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2009.05.26

オークス回顧 ”日本のザルカヴァ”誕生への期待感

「女ディープ」の呼称に、少々違和感を感じていたレース前。しかし、先行、内枠有利、それを加速する雨上がりの馬場という、明らかに本命馬は前に行くべき条件が揃った中、またしても殿一気の競馬に腹を据えた安藤勝とブエナビスタには、”英雄”の姿を重ねても良いかもしれない。ヴィーヴァヴォドカがハナ、デリキットピースが離れた番手。それをディアジーナが引っ張る馬群が追走する、この間も見たことがあるような展開が現前された。6ハロンは1分13秒5の前傾ラップだが、ディアジーナ以下はやや緩めのミドルペースではなかったか。ブエナビスタは後方3番手。折り合いに専念して、脚を溜めていた。理想的なポジションを取ったのはレッドディザイア。インコースを通り、直線も最高のタイミングでスパートを賭けた。一方、ブエナビスタは4角で内か外か判断を迷い、仕掛けが遅れるロス。それでも1頭だけ33秒台の上がりを繰り出す猛追で、レッドディザイアをハナ差しきった。これがハナ差で負けていたら安藤勝、一生の不覚となったかもしれないが、届いてしまったところにブエナビスタが生まれ持った運の強さがあるのだろう。勝ったからこそ語り継がれる歴史になる。レッドディザイアも例年なら二冠を取っていておかしくない実力馬と評価すべき。

上位2頭、ともに父はサンデー直仔であり、母の父はカーリアンである。さらにブエナビスタの祖母(アグサン)と、レッドの父の母(サトルチェンジ)は姉妹だ。実に似通った血の持ち主が、牝馬クラシックで覇を競ったことになる。サンデー産駒でも、スペシャルウィーク、マンハッタンカフェのステイヤータイプというのも興味深い。ディアジーナは5着。この馬らしい競馬はできた。距離は2000メートル前後が良いか。ダノンベルベールは9着。本来のデキになかった。ワイドサファイアの放馬は何とも。鞍上の岩田はダービーで恥辱を晴らせるか。優勝したブエナビスタは、凱旋門賞へ直行することが明らかになった。去年、ザルカヴァの凄まじい差し脚に現地で衝撃を受けた者としては、同じく後方一気の破壊力が武器の3歳牝馬に期待を寄せないわけにはいかない。凱旋門賞は斤量的に3歳馬が圧倒的に優遇されており、このタイミングが遠征にはベスト。スタートの悪さも欧州では標準だろうし、ディープのように不本意に前に行かされるリスクは少ないほうが良い。春二冠の牡馬が菊を捨てるの反発もあるだろうが、牝馬だったことは幸い。ロンシャンでは女ディープではなく、日本のザルカヴァとなってほしい。それだけのポテンシャルを示す、気分を高揚させられたオークスだった。

>>凱旋賞リポート 最強牝馬が誕生したロンシャンの一日(08.10)

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コメント

ディープとは違い折り合いに不安がなくて乗り易いのが大きいですね。ただ欧州はタイトな競馬に耐えられないと話にならないと個人的に思ってます。大外を回す競馬しかしてないのは影響あるでしょう。運良く楽な競馬になれば相当面白そう。

投稿: ステイビー | 2009.05.26 06:26

>ステイビーさま 毎回、ああいう競馬をしていると、まったく折り合いに不安がないわけではないのかなとも感じます。能力的には面白いと思いますね。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2009.05.29 09:51

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