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2011年6月の11件の記事

2011.06.30

JRAの英断 岩手競馬支援のため南部杯を東京開催に

先行して一部報道されていたが、岩手競馬からの要請を受けて南部杯マイルチャンピオンシップを10月10日(月・祝)に東京競馬場で行うことがJRAから正式に発表された。 あくまで主催はJRAであり、売り上げの一部が岩手競馬に拠出される。これまで売り上げの5%が義援金にあてられた被災地支援競走にような位置づけになるようだ。去年、盛岡で行われた南部杯の売り上げは5億32万円。 一方、JRAのG1の売り上げは100億円を超すのが当たり前で、 前日に行われる毎日王冠でも50億円を上回る。存続危機にある岩手競馬にとって大きな力になるのは間違いない。JRAの英断に感謝したい。 南部杯を盛り上げるためにも、昨日の帝王賞を圧勝したスマートファルコン、 ダート王者トランセンド、地方の雄フリオーソらが顔を揃えるドリームレースを期待したい。 もちろん、岩手の星・ロックハンドスターの参戦も欠かせない。当日は「岩手競馬支援の日」として、全国の競馬場で様々な取り組みが実施されるという。今年は遠くから声援を送る形になる東北のファンにも心を配りつつ、 競馬界が震災からの復興に力を束ねる素晴らしき一日になることを願う。

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2011.06.29

宝塚記念回顧 怒れる佐藤哲三の江戸の敵を何とやら

春競馬を締めくくる宝塚記念はアーネストリーがレコードタイムでG1初制覇を飾った。ひさしぶりに赴いた阪神競馬場。午後は断続的な雨に見舞われ、外にいては新聞が濡れて使えなくなってしまうほどだった。準メインの尼崎Sでは行った行ったの競馬で波乱になるなど、芝にも影響が出始めた。運良くこのレースでは300倍強の3連単を取れたが、宝塚記念の買い目を変えるまで機転が利かなかったことが悔やまれる。私が本命にしたルーラシップは懸念されたゲートで出遅れ、他馬にも寄られてポジションを大きく下げてしまった。前走の金鯱賞では同じ展開でもマクリ勝ちを収めたが、さすがにG1では通用しない。結果的に5着まで押し上げるのが精一杯だった。アーネストリーは逃げるナムラクレセントをやらせて2番手からの競馬。道中は折り合いもつき、4コーナーでは十分な手ごたえで早め先頭に立って押し切った。最後までラップは落ちておらず、この馬場をレコードで駆けたのだから力をつけている。タップダンスシチーやエスポワールシチー然り、強気の競馬をさせたら佐藤哲三は天下一品だ。ブエナビスタは内回りで差し遅れるいつものパターンで2着。それでもエイシンフラッシュに先着しており、秋の天皇賞、ジャパンカップはまだまだ主役を張れる。

エイシンフラッシュは安藤勝のコメント通り、ダービーのような瞬発力勝負に向いているのだろう。だが、連対も確保できなかったのは少し残念だった。4着にローズキングダム。武豊から手綱を引き継いだウィリアムズが4番手につける積極的な競馬を見せ、ファンのフラストレーションも多少は晴れたのではないか。復調気配。安田記念で良いところがなかったダノンヨーヨーは7着。今回はゲートもまずまずで、距離を伸ばしたのは間違いではなかった。秋は天皇賞を狙うのが適当だと思う。ドリームジャーニは10着で引退を決めた。種牡馬として頑張ってほしい。トゥザグローリーは巻き返しが期待されたものの、まったく伸びずに13着の大敗。夏負けなのか走れる状態ではなかった。立て直しを望む。グレード制導入後、最多のG1での5頭出しを実現した池江泰寿厩舎は殿人気トレイルブレイザーの8着が最高着順。出せばいいというものではない、苦い経験になってしまった。ところで、テレビ向けの勝利ジョッキーインタビューで佐藤哲が発言した内容が波紋を呼んでいるようだ。佐藤哲が言及したのはアーネストリーとは関係のない、ダービーでの乗り替わりについてだった。

