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2008年10月の14件の記事

2008.10.31

前門の虎、後門の狼 ウオッカを悩ます2頭ライバル

今年の天皇賞秋は本当に楽しみなメンバーが揃った。なかでも話題の軸になるのはウオッカだろう。ひとつの見所は宿命のライバル、ダイワスカーレットとの牝馬頂上決戦。チューリップ賞こそウオッカが力でねじ伏せたものの、桜花賞、秋華賞と先行力とスピードに秀でたダイワスカーレットの前に後塵を拝してきた。今春、雪辱を誓ったウオッカは安田記念で岩田を鞍上に迎え、あっと驚く先行策でダービー以来の勝利をもぎ取った。だが、そこに大阪杯で戦線離脱したダイワスカーレットの姿はなかった。秋華賞はウオッカが休養明けだったが、天皇賞秋は立場が逆。舞台もウオッカが得意としてきた府中で、もしダイワスカーレットが勝利するようなら、歴史的評価は後者に軍配があがることになろう。ウオッカは負けられない。

もう一つの見所はダービー馬対決。神戸新聞杯を快勝しながら菊を回避、古馬との対決を選んだディープスカイとの対戦だ。菊花賞を快勝したオウケンブルースリを軽く捻った前走は、世代トップの実力を改めて見せつけたものだった。 3歳馬の優勝はバブルガムフェロー、シンボリクリスエスの2頭がいるが、ダービー馬の参戦は初めてとなる。力関係ではタダもらい同然とも言われた菊花賞を捨ててこちらに狙いを定めたのは、距離の不安というより古馬相手でも勝てるという自信の現れだろう。トライアルを勝ったダービー馬が菊をパスする前例をつくったディープスカイ。天皇賞を勝てば、菊花賞の重みは失われ、セントレジャー化していくのかもしれない。三冠ロードにも影響を与える一戦か。また、ウオッカを降ろされた四位が鞍上というのも、因縁があって面白い。

肝心のウオッカの状態だが、武豊公式サイトで「文句のつけようのないデキ」と手放しで誉めている。だが、毎日王冠ではハナを切らせる奇策だっただけに本番での乗り方は難しい。ああした競馬をした馬が、スンナリと中団で折り合いをつけることができるのか。スタートからダイワスカーレットとのマッチレースになるようなら面白いが、それで利するのは後方待機のディープスカイ。どう前門の虎、後門の狼と闘うのか。腕の見せ所である。ところで、今年もリーディングジョッキーを独走している武豊だが、G1はフェブラリーS勝ちだけで、重賞も3月のファルコンSを勝って以来、何と34連敗中(交流重賞を除く)。11度の1番人気を裏切っている。先週、新人最多勝記録を更新した三浦皇成に「70勝目がローカルの土曜1Rというのは華が足りません」と発破をかけた武豊。そろそろ後輩に格好良いシーンを見せたいところだ。

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2008.10.27

凱旋門賞グッズプレゼント 日頃のご愛顧に感謝

※応募は〆切ました。当選者の方にはメールでお知らせ申し上げます。たくさんのご応募、ありがとうございました。

大変にお待たせしました! (誰も待ってないか) 凱旋門賞グッズのプレゼントのお知らせです。荷物になるので旅先から送付したのですが、ようやく到着しました。日頃、ご贔屓いただいている読者の方々に、心ばかりですが、ロンシャンで買ってきた粗品を進呈したいと願っております。今年の凱旋門賞のロゴが入ったものばかり。それぞれ、Tシャツ、キャップは1名様、ネックストラップは5名様、ペンは2名様に!ご希望の方はメールで「凱旋門賞グッズ」とタイトルをつけて、希望の品とハンドル名、お持ちの方はブログ名を書いてご応募ください。当選された方にはご返信しますので、その時点で郵便物が届く住所と名前をお知らせください。ブログの感想など、併せていただけると喜びます。〆切は11月5日とさせていただきます。

当選は発送を持って代えさせていただきます

     フリーメール以外でお送りください。

※一部のグッズに人気が集中しております。もし、第2、第3希望があれば、お書き添えください。

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2008.10.26

菊花賞予想 ダービー2着馬の底力・スマイルジャック!

