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2011年5月の14件の記事

2011.05.30

日本ダービー回顧 血を紡ぐのは父系だけにあらず

史上22頭目となる春2冠馬が誕生した日本ダービー。土砂降りの雨が続くなかで芝コースは不良まで悪化したが、オルフェーヴルの強さが曇ることはなかった。藤田のオールアズワンがハナを切り、馬群は縦長に。 オルフェーヴルは後方5番手からの競馬。鞍上の池添は折り合いを第一に考えるとともに、外差しが決まるように変化していた馬場状態も冷静に頭に入れていた。直線は外へ持ち出して追い出したものの、さらに外にいたナカヤマナイトから蓋をされる格好で2度の接触があった。だが、そこからがオルフェーヴルの真骨頂。すぐに立て直すと内の狭いところへ進路を取り、一気の差し脚で抜け出してきたのだ。追い込みにかけていたウインバリアシオンが迫ってきたが、オルフェーヴルは再び加速してゴール。想像以上のパフ ォーマンスだった。同じ東京で行われた皐月賞を圧勝しながら単勝3倍の人気に留まったのは、不良馬場による波乱ムードだけが理由ではない。サンデーレーシングの募集馬とはいえ社台グループの中では地味な白老ファーム産、日高へ放出されたステイゴールド産駒の印象があったためではないだろうか。しかし、ダー ビーの走りはそうした先入観を完全に打ち砕くほど強烈であった。今年のダービーでは全馬が父はサンデーサイレンス直仔か、母父がサンデーということが話題になったが、オルフェーヴルは母父がメジロマックイーン。折しも牧場解散の年にメジロの血が凝縮された最強馬の孫が二冠馬に輝いたのは、決して父系だけがサラブレッドを紡ぐのではないという当たり前の事実を思い出させるものでもあった。田んぼのような府中の馬場を独走する様は、何時ぞやのマックイーンと瓜二つではなかったか。ステイゴールドとマックイーンの結晶が両馬を育てた池江泰郎の息子・泰寿によって東京優駿馬となるのだから、血のドラマも生きている。

もう一つ、この日の主役とも言えたのがデボネアに騎乗したデットーリ。いきなり2レースで勝利をあげて 、観衆を驚かせた。デボネアはオーナーのモハメド殿下も来日するとあって実績以上の人気が集まったし 、私自身も距離延長で上積みがあるとみて本命にした。結果的にはオルフェーヴルと同じようなポジションにいながら、不良馬場が応えて12着に大敗。それでも、ダーレーの参戦でダービーが大いに盛り上がったのは間違いがない。ともすれば社台の運動会と揶揄される昨今の競馬だが、多くのファンが好敵手の出現を望んでいるのだと実感させられた。レース後、モハメド殿下は「勝つことを夢見るのが競馬。ぜひ 、来年も戻ってきたい」とコメント。今回の来日がさらなる情熱を日本競馬に注ぐモチベーションになってくれることを期待したい。3着ペルシャザールは馬体を戻し、早めからの競馬で粘りこんだ。雨のキングマンボの格言通り、道悪も相対的にプラスに働いた。4着はナカヤマナイト。力は出し切った。公務員騎乗とは失礼千万とばかり、オルフェーヴルを閉めにいった柴田善のファイティングスピリットも評価したい。 5着は3連勝中だったクレスコグランド。一戦ごとに力を付けている。秋が楽しみだ。2番人気サダムパテックは力んで走っていた分の7着。2000メートル以下がベストだろう。ディープインパクト産駒のトーセンレーヴは9着、トーセンラーは11着。ともに馬場が向かなかった。14着コティリオンも同様だ。リベルタスは4コーナー手前で競走中止。馬体は異常なしだったが、精神的に追い込まれている。出走できる状態ではなかった。厳しい道悪の競馬で多くの馬たちには疲労があるだろうが、ゆっくり休んでまた成長した姿を見せてほしい。

*モハメド殿下の公式コメント全文は以下の通り。デボネアを買って養分となった私たち同士を勇気づけてくれる名文である。

私は競馬を心から楽しんでいます。日本以外でもたくさんの国で馬を所有していますが、日本でも所有したいとずっと思っていました。その国で馬を持ち、日本ダービーに出る意義は大きいです。今回、愛馬が日本ダービーに出走することになり、ようやく来日することができました。日本ダービーを観戦し、東京競馬場の雰囲気、そしてダービーを応援するファンの大歓声に感銘を受けました。私はホースマンであり、競馬とは何かを知っています。レースの結果がどうなるのかは、誰にもわかりません。でも、勝つことを夢見るのが競馬なのです。今年ダメなら、また来年、そしてまた次の年へと夢が続くのです。いつも夢を持てるのが競馬です。来年もぜひ戻ってきたいと思います。(JRA発表)

