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2010年5月の14件の記事

2010.05.30

日本ダービー予想 2010

競馬はブラッドスポーツだ。父から息子へ、母から娘へ、またそれらが交差して、連綿と遺伝子をつなげながらドラマを生み出していく。7年前、日本ダービーでは皐月賞馬ネオユニヴァースが死闘の末、上がり馬ゼンノロブロイを降してクラシック二冠を成し遂げた。そして今年、その仔らが再び大舞台で相見えようとしている。本命は青葉賞を圧勝して望むペルーサ。ただダービーを獲るがために、若葉Sを勝ちながら皐月賞を回避。父と同じステップを踏んで本番に臨む。管理するのはロブロイとともに悔し涙を流した藤沢和師、手綱も7年前と同じ横山典。青葉賞馬はダービーは勝てないという先例を打ち破り、宿敵ネオユニヴァースの仔に挑まんとするペルーサが、新たなドラマを形作ることを期待したい。

◎ペルーサ ○ヴィクトワールピサ ▲ヒルノダムール
△ルーラーシップ、アリゼオ、レーヴドリアン

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2010.05.29

ダノンシャンティ骨折判明 ダービーは出走取消

前々日売りで3番人気に推されていたダノンシャンティ(松田国厩舎)が、右後脚骨折のためダービーの出走を取り消すことになった。ダノンシャンティは毎日杯で初重賞制覇を飾ると、前走のNHKマイルCも1分31秒4という驚異的なレコードで優勝していた。毎日杯or皐月賞→NHKマイル→ダービーという、いわゆる”マツクニローテ”はタニノギムレットやキングカメハメハ、ディープスカイらが成功を収める一方で、若駒には厳しすぎるステップではないかという指摘もある。また、今年のNHKマイル出走馬ではダノンシャンティと人気を分けあったサンライズプリンス、6着のエーシンホワイティの故障が判明しており、どんなに馬場状態が良好でも、速いタイムで走ることのリスクの高さを改めて認識させられる結果でもあった。ダノンシャンティの取り消しにより、ヴィクトワールピサとペルーサによる二強対決の様相が強まったダービー。だが、波乱のムードも感じずにはいられない。

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2010.05.26

ダービー展望 横山典が静かに燃える7年前の雪辱

先週のオークスは史上初のG1での1着同着。サンテミリオンの横山典とアパパネの蛯名が満面の笑みで抱き合うインタビューも非常に印象的だった。横山典は去年、ロジユニヴァースで初めてダービーを制覇したほか、カンパニーでG1を2勝、ワールドスーパージョッキーズシリーズで優勝するなど、華々しい活躍を収めた。破竹の勢いは今年になっても衰えず、全国リーディングをブッチ切りで快走し、すでに重賞11勝。ハナ差のブエナビスタ、同着のサンテミリオンの2週連続G1優勝などは、まさに横山典の腕によるものと見るべきだろう。以前、横山典と言えば、職人気質ではあるが、インタビューは仏頂面でメディアを頑なに遠ざけるといったイメージがあった。だが、年を重ねることで角が取れ、今は自然体で競馬を楽しんでいるように感じる。それがノリの強さの源になっているのかもしれない。今週、ダービーで横山典は打倒ヴィクトワールピサの一番手にあげられているペルーサに騎乗する。

ペルーサはオークスで手綱を取ったサンテミリオンと同じゼンノロブロイ産駒だ。7年前、横山典はゼンノロブロイでダービーに挑戦。果敢に2番手先行から抜け出しを図ったものの、内を突いて差してきたネオユニヴァースに半馬身、遅れをとってゴールした。この時、内で馬を併せず、外に進路を取った騎乗に藤沢和雄師は大いに怒り、再びゼンノロブロイに横山典が跨るのは2年以上待たねばならなかった。ペルーサは皐月賞に出走せず、青葉賞を勝ってダービーに臨む父と同じローテーション。過去、青葉賞馬は本番では2着が最高だ。勝てない理由のひとつは皐月賞組とのレベル差にあるが、ペルーサは若葉Sを勝ったにも関わらず、皐月賞を敢えてパスしたもの。若葉Sで降したヒルノダムールは皐月賞2着に好走しており、格の差は全くない。もうひとつの心配はトライアルで2400メートルを激走した反動。2分24秒3のタイムは出色だ。追い切りは順調だったが、あとは走ってみなくては分かるまい。今回、藤沢和師とともに7年前の雪辱を果たすことができるか、横山典の手綱さばきが楽しみである

