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2011.01.08

あわやトラクター侵入で大惨事 笠松は”幸運”を活かせ

7日、笠松競馬で起きたトラクターのコース侵入によるレース不成立は、競馬界を超えて一般メディアでも大きく報道された。事件が起きたのは第3レース・若竹特別(1800メートル)。通常なら午後に組まれることの多い1800メートル戦だが、この日は5頭立ての少頭数になったために早い時間に施行されることになった。ところが、いつも同じ時間帯に組まれる800メートル戦だと馬場整備の係員が距離を勘違い。1800メートル戦はコースを一周半するのに、1周目の4コーナーを過ぎてからトラクターをコースに入れてしまったというのだ。レースはフサイチフウジンが快調に飛ばし、少し離れてマイネルブラジリエ、さらに間隔が開いてリックチャー以下が追走していた。そして4コーナーを周り直線に入ろうとすると、目の前にはいるはずのないトラクターが2台も鎮座していたのだからジョッキーは肝を冷やしたに違いない。先頭の尾島徹は大きくトラクターの外側へ進路をとったが、2番手、3番手の馬はトラクターの間を抜ける間一髪の騎乗。幸いなことにトラクターに激突した馬はいなかった。売り上げ790万円は全額返還となり、前代未聞の不手際による競走不成立となった。

今回のトラブル、笠松競馬にとっては本当に運が良かった。もしフルゲートで馬群が密集する展開になっていたら、もしトラクターが入ってくるタイミングがずれていたら、大惨事になっていたはずだ。決して大手マスコミも”珍事”では許してくれなかっただろう。サラブレッドは自動車のようにハンドルを切れば、すぐに進路を変えてくれるものではない。ハロン棒の影ひとつで驚いたり、普段と違ったものが目に入っただけでパニックになる馬もいる。スピード能力に差があったため馬群がばらけ、楽にハナを切っていた騎手が早めに異変に気づく余裕があったからこそ大事故にならずに済んだ。廃止騒動に揺れる笠松競馬には足元をすくってやろうという ”敵”も少なくない。そうしたグループはこれ幸いとばかり、安全管理が杜撰になった競馬場を存続させてはおけないと攻撃してきた可能性も高い。万が一、人が亡くなるようなことになっていれば、世論も廃止やむなしに傾いて笠松競馬そのものが消失していたことも十分に考えられたのだ。だからこそ、原因を追求し、ひとりの人為的ミスが重大な結果をもたらさないよう対策を講じねばならない。徹底的に人件費を削減している状況は理解できるが、安全弁だけはコストカットしてはならないのではないか。

気になるのは笠松のジョッキーたちから、安全管理に対する競馬場の意識を疑問視する声があがっていること。佐藤友則騎手はツイッターで「普段から馬場管理課の人達の仕事がずさんだからこうなるんだ… 普段から調教始まるまえの馬場にタイヤの後つけたままとかゴミがあったりだとかラチ外したままとかスピーカーウーファガンガン鳴らして馬脅かしたりしてるからこうなるんだ」と指摘している。このツイートを読んで思い出したのが、一昨年の秋に阪上忠匡騎手が競馬場職員を批判して、物議を醸したブログ記事だ。阪上によれば、調教中、競馬場職員がカーステレオを大音量で流しながら車で装鞍所にやってきたため、馬が驚いて何度も立ち上がってひっくり返りそうになったという。繊細なサラブレッドを扱う現場で、このような無神経なことが起きていること自体が信じられないが、さらに問題はその後にもあった。

馬が暴れてるのを見てたのに、その職員は知らんぷり。頭にきたこともあって、その職員に『馬鹿野郎!ちょっとは考えてくれよ!!』と、砂を蹴りあげながらキツい言い方をしてしまったんですが、そしたら職員が逆ギレで…胸ぐら掴まえてきて、ぐいぐい引っ張り出して… 『ちょっと来いてめぇ!!』とか怒鳴り出して…もし職員に、悪いという気があれば、こんな態度に出ないですよね?周りで見ていた人が止めに入ってくれたんで収まりましたが…この人、本当に競馬場で働く職員でしょうか? 本当に競馬場の職員?

昨日の件で、その職員の上司に当たる職員から、謝罪をしたいと申し出があったので、競馬場で調教師会立会いの上、応じました。当然その職員も来ていて、そこで言い出したことが『カーステを大音量で聞きながら、装鞍所には入ってきたりしていない。車のエンジンを切ったときに、間違ってスピーカーを大音量で鳴らしてしまったんだ。』ですうーん・・・地響きするぐらいの大音量で装鞍所に入ってきているところを、かなりの人数が目撃しているんですが・・・それに、どう間違ったら、エンジン切ったときに、間違って大音量でスピーカーを鳴らすんでしょうか?それでも『俺はやってない。俺はやってない。』の一点張り。(残念です。)

この職員は「立場が上の競馬場職員」だというからやるせない。もちろん、ひとつのレースを施行するのには様々な人々が関わっていて、時にミスが起こるのも事実。しかし、運営管理する側の意識が低ければ、重大なミスが生じるリスクは必然的に高くなる。そして今、笠松競馬は存廃の瀬戸際に立たされているのであって、小さなミスが大きな事故となり、廃止を決定づける一撃にもつながりかねないことを忘れてはならない。珍事で済んだトラブルを教訓にして、再発防止に万全を期してほしい。

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