世代トップのディープスカイ、ブラックシェルらが回避したことで、混戦となった菊花賞。三千メートルの距離をどう乗りこなすのか、展開を活かせる脚質と騎手の技量が問われることになりそうだ。先行力あるダービー2着馬、スマイルジャックを中心に据えたい。一叩きされてガラリと変わるタイプ。タニノギムレット×サンデーの底力ある配合。ベテラン小牧の手綱も信頼できる。

◎スマイルジャック ○オウケンブルースリ ▲マイネルチャールズ
△ナムラエクセレント、スマートギア、ベンチャーナイン、ダイワワイルドボア

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2008.10.24

3戦3勝カジノドライヴ BCクラシックで頂点に挑む

日本時間、26日(日)朝7時45分、日本のカジノドライヴが出走する米G1・ブリーダーズカップクラシックが行われる。カジノドライヴは半兄にベルモントS勝ち馬のジャジル、半姉に同じくベルモントS、ケンタッキーオークス勝ち馬のラグズトゥリッチズがいる超良血馬だ。今年2月に京都で新馬戦を大差勝ちすると、国内のレースには見向きもせずに渡米。期待通り、5月のピーターパンSを快勝したものの、ベルモントS直前に挫石が見つかって出走回避を余儀なくされた。兄姉弟のベルモントS三連覇の記録はならなかったが、今秋、管理する藤沢和雄師はBCクラシックで雪辱を果たすことを決断。世界最高峰の舞台へ駒を進めることにした。

最大の焦点は馬場にある。芝でもダートでもない、オールウェザーという新しい馬場で施行されるのだ。オールウェザーはクッション性が良く、水はけにも優れた人工素材でできており、欧米を中心に導入する競馬場が増えている。日本でも美浦トレセンでオールウェザーのひとつである、ニューポリトラックの調教コースが去年、完成している。カジノドライヴは12日、本番と同じサンタアニタパーク競馬場のオールウェザーで行われた条件戦を楽勝しており、馬場に戸惑う心配はなさそうだ。オールウェザーはダートより芝に近いとも言われ、初体験となるダートチャンピオン・カーリン(去年の覇者・ドバイWC勝ち馬)がどんなレースを見せてくれるのかも楽しみだ。

今年、BCクラシックにはデュークオブマーマレードら、欧州勢が3頭出走する。デュークオブマーマレードは先の凱旋門賞では重い馬場と長い距離に苦しめられて惨敗したが、2000メートルの適距離に戻る今回は本来の強さが発揮できるのではないだろうか。枠順が発表されている。カジノドライヴは2番枠、デュークオブマーマレードは4番枠、カーリンは9番枠に入った。カジノドライヴは一部では「追い切りせず本番へ」と報じられたが、速い時計ではなかったもののオールウェザーで5ハロン70秒程度の最終追い切りをこなしており、イレギュラーな過程もなく順調に仕上げられたとみて良いようだ。カジノドライヴは4番人気程度。内枠と持ち前の先行力を生かした思い切った競馬を期待したい。

>>第25回 ブリーダーズカップクラシック(JRA)

