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2009年5月の16件の記事

2009.05.31

2009 日本ダービー予想

東京は雨があがった。土曜は重馬場で行われたが、先行勢の前残りが多く、馬場は内から5頭分より外が良いのかなという気がした。いずれにしても、大外を回して追い込む競馬をするなら、抜けた能力が必要になるのかもしれない。データ的には皐月賞馬アンライバルド二冠の可能性が高いのだろうが、素質の高さを信じてみたい馬がいる。シンボリクリスエス産駒のアプレザンレーヴ。前走の青葉賞勝ちを含めて、東京コースは2戦2勝。どちらも強い勝ち方だった。500万下は2着馬を3馬身ちぎり、時計も優秀。青葉賞は一旦、交わされてから二の脚を繰り出した。ダイナミックなフォームは広いコースでこそ生きる。同馬自身に重馬場の経験はないが、兄に重の鬼・ナイアガラがいる血統で、内枠で包まれるようなことがなければ1、2着争いは必至と見る。強敵はアンライバルドのほか、トライアンフマーチ、セイウンワンダーの皐月賞上位馬。

◎アプレザンレーヴ ○アンライバルド ▲トライアンフマーチ
△セイウンワンダー、ロジユニヴァース、アイアンルック、ナカヤマフェスタ

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2009.05.30

皐月賞1番人気 ロジユニヴァース巻き返しはあるか?

アンライバルドが断然の支持を集める日本ダービーだが、クラシック初戦の皐月賞ではロジユニヴァースが単勝1倍台の1番人気に推されていたことを忘れるわけにはいかない。ウイニングチケット、アドマイヤベガ、タニノギムレットらは1番人気だった皐月賞では連対すら叶わなかったものの、ダービーではきっちり巻き返して栄冠を手にしている。ただ上記3頭で最も皐月賞の着順が悪かったのはアドマイヤベガの6着で、14着に大敗したロジユニヴァースは負けすぎの嫌いがある。それにしても、弥生賞まで圧倒的な強さで4連勝を飾った同馬が、まったく良いところないまま馬群に沈んだのはどうしてだったのだろう? 例年にないハイペースに先行勢が総崩れになったことは敗因のひとつではある。だが、同馬より先行したミッキーペトラあたりにも後塵を拝しているのは解せない限り。やはり本当の敗因は展開より体調面と見たほうが良さそうだ。

皐月賞の馬体重は弥生賞より10キロ減の490キロ。暮れのラジオNIKKEI杯より14キロ減らしていた。最終追い切りの形が整ったことで不安は表面化しなかったが、今から振り返れば、調子が落ち込んでいたわけだ。評論家の清水成駿は興味深い分析をしている。弥生賞の後、厩舎においておかず、社台の山元トレセンに放牧に出されたことが、調整の遅れを招いたのではないかと言うのだ。

オーナーの久米田氏はグループにとって上得意の顧客とはいえまい。また、生まれながら脚に欠陥をもつロジユニヴァースは堂々と競りにかけられる馬でもない。… 十把一絡げのバーゲンホースが走ってしまうのは、牧場の人間にとってかならずしも歓迎できる話ではあるまい。その社台トレセンに短期放牧。昨日の友が今日の敵であったりするのが勝負の世界でもある(競馬最強の法則 6月号)

魑魅魍魎の陰謀説とも取られかねない主張だが、実際、ロジユニヴァースは3月20日に帰厩後、初時計が4月8日と遅めで、順調さを欠いていたのは確かのよう。弥生賞の疲れが想像以上に濃かったのかもしれない。皐月賞後、再び短期放牧に出され、帰厩したのは5月8日。今度は5日後の13日には時計を出している。この時、手綱を取った横山典は「ギリギリで踏みとどまっているし、ダービーへ向けて光が見えた」(日刊)とコメント。その後も狂いなく調教は進み、今週水曜の追い切り、金曜の最終調整と意欲的な動きを披露した。 JRAから発表された調教後の馬体重は皐月賞より24キロ増の514キロ(28日)と、しっかり回復。前走とは雲泥の状態でダービーを迎えることができそうだ。同馬の母系はスピードの勝ったタイプだが、トビの大きさは府中向き。ちなみに皐月賞二桁着順からダービー優勝となれば、ダイナガリバー以来、 23年ぶりのこととなる。ダイナガリバーは雪でトライアルが順延になり、ぶっつけで臨んだ皐月賞は調整不足で敗退。それが一転、体調戻ったダービーでは3番手から抜け出す先行策で快勝している。ロジユニヴァースは社台の大先輩にあやかれるか。

