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2009年2月の12件の記事

2009.02.28

東西格差 ”引退する3人”と”勇退する5人”の調教師

今週、8人の調教師がターフを去る。栗東の武邦彦師、浜田光正師、中尾正師の3人は数多くの活躍馬を管理し、 70歳の定年退職という誰からも祝福される去り際に対して、美浦の5人は対照的だ。なぜなら、いずれも定年には届かずに身を引く「勇退」であるからだ。いわば、JRAから、もう調教師をやっていくことはならんと引導を渡された、お家取り潰しのようなもの。前代未聞の異常事態だ。東西トレセンの格差は広がり続け、勝利数、出走回数、賞金の差は厩舎経営を直撃するようになった。メリット制導入で成績の悪い調教師は馬房を削減され、そんな厩舎に馬主は馬を入れなくなるという悪循環。だが、優勝劣敗システムで厩舎間の競争が激しくなっても、2馬房1人の厩務員と3人の調教助手の人件費は組合との規定で削減することはできず、リストラして経営を立て直すことも東では許されない。不況の波で預託料を滞らせる馬主も増えていると聞く。廃業を調教師の能力の問題と一概に責めに帰すのは少し気の毒ではあるが、護送船団方式が崩れた今となってはやむを得ないのだろう。

中野隆良師はグリーングラス、ヒシアマゾン、ホクトベガらを管理した。 68歳と定年を目前にしての勇退だ。昨年は7勝、一昨年は6勝ではあったが、最近でもヒシアトラス、アンバージャック、アクロスザヘイブンなど、活躍馬も目にしていただけに引退は意外な気もする。皐月賞2着のシルクライトニングを出したのは大和田稔師(66)。一昨年は未勝利など、12年間一桁勝利だった。沢峰次師(63)は昨年1月、8ヶ月ぶりの勝利で通算200勝を達成。その時は「これを通過点として今後も頑張る」(競馬ブック)と語っていたが、最後の勝ち星となってしまった。皐月賞馬でトロットサンダーの父であるダイナコスモスが代表馬だ。田子冬樹師(62)はアメリカンボスで有名だろう。ここぞという時は主戦・江田照の厩舎だった。岩城博俊師は最も若い56歳。開業当初はアロハドリームで重賞2勝するなど好スタートを切ったが、馬を集められずに成績は低迷。1勝、2勝の年も珍しくなく、去年は管理馬が10頭を切って、とても経営が成り立つ状態ではなかった。今後は調教師から調教助手に転進するという。

栗東のほうも触れておこう。武邦彦師は騎手時代はターフの魔術師と呼ばれ、三男・豊、四男・幸四郎の父親である。名マイラーのバンブーメモリー、個性派ステイヤーのオースミシャダイ、豊とのコンビで重賞を賑わせたキョウワホウセキが思い出深い。幸四郎のデビュー週にはオースミタイクーンを用意し、初勝利が初重賞という快挙を成し遂げさせた。父と二人の兄が調教師だった中尾正師も定年。イブキマイカグラは忘れられない1頭だ。浜田光正師はビワハヤヒデ、ファレノプシスでG1勝ち。早田牧場の倒産とともに厩舎の勝ち鞍も減ったように思える。2004年は0勝とどん底だったが、翌年には11勝と巻き返した。岸滋彦、石山繁と、若手騎手を大切に育てようとした人情家でもあった。その石山繁はリハビリ生活を続けてきたが、今年は免許を更新せず、師匠とともに引退する。以上、競馬界に尽力してくれた9人の良き再出発を祈りたい。

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2009.02.26

フェブラリーS回顧 世代交代はなされたのか?