勝つ前から凱旋門行きたいって言ってたんで、これでオーナーも認めてもらえると思いますし、ぜひ僕で。フランスのね、トップジョッキーの5馬身なんかうまい奴がいるらしいから、そいつに負けないように、悔しい思いしているので。はい。それは、僕自身とってあるので。それを言うことによって、またプレッシャーになるんですけど。はい。頑張ります。(フジテレビより 書き起こしは筆者)

佐藤哲はダービーで皐月賞4着のデボネアに騎乗する予定だったが、オーナーのシェイク・モハメドがデットーリを訪日させることを決めたため、手綱を譲ることになった。シェイクは震災に見舞われた日本競馬を元気づけようと世界の名手に依頼し、自らも来日してメッセージを発信したのだった。もちろん、佐藤哲もそれを分かっているから腐ることなくデボネアに調教をつけ、「自分が騎乗する意識で究極の仕上げを施した」(東京スポーツ)と断言できるほどベストを尽くした。だが、やはり胸には燃えたぎるものがあった。江戸の敵を長崎、否、仁川でという気もしないではないが、秘めていた悔しさが宝塚記念のインタビューで溢れ出たのだろう。イタリアのデットーリを「フランスの」としたのも彼一流の言い回しに違いない。佐藤哲のファイティングスピリッツを剥き出しにする姿勢は私は大歓迎だ。競馬は真剣勝負。優等生ばかりではつまらない。ただ、この話にとって惜しむらくはアーネストリーは今秋、凱旋門賞ではなく国内に専念すること。シェイクが凱旋門賞で粋に佐藤哲に乗り馬を用意してくれると、語り継がれる伝説として完成するのだが。

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2011.06.26

宝塚記念予想 2011

本命は2番人気・ルーラーシップ。 ドバイ遠征後、帰国初戦に選んだ金鯱賞では大きく立ち遅れる 不利がありながら、後方から強引に進出して4コーナーでは好位に。 そこから脚を伸ばして、逃げるキャプテントゥーレを差し切った。 不良馬場で一度も13秒台に落ちることがなかったペースをまくって 勝ってしまったのは、見た目以上に強い内容だった。 1月の日経新春杯では春の天皇賞を制すヒルノダムールを2馬身差、 切って捨てたように、成長ぶりは相当なもの。 持続的に脚を使うタイプで、宝塚記念のコースも合っている。 相手はエイシンフラッシュ。昨秋の不振から立ち直り天皇賞春は2着。 もともと照準は宝塚記念にあわせてきた。ブエナビスタは3番手。 決して力が落ちているとは思わないが、内回りコースでは多少割り引き。

◎ルーラーシップ ○エイシンフラッシュ ▲ブエナビスタ
△トゥザグローリー、ナムラクレセント、アーネストリー、ローズキングダム

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2011.06.25

宝塚記念データ 人気馬も穴馬も欠かせない重賞実績

 上半期の総決算、宝塚記念。09年ドリームジャーニー、08年エイシンデュピティ、02年ダンツフレームのように天皇賞やクラシックでは一歩足りなかった馬が、宝塚記念で古馬G1を初めて制するといったケースも多い。古くはマヤノトップガン、マーベラスサンデーもそういうタイプだった。ネオユニヴァースやウオッカなど3歳有力馬の挑戦もあるが、連対したことはない。
【コース適性】
 阪神2200メートルは内回りコースを使って行われる。ゲートが設けられるのは4コーナー奥のポケット。1コーナーまで500メートル以上の直線を走るため、スタートからペースが早くなることが多く、仕掛けも内回りを意識して早めになる。瞬発力を生かして追い込んでくる馬よりは、持続的に脚を使える先行馬、差し馬が有利。安田記念をステップに連対した05年スイープトウショウ、02年ダンツフレームはすでに2000メートル以上のG1でも連対経験があった。純粋なマイラーには酷なコースだ。
【人気馬の成績】
 1番人気は【3313】、2番人気は【2116】、3番人気は【1234】。上位3番人気が 連対できなかったのはヒシミラクルが勝った03年だけ。軸は3番人気以内から選ぶのが妥当だろう 。着外からの巻き返しは困難で、前走はG2以上で3着以内であることが条件になる。
【好走馬のデータ】
 10年こそオープン特別とヴィクトリアマイルを使った2頭がワンツーだったが、それ以前は天皇賞春、安田記念、金鯱賞の3レースをステップにした馬しか連対していなかった(海外遠征馬を除く)。優勝馬は主要3レースで3着以内馬ばかり。2着馬もG1連対経験か2勝以上の重賞勝ちと いうハイレベルのキャリアがあった。ナカヤマフェスタも例外ではなかった。この傾向はしばらく変わらないだろう。
【穴馬のデータ】
 人気馬がほぼ連対している一方で、5番人気以下も7頭が2着以内に突っ込んできている。人気馬を軸に穴馬に流す、あるいは穴馬を軸に人気馬に流すのが的中への近道だ。ただ、これら7頭のうちナカヤマフェスタを除く6頭は、いずれも前2走でG1かG2で連対していた。06年ナリタセンチュリー、04年シルクフェイマスは前々走で京都記念を制していた。人気馬も穴馬も好走するには実績が必要だ。

