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2012.01.09

”岩手の怪物”は色褪せず きょうトウケイニセイ記念

きょう(9日)は今年度の岩手競馬を締めくくる トウケイニセイ記念が行われる。3月の地震で施設に大きな被害を受け、一時は再開は難しいと見られていた水沢競馬場。 だが、関係者の懸命な復旧作業とNARなどからの財政支援もあって、先月10日に開幕することができた。そして数々の試練を乗り越えて、例年通り、最後の大一番であるトウケイニセイ記念を迎えることになった。トウケイニセイは43戦39勝という驚異的な成績を残し、岩手の怪物と名声を轟かせた馬。父のトウケイホープも岩手で大活躍した東北に縁深い血統である。脚元に屈腱炎という爆弾を抱えていたため他場に遠征する機会はほとんどなかったが、地元の交流レースに挑んできた中央の準オープン馬を大差でちぎるなど、その強さは底知れないものだった。トウケイニセイが初めて中央のトップレベルと相まみえることになったのは南部杯。交流元年と言われた1995年、南部杯も全国交流競走に指定され、フェブラリーSを制したライブリマウントが参戦することが決まったのだった。

ネット中継などなかった時代だ。ファンの関心を呼び起こした世紀の一戦も、レースが観たければ現地に赴くしかなかった。すでにトウケイニセイは旧年齢にして9歳。だが、直前まで単勝1番人気の支持を集め、最後はライブリマウントに逆転されたものの、差のない2番人気に推された。水沢のマイル戦は4コーナーの引き込み線からスタートする。かつての高崎ナンバーワン・ヨシノキングがハナを奪い、2番手につけたライブリマウントをトウケイニセイが外からマークした。道中は堂々と馬体を併せ、まるで他馬など眼中にないように一騎打ちを演じているかにみえた。3コーナーを過ぎた勝負どころ、鞍上の菅原勲が手綱をしごいてスピードをあげる。しかし、余力はライブリマウントにあった。直線、ライブリマウントがヨシノキングを悠々と捕えた後方で、トウケイニセイはもがき苦しんでいた。生涯で初めて連対を外す3着でゴールしたとき、 超満員のスタンドからは大きな溜め息が漏れた。それでも岩手のチャンピオンホースとして敢然と立ち向かっていった姿に観衆は拍手を贈り、このレースは後世まで語り継がれることになった。

引退したトウケイニセイは岩手県内の乗馬施設で静かに余生を送っていた。ところが今年3月、馬主の小野寺喜久男氏が営む病院が大津波によって被災。トウケイニセイを飼育することが難しくなってしまった。名馬の窮地は人々を奮い立たせた。菅原勲らが発起人となり「トウケイニセイ基金」を設立。現役時代の戦いぶりは色褪せず、多くのファンの胸に焼きついていたのだろう。全国から支援金が寄せられた。岩手の古き良き黄金期を駆け抜けたトウケイニセイは、震災の困難に立ち向かう結束の象徴として再び姿を現したのだった。さて、今年のトウケイニセイ記念。南部杯と同じマイルが舞台だ。この日で引退する皆川麻由美に乗り馬がないのは残念だが、どの馬からも狙える妙味ありそうなメンバー。最内枠、菅原勲が手綱を取るシャイニーハリアーに期待する。5連勝の後、前々走は2着に敗れたが、勝ち馬は桐花賞でも連対した実力の持ち主。水沢ではまだ1度も連対を外したことがなく、 ロスなく立ち回れれば勝機が見える。岩手の復興を願って馬券を投じよう。

◎シャイニーハリアー ○ブライティアピア ▲ゴールドマイン
△リリーレインボー、ベルモントダイヤ、ワイルドキャット

>>1995年・南部杯レース映像

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