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2009.11.17

エ女王杯回顧 直線を向いて気づく絶望的距離差

向こう正面で後続を大きく引き離したクイーンスプマンテテイエムプリキュア。この時点で波乱を覚悟していたからか、直線は半分は逃げきっちまえという野次馬的根性、半分は当たると思っていたメイショウベルーガ絡みの馬券が屑になったなという遣る瀬無さに覆われて、鬼脚で空しく追い込むブエナビスタを眺めていた。古今東西、荒れるレースの立役者は逃げ馬と決まっていても、レース前には忘れている。忘れているから荒れるのだ。競輪と競馬の違いは「追走義務違反」の有無である。前者は選手が責任を負い、後者は観客が愚者となる。私はおぼろげな記憶を手繰り寄せ、G1でこんな展開はいつ以来かと思い浮かべてみた。同じ淀の外回りなら、天皇賞春で7馬身差をつけたイングランディーレ。だけど、あの時は単騎だったし、スタミナの権化のような勝ち馬の脚は最後まで上がっていなかった。メジロパーマーの有馬記念? ダイタクヘリオスが口を割りながら競っていった。その年の天皇賞秋で殺人的なペースを刻んで、レッツゴーターキンの追い込みを呼んだ狂気の2頭。トウカイテイオーは後ろにいたし、誰も追いかけようとしなかった。ハナ差に迫ったレーガシーワールドとパーマーの上がり3ハロンの差は2秒5。2頭で行ったが故にペースを錯覚させた。

それでも、今年のエリザベス女王杯、クイーンスプマンテの上がりは36秒8。ブエナビスタは32秒9だから、およそ4秒の差がある。やはり尋常ではない。スローペースになったのは、もちろん複合的な要因があろう。単騎逃げでなかったこと、京都大賞典で逃げバテたペアだったこと、圧倒的人気のブエナビスタもペースの指標たる武豊の馬も後方待機タイプだったこと。それに3番手で馬群にフタをしてしまったスミヨンもキーパーソン。生来の欧州のペース感覚が名手を狂わせたか、ラビットはバテるものだと無意識の判断があったか。よもや、契約を打ち切られたアガ・カーン殿下のシャラナヤを封じるための奇策だったわけでもあるまい。ともあれ、福永が嫌といった「死に役」を、遅まきながら横山典・カワカミプリンセスが買って出て進出を開始。連れて安藤勝・ブエナビスタも一気にまくったものの、直線を向いて初めて絶望的な距離差に気づいたというのだから、まったく競馬は恐ろしい。着外に沈む普段と同じラップでゴールした格下馬を、凱旋門をめざした女傑は捕まえられなかった。騎手は俯瞰してレースをしているわけではないという当たり前の事実を認識するとともに、勝ち馬と2着馬の主戦だった荻野琢真はどんな思いで福島のモニターを見入っていたのかと、脳裏を過ぎるだけだった。

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コメント

凱旋門賞でミソをつけたブエナビスタや前走不利で
今度こそのブロードストリートのような運に見放さ
れたタイプが大レースで人気になっていたのでこ
りゃいい鴨だわいと、その他の馬の単勝を5点も
買ってシメシメと思っていた私です。。。ガックシ。
サンドピアリスもそうでしたがエ女王杯はマイナー
クラブ馬が忘れた頃に大穴をあけるんですね。

投稿: ジュサブロー | 2009.11.17 12:25

なめんなッ!!!

出資者です。

投稿: 勝てば官軍 | 2009.11.17 21:48

ぺリエもレースのペースについて聞かれると、
『岡部さんが近くにいたから、いいところにいると思った。』ようなことをたびたび言ってました。
スミヨンも後ろがこないなら大丈夫くらいの認識だったんじゃないんですかね。
集団内でどんな会話が交されていたか興味がありますが、逃げ馬に鈴をつけにいく役割を誰も引き受けたくなかったんでしょう。
今年の秋華賞馬が出ていたら全く違うレースになってた気がします。

安勝は好きなジョッキーですが、2200Mのレースで32秒9の上がりで負けるような位置取りでは・・
差しきってたら、ブロードアピールの根岸Sを超えてましたね。ここじゃなくてJCのほうが結果としてはよかった気がします。
それにしても記憶にはないレースでした。ビデオでみた天神乗り全盛時代の競馬を思い出しました。

投稿: キングフラダンス | 2009.11.18 20:10

>ジュサブローさま エリザベス女王杯って、そういうイメージがありますよね。最近はけっこう人気馬が頑張っていましたけれど。。。
>勝てば官軍さま 失礼しました。おめでとうございます。
>キングフラダンスさま レース中にどんな会話が飛び交っていたのかは非常に興味がありますね。お前いけよ!みたいなことはあったでしょうし。そこで行ったのがノリだったというのは、どんな状況だったのかなー。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2009.11.18 23:19

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