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2011.06.19

「競馬ブログ オケラセラ」が本になります!

私が拙ブログの前身、「馬耳東風 競馬データ予想」と名付けたウェブサイトを開設 したのは学生のとき。96年だから、もう15年前のことです。それ以来、当たらない予想と好き勝手な文章を書き散らしてきましたが、 縁あって「ブログを一冊の本にして出版しないか」と声をかけてもらいました。良い記念になるかもしれないと前向きな返事をしたものの、 それから間もなく1年が経過しようとしています。いざまとめようとすると、そのまま記事を所収するわけにもいかず、全面的な書き換え、書きおろしが必要なことを痛感させられたからです。 一方で昨夏から今春にかけては仕事が非常に忙しく、合間を見ては作業を進めたものの悩むことも多く、歩みは遅々としたものでした。エイヤっと螺子を巻き、初稿を入れ終わったのが先月末。今は苦労の結晶、200ページ余りになったゲラを校正している真っ最中です。手前味噌で恐縮ですが、マスコミが書かない馬主や騎手の話、競馬界が直面している問題点など、多岐に渡って楽しめる単行本になる と自負しています。おそらく7月から8月の間には世に送り出せるのではと思っていますが、また詳細が決まったら報告させていただきます。出版なった際は、ぜひ読者の方々に応援してもらえればと願っています。

只今、校正中のゲラ

*先月末よりタイトル画像を一新するとともに名称を「馬券日記オケラセラ」から「競馬ブログ オケラセラ」に変更しました。もうひさしく日記とは呼べないものになっていたので。

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2011.06.18

マーメイドS予想 2011

去年、3連単9万馬券を的中させた拙ブログにとってゲンの良いレース。 3番人気ブライティアパルスが勝利したものの、2着に14番人気セラフィックロンプが入って大波乱になった。06年、マーメイドSはヴィクトリアマイルの新設に伴って施行時期が移設され、ハンデ戦に条件変更されている。それ以降、1番人気は3着以内に入ったことすらなく、連対馬はすべてハンデ54キロ以下の恵量馬ばかり。荒れる原因は阪神内回りの2000メートルはペースが落ち着きやすく力量が足りない先行馬も粘り込みやすいこと、人気を集めるヴィクトリアマイル組が調子が下降して臨むケースが多いことだろう。尤も買う側がこうした法則を強く意識し始めると結果がガラっと変わる可能性もあるが、まだ今年は傾向に従ってみたい。本命は54キロ、小倉で3連勝したラフォルジュルネ。前々走の準オープンはクビ差だったが、これはあまりの楽勝だと確信した田辺が早々に手綱を緩めてしまったのが原因。それが逆に同馬の強さを際立たせた。前走は開催中止のため小倉へ2度の輸送を強いられ、さらに緩い馬場に脚をとられたために大敗したもの。まったくの参考外で、おかげでここはハンデが軽くなったと前向きに捉えたい。相手は52キロ、先行力もあるポルカマズルカ。3歳時は菊花賞に出たこともあり、スタミナは豊富だ。単穴に53キロのイタリアンレッド。差し脚が届くかは展開次第。