数日遅れの回顧になるが、ことしの最初のG1、記録がてら振り返っておこう。私の本命は4歳馬、エスポワールシチー。2強の力が上位であると認めてはいたものの、データとしてフェブラリーSは4、5歳馬が圧倒的に強く、世代交代があるかもしれないとの考えだった。結果的には4歳馬のワンツーだったが、軸馬を間違えたのだから仕方がない。ゲートが開いて立ち遅れたのはサンライズバッカス。予想通りハナに立ったのは佐藤哲・エスポワールシチー。けれんみのない逃げで、1000メートル通過は58秒8。確かに速いペースだが、前走はラップを落としてゴール前で交わされたように、後続に脚を使わせてナンボのタイプ。ラスト1ハロンで捕まったが、馬券を買った方としては納得の行く競馬だった。勝ち馬とコンマ2秒差の4着というのは、相手が悪かったとしか言いようがない。近い将来、ゴールドアリュール産駒の初めてのG1勝ち馬となれるのではないだろうか。

そのエスポワールシチーを怒涛の勢いで差しきったのが、サクセスブロッケン、カジノドライヴ、カネヒキリの3頭。いずれも逃げ馬の直後にポジションを取っていた。ゴール板ではサクセスブロッケンがクビ差、先頭に出ていたが、これは鞍上・内田博幸のダートで馬を動かす巧さ故、という気がしてならない。レース後、内田が「こういった接戦では騎手の腕を試される」とコメントしていたのに嫌味はあるまいが、掲示板に載ったのは地方出身者3人、外国人1人とJRAの生え抜きジョッキーには苦い顛末。こうした厳しい流れのなかでも、馬を先行させて、長い直線もバテさせずに脚を持たせる技があるのかもしれない。2着は安藤勝のカジノドライヴ。前走、大幅に馬体が減って、戻してはきたものの、軽めの調教だったこともあって重い印は打てなかった。勝ち馬とクビ差の好走で、米G2勝ちが飾りではないことをアピール、次のドバイにも楽しみが広がった。新世代から2強を継ぐ馬たちが成長を見せてくれたのが何より嬉しい。

そして、3着にはG1最多勝記録がかかっていたカネヒキリ。2番枠を引いた時点で不利は大きいと感じていたが、ルメールが内々をロスなく回って先行させる理想的な競馬。それでも、直線は狭いスペースから脚を伸ばさねばならず、外から気持ちよく差してきたサクセスブロッケンらとは枠順の有利、不利の差があった。距離不足、連戦の疲れ、合わないペースといったものもあって、そうしたマイナス材料を勘案すれば、同タイムの3着は力負けと断じることはできないだろう。むしろ、王者健在を印象付けた感さえあり、4歳勢が胸を張って世代交代なったと言うためには、もう一度、カネヒキリを真っ向勝負で負かす必要がある。ただ、カネヒキリも脚元に爆弾を抱えている以上、休養して馬体を緩め、いちいちハードなトレーニングで仕上げ直すといったことはできず、騙し騙し連戦を重ねていくしかない。G1最多勝の新記録が樹立できれば、そこを引き際として良いと思うが、双方にとってチャンスは限られてくるかもしれない。

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2009.02.22

フェブラリーS予想

1番人気は新記録となるG18勝を賭けて臨むカネヒキリ。不治の病を克服してG13連勝を飾った同馬の歴史的瞬間を観てみたい思いの一方で、4、5歳馬が圧倒的に強いフェブラリーSは若い世代の台頭があるのではないかとも予想する。逃げ馬、エスポワールシチーに本命を打つ。昨夏、ダートに転向してから500万からオープンまで破竹の4連勝。一息入れた平安Sでは2着に敗れたが、一線級相手でも十分に戦える力があることを証明した。今回、叩いた上積みの効果は期待できる。東京マイルは準オープンの錦秋Sで1分35秒3という破格の時計で5馬身差の快勝を収めたコース。馬場も重くなりそうにないなら、スピードに任して押し切ってしまう可能性も高いのではないか。エスポワールとはフランス語で希望という意味。望みは高く。相手はもちろんカネヒキリ、単穴はヴァーミリアンだが、波乱もあるとみて気になる馬はヒモで抑えておきたい。

◎エスポワールシチー ○カネヒキリ ▲ヴァーミリアン
△カジノドライヴ、フェラーリピサ、バンブーエール、サンライズバッカス

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2009.02.21

鼻出血発症 ブラックエンブレムは最下位に敗れる

20日、ドバイ・ナドアルシバ競馬場で行われたバランチーンS(首G3)に出走したブラックエンブレムは、レース中に鼻出血を発症。馬群から大きく離されて最下位9着でゴールした。鞍上をキネーンに好スタートを切ったブレックエンブレムは3番手を追走。上位争いをするかに思われたが、4コーナーで失速。直線では馬を止めるようにして、最後は歩きながら入線した。当初、同馬は今月5日のケープヴェルディSに出走する予定だったが、先月28日、調教中に鼻出血を発症。3週間の出走停止処分を受け、その後、調教再審査をパスしていた。ブラックエンブレムは鼻出血以外には馬体に問題はなく、今後は帰国して国内のレースをめざして再調整されることになりそうだ。

