進むは茨の道? 東大卒に競馬界はストレスフルか
ニッチな業界にあって「東大卒」という肩書きは、それだけでネームバリューを確固としたものにしてしまう効果があるが、競馬業界も例外ではないだろう。最近では2006年に美浦で開業した小笠倫弘師が「史上初の東大卒トレーナー」として話題になった。その小笠師と東大馬術部の先輩、後輩にあたるのが、「東大卒」の草分け、評論家の須田鷹雄氏だ。小笠師と須田氏の関係は深いようで、日高の牧場を一緒に回ったり、アースリヴィングのドバイ遠征に同行取材した様子が須田氏の日記に記されている。業界では数少ない最高学府出身者だけに、互いの苦労や悩みも共有できるのかもしれない。ところで、13日、須田氏の書いた日記が波紋を広げている。非常にネガティヴで陰鬱とした内容だったからだ。
具体的になにがあったということではなく、どうしようもない状態です。運に恵まれることもなく、斜陽業界で馬鹿にされた扱いは受けるし、数少ない味方の人には報いられないしで。いろいろ邪推されそうだけど、なにかひとつのムカつくことがあったとかではありません。ある意味全部ダメ。いっそ死にたいけど、死ねるのも一回だけなので、せめて面白い死に方くらいは考えます。(須田鷹雄の日常・非日常 09/4/13)
今にも硫化水素を発生させかねないような状況かと心配になるが、反応が大きかったからか、すぐ翌日には自殺するわけではないと否定している。一方、「競馬の世界は不景気でバトルロワイヤルみたいになってるんで、誰でもストレスは抱えてる」「立場弱い人がいじめられてるのを知る機会が多くてそれも心が痛む」とも記されており、気苦労が絶えないようだ。そもそも競馬界は狭い村社会で、「馬主→調教師→騎手→厩舎関係者→マスコミ」なるヒエラルキーがある。フリーの立場は強くないし、輪の中に入ってしまえば、中卒も東大卒も関係のない権力構造に組み入れられねばならない。生計を立てる基盤は直接、間接的にも胴元の金。翻って、書くべきこと、なすべきことは自主規制を余儀なくされ、不況下、村社会の理不尽さや矛盾も飲み込んで仕事をしていくしかない。評論家としては稀有な成功者で、過去「JRA理事長ってバカじゃないの」と言い切った須田氏だが、学業優秀な東大卒だからこそフラストレーションは溜まる一方なのかもしれない。
そんな不条理には従わぬと、歯に衣着せぬJRA、業界批判を売りにしてきたのが、もうひとり、東大卒評論家として有名な水上学氏。見るからに彼の活動は命を削っているようで、ファンのほうが心を痛めてしまうこともある。もともと体調を崩しやすい水上氏だが、先週、ラジオ中継、競馬予想TVの出演をキャンセルするほどの病に見舞われてしまった。細菌性の食中毒。「鶏のレバ刺し」が原因でカンピロバクターにやられたのだとか。この菌は鶏には常在しているもののようだから、抵抗力が弱っているときに感染しやすいのかもしれない。去年、水上氏はグリーンチャンネルを降板。新たな活路を切り開こうとしたのか、「水上学と絶叫する会」という会員制の有料予想サイトを立ち上げた。ある意味、予想家から予想屋へ身をやつしたというところか。競馬界という、東大卒としては茨の道を歩んでいるかにも思える須田氏と水上氏。私のような最高学府と縁のない小市民に難しいことは分からないが、お二人の早い快復を祈り、競馬界を良き方向へ導いてくれることを期待したい。
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コメント
須田さんが運に恵まれてないとかいってたら幸運な競馬ライターなんて皆無ってことになりますね。
投稿: ジュサブロー | 2009.04.17 02:03
麻布→東大でしょ
40ちょい前なら同期は結構なポジションで奥さん、子供もいて幸せに見える
自分は独身でお先真っ暗の斜陽産業でフリーのもの書き
そりゃ鬱にもなるわな
投稿: 松前づけ | 2009.04.18 18:05
>ジュサブローさま 確かに。唯一と言っていい成功者かもしれませんね。あの世代では。 >松前づけさま そうですね。でも、どっちが幸せかは本人次第でしょうが。東大卒が心の足かせになっているのなら不幸でしょうが。
投稿: ガトー@馬耳東風 | 2009.04.21 02:45