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2010.05.23

オークス予想 2010

東京は段々と雨足が強くなるという天気予報。前週までの高速馬場とは打って変わった状態でオークスは行われそうだが、どの程度まで芝が悪化するのか直前まで見当がつかず、事前に予想を立てるのも難しい。こういう時は波乱を期待して、アニメイトバイオの馬券を買ってみたい。阪神JFはアパパネと接戦の2着、府中でも牡馬を相手に強い勝ち方をしたことのある馬が前日売り11番人気とはあまりの低評価。桜花賞は輸送で大きく馬体を減らしたことが敗因で、じっくりと調整されて体が回復した今回は巻き返しが見込める。新コンビを組む後藤が中間も付きっきりで調教をつけているのも好材料で、母系のフレンチデピュティ×レインボーアンバーは重の鬼と言える配合だ。相手は明らかなサウスポー、府中になれば一変するアプリコットフィズ。こちらも馬体が戻っているようなら単勝まで買いたい馬だ。

◎アニメイトバイオ ○アプリコットフィズ ▲サンテミリオン
△アパパネ、ショウリュウムーン、オウケンサクラ、シンメイフジ

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2010.05.22

友駿と生産牧場が対立 ”殺処分済み”G1馬母を巡り

シチーの冠号で知られ、ゴールドシチーやタップダンスシチーなど多くの活躍馬を輩出してきた友駿ホースクラブ。最近ではエスポワールシチーがダートG1の5連勝を飾り、旬の一口クラブとして人気を集めているが、そのエスポワールシチーの母を巡って思わぬトラブルが起きていたことが明らかになった。事の始まりはエスポワールシチーの生産牧場であり、母エミネントシチーも繋養している幾千世牧場で4月末にエスポワールシチーの全弟が生まれたこと。予定日より20日以上遅れて、ようやく誕生したというから関係者の喜びもひとしおだったろう。ところが、残念なことに仔馬は5月18日未明、急に体調が悪化、獣医が手を尽くした甲斐もなく亡くなってしまった。エミネントシチーを所有している友駿はこれに怒り、即、同馬を引き上げて、他の牧場へ移動させることにした。生産牧場には何の相談もなかったという。

ここまでなら馬産地に掃いて捨てるほどあるエピソードだが、話はこれで終わらなかった。生産者はブログでエミネントシチーの数奇な運命を公開。かつて、エミネントシチーはエスポワールシチーを産んだ後、友駿から処分命令が出されていたものの生産者が密かに匿っていたと言うのだ。そして、エスポワールシチーの活躍後に友駿に事実を告げて、繁殖に復帰させたのだと明かす。

エミネントは、実際は、もともとエスポを産んだ年に処分される予定だった馬で、それを子供の出来が良 かったこともあり、処分されるぐらいならと、クラブに無断で、牧場が引き取った馬でした。/クラブ側に『エミネントは、3勝している馬だし、馬格もあるから繁殖として残しておいた方が良いん じゃないですか』と言ったのですが、返答は、『繁殖は、まだたくさんいるから大丈夫、処分してくれ』 とのことでした。処分となると、食用ということで、業者の方に売却されます。なので、その年に処分された馬たちの売却した代金と一緒に、エミネントの分を、牧場がクラブに支払っ たわけです。(リック専務の牧場報告)

