有馬記念回顧 37年ぶり最強牝馬Ⅴの衝撃
年末の競馬をまとめて。有馬記念はダイワスカーレットの圧巻の逃げ切り勝ち。誰も鈴をつけにいけなかったし、4コーナーで早めに競ってきたライバルたちは逆に潰されてしまった。ダイワスカーレットは3~4ハロン目に11秒台を刻んで後続を引き離し、中盤でペースを落とした。そして、残り1000メートルから11秒台を連発しながら一気に加速。並の一流馬であれば自滅してもおかしくないのだろうが、まったく後続を寄せ付けなかったのは改めて同馬の凄まじさを感じさせられた。天皇賞秋のウオッカ、ディープスカイとの死闘がいかにレベルの高いものだったか、ということも証明づける結果になったのではないか。また、勝って当たり前の空気もあったが、37年ぶりの牝馬による有馬記念制覇。しかも堂々の本命に推されてのものということも忘れてはなるまい。戦前、有馬記念を巡って最強馬決定戦であるべきかどうかが話題になり、お祭り的な存在であっていいのではないかという見方が多かった。私もそう思うが、今年の有馬記念に限っては最強馬1頭が自らその強さを誇示したという点において、最強馬決定戦になったようだ。
2着はアドマイヤモナーク。勝負は度外視した最後方待機が嵌った。どこぞのIT社長が山本モナ復帰絡みでチョイスして万馬券を取ったそうだが、「モナー来る」なんてサイン、思いついても買わない。というか、山本モナはTCKのキャラじゃないか。鞍上の川田は有馬記念後のトークショーで開口一番「すみません」と謝っていたが、個人的には全くその通りだ。3着はエアシェイディ。中山巧者で年齢を増すごとにパワーアップしてきた。二度成長するノーザンテーストの血がなせる技か。ジャパンカップを制したスクリーンヒーローは5着。ダイワスカーレットに勝負にいっての着順だから仕方がない。グラスワンダーの仔ではあるが、小回りより府中向きなのだろう。ただJCがフロックでないことだけは明らかになった。メイショウサムソンも頑張ったが、全盛時の力はなかった。レース後、高橋成師の目が涙で満たされていたことに、様々な苦難があったことを想像させられた。私が本命にしたフローテーションは9着。見せ場は充分だった。マツリダゴッホは後方の外に押しやられて凡走。デキも良くなかったが、乗り方も誉められたものでなかった。
師走の中山開催を振り返ると、落馬や故障が目についた。数字ではなく、あくまで個人的な印象での話だ。千葉テレビ杯では直線でショウカクが骨折し、エイダイタカラブネを巻き込んで落馬事故となった。コース上、注射一本をうたれた数秒後にバタンと倒れた光景は、かわいそうで見ていられなかった。師走Sではフラムドパシオンがレース中に腱を断裂。ゴールしたものの、再起不能のケガを負った。その2週前には北総Sで大楽勝の競馬を見せていただけに故障は残念極まりないが、最悪の事態だけは回避できたのは不幸中の幸いだった。2歳時の500万圧勝の衝撃、ドバイ遠征と夢を見せてくれた。種牡馬入りできれば嬉しい。阪神ではクラシックを占うラジオNIKKEI杯が行われ、大本命のリーチザクラウンがロジユニヴァースに敗れた。本調子でなかったのと、逃げ馬にとって厳しい展開になったのが敗因だが、絶対的存在が消えたことでクラシックは再び混沌としてきた。最後に東京大賞典。カネヒキリがヴァーミリアンとの素晴らしいマッチレースを制した。長い故障から復帰した同馬の飛躍、心に染み入るレースだった。
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