◎ラフォルジュルネ ○ポルカマズルカ ▲イタリアンレッド
△ロイヤルネックレス、フミノイマージン、プロヴィナージュ、アスカトップレディ

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2011.06.12

エプソムC予想 2011

過去10年の連対馬20頭のうち17頭が4、5歳馬が占めているエプソムC。 今年の中心はダークシャドウ。まだデビュー7戦のキャリアだが、 前走の大阪杯ではヒルノダムールとエイシンフラッシュの2頭に割り込む大健闘で、 高い能力があることを証明した。東京コースは3戦3勝と相性良く、 前々走の1000万特別も稍重で3馬身差の楽勝だった。 中間は激走の疲れが出たようだが、十分にインターバルを取っての参戦で、 秋に向けて賞金を加算しておきたいこことは先頭で駆け抜けたい。 相手は牝馬ながらアニメイトバイオ。半年ぶりのヴィクトリアマイルもコンマ4秒差と善戦。 多少、馬場が荒れていても苦にしない。単穴には充実一途のセイクリッドバレーを推す。

◎ダークシャドウ ○アニメイトバイオ ▲セイクリッドバレー
△ヤマニンウイスカー、スズジュピター、エーブチェアマン、ダンツホウテイ

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2011.06.11

一口ライフに求めるもの 堀厩舎もう1頭の”リアル”快勝に 

先週の安田記念はキャロットクラブ所属のリアルインパクトが優勝した。一口馬主にとって愛馬のG1制覇は究極の目標であり、十数年も一口馬主を続けてオープン特別すら勝ったことのない私には遥か彼方にある夢である。これまで私が出資した約40頭(現2歳を含む)のうち、勝利をあげたのは中央馬3頭、地方馬3頭。 かなり低い勝率だと我ながら思う。養分にしても程がある。1歳時から順調に調教を重ねてデビューするという例は稀で、 怪我や故障を抱えて十分なトレーニングもままならないまま競馬場から消えていくほうが多い。 私が馬を選ぶセンスがないのを否定する余地は一片もないが、一口馬主なるビジネスモデルは出資者の大半に赤字を強いるようにできていて、条件戦で3勝した程度では出資金に加えて毎月の会費や飼葉代はペイできないのも事実。こんなものを「金融商品」だと臆面もなく課税する金融庁の傍若無人ぶりにはあきれるばかり。それでも私を含めた多くのファンを集めるのは、いつかはG1やクラシックを獲りたいという夢を持ち、愛馬と苦楽をともにして声援を送る一体感を知っているからだろう。それはペーパーオーナーゲームで指名するのとは比べものにならない。コミットメントの深さが違うからだ。

リアルインパクトが浴びたスポットライトとは雲泥の差だが、先月、同じ堀宣行厩舎のキャロット馬、リアルアヴェニューが1年半ぶりでの勝利をあげた。馬名は似ていてもこちらは平場500万下。しかも裏開催の新潟である。リアルアヴェニューは2歳秋に3戦目で初勝利を飾ったものの、両前脚に骨瘤とソエが出て休養。その後も帰厩しては脚元や体調に不安が出て放牧を繰り返す、もどかしい状態が続いた。4歳2月に待望の復帰戦。この時は6着に敗れたものの、短期放牧を挟んだレースで1着ゴール。これまでの鬱憤を晴らすかのような7馬身差の圧勝に私も声を出して喜んだ。たかが500万というなかれ。もう立て直すのは厳しいのではないかという状況を知っていたからこそ、心を動かす1勝になったのである。復帰がままならない間、調教の様子に加えて 「腰に負担がかかりやすい」「夏負けの症状が顕著」といったネガティブ情報も逐次伝えられていた。またレースの選択も脚元を考慮して「クラス再編成の前の1、2戦の間に勝ちたいのでローカルに回る」といった戦略が明らかにされていた。私が見知る限り、堀厩舎は真剣に向き合あいベストの結果を出してくれた。