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2009.05.29

6年ぶりの重馬場ダービー? リーチザクラウン逃げ宣言

金曜日の午前1時すぎ。会社を出ると、激しい雨が降っていた。このまま日曜日まで雨は残るようで、ダービー当日、府中の馬場は相当、重たくなっているかもしれない。もっとも最近、重馬場で行われたダービーは2003年。奇しくもアンライバルドの父、ネオユニヴァースが勝った年だ。スプリングSを快勝したように、重馬場を苦にせぬ血を受け継いでいるのなら、アンライバルドは父の走りを再現する可能性が高い。母系がサドラーズウェルズというのも、雨は降れば降ってくれただけ良いように思える。ただ一縷の不安は大外枠を引いたことか。これまでのレースを振り返れば分かるように、今の府中はインコースを通った馬が有利。雨が降り続ければ、踏み固められた内ばかりが走りやすくなる。しかし、今週からCコースへ変更になるから、傾向は変わってくる可能性もある。前週まであまり使われなかったDコースの部分も馬が走るようになり、痛みが少なければ一転、外差しグリーンベルトが出現することもあり得る。とにかく大外不利と結論づけるのは早計で、前日、当日のレースの様子には注意を払わねばならない。

このダービー週、皐月賞三強の一角、リーチザクラウンが俄かに脚光を浴びている。この馬は管理する橋口師が控える競馬に固執したのと反対に、鞍上の武豊は逃げてこそ持ち味が生きると考えていた。そのため、きさらぎ賞で調教師の目論見に反して逃げて快勝。次は抑えが利くかと聞いたアナウンサーに武豊が「逃げたらダメなんですか?」とキレ気味に応えたことも話題となった。皐月賞は折り合いを欠いて大敗。レース後、「単騎で逃げられれば折り合うが、今日はノーコントロール」とコメントし、今週は「ダービーでは逃げることも考えている」と実質的な逃げ宣言。第一人者に公言されては、どの騎手も競りかける勇気はなく、武豊のペースでレースは進みだろう。ところで昨日、ラジオNIKKEIが武豊の皐月賞後のコメントを誤りだったとして、異例の訂正を出す出来事があった。同社は「短い距離で逃げるなら折り合いがつく」と報じたが、実際には「単騎で逃げるなら折り合いがつく」が正しかったのだと言う。なぜ今頃になってという気はするが、ダービーは逃げると決意をした武豊と陣営への配慮であることは想像に難くない。長距離でも単騎なら折り合うかどうかは間もなく分かる。武豊の発言は自信に満ちているように思えるが。

>>「皐月賞のレース後のコメントの誤りについて」(ラジオNIKKEI)
>>決戦、きさらぎ賞 ”逃げちゃ駄目ですか?” (09/2/17)

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2009.05.26

オークス回顧 ”日本のザルカヴァ”誕生への期待感

「女ディープ」の呼称に、少々違和感を感じていたレース前。しかし、先行、内枠有利、それを加速する雨上がりの馬場という、明らかに本命馬は前に行くべき条件が揃った中、またしても殿一気の競馬に腹を据えた安藤勝とブエナビスタには、”英雄”の姿を重ねても良いかもしれない。ヴィーヴァヴォドカがハナ、デリキットピースが離れた番手。それをディアジーナが引っ張る馬群が追走する、この間も見たことがあるような展開が現前された。6ハロンは1分13秒5の前傾ラップだが、ディアジーナ以下はやや緩めのミドルペースではなかったか。ブエナビスタは後方3番手。折り合いに専念して、脚を溜めていた。理想的なポジションを取ったのはレッドディザイア。インコースを通り、直線も最高のタイミングでスパートを賭けた。一方、ブエナビスタは4角で内か外か判断を迷い、仕掛けが遅れるロス。それでも1頭だけ33秒台の上がりを繰り出す猛追で、レッドディザイアをハナ差しきった。これがハナ差で負けていたら安藤勝、一生の不覚となったかもしれないが、届いてしまったところにブエナビスタが生まれ持った運の強さがあるのだろう。勝ったからこそ語り継がれる歴史になる。レッドディザイアも例年なら二冠を取っていておかしくない実力馬と評価すべき。

