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2011.06.11

一口ライフに求めるもの 堀厩舎もう1頭の”リアル”快勝に 

先週の安田記念はキャロットクラブ所属のリアルインパクトが優勝した。一口馬主にとって愛馬のG1制覇は究極の目標であり、十数年も一口馬主を続けてオープン特別すら勝ったことのない私には遥か彼方にある夢である。これまで私が出資した約40頭(現2歳を含む)のうち、勝利をあげたのは中央馬3頭、地方馬3頭。 かなり低い勝率だと我ながら思う。養分にしても程がある。1歳時から順調に調教を重ねてデビューするという例は稀で、 怪我や故障を抱えて十分なトレーニングもままならないまま競馬場から消えていくほうが多い。 私が馬を選ぶセンスがないのを否定する余地は一片もないが、一口馬主なるビジネスモデルは出資者の大半に赤字を強いるようにできていて、条件戦で3勝した程度では出資金に加えて毎月の会費や飼葉代はペイできないのも事実。こんなものを「金融商品」だと臆面もなく課税する金融庁の傍若無人ぶりにはあきれるばかり。それでも私を含めた多くのファンを集めるのは、いつかはG1やクラシックを獲りたいという夢を持ち、愛馬と苦楽をともにして声援を送る一体感を知っているからだろう。それはペーパーオーナーゲームで指名するのとは比べものにならない。コミットメントの深さが違うからだ。

リアルインパクトが浴びたスポットライトとは雲泥の差だが、先月、同じ堀宣行厩舎のキャロット馬、リアルアヴェニューが1年半ぶりでの勝利をあげた。馬名は似ていてもこちらは平場500万下。しかも裏開催の新潟である。リアルアヴェニューは2歳秋に3戦目で初勝利を飾ったものの、両前脚に骨瘤とソエが出て休養。その後も帰厩しては脚元や体調に不安が出て放牧を繰り返す、もどかしい状態が続いた。4歳2月に待望の復帰戦。この時は6着に敗れたものの、短期放牧を挟んだレースで1着ゴール。これまでの鬱憤を晴らすかのような7馬身差の圧勝に私も声を出して喜んだ。たかが500万というなかれ。もう立て直すのは厳しいのではないかという状況を知っていたからこそ、心を動かす1勝になったのである。復帰がままならない間、調教の様子に加えて 「腰に負担がかかりやすい」「夏負けの症状が顕著」といったネガティブ情報も逐次伝えられていた。またレースの選択も脚元を考慮して「クラス再編成の前の1、2戦の間に勝ちたいのでローカルに回る」といった戦略が明らかにされていた。私が見知る限り、堀厩舎は真剣に向き合あいベストの結果を出してくれた。

一口馬主は金を払った後は愛馬を遠くから眺めているだけで、文句一つ言う権利はない。勝ってくれれば言うことはないが、それは難しい。だからこそ、求められるのは馬がどのような状態にあり、クラブと厩舎がどのような計画を持っているのか、仔細に情報提供がなされることだ。そして出資者の財産たる競走馬を大切に運用し、最大限の配当を生み出そうとする”建前”だけでも見せてほしいと願う。実はキャロットクラブとは別に私が会員になっているシルクホースクラブの出資馬に関して、残念に思う出来事が重なった。一つは6歳馬シルクパナシアの突然の引退だ。障害戦で入着を繰り返し、次走を睨んで放牧。「節を見て戻します」「到着後も普通に乗っています」とアナウンスも、わずか2週間後には「協議を行った結果、引退させることと致します」と登録抹消。 地方馬主へ無償譲渡されてしまった。もう一つは大井所属の3歳馬シルクゴライアスの故障だ。オープン特別や重賞で大敗して「さすがにメンバーが強かったですね」と調教師にコメントさせていたのに羽田盃出走。宣伝目的だろう中央の三浦を乗せ、勝ち馬から5秒もの差をつけられてゴールした。最悪なことにレース中に左前脚を骨折。3週間経っても全治の目処すら告知されていない。

こんな愚痴をこぼすと営業妨害をしているようで心苦しいが、10年以上も遅滞なく会費を支払続ける身に免じて容赦いただきたい。故障・引退などがあった場合はとりわけ、何もないときもそうだが、もう少し出資者の目線に立って詳しい情報を提供してはどうだろうか。 もちろんクラブは1頭1頭、懸命に考えてくれていると信じているが、無機的な文章から行間を読み取るのは容易ではない。ほかのクラブと比べても短文で情報量が少ないことから、方針変更があったケースなどは一貫性がないように感じてしまう。パナシアの引退はそうだ。一言で括るなら「丁寧な説明」が足りないことに尽きるのかもしれないが。ある出資馬が骨折した際、キャロットは「このようなことになり大変申し訳ございません」と管理する堀師の謝罪を掲載していた。実際にこう述べたかどうか知る由もないが、真摯な姿勢を表すのも客商売のうち。ゴライアスにしても「骨折が判明しました」「放牧の予定です」では、まるで他人事である。例え未勝利に終わっても、出資者が1頭の物語を紡げるよう心を砕くのがクラブの役割だと思うが違うだろうか。今年、私はシルクの2歳馬3頭に出資し、さらに1頭追加したいと思っている。社台系と比べてラインナップは地味でも食指を動かしたくなる馬は少なくないからだ。一口馬主のささやかな喜びを書いていたつもりが大きく脱線してしまって恐縮だが、末端会員からのエールだと受け取っていただければ幸いである。

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コメント

はじめまして。

私はシルク会員5年目です。
今は、ばんえい競馬のシルクタローのみ出資してます。
先日(5月14日)クラブからの出走情報のメールがなかったのに(もちろんHP上にも記載なし)タローが出走していたことを後から出馬表を見て知りました。
毎回中継を見るのを楽しみにしてたのに・・・この日は見逃しました(涙)
出走情報は(出資者に対しての)最低限の情報だと思うのですが、それすらできないとは驚きました。

投稿: ピンガ | 2011.06.21 14:01

>ビンガさま
コメントありがとうございます。出走情報がなかったというのは驚きですね。せっかくウェブやメールの時代になったのだから、テレサ時代と同じ情報量で済ますのは改善してほしいです。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2011.06.25 12:12

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