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2011.05.28

日本ダービー予想 2011

日本でG1を4勝しているランフランコ・デットーリだが、もっとも印象に残っているのがイーグルカフェを優勝に導いた02年のジャパンカップダート。それまで追い込み脚質だった同馬がデットーリの手綱でスイスイと馬群を縫って進出し、4コーナーで3番手まで上がると後続に1馬身の差をつけて完勝したのだ。翌日のジャパンカップも9番人気ファルブラヴで制してデットーリは日本で2日連続G1勝ち。05年のジャパンカップで騎乗したアルカセットは格下ながら”鞍上デットーリ”が買われて3番人気に支持されていたのだが、期待に応えるレコード勝ちでハナ差勝利を収めた。社台グループの総帥、吉田照哉をして「デットーリが乗ると5馬身違う」と言わしめたのは、騎手を賛美するための誇大表現ではなかったのかもしれない。今週、ドバイ首長・モハメド殿下の命を受けて、デボネアに騎乗するため日本へやってきたデットーリ。震災に苦しむ日本へのメッセージを携えて来訪する殿下の御前であり、これまで以上に真剣さを持って臨む一戦となろう。当のデボネアもダービーを目標に調整が続けられて状態は上向き、立った繋ぎと母系の血から道悪も苦にしないと考えられる。皐月賞では出遅れて後方3、4番手の厳しい競馬を強いられながら、オルフェーヴルに次ぐ上がりを繰り出して4着まで脚を伸ばした。大雨で馬場が一変した府中は前回と同じ結果にはなるまい。皐月賞で勝ち馬につけられた着差は5馬身、デットーリの手綱で逆転に導いてほしい。今週のJRAのCMではないが「天才はいる。悔しいが」。1勝馬がダービーを制覇すれば70年ぶりのこととなる。対抗はオルフェーヴルだが、3連勝と勢いに乗るクレスコグランドは侮れない。道悪で波乱になればペルシャザール、フェイトフルウォー、ロッカヴェラーノも。

◎デボネア ○オルフェーヴル ▲クレスコグランド
△ペルシャザール、フェイトフルウォー、ロッカヴェラーノ、サダムパテック

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2011.05.26

モハメド殿下の来日決定 より特別なダービーへ

今週の日本ダービーを観戦するため、ドバイ首長で世界屈指のオーナーブリーダーとしても知られるシェイク・ムハンマド(モハメド殿下)が来日することになった。これは殿下が自らのツイッターアカウントを通して明らかにしたもので、「困難に際して勇敢に立ち向かった日本の人々と会えるのを楽しみにしています」とコメントしている。早くからダーレージャパンを設立して西山牧場を買収するなど、着々と日本進出の足場を固めてきた殿下。 09年、いわゆる”外国人馬主”をJRAが認可したのに伴って「H.H.シェイク・モハメド」の名で馬主登録し、現在は約20頭の中央馬を所有している。ダービーに出走するデボネアはその出世頭だ。殿下の来日決定に先立って、デボネアに騎乗するためゴドルフィン専属騎手を務めていたこともあるランフランコ・デットーリがやってくることが発表されていた。世界各地のG1を100勝以上しているデットーリは、デボネアの母の父であるシングスピールなどでジャパンカップも3勝している。すでにデボネアのレース映像を繰り返し視聴して研究を重ねていると報じられており、ダーレーの本気度がヒシヒシと伝わってくる。国家元首である殿下が超多忙のスケジュールを割いて訪日するのは、中東の友人として東日本大震災で苦しむ日本に寄り添い、人々へメッセージを発する狙いがあるとみられる。震災と向きあうなかで開催される今年の日本ダービーは特別だが、殿下の観戦はレースをいっそう華やかなものにし、競馬が大きな力を持つことを社会に訴えることになろう。ファンとしても大いに歓迎、殿下に感謝だ。