エミネントシチーは1998年生まれのブライアンズタイム産駒で、中央3勝をあげるなど芝、ダートを問わずに成績を残した。期待されて繁殖入りしたが、初仔のエスポワールシチーはかなりの難産で子宮を痛め、獣医師は「繁殖牝馬として続けることは難しいかもしれない」(競走馬のふるさと案内所)と診断。将来性とコストを天秤にかけた上、友駿は処分してくれと牧場に通知したようだ。馬は経済動物ゆえ、馬主の判断は最大限に尊重されるべきで、友駿に非はない。だが、生産者はあきらめきれなかった。同じ牧場で経営する乗馬クラブに紛れ込ませ、客を背中に跨らせつつ、生きながらえさせることにしたのだ。牧場主の相馬眼は見事に当たり、誕生時に見初めたエスポワールシチーは大出世。「実は残していた」と打ち明けると、友駿サイドも大喜びしたと言う。去年、友駿はゴールドアリュールを種付けして、G1馬の全弟誕生を待ちわびることになった。

それにしても、なぜ生産者は事の次第をネットで露にするという行為に及んだのだろう。関係の深いオーナーと対立するのは、牧場経営の命運すら危うくするもの。今回の行為はビジネスとしてはスマートな解決方法とは程遠い。もしかしたら廃用命令を受け取った当初は、ほとぼりが冷めた頃に自分の繁殖に加えて仔馬を売却できれば、飼葉代のコストは取るに足らないという、打算的な賭けだったのかもしれない。それがエスポワールシチーの予想を大きく超える活躍のうちに、自分が隠匿したエミネントシチーに憐憫の情が乗り移り、経営者としてではなく、ひとりの牧場主として愛情を注ぐようになったのではないか。秘めた愛ほど深くなるのは人の常。一度は廃用が決まっていた命を救い、数年間、自費で繋養してきたという矜持は、金で計算できないものになっていたはずだ。一方的にその対象を連れ去られた彼の悔しさは理解できる。

とはいえ、生産者自身「所有者を曖昧にした状態にしてしまったことが、ことの発端」と口籠もらせているように、所有権を友駿が保持し続けているのは明確だ。ただ、友駿には看板馬の母を殺処分しようとした負い目がある。ましてエミネントシチーは3勝をあげ、会員の思い入れのある馬だ。事実は伏せておきたい。生産者とは一蓮托生、「子どもを産むために回復するまで乗馬として頑張り、初仔の活躍で繁殖に復帰した」と外部に説明する物語について合意はできていたものの、生産者はブログを開設して事細かな情報を書き込んだり、メディアの取材を積極的に受けている。友駿はエスポワールシチーの全弟誕生を公にしないよう命じたとされるが、すでに馬産地メディアでは記事になってしまってもいた。殺処分の件もいつボロが出るか分からない。従前から抱いていた潜在的な不安感が、急転直下の移動命令につながったのではないか。

21日、生産者のブログで、エミネントシチーが戻ってくることが発表された。代わりに友駿から預託されていた2頭の牝馬が、他の牧場へ移動することになったという。詳しい経緯は分からないが、ヒートアップした両者が冷静さを取り戻し、落とし所を探った手打ちのようにみえる。今回の件、情報は一方当事者からしか伝えられておらず、外部の人間がどちらがどうだと断じるのは適当なことではない。独善的なセンチメンタリズムで当事者を批難するのも的外れである。ただ、エミネントシチーのように一旦は”殺処分済み”とされながらも誰かの熱意を受け、再びチャンスを得る命があるのだという馬産地ドラマのワンシーンを垣間見られたのは事実。今回のトラブルを越えてエスポワールシチーに続く活躍馬が生まれたとき、エミネントシチーの秘話は大手を振って語られる美談になるのだろう。今年、もう一度ゴールドアリュールがつけられるというエミネントシチーの仔に願いはかけられる。

>>エスポワールシチーの全弟が誕生(競走馬のふるさと案内所)
>>重賞ウイナーINFORMATION・幾千世牧場(同上)

