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2008年11月の14件の記事

2008.11.30

ジャパンカップ予想 最後まで印に迷う歴史的メンバー

結論から書く。家を出なければならない時間まで、私はジャパンカップの予想を決めることができなかった。天皇賞秋で叩きあいを演じたウオッカとディープスカイ、その激戦を回避して力を温存したメイショウサムソン。いずれも東京2400という今回と同じ舞台で、最高のパフォーマンスを見せたダービー馬たちだから、優劣を決めるのは難しい。さらに菊花賞を勝って勢いに乗るオウケンブルースリ、距離が伸びてしぶとさを発揮するだろうアサクサキングスの2頭も例年なら充分、本命に値する実力を備えている。これら5頭を取捨選択し、どう馬券に反映させるか、本当に競馬は頭を悩ませるスポーツだ。メイショウサムソンは少し大切にしたい、今、決めているのはそこまでだ。

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2008.11.28

JC展望 三世代ダービー馬対決ともう一つのテーマ

高校1年生の私が初めて馬券を買ったのは、1989年のジャパンカップ。時代は競馬ブームの真っ只中にあった。訳も分からず、新聞と睨めっこして本命にしたのは前年の覇者、ペイザバトラー(米)。当時の馬柱を引っ張り出してみると、馬主は早田光一郎とある。ご存知のように、この年はイブンベイが驚異的なハイラップを刻み、女傑ホーリックス(NZ)と連闘策のオグリキャップが叩きあいを演じて、 2分22秒2という従来のレコードを2秒7も短縮するタイムで決着することになった。スーパークリークは4着、イナリワンは11着、ロジータは最下位15着。ド素人の青二才は世界レベルの高さに驚嘆し、日本勢が外国馬と互角に戦える日は来るのだろうかとハズレ馬券をじっと見つめたはずである。だが、その3年後、トウカイテイオーが感動的なJC父子制覇を成し遂げたのを境に、ホームの日本勢が絶対的有利な国際レースへと変わっていった。

東京競馬場で行われた過去10回、優勝馬8頭、連対馬17頭が日本馬である。その理由は日本馬のレベルアップにあることは間違いなく、喜ぶべきことではあるが、外国馬の走りに期待を馳せた高揚感がなくなったのは残念でもある。外国馬もチャンスは薄いと見て、去年、今年と来日したのは過去最少の4頭に留まっている。国際招待として華やかさがなくなったのは否めない。再来年、全重賞が外国馬に開放されることになるが、「世界に通用する強い馬づくり」を目指したJC創設時の役割は終えたのかもしれない。今年、海を渡ってきた4頭は言葉は悪いが二線級のメンバーだ。欧州勢はガリレオ産駒2頭とモンジュー産駒と、いずれもパワータイプのサドラーズウェルズ系が揃った。ペイパルブル(英)はチグハグな競馬で去年のJCは7着に敗れたが、地力を強化した今年はもう少しやれるか。馬場適性はありそうなミスプロ系マーシュサイド(米)は実績不足。

だが、外国馬の層が薄くとも嘆くことはない。今年のJCは「3世代ダービー馬の対決」という日本競馬史上初めての物語が実現することになるからだ。しかも舞台は東京2400であり、ダービー馬最強決定戦と言えるかもしれない。凱旋門賞後、帰国初戦となるメイショウサムソン、天皇賞秋の激闘を制したウオッカ、菊花賞をパスしてJCを最大の目標に仕上げられたディープスカイ。ダービーで燃え尽きてしまう馬も多い中、無事是名馬、この3頭はよく頑張ってくれている。メイショウサムソンは府中で、じっくりと調整をされてきた。去年は1番人気3着、石橋守の久々の手綱が見物だ。ウオッカは天皇賞秋の疲れを見せることなく、一週前から坂路で好時計を出している。取り消し後だった去年より状態は上で、ベストより少し長い距離の克服が鍵か。来年はエルコンドルパサーのような長期遠征を考えているディープスカイは、秋3走目でピークの状態。どれが頭に来ても驚かない。

ダービー馬対決の陰に隠れているが、菊花賞馬も2頭参戦する。アサクサキングスオウケンブルースリだ。両馬とも東京2400は前走より格段に適性があるコース替わりとなるが、とりわけジャングルポケット産駒のオウケンブルースリは歓迎のクチだろう。同馬自体は東京は初めてだが、父はダービー、ジャパンカップを制していて、持ち味の長い差し脚も活きるコースだ。かつて、「菊花賞は最強馬が勝つ」と言われたものだが、神戸新聞杯であしらわれたディープスカイ不在の菊では、勝っても世代チャンピオンとは認めてもらえない。その年のダービー馬が菊を使わず、天皇賞秋を選んだのはディープスカイが初めてで、いよいよ三冠ロードの権威崩壊かという声も聞かれた。もし、ディープスカイがJCを獲り、オウケンブルースリを完膚なきまま叩きのめすことになれば、将来、菊花賞のセントレジャー化を加速させた象徴的なレースということになるやもしれない。一方、オウケンブルースリが菊の威厳を誇示できれば、違う歴史が現れるかもしれない。そんな隠しテーマを想像して、JCを楽しむのも悪くない。