一口馬主は金を払った後は愛馬を遠くから眺めているだけで、文句一つ言う権利はない。勝ってくれれば言うことはないが、それは難しい。だからこそ、求められるのは馬がどのような状態にあり、クラブと厩舎がどのような計画を持っているのか、仔細に情報提供がなされることだ。そして出資者の財産たる競走馬を大切に運用し、最大限の配当を生み出そうとする”建前”だけでも見せてほしいと願う。実はキャロットクラブとは別に私が会員になっているシルクホースクラブの出資馬に関して、残念に思う出来事が重なった。一つは6歳馬シルクパナシアの突然の引退だ。障害戦で入着を繰り返し、次走を睨んで放牧。「節を見て戻します」「到着後も普通に乗っています」とアナウンスも、わずか2週間後には「協議を行った結果、引退させることと致します」と登録抹消。 地方馬主へ無償譲渡されてしまった。もう一つは大井所属の3歳馬シルクゴライアスの故障だ。オープン特別や重賞で大敗して「さすがにメンバーが強かったですね」と調教師にコメントさせていたのに羽田盃出走。宣伝目的だろう中央の三浦を乗せ、勝ち馬から5秒もの差をつけられてゴールした。最悪なことにレース中に左前脚を骨折。3週間経っても全治の目処すら告知されていない。

こんな愚痴をこぼすと営業妨害をしているようで心苦しいが、10年以上も遅滞なく会費を支払続ける身に免じて容赦いただきたい。故障・引退などがあった場合はとりわけ、何もないときもそうだが、もう少し出資者の目線に立って詳しい情報を提供してはどうだろうか。 もちろんクラブは1頭1頭、懸命に考えてくれていると信じているが、無機的な文章から行間を読み取るのは容易ではない。ほかのクラブと比べても短文で情報量が少ないことから、方針変更があったケースなどは一貫性がないように感じてしまう。パナシアの引退はそうだ。一言で括るなら「丁寧な説明」が足りないことに尽きるのかもしれないが。ある出資馬が骨折した際、キャロットは「このようなことになり大変申し訳ございません」と管理する堀師の謝罪を掲載していた。実際にこう述べたかどうか知る由もないが、真摯な姿勢を表すのも客商売のうち。ゴライアスにしても「骨折が判明しました」「放牧の予定です」では、まるで他人事である。例え未勝利に終わっても、出資者が1頭の物語を紡げるよう心を砕くのがクラブの役割だと思うが違うだろうか。今年、私はシルクの2歳馬3頭に出資し、さらに1頭追加したいと思っている。社台系と比べてラインナップは地味でも食指を動かしたくなる馬は少なくないからだ。一口馬主のささやかな喜びを書いていたつもりが大きく脱線してしまって恐縮だが、末端会員からのエールだと受け取っていただければ幸いである。

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2011.06.06

安田記念回顧 3歳、戸崎、堀厩舎ワンツーのインパクト

南関東のトップジョッキー、戸崎圭太が跨るリアルインパクトの衝撃的な勝利に終わった安田記念。グレード制導入以降、3歳馬の同レース優勝は初、1勝馬による古馬G1制覇も初だった。レースは予想通りシルポートがハナ、ジョーカプチーノが追う展開。リアルインパクトは積極的に3番手に押し上げる。1番人気のアパパネは中団、2番人気のダノンヨーヨーは出遅れて後方からの競馬となった。前半3ハロンは33秒9のハイペースだが、リアルインパクト以下の離れた集団にいた馬にとっては脚質の有利不利のない締まったラップだったのではなかろうか。直線、リアルインパクトはシルポート、続いてジョーカプチーノを競り落として残り100メートルで先頭。内からストロングリターン、外からスマイルジャックが追い込んできたが、ゴールまで抜かせることなくクビ差だけ凌ぎ切った。これまでリアルインパクトはスタートがあまり良くなかったが、今回は上手にゲートを出て先行策を取ることができた。戸崎は斤量差を生かして前につけるつもりだったと言うが、早めの仕掛けでバテさせなかったのは地方騎手らしい剛腕ぶり。もちろん、横綱競馬で金星をあげたリアルインパクトの力は讃えられるべきだろう。同馬はキャロットクラブの所属。しばらく満口にならなかったのを私も覚えているが、ひとつにはスプリンターの母系とディープインパクトの配合がどのような馬を生むのかイメージしづらかったからかもしれない。しかし、母系からスピードを、父からスタミナを受け継いでタフなマイラーが誕生した。出資者の方々の彗眼に敬意を表し、心からお祝い申し上げたい。