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2010.05.21

トルコ・イスタンブール ヴェリフェンディ競馬場ガイド

大変に遅くなってしまったが、2月末に訪れたトルコ、イスタンブールのヴェリフェンディ競馬場への行き方をまとめておきたい。検索エンジンで引っかけてもらえれば、情報の少ない異国の競馬場を旅するファンの一助にもなると思うので。ヴェリフェンディ競馬場の開催日競馬国際交流協会(JAIR)「海外の競馬場」コーナーに掲載されているが、冬季(11月~4月上旬)は水曜日と土曜日、夏季(4月下旬~10月)は日曜日、水曜日、金曜日となっている。 2010年は一年を通してナイター競走。17時頃から第1レースが始まる。これらはあくまで2010年現在のものであり、 JAIRやトルコジョッキークラブの英語サイトで必ず最新情報を確認してほしい。実際、つい最近までは昼間にレースが行われていたようだ。
観戦記:旅打ちトルコ競馬! 東西文明が交わる熱情ナイター

地図で示せば、競馬場は旧市街とアタテュルク空港の中間点より、南側の沿岸まで下ったところにある。トルコのタクシー料金は安いので、中心部から乗っても2000円以下で行く距離だ。公共交通機関で向かえば、もっと安い。ヨーロッパ側の国鉄の終着点、スィルケジ駅(Sirkeci)はスルタンアフメット地区やガラタ橋にも近く旅行者が利用しやすい駅だ。ここから一時間に3本ほどあるローカル線に乗る。向かって右手、レバー式の無人改札のあるホームが出発ホーム(左は国際列車のもの)。一般市民だけでなく、数日滞在する旅行者も手にするだろうプリペイドチケット、アクビルを使えば料金は一律1.5リラ(約100円)だ。競馬場の最寄、イェニマッハレ駅(Yenimahalle)は始発から8番目、 30分程度で到着する。直前、進行方向右手に競馬場のコースが垣間見えるので確認できると安心だ。

競馬場へは改札を抜け、駅の南側(乗ってきた列車から見ると左手)に出る。商店が並ぶ小路があるので、来た線路を戻るように東へ向けて歩き出してほしい。地元ファンのほとんどは自家用車を利用するようで、周りには誰もいないかもしれないが心配無用。2、3分でガソリンスタンドのあるT字路に突き当たったら、押しボタン式の信号を渡り、左に折れて国鉄の高架下をくぐる。すると、右手に公園の入場門を見つけられるはずだ。警官やチケットを売る係員もいる。競馬場は公園の中にあり、外国人旅行者は入場料2リラを免除してくれるだろう。左手へ道なりに進むと「HIPODROM(競馬場)」、「PADOK(パドック)」と書かれた案内板がある。その先には国際厩舎もある。滑り台などのある遊び場を抜けたらコースの前。スタンドは2つあるが、観客が少ない時は奥側が使用されるようだ。



スタンド1階には馬券売り場のほか、新聞販売(一部0.75リラ)、ケバブなどの軽食レストラン、馬のフィギュアが並ぶ土産物店があり、3階には食事のできるテラス席がある。パドックはスタンドのすぐ脇だ。レースは30分毎に発走する。馬券はマークシート方式でトルコ語のみ。1番上の欄は競馬場名、2番目のGUNは曜日、3番目のKOSUはレース番号を示す。下の図はイスタンブールの競馬場で、土曜日に行われる、5レースを買う場合にマークした例だ。馬券の種類は3連単や重勝式などバラエティ豊かだが、一見の旅行者には単勝と馬連を知って入れば十分に楽しめるだろう。4番目の欄、BAHISは馬券の種類を示し、単勝ならGを、馬連ならIをマークする。5番目のMISLIは購入額の単位で、何もマークしなければ1リラずつになる。図は馬連で11の馬を軸にして、2リラ単位で3点流した例である(2-11 5-11 7-11)。それではトルコでの健闘を、コライゲルスィン!