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2008.11.26

マイルCS回顧 及第点の騎乗では勝てぬG1の厳しさ

安田記念をウオッカ、スプリンターズSをスリープレスナイトが勝ったのに続いて、晩秋の短距離G1を制したのも牝馬、ブルーメンブラットだった。今年のマイルCSは前半も後半も46秒3という全く同じラップになったが、これは去年とほとんど同じ内容。どの馬も力を発揮できる一方で、極端な競馬をする馬には苦しい展開である。ブルーメンブラットは吉田豊が内々でロスなく折り合わせ、 4角でも前が開くと信じて内を突いた完璧な競馬。もちろん、前走でカワカミプリンセスを退けた充実度は目を見張るものがあったが、牡馬一線級を完封できたのは鞍上の腕によるところが大きい。ビシっとやっての10キロ増だそうだから、本当に調子も良いのだろう。キャロットクラブの所属馬で、来春以降は走れない規定があるため、 G1優勝を花道に繁殖入りするようだ。惜しい気もするが、亡き父、アドマイヤベガの血を次の世代へ繋いでほしい。

1番人気のスーパーホーネットは4分の3馬身届かず2着。外枠を引いて小細工のない競馬をする決心はついたようだったが、位置取りが後ろ過ぎた。 4角13番手から大外を回して直線一気。勝ち馬と同じ33秒9の脚を繰り出したが、最短距離から抜け出した相手は捕らえられなかった。一言で表せば「外を回して届かず」。かなり固くなっていたという藤岡佑介は及第点には達する競馬をしたと思うが、守りの姿勢が見えた分、勝ち切れないのがG1の厳しさなのだろう。次走の香港ではチャレンジャーの心構えで良い競馬をしてほしい。3着に高松宮記念馬、ファイングレイン。 NHKマイルで2着があるように距離は不安なかった。復調なった。4着は指定席なのかカンパニー。スタートして行き脚がつかない以上、G1では同じことの繰り返しか。カナダのラーイズアートニーはスピードについて行けず9着。今後も外国馬は勝てないのではないか。

先週は残念な事故も起きた。京都の新馬戦、1番人気セイウンアレースが故障を発症して競走中止。鞍上の武豊が投げ出され、後続の中村将、小原も巻き込まれて落馬した。武豊は右腕を骨折、小原は肝損傷、肺挫傷の怪我を負った。武豊が騎乗予定だったジャパンカップのメイショウサムソンは石橋守へ、JCDのヴァーミリアンは岩田へ、乗り替わりとなる。この時期に武豊の姿が消えるのは寂しいが、サムソンの鞍上に石橋が選ばれたのは不幸中の幸いだ。武豊はポルトフィーノに続いて2週連続の落馬。両レースとも不可抗力が原因でのものだけに、休んでリズムを取り戻してほしい。もう一つ、レベルは違うが、悲しい気持ちにさせられたのが、土曜深夜の競馬番組。お笑い芸人がジョキーマスターズの実況に挑戦する企画を偶然、目にしたが、佐々木竹見を「馴染みのない佐々木」と指し、「こいつが来ないからだよ」など、何度もコイツ呼ばわりしていた。バラエティと言えばそれまでだが、地方競馬の至宝である7000勝ジョッキー。テロップ一枚のフォローでも良いから、ほんの少し敬意を払ってもらいたかった。

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2008.11.23

マイルCS予想 開成調教師のスーパーホーネット信頼

今、栗東で最も勢いのあるトレーナーといえば、矢作芳人調教師ではないか。先週、JRA通算100勝を達成。開業から3年8ヶ月での達成は、森秀行師の3年9ヶ月を抜いて、現役の最速記録となる。矢作師が異色なのは、その経歴にある。父は大井競馬の調教師。生徒の半数は東大に合格する開成高校に進みながら、周囲の反対を押し切って競馬業界へ飛び込んだ。調教助手時代には優駿エッセイ賞次席を受賞した文筆家としての才能もある。若い頃のちょっとした喧嘩が原因か?、調教師試験を落とされること13回。ようやく念願の厩舎を持つと、独自の調教方針、経営理念、人心掌握術で、社台の馬がゼロというスタートだったのに、勝ち星を量産し続けている。興味のある方は、先月に出版された 『開成調教師』を読んでみてはいかがだろうか。穴馬が激走する秘密も書かれている。

矢作厩舎のイデオロギーの結晶とも言うべき馬が、マイルCSに出走するスーパーホーネットだ。地味なロドリゴデトリアーノ産駒でありながら、朝日杯FSで2着して注目を集めた。クラシックは体調管理がうまくいかず惨敗。それを糧にして馬を建て直し、去年はスワンSを勝ち、マイルCSでダイワメジャーの惜しい2着。今年も前走の毎日王冠でウオッカを差し切る大金星をあげた。出走馬のなかで、力が一枚上なのは間違いない。ファンとの交流を大切にしたいと、今月、開設された公式ブログでは「京都のマイルは枠の有利不利はありません」とあるように、マークされる立場を考えれば、外枠を引いたのも好都合。内で閉じ込められるよりずっと良い。唯一の不安は鞍上の藤岡佑介がG1初制覇を意識して、固くなりすぎていないかということ。だが、普通に回ってくれば連は外さない。試練を乗り越えて矢作厩舎にビッグタイトルをもたらしてほしい。