ブラックエンブレムが出走に漕ぎ着けるまでには、様々な苦労があったことが小島茂之師のブログに綴られている。薬やサプリメント、マイクロレーダーなどの使用可否の問い合わせから、ドバイ、経由地の香港におけるインフルエンザ予防接種の取り扱い。渡航前の段取りを組んだレーシングマネージャー、輸送から機内まで帯同した獣医、0泊3日で2度も現地に駆けつけた装蹄師、調教のため寄り添った池田騎手…。実に多くの人々の協力があって、海外遠征がなされることも良く分かる。日本ではレース24時間前まで投与できる鼻出血の薬が、ドバイでは48時間前までしか許されなかったそうだ。この影響もレース結果にあったかもしれないとのこと。忙しい中、ファンへこうした細かな情報を提供しようという小島茂師の姿勢はありがたい。

現在、ドバイでは他に2頭の日本馬がレース向けて調教を積まれている。前走、UAE1000ギニーで2着に好走したアースリヴィングは、今月26日のUAEオークスで勝利をめざす。ドバイデューティフリーを最大目標にするウオッカも、19日に無事に到着。来月5日のジュベルハッタSをステップに本番へ向かう。先日、開設された日本馬の海外遠征情報を提供する「Team Japan Keiba」でも、日々の出来事が詳しくリポートされていた。近い将来、有料化されるようだが、今はウオッカの機内での様子など、なかなかファンが目にすることができない映像も公開されている。新しい試みとして成功するのか注目してみたい。

>>バランチーンS・レース映像(2/20 7レースを選択)

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2009.02.19

ダイワスカーレット引退 もっとも強く、速く、美しく

ダイワスカーレットの繁殖入りが決まった。ドバイ、ヨーロッパへの遠征を目前に控えての故障発生。ただただ残念と言うしかない。ダイワスカーレットの残した偉大な戦績を前にしては、惜別のエントリーも軽々しく書くことが憚られるが、市井ファンとして同馬の足跡を振り返るぐらいなら許してもらえるのではないか。母スカーレットブーケ、兄ダイワメジャーという血統的な背景を持つダイワスカーレットは、デビュー前から注目を集める2歳馬だったことは言うまでもない。新馬戦は秋の京都、すでに中距離馬としての適性を見出されて2000メートル戦が選ばれた。2戦目は裏街道、中京2歳S。ここで後の弥生賞馬、アドマイヤオーラと一騎打ちを演じ、半馬身差、退ける。その次戦、シンザン記念では先着を許して初黒星を喫するのだが、デビューから1ハロンずつ距離を縮めてきた戸惑いがあったのかとも思う。そして、桜花賞トライアルのチューリップ賞、宿敵ウオッカと初めての対決を迎える。

ダイワスカーレットはマイペースの逃げ。直線、鞍上の安藤勝はライバルが来るのを待っていた。そして、3着馬を6馬身置き去りにして繰り広げられたデッドヒート。だが、ウオッカの四位は慌てる素振りを見せず、ムチを入れることもないままクビ差、ダイワスカーレットに先着した。着差以上の完敗。だが、陣営は本番での逆転をあきらめていなかった。仕上げはあくまで桜花賞を見据えたものであったからだ。連日、坂路で猛稽古を課し、馬を前に置いて気を抜いて走ることを覚えさせた。その努力は功を奏す。大外18番を引いたダイワスカーレットだが、スローにも関わらず好位でぴったりと折り合う。瞬発力勝負では分が悪いと早めに仕掛けた安藤勝。とはいえ、ゴール前2ハロン目のラップは10秒6の史上最速ラップを刻んだのだから、ウオッカも届く術はない。自分でレースをつくれる強みを終生のライバルに見せ付ける結果となった。