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2010.05.20

オークス展望 新種牡馬ゼンノロブロイが6頭出し快挙

今週のオークスには新種牡馬・ゼンノロブロイ産駒6頭出走する。オークスにおける同一種牡馬の多頭数出しの記録は、 2004年、サンデーサイレンスの9頭。翌年もサンデーは8頭を出走させているが、今年のロブロイはこれに次ぐもので、初年度産駒による6頭出しはグレード制導入後のクラシック競走としても初めての快挙のようだ。青葉賞を無傷で制したペルーサを含めて、ロブロイ産駒の活躍は下馬評を大きく上回る。ロブロイはサンデーとローミンレイチェルとの間に生まれたアメリカ血統。ローミンレイチェルの父はミスプロ系のマイニングで、母父はクレヴァートリックだから、ダートのスピード馬というイメージが強い。実際、ロブロイも現役時代は2000メートル前後がいちばん安定してポテンシャルを発揮できていたように思う。種牡馬としての配合では、スタミナを補ってくれるような母系との相性が良いようで、サンテミリオンはラストタイクーン、コスモネモシンはシングスピール、ギンザボナンザはトニービンなど、芝の中長距離を得意とするBMSが目につく。逆に言うと、そうした配合でないロブロイ産駒はスピード色が濃すぎるということになろう。

ロブロイ産駒で最も人気を集めるサンテミリオン。フラワーCではレース前から苛立ち、スタートで後手を踏んで黒星を喫したものの、フローラSは完勝だった。同じロブロイ産駒、アグネスワルツを2番手で大名マークすると、上がり34秒6の脚で楽々と差し切ってしまった。鞍上の横山典はデビューからダービーまでロブロイの手綱を取った騎手でもあるが、ノリをして「父に似ている」と言わしめたほど。この時期にグッと上昇してきたことだけでなく、レース中の折り合い、反応など競馬センスの良さが父譲りなのだろう。気になるのはオークストライアル勝ち馬が本番では 22年間、負け続けていること。3年前にはベッラレイアがハナ差で勝利を逃しており、そろそろジンクスは打ち破られても良いころだが。阪神JF2着、桜花賞では8着に敗れたロブロイ産駒、アニメイトバイオも巻き返しの可能性はある。桜花賞は輸送で大きく馬体を減らしてしまい、栗東滞在のアパパネとは明暗を分けてしまったが、調教後の体重はプラス19キロとしっかり体を戻してきた。 BMSはフレンチデュピティだが、母系はレインボーアンバー、ファーストファミリーと重ねられ、祖母は天皇賞秋で2度2着のセキテイリューオーを生んでいる。データ的にも問題なく、後藤との新コンビは人気の死角になるようなら侮れない。

オークスに出走するゼンノロブロイ産駒:
アグネスワルツ、アニメイトバイオ、ギンザボナンザ、コスモネモシン、
サンテミリオン、ニーマルオトメ

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2010.05.16

ヴィクトリアマイル予想 2010

能力の比較からすれば、ブエナビスタとレッドディザイアの一騎打ちで決まるヴィクトリアマイル。しかし、今回は双方ともドバイでの激戦から帰ってきたばかりで、このレースを目標に仕上げられているわけでもない。まして、前日の京王杯SCでは準オープンをようやく勝った馬が、2番手追走でレコードを叩きだす特殊な高速馬場だ。もし、硬い2頭の数え歌に楔が打たれるとすれば、今回のレースではないかという気がする。本命は阪神牝馬Sを圧勝したアイアムカミノマゴ。5ヶ月ぶりだった前走は、上がり34秒2の差し脚で後続に2馬身差をつける完璧な競馬。昨年のクラシックではワンパンチ足りなかったのが嘘のように、著しい成長を遂げていた。血統的にはマイラーよりスプリンターに近いタイプだが、今の高速馬場にはそちらのほうが向いているだろう。ちなみに母アイアムザウィナーは大川慶次郎氏の勧めで馬主が購入した馬。つまり、競馬の神様の娘であり、その娘が”カミノマゴ”という意味だそうだ。

◎アイアムカミノマゴ ○ブエナビスタ ▲レッドディザイア
△プロヴィナージュ、ラドラーダ、コロンパスサークル、ブロードストリート

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2010.05.15

京王杯SC予想 2010

過去10年で1番人気が1度も連対していない京王杯SC。ペースの落ち着きやすい府中1400では、上がりの速さが問われる。去年のこのレースで最速の上がり33秒3を記録したタケミカヅチ◎。前走のダービー卿CTは不利があって6着に敗れたが、叩き2戦目で前進は確実。内ラチに再出現したグリーンベルトを味方につければ、勝ちも見えてくる。対抗は短い距離なら安定感のあるサンカルロだが、相手なりに走る大外のオセアニアボスも一発気配が漂う