2着は京王杯SCを勝って臨んだ上がり馬、ストロングリターン。道中では位置取りを下げざるを得ず、石橋脩には悔いが残る競馬だったようだが最内枠から競馬をする以上は想定の範囲か。今回は一歩届かなかったが、秋が楽しみになる内容だった。1、2着馬はともに堀宣行厩舎というだけでなく、担当厩務員まで同じ。ゲートから戻るマイクロバスでは大興奮だったそうだが尤もな話だ。開業10年目の堀厩舎は去年から4つ目のG1。馬を仕上げる技術は社台グループからも信頼厚く、間違いなく美浦の将来を背負うステイブルになる。3着は去年に引き続きスマイルジャック。最速の上がりを繰り出したが、外を回した分だけ届かなかった。やはり力の拮抗したG1はどこかでギャンブルをしないと勝ちきるのは難しい。4着は好位追走の武豊クレバートウショウ。こちらは内々を回って乾坤一擲の勝負に賭けたものの、前がなかなか開かなかった。絶好の手応えだっただけに惜しまれるが、これも競馬。アパパネは6着。ソツない競馬で流れには乗っていた。伸びを欠いたのは前走のヴィクトリアマイルがピークだったためだろう。三冠後のエリザベス女王杯でも敗れたように、連続して100%の力を発揮するのは牝馬には酷だということか。私が期待したダノンヨーヨーは懸念された出遅れ癖を出し、17番手からの競馬で10着。ウィリアムズがコメントしていたが、もう少し長い距離を試してみると新境地が開けるかもしれない。リアルインパクトが古馬を負かしたことで、グランプリボスの英・セントジェームスパレスS挑戦(14日)も面白くなった。

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2011.06.04

安田記念予想とデータ 2011

【レース概況】タフな東京1600メートル戦で繰り広げられる春のマイル王決定戦。人気、大穴、何でも御座れの難解な一戦である。ここ数年は香港からの参戦が相次ぎ、06年にはブリッシュラック、ジョイフルウィナーが1着、3着と快走。08年もアルマダが2着し、ハイレベルの香港勢を抜きには語れないレースになっている。国内勢もマイラーズCや京王杯SCなど前哨戦を使ってきた馬、ヴィクトリアマイルに出走した牝馬、ドバイ遠征の帰国初戦として参戦してくる馬など多士済々。1番人気は[1018]と惨憺たる有様で、期待に応えたのは08年のウオッカのみ。2番人気は[2206]と軸にするならこちらだが、それもどちらかと言えばという程度。妙味は8連対している6番人気から10番人気か。

【データ】前哨戦の京王杯SCはあくまで本番に向けた一叩き。勝ち馬より休養明けで出走して惜敗していた馬が安田記念では走る。1 、2番人気で連対した5頭のうち4頭には2000メートル以上でG1勝ちがあった。残りの1頭は皐月賞、ダービーで2着だった ダンツフレーム。高松宮記念を勝って人気に推されていた07年スズカフェニックス、06年オレハマッテルゼはスタミナ不足を露呈している。10年スーパーホーネット、06年アサクサデンエン、04年テレグノシス、02年アドマイヤコジーンはマイルG1で連対経験があったのに近走不振で人気を下げていた。また連対馬の半数の10頭が6~7歳馬だった。短距離G1に珍しく年の功が生きるレースだ。また穴馬と謂えども、日本馬は1800メートル以上で連対したことのない馬は用なし。前2走で2000メートル以上を使っていた馬は好走の資格がないかチェックしたい。

【予想】ダノンヨーヨーは去年、マイルCSで1番人気に推された素質馬。そのマイルCS、続く東京新聞杯と敗れているが、原因はスタートダッシュの失敗とはっきりしている。最後方の近いポジションからのレースを余儀なくされ、大外を回して届かずという負け方だ。翻って前走のマイラーズCでは押して先行。シルポートが逃げきる展開で前を捕まえることはできなかったが、これまでと違う競馬に挑んだことは評価したい。今回、ダノンヨーヨーは外枠を引き、人気のアパパネをマークするレースになるだろう。昨秋の富士Sで圧倒的なポテンシャルを披露したように、広々とした東京マイル戦はベストの条件。調子も上昇しており、持ち味をフルに発揮できるはずだ。馬券は難しい。アパパネは無視できないが、1番人気の信頼性は非常に低い。怖い香港勢2騎ビューティーフラッシュ、サムザップ、素質馬リディル、忘れられたマイルCS勝ちエーシンフォワードなど伏兵は手広 く。