◎スーパーホーネット ○カンパニー ▲ローレルゲレイロ
△ブルーメンブラット、ファイングレイン、エイシンドーバー、ショウナンアルバ

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2008.11.20

外国人馬主を承認へ 外資呼び込み日本競馬再生を

18日、JRAの来年度の事業計画と収支予算が経営委員会で議決され、原案通り承認された。これによると、来年度から2年の間に全ての平地重賞レースが国際競走とされ、日本ダービーを含むクラシックレースにも外国調教馬の出走が可能となる。去年、国際ランクでJRA悲願のパートⅠ国に昇格した日本。ところが、国内馬だけのレースでは国際統一表記でグレードを表す"G"を使ってはならないと思わぬ指摘を受け、権威あるクラシックに"Jpn1"という馴染みない格付けをせざるを得なくなっていた。そのため、"Jpn"は"ジー"と読めなどという解決案をひねり出したのは、冗談でも笑えなかった。それも2年後には胸を張って"グレード1"と呼べるようになる。それはさておき、3年前まで22だった国際競走を段階的に全重賞まで広げられたのは、「開放しても外国馬は脅威にならない」ことを生産者団体に理解させてきた、 JRAの慎重な国際化計画の産物である。93年、安田記念を国際競走としてから、 17年もの歳月を経て成し遂げたことになる。

今回、もう一つ、国際化へ大きな一歩を踏み出したとされるのが、国内非居住者、いわゆる外国人馬主の馬主登録を承認することだ。この問題は生産者や既存の馬主が強く反対しており、長らくの懸案とされてきた。外資が参入すればJRAの高額賞金は海外へ持ち去られ、国内の馬産は立ち行かなくなるという脅威論だ。過去、日高で生産活動を始めている日本法人であるダーレー・ジャパン・ファーム(DJF)の馬主申請に横槍が入り、財務状況を理由に却下されたのは大きな話題になった(翌年、認可。その後、ダーレー内部の問題で取り下げ)。現役外国馬導入を発表した大井にJBC中止も辞さずと抗議活動が行われたこともあった。JRAは国際機関から外国人馬主問題の解決を要求され、生産者、馬主団体との板ばさみにあって身動きが取れない状態だったが、いずれ環境が整えば外国人馬主を認可する方針は固まっていたように思える。今回、JRAは認可するのに厳しい条件をつけることで、生産者団体の同意も取り付けた。それは、①登録形態は個人馬主のみ、②内国産馬5頭の所有に対して1頭の外国産馬を認める、としたことだ。これらの条件はほとんどの外国人馬主を門前払いするもので、しばらくは高い障壁を乗り越えて参入してくるのは片手で数える程度の世界的な大馬主だけかもしれない。

一方でJRAは3年を目処にして規定の見直しにも言及しており、条件が緩和されていくのは必然のようだ。国内の馬主数はピーク時の4分の3に減少し、生産頭数も7000頭まで落ち込んでいる。喉から手が出るほど欲しいのは内国産馬を買ってくれる金持ちである。外国産馬を持ち込みたいなら、複数の内国産馬を買ってくれというルールは身勝手にも思えるが、一部の大馬主が乗ってくれるなら、馬産地としても折り合いをつけられるものではないのではないか。 外国人馬主第一号の最有力候補であるマクトゥーム一族は、その傘下のダーレー・ジャパンが西山牧場の施設を買収するなど、日本での拠点づくりを緩めることなく進めている。外国人馬主認可は馬産地への資本投下も加速させるだろう。今年、ウオッカの1歳になる全妹はダーレー・ジャパンが落札したが、外国人が生産牧場を持ち、あるいは日高の馬を購入することも当たり前の時代が来る。鎖国論が遺物になった今、馬産地に外資を積極的に呼び込み、共存することが繁栄の道なのだろう。求められるのは、そのための仕組みづくりであり、守るべきものがあるなら何かという議論だ。短いモラトリアムの間に、どうすれば外資を有効活用できるのか、競馬界全体が模索する必要がある。悲観的になることなく、緩やかな開国が日本競馬に活気をもたらすと信じたい。

>>本邦外居住者の馬主登録について(JRA)
>>2009年度競馬番組等について

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2008.11.18

エ女王杯回顧 ポルトフィーノがカラ馬で差しきり勝ち?