◎タケミカヅチ ○サンカルロ ▲オセアニアボス
△エイシンフォワード、スズカコーズウェイ

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2010.05.09

NHKマイルC予想 2010

底力の求められる府中のマイル戦。ハイペースのニュージーランドTを2番手で追走しながら、1分32秒9という好タイムで快勝したサンライズプリンスの能力にはケチのつけようがない。もともと二千メートルでデビューしたように中距離適性が高く、スタミナは十分だ。小回りの中山より今回のほうがずっと競馬はしやすいはずで、ここを勝ってダービー候補の一角に名乗りを上げたいところ。相手は毎日杯を制したダノンシャンティが一番手ではあるが、厳しいペースを経験していない分、◎より評価を下げた。骨折休養後、叩き3戦目のリルタヴァル、朝日杯2着のエイシンアポロンなど皐月賞組も侮れない。

◎サンライズプリンス ○ダノンシャンティ ▲リルタヴァル
△エイシンアポロン、ダイワバーバリアン、ガルボ、キングレオポルド

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2010.05.05

シルク出資 来週入厩のアグネスタキオン牝馬に

遅まきながら、シルクホースクラブの2歳馬への出資を決めた。一時期はキリのいいところで退会しようかとも考えていたが、去年、シルクが募集を始めた地方馬を申込んだこともあって、会員としてお付き合いを継続させてもらうことにした。一口ライフで最もつまらない結果に終わるのが、体調や脚元が弱く、出走かなわないまま時間切れで引退してしまうもの。もしくは、まったく仕上がらない状態まま秋の未勝利戦でデビューさせて惨敗というもの。その最もつまらない結果が、私の場合だけだろうか、最も多いパターンになっている。飼葉代ばかりが募ってというのはフラストレーションが貯まる。その点、地方馬はコンスタントに走ってくれるので、収支は別にしてそれなりに楽しめている。今週もシルキーフェザントが岩手で2勝目をあげた。

キャロットクラブと違ってシルクは即満口になる馬は極少数であり、今年は調教の進み具合を第一に、ギリギリに馬を選ぶことにした。1頭目はアグネスタキオンの牝馬、ベストマテリアル(8-25)。総額1700万円、一口3万4千円。すでに来週、美浦・大竹厩舎への入厩が決まっている。クラブにあてがうのは辛い馬が多いと噂の千代田牧場産だが、いつの間にか牧場サイトの中にシルク提供馬の情報ブログもできていたりして、多少はそんな不安も解消されるのかも。叔母に愛1000ギニー馬、母の父サドラーズウェルズと血統的には期待できよう。夏競馬でデビューを。もう1頭は地方馬、チーフベアハート産駒の牡馬(8-60)。総額300万円、一口1万5千円で、大井の鷹見浩厩舎を予定している。現在は坂路で15-15まで調教が進んでいる。血統的に見るべきものはないが、丈夫に末永く活躍してほしい。

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2010.05.04

天皇賞春回顧 完璧すぎたCウィリアムズの手綱さばき

ホクトスルタンの除外で、予想通りスローな展開となった天皇賞春。ペースをつくったのは急遽、参戦を決めてホクトスルタンを除外することになったミッキーペトラで、 1000メートルは60秒7とこの馬なりに馬群を引っ張ったが、中盤は13秒台後半のラップが連続するなどガクンとペースが落ちた。外枠を引いた昨年の覇者、マイネルキッツは先行する腹を決めていたようで、果敢に2番手を追走、4角では早くも先頭に立つ積極的な競馬を見せる。ステイヤーのマイネルキッツにとって、これが最適解。一方、レースの流れを読み、虎視眈々とポジションをあげてきていたのがジャガーメイルだった。瞬発力のあるジャガーメイルは上がり勝負は強い。 33秒7の脚を繰り出して、目標となったマイネルキッツをきっちり交わしてゴールした。5馬身離れた3着は4角で2番手にいた穴馬メイショウドンタクが入り、後ろから勝負をかけたい馬には厳しい結果となった。