>>モハメド殿下のツイッターでのメッセージ

シェイクのツイッター

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2011.05.24

オークス回顧 直前の激しい降雨がレースを一変

直前に府中を襲った激しい降雨。馬場は一気に重く、滑りやすくなり、出走馬の精神面にも大きな影響を与えた。もし1時間、雨足が強くなるのが遅れていたら、今年のオークスはまったく違うレースが展開されていただろう。スタートして2番人気、ホエールキャプチャが立ち遅れ。しかし、池添はすぐに内へ進路を取って不利を最小限に留めた。敢然とハナを主張したのは8枠のピュアブリーゼ。柴田善の強い姿勢に隊列は素直に決まった。桜花賞馬マルセリーナはゲートはまずまずだったものの、進路がつまってポジションを下げる格好に。結果的に出遅れたホエールキャプチャよりも後方で競馬をすることになってしまった。さらに道中は終始、かかり気味になってスタミナもロス。最内枠の4番人気ハブルバブルはスタート後、包まれるのが嫌でウィリアムズが気合をつけたためか、マルセリーナ以上に折り合いを欠いてしまった。 1000メートルは60秒7。戦前に予想されたスローペースの上がり勝負にはならなかった。雨で重くなった馬場、全馬初めての2400メートル、オークスらしからぬ淀みないラップ。直線に辿りつくまで、どれだけスタミナを温存し、上手にエネルギーを使えるのか。3歳牝馬にとっては非常に過酷なレースになったのは間違いない。4コーナーで大外を回らざるを得なかった時点でマルセリーナの敗退は決まった。

直線、粘るピュアブリーゼを中団に待機していた馬たちが追い詰める。内から手応え良く伸びてきたのは後藤エリンコートと蛯名スピードリッパー。だが、雨のため点灯された照明に驚いたというエリンコートが寄れてスピードリッパーに接触。押圧されたスピードリッパーは戦意を喪失した。一方、その後もフラフラするエリンコートを後藤はムチと手綱で進路を立て直し、先頭に並びかける。内にもたれながらもピュアブリーゼを交わし、外から伸びてきたホエールキャプチャを凌いだところがゴールだった。後藤はクラシック初制覇、管理する笹田和秀調教師も初めてのG1勝ち。笹田師は「牝馬の伊藤雄二厩舎」の番頭を務めていた人物だ。エリンコートは毎年、穴人気する忘れな草賞馬でありながら、スプリンターのデュランダル産駒ということもあってか下馬評は低かった。だが、母は欧州でG2を勝ったエリンバード。武豊を鞍上に重馬場のロンシャン・オペラ賞で1位入線(降着)したこともあり、十分なスタミナを内包していた。後藤の過怠金は7万円。蛯名の怒りを察知してかウイニングランは自重した。降着に至らなかったのは進路に入り込んでいないこと、矯正を続けたことが考慮されたのだろう。2着ピュアブリーゼの柴田善はドイツ血統のスタミナを活かす素晴らしい競馬だった。3着ホエールキャプチャは3度目のG1惜敗。運が足りなかった。

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2011.05.23

被災馬たちは今 NPO引退馬協会の支援活動続く

東日本大震災は東北地方で飼育されていた元競走馬たちにも甚大な被害をもたらした。沿岸部にあった乗馬クラ ブは津波に飲み込まれ、厩舎ごと流された馬も少なくなかった。これまでに100頭以上が津波により死亡したとされ 、その中には91年のクラシック戦線で小島太を鞍上に活躍したサクラヤマトオーや、05年に北海道スプリントCを制したハリーズコメットも含まれている。しかし、命を永らえた馬たちにも思わぬ苦難が襲う。原発事故だ。300頭以上が暮らす福島県南相馬市は避難地域に指定され、泣く泣く馬を置いて逃げなければならない状況に陥った。立ち入りが制限されては、餌をやりに戻ることもできない。南相馬は昔から人と馬との関わりが深い土地だ。都会で犬や猫を飼うのと似た感覚で、馬とともに暮らす人々も 少なくないという。身近に馬がいるのが当たり前の世界。かつて、農耕馬が生活に欠かせなかった時代が南相馬には残っていたのかもしれない。南相馬が誇る重要無形民俗文化財、相馬野馬追は1000年以上に渡って連綿と続いてきた神事だ。甲冑競馬や神旗争奪戦など勇猛果敢な騎馬武者の姿を見ようと、毎年7月には全国から大勢の観光客が押 し寄せる。参加するのは500騎。多くは競馬場を疾駆し、現役を退いた後に引き取られた元競走馬である。