本来ならレース回顧というのは、勝ち馬か、1番人気馬を中心にすべきものかもしれない。だが、今年のエリザベス女王杯は間違いなく、リトルアマポーラでもカワカミプリンセスでもなく、ポルトフィーノという馬を語り継ぐレースになるだろう。ゲートで大きく躓いた同馬から、たまらず武豊が転げ落ちる。それから騎手を失ったポルトフィーノは自動運転、自らの意思で走ることになった。内へ大きく切れ込みながら1コーナーで先頭に立つと、馬群を6馬身ほど離して大逃げ。後続の騎手は集中力を乱されただろう。さすがに4コーナーでは大きく外へ逸走したものの、一転、直線では最後の攻防を繰り広げる馬群へ突進。先頭を行くカワカミプリンセスやリトルアマポーラの進路を横切りながら、ゴール板を駆け抜けた。それがテレビ中継では、外から鮮やかに勝ち馬を差しきっているかに見えるのは芸術的ですらあった。 G1史上初、カラ馬の1位入線である。記録に残らずともファンの記憶には刻まれた。

カラ馬の動きは予測することが難しく、レース中に事故が起きなかったのは安堵した。全周パトロールを見れば分かるが、直線など上位入線馬と接触しても不思議ない。落馬した武豊も両肩打撲で済み、大きなケガ人が出なかったのは幸いだった。それにしても、ポルトフィーノという馬は騒動を引き起こす天性の何かがあるのだろうか。良血エアグルーヴの仔として注目されたが、桜花賞はハ行で出走取消し、オークスは骨折で回避。秋華賞は19番目の出走順で除外、小島茂之師のブログが炎上するプロヴィナージュ騒動の渦中にいた。カラ馬が1位入線したレースとしては、ギャロップダイナの札幌日経賞、ワイドバトルの京阪杯が思い出されるが、両馬とも直線入り口では先頭に立って押し切る展開だった。差しきるのはより珍しい。カラ馬で勝ってしまう?馬は闘争本能に優れているのか、その後、ギャロップダイナはシンボリルドルフを負かして天皇賞秋を勝ち、ワイドバトルもオープン特別を2勝している。ポルトフィーノも期待大か。

勝ったリトルアマポーラは春からG1級の素質があると見込まれてきたが、不完全燃焼の敗戦を重ねてきた。乗り替わったルメールが、これまでの競馬とは打って変わった先行力で能力を出し切った。まさに有馬記念を制したハーツクライを再現するかのレース。素晴らしい腕だ。 2着に単勝1.8倍まで人気を集めたカワカミプリンセス。理想的なレースだったと思うが、勝ち馬をまったく捕らえられなかったのは全盛時より力が落ちているからか。横山典の2ゲッターぶりは健在だった。3着にベッラレイア。8番手からの競馬だったが、前にいる馬が残る展開ではここまで。自力でレースをつくれない弱さに殻を打ち破れなかった。4着にマイネレーツェルが入ったが、3歳世代も言われているほどレベル差はないことが証明された。馬券は久しぶりに単、馬連、3連単を総取り。ポルトフィーノが騎手を乗せていたら、ハズレだったかもしれない。

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2008.11.17

新刊『落馬脳挫傷』 石山繁・見えざる障害と闘う日々

高次脳機能障害という病を聞いたことがあるだろうか。つい10年ほど前までは厚生労働省も障害として認めず、医療機関を訪ねても原因は分からないとたらいまわしにされた”見えざる障害”。高次脳とは記憶力、思考力、感情抑制力、言語能力など、人間を人間足らしめている知的な機能をつかさどる部分。交通事故や脳卒中などで高次脳が強い損傷を受けると、健康な身体に戻ったように見えても、日常の出来事が記憶できなくなったり、感情を抑えることができなくて暴力を振るったりと、まるで別人のように変わってしまうことがある。救急医療の発達で救われる命が増えるに伴い、顕在化してきた新しい障害だ。以前、あるきっかけで、私は患者や家族たちと接する機会を得たが、その日々は筆舌に尽くしがたい困難なものばかりだった。

栗東・浜田光正厩舎に所属する石山繁も、高次脳機能障害と闘うひとりだ。サイコーキララの主戦といえば、ピンと来るファンも多いかもしれない。事故が起きたのは2007年2月24日。障害レースに騎乗した石山は、1周目の着地時に落馬して右側頭部を強打。脳挫傷と診断された。病院への搬送中、すでに意識はなくイビキをかく危険な状態だった。生死の境をさまよう日々、「手を握り返して」との呼びかけに応えたのは事故から19日目。だが、高度な治療のおかげで、一命を取り留めてICUから出たものの、落馬前の石山には戻らない。先月、出版された 『落馬脳挫傷 ~破壊された脳との闘いの記録~』 は、石山の妻・衣織さんがリハビリと呼ぶにはあまりに壮絶な日々と家族の絆を綴ったノンフィクション。通常の競馬本とは一線を画す。