オークスは感冒により回避。復帰戦となったローズSは余裕の逃げ切りV。秋華賞で3度目のウオッカとの対戦へと進む。それまでハイペースの競馬を経験したことのないダイワスカーレットにとって、初めて厳しい競馬になるのではないかとみられていた。しかし、中盤13秒6という超鈍足ラップが先行有利の展開をつくりだす。またしても33秒台の上がりでダイワスカーレットは楽勝した。ウオッカが取り消したエリザベス女王杯も、ハナを切り、後半からペースをあげる十八番で快勝。同型のアサヒライジングが出遅れたのも幸運とされた。そのため、一線級牡馬とキツイ競馬をすれば、過去の名牝がそうだったように後塵を拝することになるのではとの声も強かった。有馬記念の5番人気という評価がそれを物語っている。だが、マツリダゴッホの大駆けに遅れはとったものの、ダイワスカーレットは連対を確保。並みの名牝ではないことを証明した。

古馬になってから、ダイワスカーレットは順調さを欠いた。ドバイへのステップとして選んだフェブラリーSの調教中、跳ね上がったウッドチップで目を傷つけて予定はご破算に。大阪杯もメイショウサムソンやエイシンディピュティに完勝したものの、右前脚に骨瘤を発症して春全休が発表された。長い休養。秋、栗東へ帰厩したときにはベストより40キロも重い馬体だったという。松田国師は慎重に慎重を重ねて、時間と本数をかけながらウェイトを落としていった。その結果、天皇賞秋には大阪杯と同じ498キロで姿を見せる。伝説へと昇華したレースはもう言葉を尽くす必要もあるまい。逃げ馬には過酷すぎる前半のラップを凌いだ後半のハイラップ。2センチの差で盾はウオッカに譲ったが、これほど見る者に強烈な印象を残し、心を揺さぶった敗戦が競馬史上、あっただろうか。

ラストラン、有馬記念は人々が期待した通りの独走劇となった。死闘を演じてきたウオッカやディープスカイはいなかったが、決して楽なレースをさせてもらえたわけではなかった。前半1100メートルは66秒1のハイペース。2番手からメイショウサムソンがプレッシャーをかける。4コーナーではスクリーンヒーローらも襲い掛からんとする。しかし、どの歴戦の雄も、再加速するダイワスカーレットに追いすがることすら叶わず、脚を失って後退するしかなかった。37年ぶりの牝馬による有馬記念制覇。その記録が強調されなかったのは、もはや誰も牝馬という枠囲いでダイワスカーレットを捉えることが意味を成さないものであることを知っていたからだろう。力の限界を見せぬままターフを去るダイワスカーレット。もっとも強く、速く、美しかった名馬。私にはありきたりの言葉しか浮かばないが、歴史は時間をかけて彼女を形容するに相応しい言葉を見つけるのかもしれない。

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2009.02.17

第壱話 決戦、きさらぎ賞 ”逃げちゃ駄目ですか?”

「逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ」先週半ば、追い切りで賑わう第4新栗東市のトレセンを調教師のハシグチ・コウジはぶつくさ呟きながら歩いていた。コウジは東西メインレースに汎用馬型決戦兵器を出撃させることになっていた。とりわけ、気にかけていたのは、きさらぎ賞に参戦するリーチザクラウンだ。未勝利戦を大差勝ち、続く千両賞も楽勝して世代ナンバーワンの呼び声を早くも獲得した。しかし、前走のラジオNIKKEI杯で同馬は思わぬ敗戦を喫してしまった。スピードの違いでハナを切ったものの、勝ち馬にマークされて差しきられてしまったのだ。この馬でどうしてもダービーを勝ちたいと願っていたコウジにはショックなレースだった。

数々の大レースを制してきたコウジも、ダービーだけは縁がない。ダンスインザダーク、ハーツクライといった有力馬も、あと一歩のところで勝利を逃してきた。各陣営とも究極の仕上げで臨む2400メートル戦。リーチザクラウンの能力があるとはいえ、ライバルたちの目標にされながら逃げ切るのは並大抵のことではない。中間、コウジは前に馬を置いて走るトレーニングを課して、好位からでも競馬ができるようリーチザクラウンに教え込むことにした。気性の強さは諸刃の剣。ムキになって暴走するリスクを背負いつつ、上手くコントロールできるのか。コウジは取り囲む報道陣にコメントを発した。「この一戦、いかに抑えられるかどうかに尽きる」と。