ジャガーメイルは前走の京都記念でドリームジャーニーに先着するなど、高い素質は知られていたが、重賞勝ちは天皇賞が初めて。戦前からレースレベルに疑問が呈されるなかで、2番人気に推されていた。私が評価を下げたのは、短期免許で来日したばかりの外国人騎手が淀の3200メートルという独特のコースに戸惑うのではないかと感じていたからだ。ところが、そんな杞憂を嘲笑うかのように、オーストラリアのリーディングジョッキーであったクレイグ・ウィリアムズは折り合い、位置取り、仕掛けのタイミングなど完璧な騎乗を披露して勝ち切れないレースの続いていたジャガーメイルを勝利に導いた。まったくもって、賞賛するしかない。1番人気のフォゲッタブルは6着。出遅れ、勝負どころでの反応の悪さと、ダイヤモンドS以来のひさびさの競馬に馬が目覚めていない感じだった。本命にしたメイショウベルーガは10着。4角でトーセンクラウンの斜行被害を受けた数頭に入ってしまったが、この日の展開では不利がなくても掲示板が精一杯だっただろう。

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2010.05.02

天皇賞春予想 2010

かつて、格式が重んじられ、強い馬が強い勝ち方をし、配当も堅く収まるのが常道だった天皇賞春。データは絶対的だった。その傾向が変わったのはここ6、7年のことだが、波乱の端緒となったのは2003年に2着に突っ込んできた格下サンライズジェガー。翌年はダートをステップにしたイングランディーレが逃げ切り、さらに13番人気スズカマンボと14番人気ビッグゴールドのワンツーとなれば、もはや何でもあり。最近3年も1番人気の連対はない。ことし1番人気のフォゲッタブルはステイヤーズS、ダイヤモンドSを制し、非凡な瞬発力はケチのつけようがないが、厳冬期のダイヤモンドSから春の盾に直行した馬は、1995年に1番人気に推されたエアダブリンを含めて、本番では苦しい着順を強いられているのは忘れてはならない(個人的事情だがエアダブリンもフォゲッタブルもPOG1位指名馬で応援はしている)。

ならば、今年もデータにこだわるのはよそう。 1953年のレダ以来、57年ぶり牝馬による春盾制覇を期待してメイショウベルーガを本命にする。年明けの日経新春杯では牡馬を相手に3馬身差の楽勝で初重賞勝ち。1番人気に推された前走の阪神大賞典では早めに動いた分、ゴール前で差されたが、それでも勝ち馬とはクビ差の同タイムだった。馬場の軽くなる京都替わりは歓迎で、ホクトスルタンの除外で消耗戦になりそうもないのもプラスに作用するのではないか。父フレンチデピュティは一昨年の優勝馬アドマイヤジュピタを出しており、母系はスタミナ豊富なサドラーズウェルズ、ドローンの血統。ウオッカやブエナビスタなど、牝馬が常識を打ち破る競馬界の潮流はステイヤー路線にも押し寄せる。手綱を取る福永は春盾、波乱の扉を開いたサンライズジェガーの鞍上でもあった。

◎メイショウベルーガ ○マイネルキッツ ▲ナムラクレセント
△フォゲッタブル、ジャガーメイル、ジャミール

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2010.05.01

発走前の放馬! 除外か出走か問われる”公正競馬”

先週、8分ほど発走時刻が遅れたフローラS。その理由はメジロジェニファーが、係員がロープを張るのに驚いて返し馬中に放馬、無人のままコースを半周ほどして戻されるアクシデントがあったためだ。随分と走ったように見えたので、私はすっかり競走除外になり、同馬絡みの馬券は返還されるものだと思っていた。しかし、馬体検査の結果、心拍数も上がっておらず、競馬に支障がないとされて出走することに。レースでは後方から追走したものの、直線もまったく良いところがなく、勝ち馬から2秒離されたブービー負けを喫した。鞍上の四位は落ちた自分が悪いと責めつつ、「未然に防げたはず。もう少し馬に気を遣ってほしい。厩舎のスタッフに申し訳ない」(サンスポ)と不満げに語っていた。