そこにいるのは石山繁であって石山繁ではない、別の人物だった。言葉、行動-明らかに事故前のシゲルではない。…シゲルは誰のこともまったく覚えていない。会う人、会う人すべて、カサハラサンとしか呼ばないのだ。…記憶喚起を促すリハビリの一環として、競馬のムチを渡した。すると、クルクルと上手に回すではないか。驚きと同時に、「シゲルの体は自分が騎手であることを覚えていたんだ」と喜びを感じる。その次の瞬間…「みてください、カサハラサン!」…頭と体がまったく別人なのだ。これ以上、どう接していいのかが分からない。

命が助かった喜びが、深い悲しみに転じるのに時間はかからない。高次脳機能障害の大変さは体の機能が回復した後にある。石山も体が動くようになった一方で、怒りを爆発させ手がつけられないほど暴れる。介護を続ける家族の絶望感が深くなっていったのも当然だ。「頑張ればシゲルは治るんですか? 元通りに戻りますか? …すべてをおいて、どっかに逃げたいよ!」優しい性格は一変し、ふたりの幼い子どもにも手を上げる。子どもは何故、叩かれるのか理解できない。「シゲルは謝る。しかし、反省したことを一瞬にして忘れる。いったい、1日にどれくらいどうでもいいことで怒っているのか? …『なんでさっき怒ってたん?』と尋ねても、『・・・?』ということになる」。意外にも衣織さんを支えたのは、その子どもたちだった。怖がって避けるどころか、素直に今の石山を受け入れようとする姿。ただ父親を慕う純粋さが発揮する、力の大きさを感じさせる。

子供たちに助けてもらいながら、犬の散歩に行くトレーニングを始めた。… 次は自動販売機まで行って子供とジュースの買い物。お金を渡す際、計算させるためにわざと1円玉や5円玉を混ぜた。…子供たちは途中で怒られたり、ビックリしたことを私に伝えてくれる。泣きながら帰ってくることもたびたびあった。だけどレイとリサは、次の日も次の日も喜んでついていった。「シゲちゃん、今日は怒らなくて偉かったよ~」

家族の献身的働きとリハビリの甲斐あって、少しずつ石山はかつての自分を取り戻していく。自分の名前を認識できるようになり、他人と意思疎通ができるようにもなった。私が驚かされたのは、栗東トレセンに赴いたときのエピソードだ。事故にあう1、2年前の記憶をすっかり失った石山が、 1頭の馬のことだけは覚えていたという。重賞・小倉サマージャンプをプレゼントしてくれたフミノトキメキだ。騎手としての栄光を石山は忘れていなかったのだ。競馬への強い思い、それが障害を超越する力になってくれればと願う。事故から2年弱過ぎた今も、石山と家族の闘いは続いている。記憶力は充分に回復せず、視力も元には戻っていない。だが、現役騎手として名を連ねる石山には、もう一度、ターフを駆けたいという葛藤もあるように思える。ゆっくりでいい。馬の背にいなくてもいい。いつかファンの前に笑顔を見せてくれる日を楽しみにしよう。

この本は石山の近しい先輩だった藤田伸二が衣織さんを口説いて出版にこぎつけたものだそうだ。男・藤田の功績にも感謝したい。ファンがエキサイティングなレースを楽しむ陰には、「きょうも無事に帰ってきて」と祈る騎手の家族がいる。ちょっとした想像力を働かせれば、冗談でも「落ちろ」などという野次は飛ばせなくなるはずだ。また、高次脳機能障害になる多くの原因は交通事故の脳外傷か、脳出血などによるもの。特殊な職業の人々に限った話ではなく、誰にでも起こりうる障害だということも心に留めて読んでほしい。各地に家族会が誕生してはいるが、外見からは分からない障害のため、誤解や偏見に苦しんでいる患者も多い。この一冊は高次脳機能障害への社会の理解を広める一助にもなるのではないか。

>>華麗なジャンプを再び 石山繁の快復を祈る(2007.3)
>>NPO法人 日本脳外傷友の会(患者団体)

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2008.11.16

エ女王杯予想 2年前の雪辱果たすカワカミプリンセス

昨日、テニスの全日本選手権、女子シングルスでクルム伊達公子選手が 16年ぶり3回目の優勝を果たした。伊達は38歳、12年間のブランクを克服しての女王戴冠は本当に素晴らしい。翻って、きょうのエリザベス女王杯、伊達と似た境遇の馬と言えば、カワカミプリンセスをおいて他にあるまい。3歳時、無敗でオークス、秋華賞を制し、エリザベス女王杯も1着でゴールしたはずだった。ところが、無念の降着。それから勝利から見放された長く苦しいときがやってきた。それでも、去年の宝塚記念は見せ場をつくってウオッカに先着。今年の金鯱賞でも宝塚記念を勝つエイシンデピュティにコンマ2秒差と力のあるところを誇示してきた。前走の府中牝馬Sは太め残りでキレを欠き、最後はブルーメンブラッドに差されたものの、休養明けとしては充分な及第点が与えられるものだった。京都競馬場、気になっていた雨も落ちてくることはないようで、圧倒的な1番人気を背負うが、2年前の雪辱を晴らしてくれるだろう。対抗はベッラレイア。良馬場で能力全開。ルメールのリトルアマポーラに一発の気配。