決戦当日。東のダイヤモンドSが先にスタート。コウジの指揮するフローテーションは1番人気、乗り込むのはルメールだ。 3400メートルの長距離戦は、大方の予想に反して速いラップが刻まれる。1マイルは1分37秒4、明らかなハイペースだ。ところが、フローテーションは抑えきれずハナへ立つ。「まさか…暴走!?」、コウジは思わず声をあげた。だが、止められない。「制御不能です」。かくして直線、フローテーションは完全に沈黙した。コウジは空を見上げた。「こんな時、どういう顔をすればいいのかわからないよ」。「ワラエバイイトオモウヨ」東から答えが聞こえた気がした。

きさらぎ賞は大丈夫だろうか。再びコウジは呟いた。「逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ」。ゲートが開く。リーチザクラウンとタケ・ユタカは周囲の出方を伺う。誰もハナを切ろうとはしない。もとより、「実戦は生き物ですからどうなるかわかりません」と控える競馬に懐疑的だったパイロット。主導権を握れとばかりにハナへ立つ。「逃げちゃ駄目だ。ダービーが、ダービーがぁー」。 1000メートル通過は61秒7のスローペース。第4コーナー、後続が一気に差をつめにかかる。「リクエストソング接近中、リクエストソング接近中」。タケがムチを入れる。リーチザクラウンはあっという間に3馬身半も突き放して圧勝した。どこか釈然としないコウジのもとに、次々と関係者が祝福を述べにやってきた。

一同「ワァー! ブラボーッ!」
ゴトウ「おめでとう」
マツパク「めでたいなぁ」
リイチ「おめでとさん!」
ダンス「ブヒブヒ、ブヒッヒーン!」
ワダ「シャーッ!」
C「ウルセーヨ、オイ!」

「ありがとう…」。引き上げてきた人馬を出迎えたコウジに、突然、タケが質問を投げかけた。「逃げちゃ駄目ですか?」。予想外の言葉にたじろぐコウジ。しかし、次の瞬間、コウジは腹にためていたものを爆発させた。「逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、……逃げちゃ駄目だ!! ……やります。ダービーは僕が乗ります!!」「ええええ!!」「僕はリーチザクランのパイロット、ハシグチ・コウジです!」  ♪fly me to the moon... (完)

>>きさらぎ賞 勝利ジョッキーインタビュー(youtube)
>>新世紀エヴァンゲリオン 逃げちゃ駄目だTシャツ

※このエントリーは実在の人物・団体とは一切関係のない戯言です。

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2009.02.15

きさらぎ賞予想

昨秋、未勝利戦で12馬身差の圧勝劇を演じ、続く千両賞も楽々と逃げ切って、ダービーはこの馬で決まりと言わしめたリーチザクラウン。しかし、ラジオNIKKEI杯では直線で失速して思わぬ敗戦を喫してしまった。2ヵ月で4戦と使い詰めで調子が落ちていたこともあったのだろう。デビュー戦と比べて、馬体もマイナス16キロと少し減りすぎていた。今回、陣営は立て直しを図るとともに、クラシックに向けて控える競馬を試そうとしている。しかし、武豊が「実戦は生き物ですからどうなるかわかりません」(公式ブログ)と述べているように、すんなりと脚質転換が上手くいくかは分からない。京都1800メートルは2コーナー奥のポケットからスタートする特殊なコースで、向正面の直線をフルに活用して行うため、最初のコーナーに差し掛かるまでにレースの半分に相当する900メートルを走りきってしまう。メンバーのなかには前走、ハナや番手で競馬した馬はなく、外枠のリーチザクラウンが前に壁をつくって折り合うのは簡単ではないかもしれない。

