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2011.07.09

豪で提訴 サラブレッドの人工授精は認められるか?

オーストラリアで8月末から始まる サラブレッドの人工授精を求める裁判が話題になっている。 ご存知のように世界中、競走馬の生産は自然交配が義務付けられていて、 人工授精で誕生したサラブレッドは登録を認められていない。 しかし、オーストラリアの生産者は人工授精が広く普及した現代に このルールはそぐわないと提訴したという。

シドニー競馬クラブの元会長であるマッキュー氏は豪州連邦裁判所への訴状で、 自然交配の義務付けは「取引の制限」に当たり法的強制力はないと主張している。 人工授精が許可されれば牡馬・牝馬双方の馬主にとってコスト削減となる、と訴状のなかで述べた 。交配のための輸送が必要なくなるからだ。「自然交配には輸送費、放牧料、手数料などがかかる 。また、牝馬の輸送は障害のリスクを増大させる」 (Sankei.biz「人工授精裁判 競馬の歴史変える」より)

人工授精を行うメリットはコスト面だけでなく、 1度の射精液で多数の牝馬を受精させることが可能なため 種牡馬の身体的負担を減らすことができるほか、受胎率の向上、感染病の予防などが期待される。 一方、国際血統書委員会は故意やミスによる親子関係の取り違えが起きたり、 人気種牡馬に血が偏ることで近親交配が加速することをあげて、 人工授精は認められないとしてきた。ただ、DNA鑑定の精度が非常にあがった現在では親子関係の証明は簡易にできる。また獣医学の進歩して1頭の種牡馬が 200頭以上に種付けする現状を鑑みると、すでに血の偏頗は生まれていると言えよう。 頭数制限を行うのであれば、人工授精でも同じはず。 裁判で被告側のオーストラリア競馬公社がどのような論理構成をして 反駁するのか、注目したい。

個人的には自然交配を義務付ける最大の理由は別にあると感じる。 競馬は人々のロマン、言い換えれば物語(フィクション)によって動かされている。 通常、映画を観るとき、私たちがスクリーンの外の世界についてアレコレ考えないのと同じように、競馬を楽しむときも箱庭の世界であることを忘れている。だが、人工授精が認められれば 冷凍保存された精子を使って亡くなったノーザンダンサーやサンデーサイレンスの産駒を誕生させることもできてしまう。 仮にルールで死亡した種牡馬の精子を使用禁止にしたとしても、 実際は手近な方法で数百年の血のドラマなど覆えすことができるのだという事実が意識に働きかけてくる。「この映画は嘘だ、インチキだ、現実を見ろ」「サンデーの精子とダリアの卵子を受精させれば最強馬をつくるなど簡単だ」と耳元で囁かれるようなものだ。メタレベルにある舞台装置を露にしてしまう興ざめな行為、 それが人工授精なのだと思うが、いかがだろうか?

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コメント

ガトー@馬耳東風さん、こんにちは(^^)ホームページの感想読んでくれてうれしいですっ!!m(- -)m ヒルノダムール、ラムタラの血も流れてるし、凱旋門賞ぶっちぎって勝ってほしいですねぇ。藤田騎手の「嬉し過ぎるやん」ってコメントも是非聞きたいです!(笑)

今回の記事とても興味深かったです。コスト削減というのももちろんわかるんですけど、それ以上にいろんな弊害がでてくるような気がしますね。種牡馬や繁殖牝馬を管理や輸送したりしてる人とかその他たくさん。ノーザンダンサーやサンデーサイレンスの産駒がまた誕生って、こうなってくるともうゲームの世界ですよね(苦笑)個人的にはなんか競走馬の人工授精には反対です。

長文、失礼しましたm(- -)m

投稿: だいすけ | 2011.07.09 21:51

>だいすけさま
コメントありがとうございます。いつまでもサンデーサイレンスの種を利用できたら、競馬界は回っていかないですもんね。本当にダビスタになりそうです。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2011.07.17 03:48

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