◎カワカミプリンセス ○ベッラレイア ▲リトルアマポーラ
△エフティマイア、アスクデピュティ、ポルトフィーノ、ムードインディゴ

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2008.11.15

エ女王杯 重馬場で急浮上する”あの騎手”の逃げ馬

ウオッカ、ダイワスカーレットという希代の名牝の姿のない牝馬ナンバーワン決定戦となったエリザベス女王杯。とはいえ、一昨年の幻の優勝馬・ワカミプリンセスの雪辱なるか、秋華賞を除外されたポルトフィーノの挑戦、高レベル・ザルカヴァ世代の来日など、話題に事欠くことはない。ところで、今年のレースを左右しそうなのが天気。日曜日の京都は降水確率60%との予報。土曜日も朝から崩れそうな気配で、ひょっとすると重馬場ということも考えられる。人気馬の中で最も影響を受けそうなのがベッラレイアだ。切れ味勝負の差し馬で平坦の京都は合うはずだが、今春のマーメイドSでは道悪が原因で敗退。陣営の「てるてる坊主吊るして祈るよ」(花岡貴子 調教師(センセー)教えてっ!)は本音だろう。ナリタトップロード産駒だけに、個人的には応援する気持ちで一杯なのだが。

逆に雨は降れるだけ降ってくれと祈る陣営もある。新人・三浦皇成が乗るビエンナーレ。前走の札幌日経オープン(芝2600)では騎手の好判断からハナを奪うと、そのまま逃げ切り勝ちを収めた。コンマ4秒差の2着は先週のアルゼンチン共和国杯を勝ったスクリーンヒーローだから、負かした相手は強い。この時は中盤で13秒1、13秒3、12秒9と息を抜き、終盤は11秒8、11秒7、11秒6、12秒2と加速して後続の追撃を封じ込めた。新人とは思えない妙技に恐れ入る。G1で同様の緩いラップを中盤でつくることは難しいだろうが、馬場が悪化すれば状況は一変する。重・不良の成績は【1100】。1着は500万平場のものだが、相手はア共和国杯2着のジャガーメイル。とにかく、時計がかかって、自分の競馬ができた時には無類の強さを発揮するタイプだ。ビエンナーレは2週間前から栗東入りして、今週は三浦が駆けつけて追い切りを行った。単騎で行ければ侮れない。

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2008.11.13

西山牧場がダーレーに売却 経営方針転換も再建ならず

12日、スポーツ報知が伝えたところによると、名門ファームである西山牧場がダーレージャパンファームに売却されていたことが明らかになった。売却されたのは牧場の400ヘクタールの土地や厩舎などの建物で、種牡馬や繁殖牝馬、生産馬は含まれていない。ニシノフラワーやテキスタイル(レイルリンクの姉)などの繁殖牝馬は他の牧場に預託して生産は続けられるようだが、生産者として西山牧場の名は消える。今後、ダーレージャパンは旧・西山牧場の土地に新しく施設を建て直して、日本の競馬界進出の機会を伺うことになる。2代目オーナーの西山茂行氏は歯に衣着せぬ主張で、既存馬主の利益や馬産地保護を訴えてきた。それだけに、馬産地の保守本流とも言える西山牧場が、外資であるダーレージャパンに売却されるのは実に皮肉に思える。

1966年に先代の正行氏が開設した西山牧場は、 1973年には社台ファームの牙城を崩してリーディングブリーダーのトップを獲得。最盛期は年間200頭を生産する国内最大の生産牧場に上り詰め、以後も打倒社台をめざして、積極的な投資を行ってきた。ニシノフラワー、セイウンスカイとクラシックホースも輩出。90年代前半はリーディングブリーダー2位、3位が指定席で、メジロ、シンボリらと鎬を削っていた。西山牧場の経営母体は株式会社・西山興業。関東のホテル、リゾート施設、レストラン、ゴルフ場から不動産賃貸まで幅広く手がけている。2年前には南房総で5つのリゾート施設を持つ「オーシャンヴェールリゾート」の運営も始め、他の事業は順風のように見える。一方、1994年には正行氏が東京国税局から個人所得22億円の申告漏れを指摘されるなど(修正申告済み)、陰を感じさせる部分もあった。

西山牧場の大きな痛手のひとつとなったのは種牡馬事業の失敗だろう。スターアッフェアー、シェルシュールドール、シャンペンチャーリー、マラキム、ケラチ…。どれも一癖ある血統で成功すれば面白いのだろうが、ほとんど産駒は期待に応えられなかった。セイウンスカイを出したシェリフズスターも、それまで種付けした200頭の仔が散々の成績で、息子が活躍する頃には廃用となっていた悲しき運命(草競馬の調教中に事故死)。既にそのセイウンスカイも種牡馬失格の烙印を押されてしまった。90年代後半からは少数精鋭主義へ方針転換して繁殖を整理し、自家種牡馬にこだわることもやめたが、経営再建はかなわなかった。良くも悪くも個性的だった西山牧場。育成センターなどは事業を継続するようなので、西山血統の再起に期待したい。