好位や中団から競馬することができる自在性を持ち、長く良い脚を使えるリクエストソングに逆転の目を賭けたい。未勝利、福寿草特別とも着差はわずかだったが、相手に競り勝つ勝負根性はなかなかのもの。去年、栗東留学した後藤が前走は同馬のために京都へ遠征したほどで、当然、クラシックも狙える器だとほれ込んでのものだろう。父はシンボリクリスエス、母は中距離で6勝をあげた馬で、淀みない流れでスタミナ勝負になったとしても、乗り切れるだけの血統的背景はある。先行するリーチザクラウンをゴール前で捕らえるかどうか、と想像を膨らませているが、どこまで迫れるか楽しみである。相手はリーチザクラウンとなるが、同じスペシャルウィークのキタサンガイセンも高い評価を与えたい。前走は前が壁になり、届かないはずの位置から一刀両断。連下は3頭あげるが、3連単のヒモで。

◎リクエストソング ○リーチザクラウン ▲キタサンガイセン
△ベストメンバー、ダノンカモン、ハイローラー

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2009.02.12

伊藤工真と大江原圭 忘れちゃ困る少数精鋭の24期

10日、騎手課程25期生の卒業式がJRA競馬学校で行われ、今年は5人の新人ジョッキーが巣立っていった。かつて、競馬学校はJRAがほとんどの経費を負担し、よほどひどい場合を除いては、生徒たちは卒業して競馬場へと送りだされていた。しかし、海外や地方のトップジョッキーが相次いで参戦し、競馬学校出身の若手がなかなか芽が出ない状況のもと、JRAは育成方針を大きく転換した。3年間で360万円余の負担を保護者に求める一方、技術の伴わない生徒は容赦なく退学させるスパルタ方式へと舵を切ったのだ。去年デビューした24期生はわずか3人。同期入学した残りの5人は退学や留年でストレートにデビューとはいかなかった。それだけに、24期生から武豊の新人最多勝記録を塗り替えた三浦皇成が出たのはJRAにとっても大きな意義があっただろうし、苛烈な少数精鋭主義を貫いていくポリシーは強固なものになっただろう。同じく厳しい競争を勝ち抜いた25期生のなかにも原石は眠っているかもしれない。

三浦ばかりがフューチャーされた24期生だが、年が明けてもうひとりの同期生の活躍も目立ち始めた。伊藤工真(たくま)は美浦・古賀史厩舎の所属。去年は1勝をあげるのが精一杯で三浦に大きく溝を開けられてしまったが、地道に修行を重ねてきた成果か、暮れあたりから人気薄を上位に持ってくるレースが見られるようになった。そして先月5日、5番人気マイネルプエルトで未勝利戦を勝つと、同日の 500万下も5番人気グラスゴッドで勝利。翌週も冷静な手綱さばきで1勝をあげて、騎乗依頼もひっきりなしに寄せられるようになった。先週は三浦とハナ差の争いをする見せ場をつくったから、印象に残ったファンもいるのではなかろうか。伊藤工の成績を見て不思議なのは、去年7月を境にして自厩舎の騎乗がぱったりと途絶えていること。自ら馬を集める試練を課した古賀史師流の育て方なのかなと思う。今年、三浦が通算100勝を達成したことで、減量目当ての騎乗依頼は伊藤工へと回ってくる。大きな飛躍が望まれる。

ところで気になるのは、卒業時に最もメディアに取り上げられたはずの大江原圭だ。父は障害で100勝をあげた大江原隆、叔父も名手・大江原哲(現調教師)というサラブレッド一家。卒業前、日本ハムの自主トレを同期と訪れた際、怪物・中田翔にムチをプレゼントし、互いにエールを贈ったこともニュースになった。しかし、デビュー初日。三浦が中山で特別勝ちを収めたころ、大江原は中京で進路妨害をして騎乗停止を食らってしまう。これが分水嶺だったのか。去年は結局、86戦して未勝利。連対すらかなわず、乗鞍は同期の勝ち星に及ばなかった。唯一、3着に突っ込んで馬券になったカシノウェーブでのレースは、マニアの人気を集めると考えられたのだろうか、ヤフオクにゼッケンが出品された。だが、落札価格は500円。世間の風は冷たかった。臥薪嘗胆。先日、ライバルと目す中田翔が紅白戦で場外弾を放った。きっと大江原も刺激を受けたはず、と思っていた矢先、こんな記事が掲載された。