上位2頭、ともに父はサンデー直仔であり、母の父はカーリアンである。さらにブエナビスタの祖母(アグサン)と、レッドの父の母(サトルチェンジ)は姉妹だ。実に似通った血の持ち主が、牝馬クラシックで覇を競ったことになる。サンデー産駒でも、スペシャルウィーク、マンハッタンカフェのステイヤータイプというのも興味深い。ディアジーナは5着。この馬らしい競馬はできた。距離は2000メートル前後が良いか。ダノンベルベールは9着。本来のデキになかった。ワイドサファイアの放馬は何とも。鞍上の岩田はダービーで恥辱を晴らせるか。優勝したブエナビスタは、凱旋門賞へ直行することが明らかになった。去年、ザルカヴァの凄まじい差し脚に現地で衝撃を受けた者としては、同じく後方一気の破壊力が武器の3歳牝馬に期待を寄せないわけにはいかない。凱旋門賞は斤量的に3歳馬が圧倒的に優遇されており、このタイミングが遠征にはベスト。スタートの悪さも欧州では標準だろうし、ディープのように不本意に前に行かされるリスクは少ないほうが良い。春二冠の牡馬が菊を捨てるの反発もあるだろうが、牝馬だったことは幸い。ロンシャンでは女ディープではなく、日本のザルカヴァとなってほしい。それだけのポテンシャルを示す、気分を高揚させられたオークスだった。

>>凱旋賞リポート 最強牝馬が誕生したロンシャンの一日(08.10)

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2009.05.24

オークス予想

日曜朝、東京は小雨。この後、どのくらい降るのか分からないが、予想するほうは厄介だ。ともかく、ここ数週間のレース傾向からすれば内枠、先行勢は軽視できない。今回、安藤勝はブエナビスタをある程度、前々で競馬をさせることを公言している。極端に馬場が悪化した場合を除いて、やはり軸はブエナビスタを据えるべきだろう。ここまで3連勝してきた阪神マイルより、府中2400のほうがずっとレースはしやすいはず。もともとオークスはマイラーでもこなしてしまうレースだが、スペシャルウィークから受け継ぐスタミナがあれば何も不安はあるまい。対抗は隣枠のディアジーナ。重は歓迎のメジロマックイーン産駒だ。単穴は不当に人気の落ちているダノンベルベール。桜はフケだったというから参考外だ。

◎ブエナビスタ ○ディアジーナ ▲ダノンベルベール
△レッドディザイア、ツーデイズノーチス、デリキットピース、ヴィーヴァヴォドカ

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2009.05.22

オークス枠順確定 内枠の利を生かす馬は?

オークスの枠順が確定した。例年、オークスは差し馬が良績を残すレース。イソノルーブルの逃げ切りは強い印象にあるが、ここ10年、4角先頭で勝ったのはダイワエルシエーロだけ。優勝馬の9頭は差し、追い込み馬だった。先行抜け出したトゥザヴィクトリーをウメノファイバーがハナだけ差しきったレースは、差し馬台頭をイメージできる典型的なオークスと言えるだろうしかし、今年はその傾向は崩れるかもしれない。NHKマイルC、ヴィクトリアマイルは前残りの競馬。京王杯SCも内で巧く脚を溜めた馬が勝って、内枠、先行有利が府中の定石となりつつある。枠順を眺めると、有力な差し馬が外枠に固まった。ブロードストリート、ジェルミナル、ワイドサファイア、サクラローズマリーは外を回されると厳しい。逆にダノンベルベール、ディアジーナの先行勢は内枠を最大限、利するレースをするだろう。注目のブエナビスタは7番枠。安藤勝はある程度、前に行く腹積もりのようだ。先週のウオッカと同じようなレースができれば、取りこぼすことはないだろうが果たして。

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2009.05.20

ヴィクトリアマイル回顧 やはり内枠、先行勢で決まる

やはりウオッカの実力はダイワスカーレットという希代の名馬を除けば、同時代の牝馬たちとの差は歴然としている。そう改めて噛み締めさせられたのがヴィクトリアマイルでなかったか。逃げたわけでもなく、マイルG1で7馬身差は圧倒的だ。好枠を利した武豊の騎乗も非の打ちようがなかった。これで武豊が勝ってないG1はマイルCSと朝日杯のふたつ。時折、体調を心配する声も聞くが、しっかりケアをしてまだまだ現役であり続けてほしい。2着以下は展開と馬場に大きく左右された。戦前の予想通り、スローの流れ、内枠有利。NHKマイルCもそうだったが、分かっていても術中に嵌ってしまうのが競馬の怖いところ。終わってみれば、何のことはない内枠の先行勢が2、3着で3連単は800倍。そのつもりでウオッカ1着固定で買ったフォーメーションだったが、ブラボーデイジーは3着欄にしかマークなし。福島牝馬Sで単を取らせてもらった恩を忘れたのか。下手に点数を絞ると馬鹿を見る典型である。ところで京王杯SCをスズカゴーズウェイで制した後藤。勝利インタビューで「帰ってカプチーノを飲みたいです」と一言。こういう細かな期待に応える彼の所為は好きだ。