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2008.11.06

カジノドライヴ最下位の敗因? 導入進むオールウェザー

今週、アメリカは歴史的な大統領選に沸いたが、2日、競馬界でもあるレコードが生まれた。ケンタッキーで開催されたファシグティプトン・ノヴェンバーセールにおいて、繁殖牝馬ベターザンオナー(12歳)が1400万ドル(14億円)で落札されたのだ。ベターザンオナーはベルモントSを制したジャジル、ラグストゥリッチズを産んだ名牝で、カジノドライヴの母親でもある。ところで、少し前の話になるが、そのカジノドライヴが挑戦したブリーダーズカップ・クラシック(サンタアニタ)を振り返ってみたい。ステップレースとして選んだ条件戦を勝ったカジノドライヴは、未知の魅力と血統が期待されて4番人気に推された。しかし、レースはスタートからハナに立つ予想外の展開を強いられると、3コーナーではライバルたちに飲み込まれ、結局、最下位の12着という惨敗に終わった。ひょっとしたらと淡い期待を抱いていた日本のファンには実に残念な結果だった。

今年のブリーダーズカップで最も注目を集めたのは、ダート最強馬・カーリンのクラシック出走だった。去年、BCクラシックを勝ち、返す刀でドバイワールドカップも制したカーリンは、一度は凱旋門賞挑戦を表明した。だが、初芝となったマンノウォーSで2着に敗れたカーリンは、ロンシャンではなく、再びダート路線へ舞い戻ることにした。馬場適性を考慮しての判断だった。 BCクラシックでは連覇確実と見られ、圧倒的な1番人気を背負ったカーリン。ところが、直線は先頭に立つ場面もあったものの、伸び脚を欠いて4着に敗れてしまった。 1、2着はヨーロッパから遠征して来たレーヴンズパスヘンリーザナヴィゲーター。ともにマイルまでしか出走経験がなく、G1勝ちはあるものの格下馬との評価を受けていた。それだけにカーリンが良いところなく交わされ、芝のスペシャリストである欧州勢のワンツーフィニッシュは地元ファンには大きな衝撃を与えた。

レース後、カーリンの手綱を取ったアルバラードは「オールウェザーが得意ではなかった」と述べ、馬場が敗因であると指摘した。今回、BCクラシックが行われたのは、ここ数年、急速に広がりを見せている人工素材を用いたオールウェザー(全天候型)トラックだった。クッション性に優れていて事故が少ないと、アメリカではダートの代わりにオールウェザーを使うべきだとの議論がなされ、カリフォルニア州では大きな競馬場には設置が義務付けられて、サンタアニタでも導入が図られた。日本でも去年、オールウェザーの一種であるポリトラックのコースが美浦トレーニングセンターにお目見えしている。一口にオールウェザーと言っても、どのような素材を使うかはメーカーによって異なっている。以前、サンタアニタはクッショントラックを試したものの、豪雨にで開催中止に追い込まれることが何度も起きて、今年、オーストラリアのプロライド社製のものに切り替えた。まだオールウェザーは手探り状態だ。

ダートの代替手段として脚光を浴びたオールウェザーだが、表面は砂が撒かれているとは言え、まったく違った適性が必要なのではないかとの見方が強くなっている。カーリンの敗戦はそれを裏付ける結果にもなった、一方、欧州の芝中距離で無敵を誇ったデュークオブマーマレードも大敗しており、芝馬だから走るとも一概には言えないようだ。カジノドライヴ陣営もオールウェザーは合わなかったと見ており、それがJCダート参戦の動機にもなっている。山本オーナーは次回、渡米する際にはオールウェザーは使わず、ダートに絞って出走させると明言している。来年、BCクラシックは同じサンタアニタで行われるが、事前に適性を判断できない日本馬にとっては、オールウェザーへの遠征は難しいものになった。今後、オールウェザー導入を巡って、世界でどんな動きがあるのか、しばらく注視する必要がありそうだ。

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2008.11.04

天皇賞秋回顧 2頭の名牝が死力尽くした歴史的勝負

恐らく今年のベストバウトになったであろう天皇賞秋。いや、競馬史上、屈指の名勝負として語り継がれるのは間違いない。現役最強の牝馬2頭が死力を尽くして闘い、わずか2センチ差の接戦を演じたのだから。レースは逃げたダイワスカーレットが最後までハイラップを刻んだ結果、驚異的なレコードで決着した。ハロンごとのタイムは「12.6-11.1-11.5-11.9-11.6-11.6-11.7-11.3-11.3-12.6」。最初と最後以外、すべて11秒台。勝ちタイムは1分57秒2。前半を58秒7で通過しながら、後半はそれを上回る58秒5でまとめたのだから、まったく恐れ入る。もちろん、ダイワスカーレットとしては、道中でラップを緩めたいところだったが、ウオッカと同厩のトーセンキャプテンに後ろからつつかれて、思うようにさせてもらえなかった。それでもゴールまで根を上げずに走りきったのは、身体能力だけでなく、精神面の強さが秀でていたからだろう。