苦境にある馬を救おうと、すぐに行動を起こしたのがNPO・引退馬協会だった。97年以来、イグレット軽種馬フォスターペアレントの会として引退馬の余生を支援してきたが、この春にNPO法人として再出発したばかり。 その最初の大仕事が被災馬の救援になった。物流が止まって餌の入手もできなくなった南相馬に物資を運び、原発20キロ圏内にいた28頭を馬運車で搬出することにした。そうした保護活動と同時に預託先も探し、さらに安否情報の発信と資金調達のためにウェブサイトも立ち上げた。その迅速な行動には本当に驚かされるばかり。08年から中山金杯を連覇したアドマイヤフジのほか、フジサイレンス(06年東京新聞)、ディープサマー(05年クリスタルC )らファンに馴染み深い馬たちも命を救われた。現在、原発30キロ圏内の150頭以上が飼料支援を求めているという。震災から2ヶ月の間に個人や団体から1000万円を超える寄付が「被災馬支援基金」に集まったが、原発事故の収束に見通しがつかないなかで支援は長期に及ぶことになりそうだ。引退馬協会は継続的な支援体制を組むとともに、引き続き義援金を求めている。以前から私も会員にさせてもらっていたが、今回も心ばかりではあるが被災馬支援基金に寄付をさせていただいた。ぜひ、ウェブサイト「被災馬INFO」を覗いて現状を知り、多くのファンが関心を持ってもらうことを期待したい。また、市井の一ファンとして被災馬の救援に尽力された関係者の方々に御礼申し上げる次第だ。

>>被災馬INFO

>>NPO法人引退馬協会

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2011.05.22

オークス予想とデータ 2011

【オークスのデータ】 桜花賞から800メートルの距離延長となるオークスは、ジョッキーが折り合いに専念させようとして全体の流れはスローになる。そのため、瞬発力勝負になりやすく、桜花賞でも上位を占めたマイラーが再び強さを見せることが多い。阪神が改修されて実力通りに着順が反映されやすくなってから、桜と樫の結びつきもより強さを増している 。とはいえ、東京2400メートルはスピード、スタミナの総合能力を問われるのは間違いなく、3歳牝馬には過酷なためか逃げ、先行馬の成績は悪く、差し馬から買うのが基本だ。1番人気は最近5年に限れば[2101]と連軸としてはほぼ完璧な成績。着外に敗れた08年は桜花賞5着のリトルアマポーラが1番人気に押し出された混戦だった。一方、2、3番人気は不振で、4、5番人気に妙味がある。穴は桜花賞で着外に敗れていた馬の巻き返しだが、前々走でマイル以上の重賞で連対していた馬が多く馬券に絡んでいる。内枠有利、過去10年で1~3枠が連対できなかったのは去年だけである。

【今年の予想】 マルセリーナとホエールキャプチャの2強対決と言われる2011年のオークス。桜花賞で馬群を縫うように内から抜けてきたマルセリーナ、4コーナーで大外に振られるロスを克服して差してきたホエールキャプチャ、ともに能力の高さを感じさせる競馬だった。但し、私はもう1頭、ハブルバブルを加えた3強対決とするのが樫の正しい評価ではないかと考えている。連闘で権利をとって中1週で臨んだ桜花賞はさすがに無理なローテーション。しかも 、直線は進路を失ってほとんど競馬をさせてもらえなかった。それでコンマ7秒差の6着ならば仕方がない。むしろ、フラワーCで互角の競馬をしたトレンドハンターが3着と好走したことは、ハブルバブルが2強と遜色ない実力を秘めていることを示したと言える。前々走で重賞連対して桜花賞敗退、好成績の内枠、じっくり構える差しの脚質とデータ的にも多いに推奨できる。オークスは三つ巴。一角が崩れれば、さらなる伏兵が突っ込んでくる。そんな馬券を買ってみたい。

◎ハブルバブル ○マルセリーナ ▲ホエールキャプチャ
△メデタシ、バウンシンチューン、マイネイサベル、グルヴェイグ

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2011.05.20

ハッツオフ計画 海外の生産者ら”帽子”で被災地支援

東日本大震災のチャリティー活動、「ハッツオフ計画」が話題を呼んでいる。これは海外の生産者や主催者、調教師らが製作したロゴ入りのオリジナル帽子を提供してもらい、日本のファン向けに販売することで被災地の馬事文化振興に役立てようというもの。収益金は福島の伝統行事、騎馬武者が御神旗を争奪することで知られる「相馬野馬追」の関係団体や、被災地で馬の救援活動を行っているNPOなどに寄付される。発起人はケンタッキー州でウィンチェスターファームを営む吉田直哉氏で、アナウンサーの目黒貴子氏らが運営に協力している。帽子は海外の種牡馬や有名スタリオンの名が刺繍されており、競馬ファンにとって垂涎ものばかり。ウェブで直接申込むのが確実だが、ダービー週(28~29日)の東京競馬場でも販売されることが決まった。折しもデットーリがシェイク・ムハンマド所有のデボネアに騎乗すると報道されているが、ダーレーやゴドルフィンの帽子を被ってダービーを観戦するというのも一興かもしれない。1つ3000円。この他、門別競馬場でも来月8日まで販売されている。わたしも2つ購入させてもらったが、デザインが気に入り満足している。福島・南相馬では野馬追いのために飼われていたアドマイヤフジ(中山金杯連覇)もNPOによって救出されたように、たくさんの元競走馬たちが津波と原発事故により苦境に立たされている。ひとりひとりのファンの力は小さいが多くの人たちが賛同することで、馬を愛する被災地の方々の支えになることができたら素晴らしいと考えている。