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2009.05.16

ヴィクトリアマイル予想

土曜日の京王杯SCは1分20秒6。マイルの1000万特別も勝ちタイムは1分33秒4と速かったが、高速馬場は容易に前が止まらない感じ。例年、ヴィクトリアマイルは流れが落ち着く傾向にあり、先週のNHKマイルCと同様、先行勢による決着となる可能性が高い。去年、このレースに臨んだウオッカは本調子を欠いており、デビュー以来、最低の馬体重で出走。折り合いを気にして中団で競馬を進めたものの、先に抜け出した勝ち馬を捕らえられず2着に敗れた。しかし、同じ舞台の安田記念では一変。3番手につける積極策で完勝している。今年、ウオッカは同じドバイ帰りの臨戦過程を経るとはいえ、検疫のための移動などが随分と負担が軽減されたようで、調教でも猛稽古を披露。好調さをアピールしている。正直、前走のドバイの敗戦はショックだったが、実績ある府中に戻って牝馬相手なら負けられない。相手はカワカミプリンセス、リトルアマポーラのG1馬を指名する。そろそろ、荒れるG1戦線も堅く収まるころかなと期待する。

◎ウオッカ ○カワカミプリンセス ▲リトルアマポーラ
△ジョリーダンス、ショウナンラノビア、ブラボーデイジー、ブーケフレグランス

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POG指南書発売の季節 行間を読む難しさ

ダービーまで2週間。POGシーズンがクライマックスを迎えるとともに、次年度のPOGドラフトに向けた指南本も続々と刊行されている。先日はコンビニでギャロップ増刊「丸ごとPOG」を見つけて、購入してしまった。巻頭は今をときめく山本英俊オーナー特集だった。山本オーナーはパチンコ・パチスロ機を卸売りするフィールズ(株)の会長で、カジノドライヴ、フライングアップルなどを所有。豊富な資金力を武器に超良血馬を買い漁り、藤沢和、角居といった名門厩舎とタッグを組んでいるのだから、POGファンの注目を集めるのも当然か。ことしは約20頭の2歳馬がスタンバイ。一番の目玉はダイワスカーレット半弟のネオユニヴァース産駒だ。馬名はシャガール。その他にもキングマンボ産駒やモンジュー産駒などがズラリと並び、ポストフサイチはすっかり山本オーナーのもの。対するのはアドマイヤ軍団になろうが、こちらもクロフネやアドマイヤムーン、ラインクラフトの弟など超高馬揃い。アドマイヤグルーヴの初仔はクロフネ産駒のアドマイヤゲーム。牝馬らしからぬ馬名。デビュー前に改名するつもりだろうか。それにしろ、ルビーレジェンドの全弟がアドマイヤリイチで登録されているのは吹いてしまった。

16日はPOG本の元祖とも言える 「POGの達人」、通称”赤本” が発売されるそうだ。私も毎年、目を皿のようにして読みふけってしまうのだが、読めば読むほど、どの馬を指名して良いのか分からなくなる不思議な本だ。それもそのはず。昨年版を引っ張りだして見返してみると、「抜群の動き」「大舞台でも活躍できる」「血統を含めてすべて良い」「力強さのなかに柔らか味もある」「ひと際目を引く存在」「ディープインパクト系」などなど、良くぞ言葉が尽きないものだと感嘆させられるくらい、どの馬も賞賛されている。もちろん、筆者の本音は違うところにあって行間に隠されているのかもしれないが、ファンがそれを探り当てなければならないというのは、ストレートな論評の許されない競馬界らしいところかもしれない。ページをめくっていて、おっと思ったのはクロスレビューで辛口な印をつけまくっていた辻三蔵氏。結果的に"イケてなかった"話題馬たちを的確な指摘で不安点を射抜いていた。マル外リポートで合田直弘氏が「桜花賞へ期待十分」の見出しを躍らせたのはプラチナチャリスだった。結局、未勝利かよと思ったら、合田氏のドラフト指名順位は22番目としっかり下位。専門家の行間を読むのは難しい。

☆今年度版「イケてなかった馬列伝」勝手に予想
ワールドプレミア/1戦0勝(兄ネオユニヴァース)
タクティクス/4戦0勝(兄リンカーン)
フォゲッタブル/3戦1勝(母エアグルーヴ)
アドマイヤコブラ/3戦1勝(兄アドマイヤムーン)
テンペスタローザ/3戦0勝(母ロゼカラー)
ランズエッジ/2戦0勝(兄ディープインパクト)