勝ったウオッカディープスカイを内に見ながら、7番手からの競馬。結果的には最高の位置取りだった。速い流れになったことで、折り合いの心配が消えた。4角では少し外に振られたが、ディープスカイと馬体を併せて満を持して追い出した。最後はウオッカ自身も脚があがるほどのタフな競馬になったが、ディープスカイを競り落とし、ダイワスカーレットより先に出ていたのは、体調面の良さからだ。検量室前では1着の枠馬にダイワスカーレットが入り、関係者が喜びの表情を見せていたが、確かにフジテレビの中継だけ見ていると、ウオッカが遅れているように見えた。武豊自身「つとめて平静を装って、2着の枠場に入りましたが、内心は愕然としていました」と述べているほど。内外、離れていたこともあり、15分間に及ぶ長い写真判定が行われ、みんなのケイバの放送時間内に確定はなされなかった。軍配はウオッカ。JRA重賞の連敗を34で止めた武豊は苦しいシーズンだっただけに、今回の盾は格別なものになったに違いない。

次走、ウオッカはジャパンカップへ、ダイワスカーレットは有馬記念へ向かう。来春はともにドバイを視野に入れて現役を続行することが明らかになっているが、ウオッカ陣営にとっては、もう再戦はしたくないかもしれない。それほどダイワスカーレットの走りは空恐ろしいものがあった。休養明けを厭わず、エリザベス女王杯でなく天皇賞秋に参戦した松田国師らには素晴らしいレースを見せてくれたことに御礼申し上げたい。ディープスカイも非凡な能力を証明した。2番枠を意識して、普段より前目につけたのが脚を鈍らせることになったかもしれないが、脚質に幅が得られたのは大きな収穫だ。当初から最大の目標としているジャパンカップで、ウオッカを逆転できるか、非常に楽しみだ。 4着以下の馬たちも最大限の能力を発揮した。マイルCSでは中心になってくるはず。少し期待したアサクサキングスは8着。距離が伸びれば、もう少しやれそうだ。あとは厳しいレースだっただけに、全馬、無事に次のレースへ駒を進めてくれることを祈りたい。

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2008.11.03

ダートの祭典・JBC予想 園田は徹夜組も出る盛り上がり 

徹夜組も出たほど盛り上がりをみせている園田JBC。前日の天皇賞同様、すばらしいレースが見られると良い。まずはJBCスプリント。断然の人気を集めているのは、前走でG1・7勝目をあげたブルーコンコルド。もちろん、強いのは分かっているが、小回り園田と若い世代の台頭を期待して、スマートファルコンに本命を打ちたい。鞍上は園田が育てた岩田康。先手を取って、そのまま粘りこむシーンをイメージしよう。前走、三浦皇成に69勝目をプレゼントしたバンブーエールが3番手。地方勢はディフェンディングチャンピオンのフジノウェーブが最有力だが、 3連単のヒモまでか。JBCクラシックはヴァーミリアンサクセスブロッケンの一騎打ちの様相。ドバイWCで思わぬ大敗を喫して以来となるヴァーミリアンと対照的に、サクセスブロッケンはジャパンダートダービーを勝って以来のレース。順調さならサクセス、経験ならヴァーミリアン。最大の目標はJCDと見ると、印はサクセスを上位に。この二強に続くのがボンビネルレコードフリオーソだが、脚質的に2着に割ってはいるならフリオーソ、3着に入る可能性が高いのはボンビネル。この辺りを勘案して、3連単の買い目を決めたい。

JBCスプリント
◎スマートファルコン ○ブルーコンコルド ▲バンブーエール
△フジノウェーブ

JBCクラシック
◎サクセスブロッケン ○ヴァーミリアン ▲フリオーソ
△ボンビネルレコード、フィールドルージュ

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2008.11.02

天皇賞秋予想 ウオッカ、ダービーの栄光ふたたび

考えれば考えるほど、1番人気ウオッカにとって競馬はやりづらい。前にいるダイワスカーレット、後ろに控えるディープスカイ。歴史に残る実績を持つ両馬だが、今回は休養明け、古馬初対決というハンデを持っている。それだけに両馬は取りこぼす余裕がある。一方、前哨戦を使って万全の体勢で挑むウオッカにとって、ここは負けられない闘い。馬も鞍上も苦しかろう。だが、受けて立つ厳しさを乗り越えてこそ、真の王者となれる。今回、ウオッカは逃げも追い込みもしない。王道の競馬をするだろう。府中は64年ぶりに牝馬としてダービーを制したコース。もう一度、あの栄光を同じ舞台で輝かす。相手はダイワスカーレットが第一だが、単穴にはダービーの再現、アサクサキングスをあげる。最内枠を引いてロスなく先手を取れる展開。いずれにしろ、この2頭を交わすことがウオッカの至上命題だ。

◎ウオッカ ○ダイワスカーレット ▲アサクサキングス
△ディープスカイ、ドリームジャーニー、タスカータソルテ

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