>>ハッツオフ計画へのご支援について(WINCHESTER FARM・メールで申込)
>>ハッツオフプロジェクト(東京競馬場・フジビュースタンド2Fにて販売)

我が家に来たケンタッキーダービーの記念帽子

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2011.05.17

ヴィクトリアマイル回顧 女王対決はアパパネに軍配

初めての顔合わせとなったブエナビスタアパパネの女王2強対決。軍配は最高の状態に仕上げられていたアパパネに上がった。レースは予想以上のハイペースになった。ブリンカーを着用したオウケンサクラがブレーキが利かずに暴走し、前半3ハロンは33秒5、5ハロンが55秒9。離れた2番手につけたエーシンリターンズでも1秒遅れ程度で追走しており、逃げ馬の速いラップに全馬が巻き込まれてしまった。戦前、岩田はブエナビスタをウオッカのときのように先行させるのではないかと思っていた。しかし、本質的にはマイルがベストだったウオッカと異なり、年令を重ねてズブさを増した中距離馬にはこのペースで前に行く脚はなく、仕掛けもスッと反応したアパパネに比べると遅れを取った。正味、エンジンがかかったのは最後の100メートルもなかったのではないか。去年よりは状態は良かったとはいえ、ドバイ帰りの今年も9割のデキにはなかった。それでも1分31秒9の高速決着をクビ差まで迫っているのだから、この馬の強さを改めて示したのは間違いない。次走は宝塚記念。距離が伸び、一叩きされて期待できると考える。

勝ったアパパネは素晴らしい競馬だった。ブエナビスタにマークされながら、蛯名が自信を持って4コーナー手前から動いていった。牝馬三冠で見せた並びかけられてから抜かせないしぶとさは今回も健在。マイル戦であれば、トップレベルの牡馬相手でも十分に勝負できる。 100%仕上げたことによる反動さえなければ、安田記念でも本命に近い存在になるだろう。もう1頭、非常に驚かされたのが3着のレディアルバローザ。このハイペースを3番手で追走し、直線も早めに押し出されながらゴール直前までアパパネに食い下がった。前走の中山牝馬Sを勝ったことで馬が変わったのだろうか。この後、牝馬戦線の中心を担う馬になるのは間違いない。4着グランプリエンゼル、5着アンシェルブルーは内枠を活かして好走。特にアンシェルブルーは1400メートルがベストなだけに、マイルで頑張れたことは収穫になった。エリザベス女王杯以来、24キロ増で出走したアニメイトバイオはコンマ4秒差の7着。見た目の太め感はなく成長分が大きかったようだが、次走はグッと上昇するはず。5番人気、武豊のアプリコットフィズは殿負け。入れ込んでいたし、状態も良くなかった。

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2011.05.16

大江原圭が騎乗停止 軽率すぎる開催中の”ツイッター”

猫も杓子もツイッターの昨今だが、漫然と呟いていると脚元をすくわれることもある。 15日、JRAは開催中に携帯電話を使用した「公正確保のための注意義務違反」として、障害ジョッキーの大江原圭を30日間の騎乗停止処分を課した。大江原はレースに騎乗するため前日に京都競馬場内の調整ルームに入室。その夜、22時すぎにツイッターを閲覧中に誤ってリツイートしたとされている。当該アカウントは大江原が実名を明かして公開していたために多くのファンからフォローされており、禁じられている開催中の携帯使用ではないかとすぐにウェブでは騒ぎになった。事実を知ったJRAは騎乗停止を即決し、騎乗馬ブルーフォーチュンは田嶋に乗り替わることが発表された。JRAは携帯電話の調整ルームへの持ち込みは許しているが、電源は切るよう指導しているという。無論、外部との通信はご法度だ。大江原に対する騎乗停止30日間(実行9日間)は2月に油断騎乗があったとして処分を下された黛弘人と同じ。裁決委員が科すことができる最長の期間だ。大江原はデビュー4年目。初勝利までに1年以上を要し、一部のファンからネットで熱烈な声援を受けて話題になったが、去年、今年と1勝もあげられずにいた。関係者の信用を失った今回、復帰してもジョッキーとしての道はさらに困難なものになるだろう。廃業の危機にある。下記の画像は処分対象のリツイートだが、大江原のアカウントはすでに削除済みだ。