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2009.05.14

やはり顕彰馬選出なし この風物詩はいつまで続く

8日、今年度の顕彰馬選定記者投票の結果がJRAから発表された。顕彰馬の選出はなし。これまで顕彰馬は28頭が誕生しているが、現行の記者投票による選考方法に変わってから選ばれたのは3頭。しかし、2004年のテイエムオペラオーとタケシバオーはJRA50周年事業の一環として特例として緩められた基準で選出されたもの。実質的に現行の記者投票で規定数を得たのはディープインパクト1頭という大変に厳しいものになっている。投票権を持つ記者は2頭の馬名まで記すことができ、総投票者の4分の3の支持を集めれば顕彰馬に選出される仕組みだ。今年の結果は下記の通り。

得票数内訳(JRA公式サイトより)
      馬 名 得 票 得票率(%)
    エルコンドルパサー 132 67.0
    スペシャルウィーク 65 33.0
    アグネスデジタル 13 6.6
    ダイワメジャー 13 6.6
    アグネスタキオン 10 5.1
    アドマイヤムーン 4.6
    サイレンススズカ 3.0
    ミホノブルボン 2.5
      該当馬なし 111 56.3
    ※得票率は総投票者数(197名)に対する割合

もっとも票を得たのはエルコンドルパサー、次点はスペシャルウィーク。周知の事実かと思うが、この2頭が1、2位を占めて選出基準の4分の3に届かない現象は季節の風物詩になっている。制度の賛否や顕彰馬の趣旨については散々語りつくされてきたことで、今回は言を控えたい。それとは別個、エルコンドルパサーのJC制覇とヨーロッパでの活躍に心酔した一ファンからすれば、もう安らかに殿堂入りさせてあげたいという私情はある。今年、不足した票数は16。早世して種牡馬としての実績も積み重ねられない今、票を投じなかった60人を振り向かせることは難しいかもしれない。むしろ、ブエナビスタが凱旋門賞を制すれば、スペシャルウィークが顕彰馬となり、票はエルコンドルパサーに集まって再来年はめでたく選出か。そんなタラレバでしか夢を見れない、エンターテイメント性の失われた顕彰馬選定だが、何か見直しの動きがあるとは聞かない。

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2009.05.13

NHKマイルC回顧 展開の利だけでないジョーカプチーノ

NHKマイルCは10番人気ジョーカプチーノが勝利する波乱の結果となった。ハナを切ったのは逃げ宣言のゲットフルマークス。先行勢ではミッキーパンプキンが出遅れたため、すんなりとジョーカプチーノが離れた番手を気分良く追走する形ができた。人気馬ではフィフスペトルが5番手と前に行ったが、1~3番人気のブレイクランアウト、アイアンルック、サンカルロは揃って10番手以下の後方待機。 1000メートル通過は57秒2と逃げ馬のペース自体は遅くはなかった。しかし、4馬身ほど後ろにつけたジョーカプチーノ、先行集団はそこからさらに離れており、7ハロンの条件戦で1分20秒台が出ていた高速馬場を鑑みれば、勝ち馬には理想的なラップであり、ブレイクランアウト以下は32秒台の上がりを繰り出さねば届かない絶望的なポジションだったと言えるかもしれない。それはトップジョッキーたちは体感していたに違いないが、隊列が決まってしまっては動くに動けないのが競馬。あるいは高速馬場に幻惑された部分もあるだろうし、後方に固まっているライバルを牽制するのも当然だ。

4コーナーでも差はつまらなかった。残り400メートル。ジョーカプチーノの藤岡康は満を持して逃げ馬を交わす。アハルケテSで先行快勝していた藤岡康は馬場の感覚が掴めていて、同じ競馬をすると腹に決めていたのだろう。それにしてもゴールまで馬をもたすには十分なスタミナが必要な仕掛けだったが、マンハッタンカフェ、フサイチコンコルド、トウショウボーイとクラシック三冠のそれぞれの勝ち馬が重ねられた血統は一介のスプリンターを輩出したわけではなかった。最後まで脚があがることなく、1分32秒4のレースレコードで2馬身の差をつけてゴールを駆け抜けたのである。あらゆる条件が味方したのも確かだが、勝ち馬はファンが思っていたよりずっと強かった。生産牧場のハッピーモネファームはジョーカプチーノが生産第一号だそうで、ジョーの上田けい子オーナーの預託とはいえ快挙。2着にレッドスパーダ。横山典のお家芸は忘れたころにやってくる。3着グランプリエンゼル、4着マイネルエルフと先行勢が入線。そうしたなか、フィフスペトルは5着と伸び脚を欠いたのは意外だった。本来なら連対できた展開。連戦の疲れがあったのかもしれない。