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2008.10.21

秋華賞回顧 ネット批判を跳ね返す小島茂厩舎の大激走

競馬は何が起きるか分からない。今年の秋華賞は改めて当たり前のことを認識させられたレースだった。そして、主役となったのは馬というより、厩舎ではなかったか。勝ち馬ブラックエンブレムと3着プロヴィナージュを管理していた小島茂之厩舎だ。成績だけではない。「回避決定」と報じられてしまったプロヴィナージュ参戦でポルトフィーノが除外になったこと巡り、心ないファンの中傷がオフィシャルブログに殺到して炎上。「勝ち負けの対象にもならないダート馬」「出走させるのはただの自己満足だ」「どれだけの人が迷惑を被るのか分かっているのか」「ここまで周囲を振り回して散々な結果だったら叩かれますよ」。なかには小島茂師を批難するためだけにブログを立ち上げた者や、「競馬場でプロヴィナージュにブーイングをしよう」と呼びかけたポルトフィーノファンもいた。小島茂師の胸は悔しさで張り裂けそうだったに違いない。賞金を積み重ねて、ようやくたどり着いた晴れ舞台。馬は栗東に長期滞在させてスタッフは懸命の調整を続けてきた。それが、何故こんな言葉を浴びねばならないのか。

レースはエアパスカルが先頭を切り、佐藤哲プロヴィナージュが直後につける展開。向こう正面からはプロヴィナージュがハナを奪った。1000メートルは58秒7 。淀みないラップが後続の有力馬の脚をなし崩し的に消耗させていた。岩田ブラックエンブレムは中団の前方。直線では最内をついて、距離のロスなくスパートして1分58秒4の好タイムでゴールした。内枠を利して理想的なポジションを取れたこと、外を回らされた有力馬が追い込める展開にはならなかったことが勝因にあげられる。もちろん、馬の力があったこと、さらに栗東留学でパワーアップしたことが一番であるのは言うまでもない。渦中の馬となったプロヴィナージュは粘って3着。「今回は悪役だぞ!大丈夫か?」、小島茂師の騎乗依頼に「慣れてます」と引き受けた佐藤哲。無理にペースを落とさず、絶妙のタイミングで仕掛けた手綱は見事だった。それがブラックエンブレムのアシストになったばかりでなく、プロヴィナージュの能力の高さ、調子の良さを着順で証明した。そして、小島茂厩舎の名誉を守ることになった。三連単はG1史上最高の1098万馬券。複勝でも6200円。応援馬券を購入しようか迷って、買わなかった私は負け組みだ。だが、非常に痛快な気持ちになったのだから不思議なもの。

配当が示すように、予想難解の秋華賞だったが、10着の1番人気トールポピーまでコンマ5秒差のなかにひしめいており、ペースやコース取り、仕掛けのタイミングなど、少しでも違えばガラリと着順も入れ替わる力関係だったことが推察される。逆に言えば、どの馬でもゲートにさえ入ることができれば優勝するチャンスがあったということ。この点、プロヴィナージュの具合の良さを確かめて、出走に踏み切った小島茂師は賢明だった。一方で、仮に出走馬がビリ、ブービーに負けたとしても、その挑戦は正しかったのだと私たちファンは認識すべきだろう。どの馬が勝つか分からないのが競馬。秋華賞の前身である旧・エ女王杯で大穴をあけたサンドピアリスや、あっと驚くギャロップダイナにダイユウサクと、二桁人気馬がG1を制した例はいくらでもある。まして、ちょっとしたアヤさえあれば、複勝圏内に入る機会は充分にある。予想談義で「絶対に来るわけない」というフレーズを使うのは楽しみのうちだが、前評判の低さを理由に厩舎や馬主をまともに中傷するなど、良識がないと見られても仕方あるまい。

春、桜花賞の前、小島茂師は馬体の細化を懸念してブラックエンブレムの追い切りを行わず、同馬は惨敗した。今回、その反省を生かしてか、きっちりと追い切りで時計を出して栄冠を掴み取った。こうした情報はすべてブログで明らかにされており、ファンは小島茂師の試行錯誤を知ることができるとともに、おかしいと思えば馬券から外すなどこともできたわけだ。ファンのコメントにも誠実に応対していた小島流の情報発信は、ウェブの発達した時代だからこそ可能になったもので、ホースマンとファンの関係に指針を与えるモデルケースではないだろうか。それだけに、謂われない中傷に晒された騒動は残念だったが、ドラマ以上のストーリーで着地できたことは競馬の神様の救いがあったのかとも感じる。幸いなことに小島茂師はブログを続ける意向を発表し、「厩舎にとって好結果が出た事で、今回の一件を批判をされた方たちが肩身の狭い思いをしていることと思います」と、批難した相手を気遣っている。ちなみに「回避決定」を報じて騒動のきっかけをつくったスポーツ新聞各紙は、ブログ炎上の事実を切り取って美談に仕立てるのみで、自らの勇み足を省みているところは皆無だった。

