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2012.04.13

皐月賞展望 ワールドエースは社台対決を制するか?

牡馬クラシックの第一冠、皐月賞の枠順が発表された。人気を分けるのは2頭。スプリングSを制して世代最初の重賞2勝馬となったグランデッツァと、若葉Sを勝って4戦3勝としたワールドエースである。ともに社台グループのクラブホースだが、グランデッツァは本家社台産、ワールドエースはノーザンファーム産。日本競馬が「社台の運動会」と揶揄されて久しいが、いまや社台ファームとノーザンファームの兄弟同士しか切磋琢磨できる相手はいなくなってしまった。昨年はオルフェーヴルやブエナビスタを擁するノーザンファームが、マルセリーナやカレンチャンらを生産した社台ファームを賞金額で上回って、3年ぶりに生産者リーディングを獲得した。その一方、勝ち鞍では社台ファームがトップを保った。ノーザンファーム代表の吉田勝己は社台ファームこそがライバルだと言って憚らない。

「社台ファームの存在が、頑張れる要素になっていますね。このように全体としては社台ファームと競争し、牧場の中では厩舎がほかの厩舎と競争するなど、私以外の全員が常に競争しています(笑)」 「今後はクオンティティ(量)よりクオリティを高めていこうかな、と。ですが、繁殖牝馬の購入は一生つづけていきます。兄貴(吉田照哉)とぶつかり合いながら買うこともよくありますよ」 (優駿 2012/4)


ワールドエースはノーザンファームの至宝、ディープインパクトの仔として生まれた。「生まれたときから品があった。見かけもいいし、走っても美しい。こんな見事な馬、なかなかいない」(同)と吉田勝己は最高の賛辞を送る。実際、兄弟馬が走っているわけでもないのにサンデーレーシングで世代最高の1億円で募集したのだから、よほど馬体に確信を持てたのだろう。一方、グランデッツァは半姉マルセリーナが桜花賞馬となった後、吉田照哉をして「アグネスタキオンの最高傑作」(週刊Gallop) と言わしめた逸材。アグネスタキオンは社台ファームの生産馬だから、皐月賞は両牧場の威信をかけた一戦と捉えられなくもない。 枠順はワールドエースが5枠9番、グランデッツァが8枠18番を引いた。スプリングS馬が本番で好成績を残していることから人気はグランデッツァに軍配が上がると思っていたが、大外枠が嫌われてワールドエースのほうが支持を集めるかもしれない。ただ皐月賞は中山競馬場で施行された近9年、勝ち馬は不思議と4枠から6枠以外から出ており、8枠は連対数でトップを誇る。枠順で評価を下げるのは賢明ではない。

臨戦過程や脚質など死角が見出しにくいグランデッツァとは対照的に、ワールドエースには懸念材料が少なくない。最も大きいのはローテーション。12月の新馬戦を勝った後、2戦目に選んだ若駒S。追い込みの効かない重馬場でゼロスに逃げ切られて痛恨の敗戦を喫した。競馬を教えた福永を騎乗ミスと責めるわけにはいかないが、悔しさに任せて中1週できさらぎ賞に向かった陣営の判断は疑問符がつく。確かにきさらぎ賞の勝ち方、時計は非常に中身の濃いもので、ワールドエースのポテンシャルの高さを証明することになった。2着ヒストリカルは毎日杯を、3着ベールドインパクトはすみれSを、4着ジャスタウェイはアーリントンCを、それぞれ次走で制している。いかにハイレベルだったか分かろう。しかし、その分、疲労も蓄積することになった。 間隔を開けた若葉Sはマイナス8キロ。輸送のない関西圏でのトライアルを選択したのに馬体を減らしたのは誤算だった。皐月賞は初めての長距離輸送が待つ。当初の青写真通り、弥生賞をステップにできていれば要らぬ不安でなかったか。

さらに4つのコーナーを回る中山2000メートルでは、出遅れ癖は致命傷になりかねない。 若葉Sは先行勢が有利な馬場状態にも関わらず外から力でねじ伏せてしまったが、皐月賞はライバルが断然強くなる。ディープインパクト譲りの末脚とも評されるが、父が格下のアドマイヤジャパンにクビ差まで迫られたのは同じコースだった。鞍上も十全の信頼が置けるとは言いがたい。福永は根岸Sから高松宮記念、桜花賞まで1番人気で跨った重賞は8連敗中だ。それでも、吉田勝己が過剰とも思えるほど福永を重用しているのは、競馬界を背負わねばならないプリンスに勲章を与えたいという意図を含むはず。 去年、初の全国リーディングに立ったとはいえ、牡馬クラシック、天皇賞、有馬記念などは未だ勝利なし。大舞台を人気馬で勝ち切ってこそ、ジョッキーは一流である。何よりワールドエースがこれまで見せてきた実力は世代トップのもの。第一関門さえクリアすれば、2年連続三冠馬の可能性は大きく開けてくる。今年の皐月賞はデータ的にはグランデッツァ有利と認めつつ、心情はワールドエースに寄せてしまう。馬券は悩みどころだ。


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コメント

去年に続き、
社台運動会によそ者が乱入して勝っちゃった、
みたいな感じでしたね。

私のような者には心情的に
そっちの方が痛快に感じられますが。

投稿: | 2012.04.16 16:52

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