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2011.11.15

エリザベス女王杯回顧 世界の底力を示す名牝連覇

スノーフェアリーの連覇で幕を閉じたエリザベス女王杯。 レースは逃げることを決めていたシンメイフジが、思惑通り馬群を先導して始まった。前へ行く と見られていた外国馬、ダンシングレインは出遅れて後方から。欧州馬は総じてゲートは速くないので、先行馬はリスクを織り込んで印を打たねばならない。すんなりと単騎でハナに行けたことで色気が出たのか、シンメイフジの北村友は序盤から後続を引き離しにかかる。脳裏に浮かんだのはクィーンスプマンテの再現だったか。2番手のホエールキャプチャとは10馬身以上の差。しか し、1000メートル57秒5のラップは速すぎる。この乱ペースを冷静に見ていたのが、スノーフェアリーのムーアだった。レース前は好位から競馬をしようと考えていたが、後方で折り合いをつける待機策に切り替えた。そして、ハイペースで馬群がバラけることを確信して、3コーナーから一気に内に潜り込んだのだ。ロスなく4コーナーを回ると、直線はガラリと開いた進路をめがけて一気の追い込み。ただ1頭、33秒台の末脚を繰り出し、先頭でゴールを駆け抜けた。

今年、スノーフェアリーは凱旋門賞で3着に激走した後、英チャンピオンSを使っての参戦とあって、体調やローテーションに疑問符がつけられていた。実際、5馬身突き放した昨年のデキにはなかったようにみえる。2着のアヴェンチュラとはクビ差だった。それでも、勝ちきってしまうのが世界トップレベルの牡馬と接戦してきた底力であり、まるで淀を自分の庭のように馬を走らせたジョッキーの技量である。多少荒れた馬場なら苦にしないパワーも、去年、今年と最短コースを取れた大きなアドバンテージを生んだ。本当に牝馬とは思えないタフさである。秋華賞を勝って臨んだアヴェンチュラは、スムーズな競馬で馬場の良い外目から伸びた。極端なスローになるとどうかと思っていたが、折り合いを心配する必要はなかった。ただ、激しい闘いを物語るように、レース後、両前脚を骨折していることが判明。復帰には半年以上かかるよう。例年なら十分、GⅠを連勝していたポテンシャル。故障は残念だ。前哨戦で大敗を喫していたアパパネが好位追走から3着。前走とは馬体の中身が違った。ゲート入りを嫌う 「いつもの仕草」が戻っていたのは、闘争心が沸いてきた証左だろう。

積極的に番手につけたホエールキャプチャは4着。直線半ばでは伸びかかる様子もあったが、ハイペースに体力を消耗して失速した。GⅠでは歯がゆい結果が続いているが、リズムがあえばチャンスが巡ってくるはずだ。逃げたシンメイフジは7着に踏みとどまった。次が非常に楽しみ。 重賞3連勝で臨んだイタリアンレッドは9着。こうしたレースは合わないのか、調子落ちか。浜中によると、前半から歓声でテンションが上がってしまったとのことだが、見せ場すらなかったのは解せない。チューリップ賞以来のレーヴディソールは中団から久々を感じさせない競馬。直線はバッタリ止まって11着に敗れたが、追いきり本数の少なさを考えれば悲観すべき内容ではない。じっくりと調整して復活を遂げてほしい。新旧オークス馬、エリンコートは12着、サンテミリオンは殿18着。一度、崩れた牝馬を立て直す難しさを改めて痛感する。なお、スノーフェアリーは登録のあったジャパンカップをスキップして香港ヴァーズに向かうとのこと。レース間隔や疲労、相手関係から当然の選択。JC回避を惜しむ声が大きいのは分かるが、世界的な名牝が来日してくれているのだから、それだけでも感謝せねばなるまい。

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