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2008.11.06

カジノドライヴ最下位の敗因? 導入進むオールウェザー

今週、アメリカは歴史的な大統領選に沸いたが、2日、競馬界でもあるレコードが生まれた。ケンタッキーで開催されたファシグティプトン・ノヴェンバーセールにおいて、繁殖牝馬ベターザンオナー(12歳)が1400万ドル(14億円)で落札されたのだ。ベターザンオナーはベルモントSを制したジャジル、ラグストゥリッチズを産んだ名牝で、カジノドライヴの母親でもある。ところで、少し前の話になるが、そのカジノドライヴが挑戦したブリーダーズカップ・クラシック(サンタアニタ)を振り返ってみたい。ステップレースとして選んだ条件戦を勝ったカジノドライヴは、未知の魅力と血統が期待されて4番人気に推された。しかし、レースはスタートからハナに立つ予想外の展開を強いられると、3コーナーではライバルたちに飲み込まれ、結局、最下位の12着という惨敗に終わった。ひょっとしたらと淡い期待を抱いていた日本のファンには実に残念な結果だった。

今年のブリーダーズカップで最も注目を集めたのは、ダート最強馬・カーリンのクラシック出走だった。去年、BCクラシックを勝ち、返す刀でドバイワールドカップも制したカーリンは、一度は凱旋門賞挑戦を表明した。だが、初芝となったマンノウォーSで2着に敗れたカーリンは、ロンシャンではなく、再びダート路線へ舞い戻ることにした。馬場適性を考慮しての判断だった。 BCクラシックでは連覇確実と見られ、圧倒的な1番人気を背負ったカーリン。ところが、直線は先頭に立つ場面もあったものの、伸び脚を欠いて4着に敗れてしまった。 1、2着はヨーロッパから遠征して来たレーヴンズパスヘンリーザナヴィゲーター。ともにマイルまでしか出走経験がなく、G1勝ちはあるものの格下馬との評価を受けていた。それだけにカーリンが良いところなく交わされ、芝のスペシャリストである欧州勢のワンツーフィニッシュは地元ファンには大きな衝撃を与えた。

レース後、カーリンの手綱を取ったアルバラードは「オールウェザーが得意ではなかった」と述べ、馬場が敗因であると指摘した。今回、BCクラシックが行われたのは、ここ数年、急速に広がりを見せている人工素材を用いたオールウェザー(全天候型)トラックだった。クッション性に優れていて事故が少ないと、アメリカではダートの代わりにオールウェザーを使うべきだとの議論がなされ、カリフォルニア州では大きな競馬場には設置が義務付けられて、サンタアニタでも導入が図られた。日本でも去年、オールウェザーの一種であるポリトラックのコースが美浦トレーニングセンターにお目見えしている。一口にオールウェザーと言っても、どのような素材を使うかはメーカーによって異なっている。以前、サンタアニタはクッショントラックを試したものの、豪雨にで開催中止に追い込まれることが何度も起きて、今年、オーストラリアのプロライド社製のものに切り替えた。まだオールウェザーは手探り状態だ。

ダートの代替手段として脚光を浴びたオールウェザーだが、表面は砂が撒かれているとは言え、まったく違った適性が必要なのではないかとの見方が強くなっている。カーリンの敗戦はそれを裏付ける結果にもなった、一方、欧州の芝中距離で無敵を誇ったデュークオブマーマレードも大敗しており、芝馬だから走るとも一概には言えないようだ。カジノドライヴ陣営もオールウェザーは合わなかったと見ており、それがJCダート参戦の動機にもなっている。山本オーナーは次回、渡米する際にはオールウェザーは使わず、ダートに絞って出走させると明言している。来年、BCクラシックは同じサンタアニタで行われるが、事前に適性を判断できない日本馬にとっては、オールウェザーへの遠征は難しいものになった。今後、オールウェザー導入を巡って、世界でどんな動きがあるのか、しばらく注視する必要がありそうだ。

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