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2008.10.19

秋華賞◎トールポピー 疑惑を晴らして真の女王へ

”疑惑の裁決”、そうファンの記憶に刻まれた今年のオークス。勝ち馬のトールポピーを操る池添は、直線で大きく内に切れ込んで有力馬の進路を妨害。騎手には騎乗停止処分が下されながら、着順変更はなしという灰色裁定のなかで、トールポピーは樫の女王の座を手にした。それから4ヶ月後、ローズSに出走したトールポピーは6着に敗れ、マイネレーツェル、レジネッタ、オディールというオークスで被害を与えた馬に先着を許してしまった。疑惑のラフプレーがあったからオークスも勝てたと受け取られても仕方がない結果だ。だからこそ、本番の秋華賞は負けられない。前走は明らかに仕上がっていない馬体。叩いた効果と、距離の延長はプラスに働く。真の女王と認めさせるためには、文句なしのフェアプレーでライバルをねじ伏せるしかない。

◎トールポピー ○レジネッタ ▲オディール
△ソーマジック、レッドアゲート、リトルアマポーラ、メイショウベルーガ

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2008.10.18

ポルトフィーノ除外 小島茂師が晒された思わぬ批判

今週の秋華賞で休養あけながら人気の一角を担うと言われていた良血ポルトフィーノ。当初、同馬の賞金額では出走可能になるかどうか微妙なところだったが、モエレカトリーナが脚部不安で回避、プロヴィナージュも状態が整わず出走しない方向だと報道され、週半ばには「ポルトフィーノ秋華賞参戦」との記事が各紙に踊った。ところが、木曜日、管理するプロヴィナージュに自ら跨った小島茂之調教師(美浦)は、驚くほど状態が良化していることを確認。秋華賞へゴーサインを出した。一方、ポルトフィーノは除外対象となり、出走することはできなくなった。このことに関して、小島茂師はオフィシャルブログでファンから思わぬ批判にさらされることになってしまった。ブログ上、その人柄からか、小島茂師は誠実に説明しようと対応に追われている。

小島茂師は「なかなか外部には正確に伝わらない厩舎の声を可能な限り伝えられれば」との思いから、「小島茂之厩舎の本音」なるブログを公開。積極的に情報を発信し、コメント欄も開放することでファンとも交流を深め、広く支持を集めてきた。だが、そのブログが辛らつなコメントを呼び寄せる場になってしまった。「勝ち目のない馬を出すことはただの自己満足だ」「(同厩の)ブラックエンブレムを有利にするためライバルを除外したのではないか」「弱い馬の調子をどうこう言われても、だから何なのだ。本当に好勝負できると思っているのか」。プロヴィナージュはダートを中心に使われ、現在8戦2勝。6月には関東オークスに出走して、スタートで躓く不利がありながら2着と健闘している。ラジオNIKKEI賞でもコンマ5秒差の競馬をしており、芝でもチャンスがあると考えたからこそ、栗東に滞在して調整を続けてきたはずだ。

