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2009.02.28

東西格差 ”引退する3人”と”勇退する5人”の調教師

今週、8人の調教師がターフを去る。栗東の武邦彦師、浜田光正師、中尾正師の3人は数多くの活躍馬を管理し、 70歳の定年退職という誰からも祝福される去り際に対して、美浦の5人は対照的だ。なぜなら、いずれも定年には届かずに身を引く「勇退」であるからだ。いわば、JRAから、もう調教師をやっていくことはならんと引導を渡された、お家取り潰しのようなもの。前代未聞の異常事態だ。東西トレセンの格差は広がり続け、勝利数、出走回数、賞金の差は厩舎経営を直撃するようになった。メリット制導入で成績の悪い調教師は馬房を削減され、そんな厩舎に馬主は馬を入れなくなるという悪循環。だが、優勝劣敗システムで厩舎間の競争が激しくなっても、2馬房1人の厩務員と3人の調教助手の人件費は組合との規定で削減することはできず、リストラして経営を立て直すことも東では許されない。不況の波で預託料を滞らせる馬主も増えていると聞く。廃業を調教師の能力の問題と一概に責めに帰すのは少し気の毒ではあるが、護送船団方式が崩れた今となってはやむを得ないのだろう。

中野隆良師はグリーングラス、ヒシアマゾン、ホクトベガらを管理した。 68歳と定年を目前にしての勇退だ。昨年は7勝、一昨年は6勝ではあったが、最近でもヒシアトラス、アンバージャック、アクロスザヘイブンなど、活躍馬も目にしていただけに引退は意外な気もする。皐月賞2着のシルクライトニングを出したのは大和田稔師(66)。一昨年は未勝利など、12年間一桁勝利だった。沢峰次師(63)は昨年1月、8ヶ月ぶりの勝利で通算200勝を達成。その時は「これを通過点として今後も頑張る」(競馬ブック)と語っていたが、最後の勝ち星となってしまった。皐月賞馬でトロットサンダーの父であるダイナコスモスが代表馬だ。田子冬樹師(62)はアメリカンボスで有名だろう。ここぞという時は主戦・江田照の厩舎だった。岩城博俊師は最も若い56歳。開業当初はアロハドリームで重賞2勝するなど好スタートを切ったが、馬を集められずに成績は低迷。1勝、2勝の年も珍しくなく、去年は管理馬が10頭を切って、とても経営が成り立つ状態ではなかった。今後は調教師から調教助手に転進するという。

栗東のほうも触れておこう。武邦彦師は騎手時代はターフの魔術師と呼ばれ、三男・豊、四男・幸四郎の父親である。名マイラーのバンブーメモリー、個性派ステイヤーのオースミシャダイ、豊とのコンビで重賞を賑わせたキョウワホウセキが思い出深い。幸四郎のデビュー週にはオースミタイクーンを用意し、初勝利が初重賞という快挙を成し遂げさせた。父と二人の兄が調教師だった中尾正師も定年。イブキマイカグラは忘れられない1頭だ。浜田光正師はビワハヤヒデ、ファレノプシスでG1勝ち。早田牧場の倒産とともに厩舎の勝ち鞍も減ったように思える。2004年は0勝とどん底だったが、翌年には11勝と巻き返した。岸滋彦、石山繁と、若手騎手を大切に育てようとした人情家でもあった。その石山繁はリハビリ生活を続けてきたが、今年は免許を更新せず、師匠とともに引退する。以上、競馬界に尽力してくれた9人の良き再出発を祈りたい。

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