮影の場に立たすというのは、はなはだ分をわきまえない態度だと言われても仕方がないのではと思います。今回の指摘を受けて厩舎関係者,騎手側は襟を正したらいかがでしょうか?

投稿: kazu | 2012.07.30 19:34

日本の厩舎関係者は世界の厩舎関係者の中でも経済的には一番恵まれた立場にあると思いますが、それもすべてファンや馬主さんが直接的あるいは間接的に多大な負担をしている結果です。日本の厩舎関係者はこの意識に欠けている人が決して少なくないと感じます。

投稿: 零細一口出資者 | 2012.07.30 21:14

この問題は「社台グループにとって顧客とは」から考える必要があり、小口に分類されるのがキャロットファームやG1レーシングであり、中口に分類されるのが社台レースホースやサンデーレーシングであり、大口に分類されるのが社台オーナーズやセールで買い物をする馬主だ。

そして小口は中口に、中口は大口にというのは商売をする上では当然のことであり、特に両クラブは既に大口顧客の域にいる人物がクラブの出資会員にいることも多々ある。従って大口顧客(候補)に「本当はこういうものではありませんよ」とアピールすることも当然のことだ。

ただし現場でサンデーレーシングの関係者が何かしらの指摘をしなかったのかという疑問はある。社台グループのしたたかさを考えれば「これを機にオーナーズ」と営業していてもおかしくないがこれは邪推の域だろう。

なんにせよ社台グループにとっての大口顧客(候補)は騎手・調教師にとってもお客様(候補)である。ひょっとするとG1に勝った喜びでそこまで考えが至らなかった彼らへの社台グループからの警告なのかもしれない。

投稿: 年寄 | 2012.07.31 06:12

この際、社台グループは池江調教師と池添騎手から手を引いたらどうだろう!
この先、個人オーナーが減少しクラブ馬が多数を占めた場合に、今まで個人オーナーと接してた態度と一口馬主に対する態度がクラブ運営にも少なからず影響してくると思う!
勝利する事は、調教師、騎手、その馬に関わった人すべてが嬉しく思い、個人オーナー、一口馬主も一緒である!
厩舎関係者も、ファンやオーナーへの配慮は今まで以上にするべきだと思う。

投稿: しんちゃん | 2012.07.31 23:35

>みなさま
コメントありがとうございます。興味深い視点をご示唆いただきまして感謝致します。競馬界の今を現すような出来事だったのだなと思わされました。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2012.08.04 18:51

これ、単なる使用人に過ぎない厩舎関係者や騎手がオーナーである馬主関係者を蔑にしたってことで、欧州だったら絶対にあり得ないことだね。
海外遠征して、こんなことしたら世界中のホースマンの笑い物になるよ。

投稿: 社台会員 | 2013.09.16 18:40

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