ブログで小島茂師は「騒動の発端は私の言葉足らずが原因」とした上で、プロヴィナージュ回避の記事が出るに至った経緯を細かに記述している。前走のシリウスS後、マスコミに出否を聞かれた際には「今の状態なら使うことは無いと思います。 GⅠに出しても恥ずかしくないという状態にできないようなら回避です」と答えていたという。一方、栗東のスタッフには「最終決定は木曜日。来た以上は最後まで出走するんだというつもりで努力して調整するように」と伝えていた。小島茂師としては、どちらにも同じ本音を語っていたつもりだったが、マスコミはニュアンスを汲んで「状態面に不安、プロヴィナージュ秋華賞回避」(サンスポ)と一斉に報じた。誰が悪いということでもないと思うが、ポルトフィーノ参戦の期待もあいまって、混乱を招く結果になった。ポルトフィーノ陣営と、騎乗予定馬を武豊に譲ることになった上村には気の毒だった(上村はブログで「プロヴィナージュを純粋な気持ちで応援してください」と述べている)。

競馬というのはルールに則って行われる”競技”であり、人気のない馬が出走するため、人気を集めるだろう馬が除外になったとしても、批難されるべき筋合いは何もない。こうしたことは下級条件でも重賞でも日常的に起きていることであって、ファンはクロフネを除外することになったアグネスデジタルが天皇賞を制した事例を思い出すべきだろう。プロヴィナージュに勝機があるかないか、ファンも関係者も100%、予測することなど不可能で、むしろ、そうした意外性こそ競馬の醍醐味なのだから。小島茂師は「会った事も無い人間を『あんたは・・・』と書いたりする人の意見は、自分では正論のつもりでしょうが、私は受け入れられません」と、ブログ炎上に辟易気味の様子。もっとも危惧されるのは、師を含めた関係者がウェブで情報発信するのを躊躇してしまうことだ。プロヴィナージュがあっと驚く激走を見せてくれたりすると、きっと杞憂になるのだが。

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2008.10.08

凱旋門賞リポート 最強牝馬が誕生したロンシャンの一日

10月5日、ロンシャン競馬場のあるブローニュの森は強い風と断続的な雨に見舞われていた。前日の青空と打って変わった悪天候。派手な帽子で着飾ったご婦人たちが少し可愛そうなほどで、どこか波乱を予感させる雰囲気もあった。1レースが始まるのは13時45分だが、 12時すぎから場内は人で溢れていた。すでにパブリックスタンドは立錐の余地もないほど。日本人の姿も多い。正面入り口の右脇に設けられた日本語ブースには、競馬ファンのみならず、普段は馬券を買ったことがない日本人も集まり、スタッフの女性が対応に追われていた。場内に数軒あるグッズを扱うギフトショップも盛況だ。Tシャツ、ジャンバー、双眼鏡、ペンに ストラップなど、様々な凱旋門賞グッズがファンを引き付けていた。場内の大型ヴィジョンには、次々と高級車で到着する要人たちの様子が映し出される。社台の吉田照哉、和子夫妻も登場。凱旋門賞のひとつ前のレースには 、武豊騎乗で持ち馬が出走する予定になっている。

第2レースは向こう正面の直線を走る1000メートル戦、アベイユド・ロンシャン賞。スタートで、1頭、ゲートが開かない。他の馬はあっ という間にゴールまで駆け抜けたというのに。このレース、日本で言うところのカンパイになった。最終レース後にやり直しになるという。もし、凱旋門賞で同じトラブルが起きていたら大変なことだっただろう。とはいえ、このレースも格式あるG1である。そうしたトラブルに目をつぶれば、凱旋門賞当日の雰囲気は非の打ち所がない。歴史の重みを思い起こさせる過去の優勝馬の紹介映像。さらにライブでは、20台以上はあるだろうカメラを使い、検量室、パドック、コースまで騎手、関係者、サラブレッドを追って、巧みに映像を組み合わせる。ドリー、アップ、煽り、ワンカットごとが映画のシーンのようで飽きない。レースを演出するクラシック調の荘厳な音楽も効いている。日本のマンネリ化したファンファーレが子どもじみているようにさえ思えた。この辺りは参考にすべきところではないか。

