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2010.10.04

凱旋門賞回顧 日本を勇気づけたナカヤマフェスタ2着

日本から初めて2頭が参戦した今年の凱旋門賞は、ナカヤマフェスタがクビ差の2着と健闘し、エルコンドルパサー以来11年ぶりの連対を果たした。入れ込みが心配されたナカヤマフェスタだったが、前走のフォワ賞よりパドック、返し馬とも落ち着いていて、レースでもかかることなく中団外を折り合って追走。直線では一度は先頭に立つ場面があったものの、内から抜けだしてきた英ダービー馬・ワークフォースとの叩き合いを制することはできなかった。斤量差3.5キロは大きい。レースは馬場が悪かったとはいえ、予想以上のスローペースとなり、出走19頭の各馬が接近してゴチャつく競馬に。ナカヤマフェスタも4コーナーで仕掛け始めたところでカットされる不利を受けた。着差がわずかだっただけに惜しまれる出来事であったが、不利があったのは同馬だけではない。むしろ、そこでナカヤマフェスタを怯ませず、闘志をかきたてた蛯名の手綱を賞賛したい。必ずどこかでアウェイの洗礼を浴びることを知っている蛯名だからこそ、素晴らしい騎乗でナカヤマフェスタを2着に導けた。

もう1頭、武豊騎乗のヴィクトワールピサは7着(8位入線も繰り上がり)。内々を通って脚を溜めたが、進路を求めて直線では大外に持ち出さなくてはならなかった。この時点で勝負からは脱落。同じような位置にいた勝ち馬が馬群をすり抜けてきたのとは対照的な競馬だったが、それでもジリジリと伸びて一桁着順まで押し上げたのだから力がないわけではない。展開が違えば、十分に入着もあった。レース後、長い審議があり、勝ち馬が対象ではないかとの情報が流れた。確かに残り300の地点でワークフォースは内に寄れて接触。その煽りを受けて数頭にも影響を与えている。日本の基準からすれば十分に降着の可能性もあるのかとも感じたが、凱旋門賞という重みと、2位入線馬が被害馬でないことを考慮すれば着順変更なしは妥当なところか。審議中はナカヤマフェスタを戴冠させてあげたいという思いと、繰り上がりで歴史的偉業が成し遂げられることへの気後れが交叉していたが、結果的にはこれで良かったのではないか。ワークフォースは前走の敗戦で株を下げていたが、7馬身差で英ダービーを制した実力はホンモノだった。父はエイシンフラッシュと同じキングズベストである。

ナカヤマフェスタの”好走”は、 11年前の二ノ宮厩舎、蛯名というチーム・エルコンドルパサーの経験が活かされたものであることは間違いない。現地の調教師とのパイプ、前哨戦から本番への仕上げ方、独特なロンシャンを乗り切る手綱さばき…。そして、宝塚記念を勝つ以前から凱旋門賞の登録を済ませ、早くから目標をここに見据えてきた陣営のチャレンジスピリッツは、エルコンドルパサーで掴んだ手応えと悔しさが原動力になっている。4年前、ディープインパクトが凱旋門賞で敗れたとき、日本競馬は深い絶望感に覆われていた。ディープでさえ世界の壁は超えられないのかと。しかし今回、無敗の三冠馬でも、G1を何勝もしているわけではないナカヤマフェスタが、僅差の2着まで迫ったことは国内のホースマンを勇気づけたのではないか。また、長期滞在をしなくとも、周到な準備を経てプレップを使えば、日本のトップホースならば凱旋門賞で互角の戦いができることを証明した意義は非常に大きい。ナカヤマフェスタが夫婦ふたりで経営する日高の牧場から産まれたことも光明になろう。来年、また世界に挑んでほしい。

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