処分対象となったリツイート

ツイッターは最大140文字の短文でコミュニケーションがとれる”気軽さ”が大きな魅力。競馬界でも後藤や蛯名など、上手くツイッターを利用してファンと交流を深めている関係者も少なくない。だが、時に気軽さは誰もが自分のツイートを見ることができるのだという事実を忘れさせてしまう。東日本大震災の発災時、美浦の若手騎手たちが「競馬は中止になったのでみんなで飲みながらゲーム大会で盛り上がる」「若駒寮が倒壊した」といったツイートをして批難されたこともあった。この時、大江原も「軽はずみな発言をしてすみませんでした」と自身のツイートを謝罪し、震災以後はツイッターを休止していた。しかし、それから3ヶ月後、恐らくタッチパネルの操作ミスだっただろうリツイートが大きな問題になってしまった。大江原が閲覧していた発言は新宿の高級キャバクラに勤める女性のツイートだった。この女性のブログには競馬場へ頻繁に通う様子が綴られており、3月初めには大江原と「ゴルフするんですか」(女性)、「お前とはしない」(大江原)、「なんかむかつく」(女性)といった親しげなやり取りもツイッターで交わしていた。実は事件後も女性は相互フォローしている黛に祝福のコメントを送信しており、大江原の騒動には気づいていないようだ。楽しく飲むのは大いに結構。彼らの関係は知る由もないが、馬券指南や情報提供をしていたと見做されれば、八百長疑惑の濡れ衣も被らせられかねない。実名アカウントでの ”油断騎乗”は大敵である。

公正確保のため、外部との接触を断つことが目的の調整ルーム。中央競馬では原則として前日18時までに入室せねばならず、移動などで遅れる場合には交通手段や到着時間をJRAに報告する義務がある。レース前日からジョッキーを厳格に管理する方針が定められたのは、1965年に発覚した「山岡事件」がきっかけだ。当時、有馬記念も制したトップジョッキーを含む4人が、暴力団員と共謀し八百長レースを仕組んでいたとして逮捕された。事件は大変な社会問題になり、公営ギャンブル廃止を主張する野党からは相当な攻撃を受け、今の大相撲と同じく競技存亡の危機に立たされたのだった。1985年、JRAは大崎昭一に騎乗停止4ヶ月の重い処分を課したことがあった。大崎の罪状は本馬場入場の際、柵ごしに旧知のファンと言葉を交わしたというもの。この後、大崎は潔白を証明されたものの、JRAに目をつけられて乗り鞍も大幅に減ってしまった。大江原もリツイートではなく、誰かにリプライしていたら数ヶ月単位の処分が下されていたはず。穿った見方をすればサインを送ったと取ることもできるからだ。

競輪・競艇など他の公営ギャンブルでは携帯電話の持ち込みは禁止されていて、過去には所持で半年、使用で1年の出場停止を受けた選手もいる。競馬は比較的規制が緩く、今月6日、開催中の船橋競馬でツイッターに書き込んだ濱田達也は騎乗停止10日で免れた。現状、中央競馬では個室への携帯電話の持ち込みはJRAから許可され、事実上、外部との連絡は野放しになっている。大江原の件も匿名アカウントを利用していれば露見しなかったはず。携帯の持ち込みを許すなら使用も認めるべきだし、電源を入れるなというなら一時預かりにするのが筋。使用を黙認しているとも受け取られかねないJRAの曖昧な管理体制も責めを負うべきであり、大江原に制裁を加えれば済む問題ではない。調整ルームは日本独自の制度。海外ではレース2時間前までに競馬場控え室に到着すればよく、騎手は当日も自由に行動している。藤田伸二らは調整ルーム滞在義務付けをやめて、自主管理に任すべきだと声高に主張してきた。これまで通り厳格な管理をしていくのか、方針を転換するのか議論が分かれるところだが、大江原のような軽率な行動が重なるうちは規制緩和への動きは後退するばかりだろう。

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2011.05.15

ヴィクトリアマイル予想 2011

去年はドバイシーマクラシック2着後に参戦し、明らかに調子を落としていたブエナビスタ。それでも、地力の差でヒカルアマランサス以下を差し切ってしまったのには驚かされた。今年はドバイワールドカップからのローテーションとなるが、負けて力を使わなかったためか帰国しての体調は問題ない。天皇賞秋、ジャパンカップと実質的に連勝した能力は遙かにレベルが高く、一昨年のウォッカのような圧勝劇が見られるのではないかと期待している。手綱は久しぶりに日本人騎手に戻って岩田。08年の安田記念でテン乗りのウオッカを先行させて勝利に導いた騎乗を思い出す。直線主体の東京マイルで外枠。多少のロスはあっても思う存分、自分の競馬ができるはずだ。対抗は3冠牝馬アパパネだが、ブエナビスタに勝負を挑んで動きに行けば波乱もある。前走で重賞初制覇をしたレディアルバローザ、天皇賞秋4着のあるオウケンサクラ、マイルCSで好走したワイルドラズベリーなど、人気に囚われず手広く流してみたい。

