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2010.07.04

【訃報】オグリキャップ 語り尽せぬ名馬よ、安らかに

オグリキャップが亡くなった。25歳。繋養先の優駿スタリオンステーションで放牧中に骨折し、安楽死の措置が取られたそうだ。後世、オグリのプロフィールはどう記述されるだろう。『1988年、笠松競馬から中央入りし、2度の有馬記念やマイルCSなどで勝利を収めて、第2次競馬ブームを巻き起こした。引退後は種牡馬となったが目立った産駒を出せないまま、2010年6月3日、死亡した』。おそらく、これは正しい略歴だ。だが、現役時代のオグリキャップを肌で感じたことのあるファンほど、そうではあるがそうではない、そんなもんじゃないんだ、オグリは…と言いたくなるのではあるまいか。大袈裟でなく、ファンひとりひとりのオグリ像、オグリのストーリーがそこには存在しているからだ。オグリには名馬という言葉だけでは括りきれない、何かがあるのだ。

高校1年生だった私が初めて馬券を買ったのは、1989年のジャパンカップ。毎日のようにスポーツ新聞のトップを飾る「オグリ」の文字に誘われて、自然と競馬にのめりこむようになっていた。クラスで競馬に関心を持たないのはガリ勉くんぐらい。ウインズでは緑の警備員の脇を人混みに紛れて擦り抜け、うるさくなさそうな窓口のおばちゃんを探し、補導員に声をかけられればダッシュで逃げる。馬券を買うのにバカバカしいほどのエネルギーを費やしていた。ラストランとなった有馬記念。「オグリは終わった」と報道される中、私は悪友と連れ立って中山競馬場に出かけた。 18万人の洪水だったスタンドでは、とてもレースをつぶさに観戦する余裕はなかった。ただゴールの瞬間、青い帽子の馬が1番手で入線し、「オグリ! オグリ! オグリッ!」と、場内から沸き上がった異様な歓声が、奇跡が起きたことを知らせてくれた。

笠松時代の快進撃、中央へのトレード、毎日王冠までの重賞6連勝、タマモクロスとの世代交代、バンブーメモリーを差し切ったマイルCS、2分22秒2という驚異のレコードで走ったジャパンカップ、岡潤一郎が悔し涙を流した宝塚記念の惜敗、種牡馬としての不振…。語るべきことはたくさんある。しかし、何処までも語り尽せぬのがオグリがオグリである所以なのかもしれない。あの有馬記念を境にして、私の競馬熱はさらに高まっていった。もしオグリのラストランに立ち会っていなかったら、これほど長く競馬は続けていなかっただろう。二度と訪れることはあるまい、競馬の黄金期をつくったオグリキャップ。今は安らかに。そして、これからも競馬を見守ってほしい。

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コメント

豊が「二度の騎乗を誇りに思う」と言いました。

あの日、中山にいたガトーさん、そして私も「あの日の中山で彼と時間を共有できたことを誇りに思う」と言いたいところですね。

彼は私の青春そのものでした。

投稿: triomphe | 2010.07.05 19:21

>triompheさま オグリキャップは確かに時間を共有できたことを誇りに思える名馬でした。いつかオグリのような馬が地方から現れるのではないかと、ずっと期待しています。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2010.07.08 02:40

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