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2011.12.27

有馬記念回顧 オグリを超えたオルフェーヴル完勝劇

今年のCMはオグリキャップのラストランがモチーフだったが、1000メートルの通過ラップは1分3秒6と、あの年とほぼ同じ極端なスローペースになった。少頭数のうえ、出走メンバーに逃げ馬は不在。ペースをつくると見られていたアーネストリーさえ、これまで逃げた経験は一度もなかった。鞍上の佐藤哲はハナに行くことを避けようとし、スタートして最初のコーナーでは外を回して番手に控えようとした。しかし、押して内から上がっていったデムーロのヴィクトワールピサも手綱を抑える。どの馬も先頭には立ちたくないというのだ。やむ得なくアーネストリーがハナへ。一本気で強情、短気な性格の佐藤哲はままならない展開にカッと来たのではないか。それならばと歩くような遅いペースにまで手綱を緩めてしまった。中盤のラップは13秒1、14秒4、14秒3。本来、アーネストリーにとっては宝塚記念にような持久力勝負に持ち込むのが理想。しかし、序盤で息を入れた後、中盤から後続を引き離す定石もまったく 無視し、14秒台を2度も刻む異例の選択をしたのだった。佐藤哲の心中、私には良く分からない。確かなのはこの時点でアーネストリーの勝ちはなくなり、総合的な能力を問われるレースにはならなくなったということだ。

オルフェーヴルは出負けして後方からの競馬。スローペースに池添は相当、焦ったはずだ。それでも脚を溜めることに専念し、折り合いを欠きそうなオルフェーヴルを内に入れて必死になだめていた。こうした我慢比べになると、相対的にキャリアの浅い3歳馬は不利になる。21年前の有馬記念でオグリキャップが勝利したのも、引っ掛かるホワイトストーンらを尻目にして流れに乗れたのが決め手だった。だが、オルフェーヴルは後方馬群で遅いラップをやり過ごすと、後半2角、コーナーリングを利用して外に持ち出す。最後の直線に賭けようとライバルたちがじっとしているなか、向こう正面半ばから進出を開始。ペースが早くなった3角すぎでも加速をつけて外からまくっていく。まさに古馬然とした競馬、オグリのラストランを見ているようだった。直線はロングスパートで脚を消費したとは思えない伸びを見せ、内で粘るエイシンフラッシュを競り落とした。勝ちタイム2分36秒0は同日1000万条件の最下位より遅い時計だが、それほど乱戦になったレースを横綱相撲で完勝したことに大きな価値がある。オグリと同じようなレースを古馬初対戦でやってのけたのがオルフェーヴルの真骨頂であり、日本のトップに立ったことを誰もが認めざるを得ない有馬記念になった。

2着に一世代上の東京優駿馬、ルメールのエイシンフラッシュ。秋2戦は不運なレースが続いていたが、内容自体は悪くなかった。ダービーと同様、超スローの流れになったことで、我慢強く、瞬発力勝負の得意なエイシンフラッシュが浮上したのは自然な結果だ。3着に福永トゥザグローリー。去年は先行して3着だったが、今年は外から差して同じ着順。中間はびっしり乗り込んでのプラス体重で、状態が上向いていたのが大きい。9番人気は少し評価を落としすぎていた。4着はルーラーシップ。休み明けで道中もスムーズとはいかなかったが、力のあるところを示した。2着から4着は人気薄だったが、すべて4歳馬。3、4歳が好走する傾向は今年も守られた。ブエナビスタは7着。内3番手の絶好のポジションかと思われたが、3角からペースが上がったときに思うようにギアがあがらない。直線は行き場を失って、いつものような差し脚を繰り出すこともできなかった。最高のデキだったジャパンカップの状態を維持するのは難しかったということだろう。輪乗りのときは1頭、物思いにふけるように佇んでいたブエナビスタ。 雪舞う引退式では黒い瞳から涙をこぼした。サラブレッドを擬人化しようとは思わないが、最後まで人々を惹きつける名馬だったのは間違いない。ロンシャンの夢は後輩に託し、まずは故郷でゆっくりとしてほしい。

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コメント

今さら有馬のことをどうこう言うつもりはありません。ただしオルフェーヴルが日本競馬界の頂点に立ったとは思えません。巷ではルドルフやブライアン、ディープを超える馬と言われていますが、真の実力者と認められるのは今年の成績如何にかかっています。

投稿: サラリーマンN | 2012.01.01 14:14

>サラリーマンNさま
おっしゃる通りだと思います。今年も歴代名馬と肩を並べる活躍を期待したいですね。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2012.01.02 15:41

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