後方勢の人気馬は揃って討ち死に。ただ最後方待機のワンカラットが33秒5で上がって6着まで押し上げたのと比較すると、ブレイクランアウトなどは実にだらしのない競馬だった。アイアンルックは4コーナーでサンカルロに寄られ、小牧が手綱を引くほどの不利。そのサンカルロは吉田豊がペースが遅かったのに慌てたのだろう。直線ではダイワプリベールの進路までカットする有様。もはやこれまでと潔く身を引いた小牧とは対照的に、あがきまくった結果が2度の進路妨害を引き起こしてしまった。併せ技で開催8日間の騎乗停止処分。ダイワプリベールの鞍上が後藤というのも因縁深い(参:2005.7.24)。ところで、後方待機の人気馬が着外に終わり、展開や馬場に利のあった人気薄の先行馬が勝ったことで、G1の勝負としては物足らないとの声も聞かれる。ここまで回顧してきた通り、様々な要素が絡み合っての結末ではあるが、シンボリルドルフと外国馬が牽制しあって逃げ切りを許したカツラギエースのJCのような物語性があるわけでもなく、プロレス的に敢闘精神が欠けていると騎手に野次が飛ぶのも理解できなくはない。馬券を外したファンの罵声も併せ呑むのが競馬である。

ところで、「ファンを規格化するバラエティ戦略」の拙エントリーへ、「WarEmblemの日記」さんよりトラックバックをいただいた。批判やご意見を賜るのは一ブロガーとして望外の喜びではあるが、正確な意図を読み取っていただければ、なお嬉しかった。拙記事では「ハシッテホシーノ」「チョリーッス」そのものを批判はしておらず、そうした事象がどのようにして生まれたのかを考察するのが主眼だった。「チョリーッス」が良いか悪いかを問うても正しい答えがでるわけではない。これは自戒8割だが、その問題に人々(自分)がなぜ疑問を持つのか、背景に隠されているものは何なのか、吟味することのほうが大切だと思う。そうでないと、「松岡ひどい」「そうでもない」「許してやれよ」などという不毛な水掛け論を巡ることになる。もう一つ、市井の競馬ブログなど競馬界全体からすれば、箸にも棒にもかからない存在にすぎない。その中で、影響力があるとかないとか、目糞鼻糞の違いである。ブログが生まれてから、先行者の優位性もほとんど消失した。各々が自身の言葉には責任を持ちつつ、思惟したことを臆することなく表現すればいいのではないだろうか。先方はトラバもコメント欄も設けておられないようなので、リンクを持ってお礼とご返答を通知させていただくことにしたい。

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2009.05.10

NHKマイルC予想

スピードだけでは乗り切れない、中距離も走れるスタミナが求められる東京マイル戦。それ故、もっとも多くの勝ち馬を輩出しているのが毎日杯組であるというのも不思議はない。ことし、毎日杯を勝ってNHKマイルCへ向かうアイアンルックも信頼に足る。去年のディープスカイより2秒遅かった勝ちタイムで評価を下げる向きもあるが、スローペースで口を割るシーンも見られながら、直線外から差しきった内容はすばらしい。粘っていたのは兵庫CSでスーニーを破ったゴールデンチケット、3着に退けたのは青葉賞を圧勝したアプレザンレーヴ。広い府中でこそ、能力は最大限に生きる。祖母は皐月賞5着のダンスダンスダンス。父アドマイヤボスは地味だが、父母から豊富なスタミナは受け継いでいる。強敵はマイルに戻って大威張りのフィフスペトルだが、大外枠のロスの分だけ対抗に落とした。