◎ダノンヨーヨー ○アパパネ ▲ビューティーフラッシュ
△サムザップ、リディル、エーシンフォワード、ライブコンサート

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2011.06.02

創刊「ラウンダーズ」 競馬と真摯に向き合う本格派雑誌

『ROUNDERS』(ラウンダーズ)は今月、創刊されたばかりの競馬マガジン。だが、書店の競馬コーナーに陳列されている雑誌、人気ジョッキーとタレントの対談や馬券必勝法で埋め尽くされているもの、とは一線を画す。サラブレッドの凛とした横顔に目を奪われる表紙をめくれば、B5判150ページ余りを埋め尽くす”読み物”に圧倒されるだろう。作り手の真剣さを突きつけられた読者は一瞬、シャンと背筋が伸びるような感覚に襲われるかもしれない。もちろん、それは不快なものではなく、まるで未勝利戦のパドックにダイヤの原石を見つけたときのような胸を高鳴らせる緊張感だ。創刊号の特集は「調教」。競馬のなかでも最も可視化、文章化しづらいテーマだが、初めから難題に向きあう姿勢はやはり作り手の覚悟を伺わせるものである。サラブレッドは何年もの調教を重ねることによってハミを取ることを覚え、騎乗者の意思を汲み取れるようになり、競馬場で速く走るための芸術品へと磨かれる。至極、当たり前のプロセスだ。一方でラウンダーズは「馬と人間の歴史の中で、私たちは馬のために何をしてきたのだろう」「エゴを押し付けてばかりで、馬が本当に求めていることを置き去りにしてきたのではないか」という内省から言葉を始める。そして、それぞれの記事は具体的な命題に向かって、沈思して本質を手繰っていこうとするのだ。

馬に走る動機はない。馬は自分のために走る理由などないのだ。たとえ速く走りたいというサラブレッドの血が騒いだとしても、極限まで力を振り絞って走りたいとは思えないだろう。サラブレッドが死力を尽くして、最後の最後に一歩前に出ようとするのは、人の期待に応えたいからである。(馬は人のために走る モンティ・ロバーツが教えてくれたこと)

馬と話すことができると言われたアメリカの調教師が辿り着いたコミュニケーションの鍵。心身に傷を負った競走馬を再生させるホースマンの自問自答。日本を代表するトレーナーを比較し、馬を鍛えることの深奥に迫る精緻な分析…。これらの記事は読み捨てられることなく、5年、10年を経てもファンのバイブルになり続けているはずだ。また、馬は何を欲すのか正面から取り組んだ「走れドトウ」は故・橋田俊三師が1970年代に執筆した小説の復刻版。「みどりのマキバオー」を彷彿とさせる競走馬が一人称で語る異色の世界は、知らぬ間に読み手を引き込む不思議な力がある。こうしたチャレンジングな雑誌が既存のメディアではなく、ファンの側から生まれたことは記銘しておかねばならない。ラウンダーズはブログ「ガラスの競馬場」を運営してきた治郎丸敬之さんの手によるものだ。構想から2年、遂に書籍化を実現させた行動力には恐れ入るしかない。ファンなら誰しも経験があるだろう。趣味は競馬だと明かすと、必ず「儲かっているの?」と投げ返される愚問。そんな時、治郎丸さんは「単なるギャンブルに帰せられてしまう」ことに傷つきながらも、偏見に抗して競馬の魅力を語り続けたいと願い、創刊の原動力につながったと記している。「競馬は文化であり、スポーツである」。治郎丸さんたちと思いを共有するファンはぜひ一度、雑誌を手にとってほしい。きっとあなたの新しい競馬観を切り拓くパートナーになってくれるだろう。

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