厩舎スタッフばかりではなく、馬券を買っていたファンも釈然としないだろう。未勝利を勝ったばかりながら、メジロブランド効果があってか7番人気と穴馬の一角に推されていたジェニファー。「やめろー のるなー 金返せー」(何がええって天気がええ)、「売り上げに響くという、JRAの思惑で走らせたとしか思えない。これは納得が行きません」(珍名馬好き集まれ!!)と、馬券が紙くずになってしまった多くのファンから怒りの声が聞かれるのも当然のことだ。

放馬がなく、普通に出走していたとしても、勝負になったという証拠はない。力不足で惨敗した可能性は十分ある。ただ、それならばまだ、納得できる/しかし、馬券締切後、お金を毟り取ったあとで、胴元によりこういう暴挙が強行されてしまうと、それまでの予想内容は全て無になる。レース中の不可避な事故ならともかく、レース前にこのような暴挙がなされてしまうというのは、どう考えても承伏しがたい。(なぜメジロジェニファーは走らされたのか「言い捨ての小部屋」

競馬というのはレース中の不利や故障など予測しがたいアクシデントを含めて、馬券の責任は購入者が引き受けるのがゲームのルールである。とはいえ、それはあくまでスタートが切られた後の事象に限定されるのでなければ、主催者を信頼して馬券を買う”公正競馬”の建前は崩れてしまうだろう。例えば、以前のシンコウシングラー事件、騎手の不注意で負担重量不足のまま発走して失格となったようなケースでは、絶対に的中しようがない馬券、つまり瑕疵ある商品を販売したわけだから、主催者は無条件に馬券を返還すべきである(こんな当たり前のことが実施できないのは情けないとしか言いようがない)。翻って放馬はどうだろうか。ジェニファー絡みの馬券を持っていた私としては他のファンと同じ気持ちであったのだが、除外にすべしと一刀両断するのも難しいようなのだ。

放馬の際、検査では獣医が聴診器を使って心拍数と呼吸数を測り疲労度をチェック。その他、外傷がないか、歩様に乱れはないかといった基本的なことだけでなく、「どれだけの距離を走りスピードはどれぐらいだったか、放馬した際に備えて準備しているJRAの職員がスタンドからタイムを計ってもいる(東京スポーツ)というから意外に放馬対策は入念である。検査の結果、去年のオークスのワイドサファイヤは疲労が著しいと除外になり、今年の小倉大賞典、ゲート誤作動で放馬したドリームサンデーは除外とならなかった。また、放馬を物ともせず、馬券に絡んだ馬も実際にいる。2006年の未勝利戦では放馬したファイアーワークス(3番人気)が3馬身半差で圧勝。古くはオークスで桜花賞馬・リーゼングロスが馬場を1周したものの2着に踏みとどまっている。放馬がなかったら勝っていたかは神のみぞ知るところ。

では、放馬した馬は除外にすべきだろうか。 JRAサイドとしては売上げを考えれば除外馬を出すことは避けたいし、仮に逃げ馬や人気馬などが除外されればレースの流れも変わり、該当馬を買っていないファンの馬券にも影響を与えるだろう。「放馬は一律除外」とするのもルールとして確立されれば、ファンの不信を取り除く術として受け入れられようが、 JRAが現行のルールを改める見通しもなかろう。ならば、今のように「疲労が著しい」「異常を認めなかった」といった曖昧なアナウンスに終始するのではなく、もう少し詳しい馬体の検査結果や放馬した距離など、JRAが判断材料とした情報を開催終了後にも公に開示したらどうだろうか。そうすれば、馬券を外したファンも多少は納得がいくのではないか。大切な”公正競馬”の一面を守るためには、それほどコストに見合わない努力ではないと思うのだが。

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