◎アイアンルック ○フィフスペトル ▲ブレイクランアウト
△レッドスパーダ、サンカルロ、ワンカラット、ティアップゴールド

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2009.05.06

ルドルフ超えの困難さ かしわ記念でカネヒキリ敗れる

環境や条件、フィールドが異なれば、以前に生み出された記録を今のものと比べることは、客観的な公平さは保ちえないのかもしれない。しかし、イチローが張本勲の最多安打記録を超えたことが賞賛されたように、それが日本記録でも大リーグ記録でもない”プロ野球記録”だとしても、新しい境地が拓かれる瞬間に人々はまだ見ぬ光を感じるのかもしれない。シンボリルドルフが「7冠」の記録を樹立したのは1985年のこと。クラシック三冠、天皇賞、ジャパンカップ、2度の有馬記念。王道を歩み、最強馬の称号を手にした。皇帝の記録に並ぶ馬が現れたのは16年後。天皇賞3勝のテイエムオペラオーだ。抜群の安定感を誇った同馬はまだまだ力の衰えなく、ルドルフ超えは確実かと思われた。しかし、宝塚記念ではライバルたちの徹底したマークで馬群に包まれ敗れてしまう。決してローズが王貞治を過去のものにする56号を放つことが許されなかったように。その秋、オペラオーは天皇賞、ジャパンカップとも2着に敗れてターフを去った。空飛ぶサラブレッド、ディープインパクトも有馬記念や凱旋門賞の敗戦があって7冠に留まった。

一方、交流G1の整備により、8冠馬はダート路線からも生まれようとしている。アドマイヤドンは朝日杯と6つのダートG1を制して7冠を達成し、クラシックや天皇賞と比べれば、裏街道での記録更新が現実味を帯びることになった。ところが、ダートでもルドルフ超えは難しかった。アドマイヤドンはJCDでゴール直前でハナ差し返されて記録樹立を逃した。去年、南部杯3連覇で王手をかけたブルーコンコルドも1番人気に推されたJBCスプリントで4着。8冠は手が届かなかった。そして、再びダート路線でルドルフ超えを狙うのがカネヒキリだ。不治の病からカムバックし、去年12月からG13勝。前走のフェブラリーSで敗れたとはいえ、その内容は勝ちに等しかった。敵は自らの脚元だけ。昨日、カネヒキリはかしわ記念で単勝1.8倍の断然人気に支持され、8冠の偉業に挑んだ。4角手前、内で仕掛けが遅れたカネヒキリを尻目に、外からエスポワールシチーが一気にスピードアップして先頭へ。降りしきる雨で軽くなった馬場で、カネヒキリはエスポワールシチーを捕らえることができなかった。入線後、異常を感じた騎手は下馬。8冠の前には何が立ちふさがっているのか、背筋が寒くなった。カネヒキリは大事なければ帝王賞へ向かうとのこと。ジンクスを打ち破ってくれることを祈りたい。

※レース後、カネヒキリには左第3指骨々折が判明した。

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2009.05.04

天皇賞春回顧 高レベルだった日経賞組のワンツー

逃げ宣言のテイエムプリキュアが中途半端にペースを落としたため、離れた番手に控えるはずだったホクトスルタンが先頭を奪い、それを抑えの利かないシルクフェイマスが交わして1周目のスタンド前を通過。 1000メートル通過は60秒4、7ハロン目まで11秒台が5回刻まれる厳しい流れになった。有力馬はスクリーンヒーロー、アサクサキングスが先団、それを見るようにアルナスライン。マイネルキッツは内をロスなく周りながら、2周目の3コーナーでは2番手集団までスムーズに押し上げていく。直線、ホクトスルタンが後退。アサクサキングスも早々に手応えをなくす。それをマークしていたアルナスラインが外から伸びてくる。しかし、内をすくったマイネルキッツも脚色がいい。2頭は身体を併せる形になったが、内の経済コースを回した分、マイネルキッツがクビ差、凌ぎきった。3着は後方から差してきたドリームジャーニー。勝ち時計はあのディープインパクトのレコードと1秒差。スタミナが問われるステイヤーのためのレースだった。

終わってみれば、日経賞の1、2着がひっくり返っただけ。アルナスラインが勝った日経賞は前年のマツリダゴッホより内容的には濃いもので、私が本命を打った理由のひとつもそこにあった。それだけに3着のモンテクリスエスに印を回し、重賞未勝利とはいえマイネルキッツを軽視したのは予想下手としか言いようがない。鞍上の松岡正海は巧かった。関東の若手ではもっとも信頼できるジョッキーではと思っていたが、人気薄で気楽に乗れたとはいえ、内枠を最大限に生かす大一番での好騎乗。前走後、自ら天皇賞参戦を進言したというから、自信もあったのだろう。ラフィアンは八大競走初優勝で岡田総帥の喜びもひとしおのはずだ。一方、アルナスラインはレース中に右前を落鉄していたそうで、伸びきれなかったのはその辺りに原因があるのかもしれない。アサクサマークで外へ行ったのはしょうがない。ドリームジャーニーはカリカリしたところがありながら、直線は矢のような脚。宝塚記念が楽しみ。1番人気アサクサキングスは9着。ハイペースも向かなかったが、心配した通り、阪神大賞典の激戦は深い疲労を残していたようだ。