ちょうど1年前の1月21日。千葉・鎌ケ谷のファイターズタウンに2人の怪物がいた。中田翔と三浦皇成。その日は日本ハムの新人とJRA競馬学校騎手課程の生徒による交流会が行われた。 …「頑張ろうな」とお互いの活躍を誓って握手。三浦からはムチをプレゼントされた。…三浦は91勝を挙げ、武豊の新人最多勝記録(69勝)を更新。 …三浦の大活躍を中田は「あいつ、ホンマすごいッスね。ムチ? マジ、宝物やわ」と素直に絶賛したが、大きな発奮材料にもなった。…1年がたち、怪物2人の立場は逆転。「世代の顔」を奪い返そうと、中田が意地を見せるか。(報知 1/22

新聞とはかくも非情なるものかな。中田翔と24期生の交流会には恰も大江原は存在しなかったかのように扱われ、大江原のムチは三浦が渡した宝物に変身してしまっていた。もちろん、中田翔の記憶にも大江原のことは消えてしまっているだろう。歴史から大江原は抹殺されてしまったのである。悲しげに競馬学校のブログだけが「実際には大江原圭が、自分のムチを手渡したものです」とネットの片隅で事実を訴えているにすぎない。競馬学校時代から苦しんだ体重コントロールが上手くいかないのか、今年はまだ2鞍しか騎乗がない大江原。中田翔にムチを手渡したのは自分だと世間にアピールするには、一念発起、同期に追いつき追い越せと勝ち星をあげていくしかない。

大江原と中田翔のビッグなツーショット!? 競馬学校ブログより
ヤフオクに出品されたレアものゼッケン

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2009.02.10

共同通信杯回顧 真価発揮ブレイクランアウト

かつてはダービー馬への登竜門とも言われた共同通信杯。今年は武豊のブレイクランアウトが素晴らしい能力を発揮して、クラシックへ名乗りを上げた。いちょうS、東京スポーツ杯、朝日杯と1番人気を裏切るもどかしいレースが続いていただけに、陣営は溜飲を下げた思いだろう。前走の朝日杯では3角から外をまくって脚を使う強引な競馬で差されていた。武豊が骨折の影響で充分に馬を御すことができなかったのではないかという見方もある。今回、武豊は中団の内々で脚を溜め、満を持して直線抜け出した。 1000メートル通過は60秒4の平均ペース。だが、上がり3ハロンは11秒台を連発して加速。結果はレースレコードだった。そうした流れのなか、ブレイクランアウトは持ったまま33秒6の上がりを繰り出して後続を寄せ付けなかったのだから恐れ入る。中距離馬としてスピード、スタミナが秀でているところを証明できたわけで、2歳時とは一皮も二皮も剥けた印象がある。

ブレイクランアウトの父はミスタープロスペクト直仔・スマートストライク。 2007年、2008年と北米のリーディングサイヤーに輝き、BCクラシックを制したカーリンらを輩出している。母の父はお馴染みフレンチデュピティで、もしかしたらダートも鬼かもしれない。ブレイクランアウトはダービーに照準を据えて、皐月賞かNHKマイルCのどちらかを選択する予定だ。リーチザクラウンというお手馬が武豊にいることを鑑みると、選択は後者の可能性が高いか。その武豊も先週の京都牝馬Sに続く重賞制覇となり、完全復活と言って良さそうだ。内田博、岩田らとのリーディング争いは、武豊が本領発揮してくれなければ面白くない。2着トーセンジョーダンは不利がありながら連を確保した。団子状態の中長距離戦では先行力が活きるはず。3番人気ブロスアンドコンズは入れ込んで競馬にならなかったよう。シェーンヴァルトは5着。57キロを背負っていたとはいえ、勝ち馬との力の差は歴然としてしまった。

