« 新刊『落馬脳挫傷』 石山繁・見えざる障害と闘う日々 | トップページ | 外国人馬主を承認へ 外資呼び込み日本競馬再生を »

2008.11.18

エ女王杯回顧 ポルトフィーノがカラ馬で差しきり勝ち?

本来ならレース回顧というのは、勝ち馬か、1番人気馬を中心にすべきものかもしれない。だが、今年のエリザベス女王杯は間違いなく、リトルアマポーラでもカワカミプリンセスでもなく、ポルトフィーノという馬を語り継ぐレースになるだろう。ゲートで大きく躓いた同馬から、たまらず武豊が転げ落ちる。それから騎手を失ったポルトフィーノは自動運転、自らの意思で走ることになった。内へ大きく切れ込みながら1コーナーで先頭に立つと、馬群を6馬身ほど離して大逃げ。後続の騎手は集中力を乱されただろう。さすがに4コーナーでは大きく外へ逸走したものの、一転、直線では最後の攻防を繰り広げる馬群へ突進。先頭を行くカワカミプリンセスやリトルアマポーラの進路を横切りながら、ゴール板を駆け抜けた。それがテレビ中継では、外から鮮やかに勝ち馬を差しきっているかに見えるのは芸術的ですらあった。 G1史上初、カラ馬の1位入線である。記録に残らずともファンの記憶には刻まれた。

カラ馬の動きは予測することが難しく、レース中に事故が起きなかったのは安堵した。全周パトロールを見れば分かるが、直線など上位入線馬と接触しても不思議ない。落馬した武豊も両肩打撲で済み、大きなケガ人が出なかったのは幸いだった。それにしても、ポルトフィーノという馬は騒動を引き起こす天性の何かがあるのだろうか。良血エアグルーヴの仔として注目されたが、桜花賞はハ行で出走取消し、オークスは骨折で回避。秋華賞は19番目の出走順で除外、小島茂之師のブログが炎上するプロヴィナージュ騒動の渦中にいた。カラ馬が1位入線したレースとしては、ギャロップダイナの札幌日経賞、ワイドバトルの京阪杯が思い出されるが、両馬とも直線入り口では先頭に立って押し切る展開だった。差しきるのはより珍しい。カラ馬で勝ってしまう?馬は闘争本能に優れているのか、その後、ギャロップダイナはシンボリルドルフを負かして天皇賞秋を勝ち、ワイドバトルもオープン特別を2勝している。ポルトフィーノも期待大か。

勝ったリトルアマポーラは春からG1級の素質があると見込まれてきたが、不完全燃焼の敗戦を重ねてきた。乗り替わったルメールが、これまでの競馬とは打って変わった先行力で能力を出し切った。まさに有馬記念を制したハーツクライを再現するかのレース。素晴らしい腕だ。 2着に単勝1.8倍まで人気を集めたカワカミプリンセス。理想的なレースだったと思うが、勝ち馬をまったく捕らえられなかったのは全盛時より力が落ちているからか。横山典の2ゲッターぶりは健在だった。3着にベッラレイア。8番手からの競馬だったが、前にいる馬が残る展開ではここまで。自力でレースをつくれない弱さに殻を打ち破れなかった。4着にマイネレーツェルが入ったが、3歳世代も言われているほどレベル差はないことが証明された。馬券は久しぶりに単、馬連、3連単を総取り。ポルトフィーノが騎手を乗せていたら、ハズレだったかもしれない。

|

« 新刊『落馬脳挫傷』 石山繁・見えざる障害と闘う日々 | トップページ | 外国人馬主を承認へ 外資呼び込み日本競馬再生を »

レース回顧」カテゴリの記事

コメント

エリザベス女王杯、不本意ではあるものの
映像的には見事な競馬となりました。
さて、凱旋門賞ストラップ届きました。
早速仕事場で使って競馬仲間に
自慢しようと思います。
いつか私もパリ観光から一歩踏み出して
パリの競馬観光と洒落込みたいものです。

投稿: tundora | 2008.11.18 19:57

大抵のカラ馬は画面から消えてしまうものですが
あらゆる角度のカメラに写っていましたね。
LIVEでは武豊騎手の安否が気になったのと
カワカミプリンセスに2年前の雪辱を晴らしてほしいと
必死に応援、いえ、祈っておりましたので
ポルトフィーノの快走を楽しむ余裕はありませんでしたが
改めて録画を見ると、カラ馬と言えど見事な走りに感心しました。
本日、ストラップを受け取りました。
サムソンが走った凱旋門賞を思い出して胸が熱くなりました。
どうもありがとうございました。

投稿: Marileo | 2008.11.20 00:49

ご連絡ありがとうございます。気に入っていただければ幸いです。

>tundoraさま ぜひロンシャンに行ってみてください。 >Marileoさま ポルトフィーノの次走が楽しみですね。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2008.11.22 10:39

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/1902/43149916

この記事へのトラックバック一覧です: エ女王杯回顧 ポルトフィーノがカラ馬で差しきり勝ち?:

» 不運な馬。ポルトフィーノ・・・。 [徒然なる司馬に]
なんという不運な馬なのだろうか・・・ 2歳時にはクロフネ×エアグルーヴの牝馬として名を馳せて、3冠の可能性もあった馬なのに 桜花賞は出走取り消しの憂き目に遭い、オークス直前に骨折をしてオークスの舞台に立てず、秋華賞では賞金不足でしかも次点泣きという悲劇。ようやくG1のエリザベス女王杯に駒を進め武豊を鞍上に勝負をかけるもゲートから出て躓き、落馬・・・・。 これを不運という以外に何を言うのだろうか・・・。 ただ、“強さ”の片鱗は見せたといえるのかもしれない。カラ馬であることを割り..... [続きを読む]

受信: 2008.11.19 01:35

» [競馬]2008年11月18日競馬ヘッドライン [昨日の風はどんなのだっけ?]
競馬ニュース - netkeiba.com |日本ダービーなど、09年に外国馬開放へ 競馬ニュース - netkeiba.com |ダート重賞「レパードS」を新設 既報通りに、G外の3歳新重賞親新設と、2009年にほとんどの重賞、2010年にクラシックが開放へ。でも段階踏む必要性もあんまり感じないけど... [続きを読む]

受信: 2008.11.24 01:48

« 新刊『落馬脳挫傷』 石山繁・見えざる障害と闘う日々 | トップページ | 外国人馬主を承認へ 外資呼び込み日本競馬再生を »