ところで、松岡の勝利インタビューが話題になっている。開口一番、中途半端なテンションで「チョリース」と二度、カメラに向けて発したのだ。これは”おバカ”女性タレントの決まりの挨拶だそうで、松岡は関東ローカル番組で、G1を勝ったらチョリースをやると約束していたよう。しばしば、アスリートがヒーローインタビューなどで約束事を実行するのを目にするが、内輪受けで多くのファンをしらけさせることから、最近は”公約禁止”を取材条件にするところもある。今回、私は天皇賞でタレントに指図された行為などするべきではないと、一瞬、不快に感じた。それは、かつて天皇誕生日に施行された勝ち抜け制レースであり、ホースマン最高の栄誉とされた歴史を特別視する価値観に囚われていたからだろう。だが、近年のレベルダウン、長距離軽視の風潮を鑑みれば、いかにも私の考えは古臭い。チョリースはオールドファンや関係者に向けた「たかが春天で背広で馬ひいてんじゃねーよ」という権威性の否定であり、血統のロマンなどという幻想に陥ったファンを覚醒させる一撃だったのだ。だから、松岡を非難する気にはなれない。ぜひ祝勝会で岡田総帥と「盾チョロイス」と盛り上がり、ダービーでも「世界のホースマンに松岡チョリース」とやってほしい。

土曜日は青葉賞が行われ、1番人気のアプレザンレーヴが期待に応えて快勝。前走の毎日杯は出遅れて3着に敗れたが、まずまずのスタートを切り外々を回って不利のないレースができた。最後の200メートルではトップカミングに競りかけられたが、そこから再度、力強く伸びたのは凄まじかった。高松宮記念のキングヘイロー-ローレルゲレイロ、皐月賞のネオユニヴァース-アンライバルド、と今年のトレンドは親子制覇らしいが、アプレザンレーヴもシンボリクリスエスと父子で青葉賞優勝。父はダービーでは2着だったが、その雪辱を果たせるか。内田博幸はセイウンワンダーというお手馬もいるが、アプレザンレーヴを選んでくるようならダービーは楽しみになる。同馬のオーナーはアンライバルドやブエナビスタと同じサンデーレーシングで、7週連続の重賞Vとこちらの記録も更新した。来週はダイバーシティの登録が新潟大賞典にある。最後に青葉賞2着馬だが、真っ裸でベロベロに大都会で酔っていた草なぎメンバーを思い出せば、マッパヴェロシティは抑えなくてはならない馬だった。

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2009.05.03

天皇賞春予想

人気の割れている天皇賞春。本来なら重賞を連勝してきた菊花賞馬、アサクサキングスで順当に決まるのだろう。だが、前走の阪神大賞典が死力を尽くした闘いだっただけに、昨秋以来、休みなく使われてきた同馬には隙が生じるのではないかとの心配もある。アサクサキングスと菊花賞でアタマ差の接戦を演じたアルナスラインを上位に取る。乗り方の難しい馬で4歳時は不振が続いたものの、前走の日経賞で馬が変わったようにかつての行きっぷりが戻って重賞初勝利。今回はテイエムプリキュア、ホクトスルタンらが引っ張る速い流れをアサクサキングスをマークしながら進めるのではないか。母父のエルグランセニョールからスタミナも十分に受け継いでいる。心情的にはメジロマックイーンの血が流れているホクトスルタン、ドリームジャーニーにも頑張ってほしい。

◎アルナスライン ○アサクサキングス ▲ドリームジャーニー
△ヒカルカザブエ、スクリーンヒーロー、モンテクリスエス、ホクトスルタン

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2009.05.02

青葉賞予想

ダービーでアンライバルドにストップをかける馬は現れるのか。それは青葉賞に出走するアプレザンレーヴが、どれだけ強い勝ち方ができるかにかかっている。使われつつ実が入ってくるシンボリクリスエス産駒の同馬は、兄弟にナイアガラ(すみれS)、レーヴダムール(阪神JF2着)がいる筋の良い血統。圧巻だったのは前々走の500万平場。33秒8の脚を使って後続を突き放した内容は、G1級の潜在能力を感じさせるものだった。毎日杯は出遅れて競馬にならず。それでも3着に追い込んできたことで、改めて実力の高さを示した。広い府中に替わりは歓迎。権利取りではなく、勝利を期待したい。相手はレベルの高かったスプリングS組のセイクリッドバレー、前々走が不利があって本命と3馬身差のピサノカルティエ。

◎アプレザンレーヴ ○セイクリッドバレー ▲ピサノカルティエ
△サトノエンペラー、バアゼルリバー、キタサンアミーゴ、イネオレオ

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