◎ブエナビスタ ○アパパネ ▲レディアルバローザ
△オウケンサクラ、ワイルドラズベリー、ショウリュウムーン、アニメイトバイオ

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2011.05.14

岩手競馬が開幕 ”心をひとつに”をスローガンにして

きょう(14日)、東日本大震災により大きな被害を受けた岩手競馬が開幕、騎手たちは犠牲者を悼む喪章をつけてレースに臨んだ。例年より1ヵ月半遅れ、水沢ではなく盛岡でのスタートとなる。開幕して3日間は被災市町村の名をつけた応援レースを実施し、それぞれ10万円の義援金が自治体に贈られる。スローガンは『がんばろう東北 心をひとつに 岩手競馬』だ。岩手競馬は津波で釜石場外が壊滅したほか、水沢競馬場も天井が落下するなどして施設が使えなくなり、被害総額は11億円に上るとされる。レースを再開するにあたって問題とされたのが、収支の見通しだった。震災前から岩手競馬は存続条件として「収支均衡」が求められており、その条件は被災後も変わらなかった。沿岸部の復興に膨大な支出が見込まれるなか、公的資金を競馬に投入することが許されないのは当然だった。そのため、岩手競馬は開催日を従来の4分の3となる盛岡のみの90日とし、売り上げは半分程度の97億円余とする計画を作成。施設の復旧費は地方競馬全国協会からの助成で賄う一方、JRAからの支援、賞典費や運営費を削減などで収支を均衡させるとして開催を承認させた。目標として一定額を義援金として拠出することも掲げた。数々の困難を乗り越えて、開幕まで漕ぎ着けた関係者の努力に敬意を払いたい。

こうしたなか、岩手競馬の関係者、マスコミ、ファンなど有志が集まって「岩馬るべ!(がんばるべ)東北プロジェクト」が立ち上がった。ウェブやソーシャルメディアを活用して岩手競馬を側面から支え、全国の人々からメッセージを募るなどし東北を盛り立てていこうとしている。オフィシャルブログで岩手のアイドル・ふじポンは今年の目標に「沿岸の皆様ご招待バスツアー」を行うと記している。まだまだ被災した多くの方々は競馬を楽しめるような状況にはないのが現実だが、雇用の受け皿として、地域経済の基盤として、そして人々に元気と喜びを贈るスポーツとして、岩手競馬が復興の糧となってくれることを願いたい。再開にあたって収支計画は県から承認されたものの、今後の売り上げは不確定要素が多く先を見通すのは容易ではない。私たち被災地から離れたファンができるのは、これまで以上に岩手競馬に注目して馬券を買うことだろう。個人的にも今日の最終レース「がんばろう山田」には一口馬シルキーフェザントが出走。また、すでに小西厩舎で調教を積まれている2歳馬、シルク9-53(サクラローレル×グレイスフル)に出資しているので、愛馬の活躍を見守りながら岩手競馬を応援したい。

>>ブログ「岩馬るべ!(がんばるべ)東北プロジェクト」

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2011.05.11

NHKマイルC回顧 貴重な血をつなぐグランプリボス快勝

最近、めっきりレース回顧を書いていない。予想が当たらないというのも理由だが、リハビリがてら軽くNHKマイルを振り返りたい。東京マイル戦は向こう正面の右手奥からスタートし、500メートルの直線から3、4コーナーを経て、再び520メートル余の直線をゴールまで走ることになる。直線が主体のコースであり、3コーナーも下りで加速しながら曲がるためにペースは速くなりやすい。フォーエバーマークが果敢に先手を奪い、番手をエイシンオスマンが追走するなか、ラップはまったく緩むことなく11秒台が続いていく。1番人気の2歳王者、グランプリボスは中団で折り合う。直線、外に持ち出すと矢のような伸び。出遅れて最後方から追い込んできたコティリオンを1馬身半退けて完勝した。勝ちタイムは1分32秒2と、去年のダノンシャンティには及ばないが、それでも驚異的と言える数字。息の入らない流れを自分のリズムで勝ち切った能力は高く評価されるべきものだ。相性のよい毎日杯連対馬ということで2番人気に推されていたコティリオン。上がり33秒4の鬼脚を繰り出したが、後方一気の競馬では最高のパフォーマンスを発揮した勝ち馬には届かない。着順をひっくり返すことができたかは別にして、勿体無い内容ではあった。この後はダービーに向かうそうだが、東京コースは適性があるようだから今回の反動がなく、2400メートルで折り合いがつくようなら面白い存在になるのではないか。

