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2010.04.21

皐月賞回顧 課せられたホームラン放つ代打の度胸

稍重まで回復した皐月賞。13番枠の1番人気・ヴィクトワールピサは内へと進路を取り、1角ではインコースに潜伏することに成功した。鞍上の岩田は当日のレースで馬場状態を確認し、直線の外は水分を含んで重くなっており、むしろ荒れている内を突こうと意を決していたのだ。道中、ヴィクトワールピサは内ラチ沿いをスムーズに捌いて、4角では先頭集団の直後に。そして、直線は一瞬、生じた1頭分の隙間に飛び込み、あっという間に抜け出してしまった。岩田は武豊が負傷したため、皐月賞一度限りの手綱を任された”代打”。しかも、ホームランのみが求められる過酷な代打だ。失敗が許されないなか、馬群に囲まれやすい内側に馬を入れることは、大きな賭けを伴なうものだ。弥生賞でも似たようなレースぶりだったが、フルゲートの皐月賞で同じことを試みるのはハイリスクとしか言いようがない。まるで岩田が何かに導かれるよう、ごく自然に勝利を収めたのは、他の騎手の裏をかくレース経験、勝負のポイントを嗅ぎ分ける動物的な勘、そして地方上がりの度胸の良さがあってのものだろう。

無論、相性の良くない”弥生賞勝ち馬”のハンデを克服して、皐月賞を制したヴィクトワールピサの能力は卓越したものだ。もっとも験の悪い1冠目をもぎ取ったことで、ダービーにはグッと近づいた。順調に調整されれば、ネオユニヴァースとの父子2冠の可能性は高い。ヴィクトワールピサの母ホワイトウォーターアフェアは、アサクサデンエン(安田記念)、スウィフトカレント(小倉記念)などを出した名牝で、フサイチの関口房朗会長が輸入し、社台が譲り受けた馬。競走馬が差し押さえられるなど落日のフサイチ軍団だが、彼らの華々しい活動は伏流水となり、こうして大河を産み出す原動力になったことも覚えておきたい。予定通り、ダービーでは復帰しているはずの武豊に手綱が戻る。岩田の鮮やかな騎乗が、今度はプレッシャーとなって武豊にのしかかる。とはいえ、すでにダービー4勝ジョッキーにとっては適度なストレスに過ぎないのかもしれないが。

拙ブログで本命にしたヒルノダムールは2着。外を回って猛然と追い込んできたが、ロスのない競馬をしたヴィクトワールピサには1馬身半、届かなかった。マンハッタンカフェ×ラムタラの配合は距離延長は大歓迎で、日本ダービーではヴィクトワールピサとの差はもっと詰まる気がする。 ”切れすぎ”ゆえにコース替わりを心配する声もあるが、不器用な同馬にとって広い府中になるのはプラスの方が多かろう。今回、さらに馬体を減らしてきたローズキングダムは4着。個人的には予想以上の健闘だった。まず馬体回復が第一だが、ダービーでも上位争いに食い込めそう。ただ適距離は2000メートル以下と見受けられる。3番人気・アリゼオは5着。大外枠で自分の競馬ができなかった。6着リルダヴァルも良く走っているが、マイルの方が良いだろう。レーヴドリアンは出遅れ、その後も行き脚がつかず、1角で勝負圏外に押しやられてしまった。ダービー直行には賞金が微妙で、一戦挟むことになろうが、スタートの課題は大きい。

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