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2009.02.08

共同通信杯予想

ダービーをめざす有力3歳馬が結集する共同通信杯。同じ舞台で行われる東京スポーツ杯の出走馬が優れた結果を残している。本命は東スポ杯2着のブレイクランアウト。前走の朝日杯は1番人気に推されながら3着に敗れたが、ハイペースのなか後方から3角まくりで大外を回す競馬では仕方あるまい。むしろ、コンマ1秒差に踏みとどまったことが驚異的だ。鞍上の武豊も怪我が癒えて調子を取り戻してきた。今回は信頼できる連軸と考える。相手は中山コースで連勝してきたトーセンジョーダン。前2走とも力が違ったという競馬で、父ジャングルポケットの血が活きるなら、府中替わりも問題ないはず。単穴は中京2歳Sで2着と好走したショウナンアルディ。前走は逃げ馬が残る流れを出遅れながらクビ差まで追い込んだ。母の父はトニービン。一発気配。

◎ブレイクランアウト ○トーセンジョーダン ▲ショウナンアルディ
△シェーンヴァルト、ブロスアンドコンズ、マッハヴェロシティ

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2009.02.05

笠松競馬土地明け渡し訴訟 徒労の末に和解合意

笠松競馬の一部の地主による土地の明け渡し訴訟で、4日、名古屋高裁で和解協議が行われ、最大の懸案だった賃料について合意がまとまり、笠松競馬は廃止の危機を免れることになった。笠松競馬の敷地はほとんどが借地だが、経営の悪化に伴い1坪あたりの借地料は固定資産税に相当する518円まで下げられていた。そのため、一部の地主は2006年に契約は終了したとして土地の明け渡し返還を求める訴訟を提起。名古屋地裁は地主の主張を認めて明け渡しを命じたが、笠松競馬側は控訴していた。和解協議で両者は借地料を1200円とすることで同意した。控訴審では当初、99人いた原告の地主が相次いで訴訟を取り下げ、裁判に参加する地主は半数近くにまで減少していた。このため、強行に明け渡しを求めていた原告側弁護士も、訴訟の維持は困難になると判断して和解に応じたようだ。

一審の判決後、調教師や騎手ら関係者は原告の自宅を粘り強く回り、競馬場を廃止に追い込んでも地主には何ら利益にならないことを説明してきた。笠松競馬場のほとんどは市街化調整区域にあたり、更地にしても利用用途は皆無に近く、固定資産税だけを支払わなければならないことになる。原告のなかには訴訟は賃上げ目的であると聞かされて判を押した高齢者も少なくなく、競馬場が廃止になるのは望んでいないと原告団からの離脱が進んでいった。一連の報道を見ると、果たしてどれだけ正確な理解を得た上で、原告に参加してもらったのか疑問を呈せざるを得ない。今回の和解を持って、廃止の瀬戸際までいった騒動は終結することになるが、跡地利用のあてもなく、徒労になることが明らかな裁判をなぜ推し進めたのか、真の意図は何処にあったのかと、返す返す疑問が浮かぶ。

2004年、存廃騒動に揺れた笠松競馬はコストカットを進めて、 2006年度以降、単年度黒字を計上している。笠松競馬が廃止されれば、関連する産業の雇用が失われるだけでなく、地域経済も大きな打撃を受けるとされている。存続の条件は赤字を出さないことであり、そのために賞金の削減など関係者はぎりぎりの状況のもと、売り上げ向上のための様々な工夫をしながら競馬を続けている。しかし、地方競馬全体を横断するドラスティックな改革はこの4年、遅々として進まず、直面する問題は何ら解決されていない。協議がまとまって不安が消えたのは喜ばしいことではあるが、いつか景気が好転するはずという裏づけのない希望だけで経営を続けるなら、地方競馬にとって明るい未来は保障されるべくもない。

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2009.02.01

根岸S予想

恐らく高速決着になるだろう根岸S。このメンバーなら速い競馬になるのは間違いないが、それだけに後続馬は前を捕らえられない ということも充分に考えられる。内枠の先行馬から入る。4連勝中のバンブーエール◎。2走前は同条件のペルセウスSで鮮やかな勝利、その勢いでJBCスプリントも完勝した。59キロが嫌われるかもしれないが、軽い馬場ならスピードで一気に押し切ってしまえる。対抗はカペラSの差し脚が見事だったビクトリーテツニー。単穴はナンヨーヒルトップ。昨秋、7馬身差をつけて制した準オープンは同じ東京コースだ。

◎バンブーエール ○ビクトリーテツニー ▲ナンヨーヒルトップ
△セントラルコースト、フェラーリピサ、ヒシカツリーダー

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