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2010.10.25

菊花賞回顧 自ら競馬をつくれる強さが淀三千を制す

エイシンフラッシュの直前回避で、今年もダービー馬不在で行われた菊花賞。神戸新聞杯を制したローズキングダムが単勝2倍の圧倒的支持を集める中、菊の大輪を咲かせたのは伏兵・ビッグウィークだった。ハナを切ったのは大方の予想通りコスモラピュタ。しかし、前方でレースの流れを握るとみられていたトウカイメロディは本調子ではなかったのか、後方からの競馬。結果的にはこの2番人気馬の思わぬ位置取りが、先行勢に楽な競馬をさせてしまうことになる。1000メートルこそ61秒の締まったラップで通過したが、ここからコスモラピュタはペースを落とす。13秒台を連発して次の1000メートルは64秒5。後続との差があったため、速いペースで流れているように思えたかもしれないが、それは見かけに過ぎなかったということだ。コスモラピュタを目標に2番手から早めスパートした川田・ビッグウィークは、まさに理想的な騎乗だったと言うべきだろう。瞬発力には劣るが、長い脚を使える長所を最大限に活かしたレースだった。しかも、得意の持久力勝負にはならなかった展開のなかでの判断だから、いっそう騎手は賞賛される。

一方、神戸新聞杯でつけた決定的な3馬身の差を逆転されたローズキングダムは、中団後方よりのポジショニング。もう少し積極的な競馬を望んだファンも多かっただろうが、一本かぶりの人気を背負っていたのでは、武豊と言えど、できるだけリスクは取りたくなかろう。それにトライアルのように爆発的な瞬発力を発揮させるためには、折り合いに専念しなくてはならないし、道中でなし崩し的に脚は使えない。もっとも結果論から言えば、早めに先行勢を潰しにかかってもガス欠を起こすような持久戦にはならなかったわけで、脚を余した武豊としては悔いの残る内容だったのではないか。しかし、別の見方をすれば、自分から競馬をつくれない薔薇一族の定めは同馬にもしっかりと刻印されていたと言え、それゆえG1で2着のお家芸が菊花賞でも披露されたのだということでもある。本命にしたヒルノダムールは7着。直線の不利というより、こちらも4角でも中団に留まっていた位置どりが敗因だろう。逆に波乱を呼んだ3着ビートブラックは3番手から流れ込み。ミスキャストの産駒で、今後の成長に期待したい。今年の淀三千、改めて思わされたのは自分から展開をつくっていける馬と騎手の強みだった。

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