3着は朝日杯2着のリアルインパクト。その時よりグランプリボスとの着差は広がったが、3歳になってから順調さを欠いていたこともあり、前走のニュージーランドTにはようやく間に合ったという感じだった。グランプリボス、サダムパテックともども朝日杯組のレベルの高さを示す結果になったのではなかろうか。4着エイシンオスマンはスプリングSから4戦目の強行軍。それでも皐月賞、NHKマイルと大きく崩れてはおらず、ニュージーランドT勝ちがフロックでないことが証明できた。続いたのは弥生賞2着のプレイ。この馬はマイルのほうが合っている。本命にしたアイヴィーリーグは10着。キャリア3戦では厳しい競馬を克服できなかった。ところで、2、3着はディープインパクト産駒、4、5着はロックオブジブラルタル産駒と新種牡馬の仔が占める結果になった。そうしたなか、先月30日に急逝したサクラバクシンオー産駒が優勝したのは不思議なものを感じる。サクラバクシンオーは1400メートルまでは無類の強さを持つが、マイルでは一歩足りなかったスプリンター。その素質は産駒にも受け継がれることが多かっただけに、グランプリボスが堂々たる横綱競馬で東京マイルG1を制したのは、後継種牡馬の道が大きく切り開けたことを意味する。かつて日本を席巻したプリンスリーギフト系はトウショウボーイも父系を残すことができず、風前の灯火となっている。貴重な血をつなぐ種牡馬として箔をつけるためにも、来月の英国遠征には期待がかかる。

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2011.05.07

NHKマイルC予想 2011

G1を総ナメにしてきたサンデーサイレンスが勝てなかったのがNHKマイルC。しかし、その鬱憤を晴らすかのようにサンデー系の種牡馬がレースを席巻している。去年は06年に続くワン・ツー・スリー独占だった。今年も6頭のサンデー系種牡馬の仔が出走馬に名を連ねているが、ここは敢えてリンカーン産駒のアイヴィーリーグに着目したい。3月にデビュー。2戦2勝とキャリアは浅いが中身は濃い。前走の500万平場戦のタイム1分34秒7は同日に行われたニュージーランドTの2着馬と同じ。直線は一気に抜けだしてからグングンと伸び、まだ手綱には随分と余裕があった。デビュー戦は1800メートルを選んだようにスタミナにも不安はなく、底力を要求される府中マイル戦にも対応できるだろう。過去10年、条件戦をステップにしてNHKマイルCで連対した馬はいないが、データに逆らっても本命を打ちたい魅力がアイヴィーリーグにはある。鞍上の福永はリンカーンにも騎乗したことがある。360万円で取引された安馬が同世代のエリートを倒すシーンを見てみたい。相手は毎日杯で素晴らしい差し脚を繰り出したコティリオン。アイヴィーリーグの2戦に跨っていた小牧太が手綱だ。単穴は押せ押せのローテーションで来ているエイシンオスマン。ニュージーランドT勝ち馬が前売り8番人気の低評価、一発が漂う。

◎アイヴィーリーグ ○コティリオン ▲エイシンオスマン
△エーシンジャッカル、グランプリボス、プレイ、フォーエバーマーク

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2011.05.01

天皇賞春予想 2011

最強世代と言われる4歳勢が中心を担う今年の天皇賞春。だが、トゥザグローリー、ペルーサ、エイシンフラッシュらは 3000メートル以上の距離を走ったことがなく、折り合いとスタミナが求められる淀の盾で人気通り結果を残せるかは未知数だ。さらに京都競馬場は前日から雨が断続的に降っているようで、レース時の馬場状態を予測するのが難しいのも不確定要素。こんな時は”経験”に頼りたい。本命は一昨年の覇者、昨年2着のマイネルキッツを指名する。もう8歳になる超ベテランだが、前走の日経賞では7か月ぶりの休養明けだったことを考えれば上々の4着だった。その後、栗東滞在しながら調整。トゥザグローリーとの併せ馬になった追い切りも、唸るような動きで最後は先着されたものの差し返す場面も見せた。今年の出走メンバーには強力な逃げ、先行馬がおらず、スローになるはずだ。好位につけるマイネルキッツは早めにスパート、粘りこむ必勝パターンに持ち込みたい。雨の天皇賞春、ライスシャワーのロングスパート再現を期待したい。

◎マイネルキッツ ○ローズキングダム ▲トゥザグローリー
△コスモメドウ、エイシンフラッシュ、ペルーサ、ヒルノダムール

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