よくヨーロッパの競馬場は賭博場ではなく、紳士淑女の社交場だと言われる。確かに鈴木淑子のような帽子をかぶった婦人や、スーツにネクタイをした男性も多い。だが、一般スタンドを埋め尽くす、ほとんどのファンはジーパンにジャンパーといった普段着である。目の前のカップルは競馬そっちのけでキスに熱中。そうしたなかでフォーマルな格好をしているほうが、珍しかった。日本人はきちっとしたジャケットを着ている人もいたし、ラフな格好をした人もいたが、どちらも浮いているようなことはなかった。着物の女性がいたのは驚いたが。ディープインパクトの年と違い、日本人の数は知れたものだし、ミーハーなファンも少なかったのだろう。レーシングプログラムの争奪戦など皆無で(結局、余っていた)、パドックに武豊が出てきても、「がんばって」と遠慮気味に声がかかるぐらいだった。

パドックで大声をあげている初老の男性を見つけた。どうやら誰かへ声援を送っている様子だ。注意されるかなと見ていると、逆に関係者からシャンパンを受け取り、歌いながら乾杯。馬が出てくると男性は声を潜めた。阿吽の呼吸である。パドックや通路は、手を伸ばせば馬に届くほどファンとの距離が近い。騎手は気軽にサインに応じているし、声がかかれば答えることもある。考えてみれば、騎手もファンも同じ人間。互いに敬意を払う間柄なら自然なことだ。競馬場の外、ちょっとした買い物だって、店員と客は挨拶を交わして、別れるときはメルシーと言い合う。客だから神様ではない。店も売ってやるのではない。競馬場だって同じ。人間性を疑うような野次もなければ、ファンにうるさいと怒鳴るジッキーもいない。社交場とは、服装の話ばかりではない。ファンも関係者も、大人の振る舞いで競馬を楽しむということではないか。

凱旋門賞当日のロンシャン 優勝馬はパドックで祝福を受ける

勝者として称えられるのは1頭のみ 盛況だったグッズショップのパリジェンヌ

パドックと馬場をつなぐ通路 日本人優先窓口。英国人用もあり

第6レース、いよいよ凱旋門賞だ。少し傘が開いたパドックに、颯爽とザルカヴァが姿を見せる。ファンの関心は、この類まれな勝ち方をしてきた女傑が、26年ぶりに3歳牝馬として欧州一の称号を手にするかどうかに集まっていた。メイショウサムソンも落ち着いた様子だ。鞍上の武豊も淡々と周回を重ねる。大一番を前にして心を集中させているようだ。各馬、ターフへ向かうと、ファンも一斉にコース前に移動。本馬場入場で1頭ずつ紹介を受ける。去年、万全の体勢を整えながら、馬インフルエンザという災禍に襲われて遠征を断念したサムソン。だが、いくつものハードルを越えて、この舞台に立ったことを思うと、グッとこみあげてくるものがあった。フランスでのサムソンの評価は低いし、チャンスが少ないのも事実だろう。しかし、競馬は何が起きるか分からない。

予定と違って、ザルカヴァの次、最後にゲートへ誘導されたサムソン。準備する間もなく扉が開く。アウェイの厳しさか。タイミングを教えるように係員がザルカヴァの尻をポンと叩いた。両脇から挟まれたサムソンは先行する機会を逸し、思わぬ後方、内側からの競馬を強いられる。ザルカヴァは1馬身ほど斜め前方だ。向こう正面の長い上り、下り。フォルスストレートでも位置どりは変わらない。そして直線。武豊が進路を取ったのは内。激しく馬体をぶつけられる。必死に伸びようとするサムソン。「ユタカ、伸びろ!」声はあげないつもりだったのに、思わず叫んだ。しかし、サムソンの頑張りも半ばまで。中ほどから一気に差し脚を伸ばしてきたのはザルカヴァ。ゴール前では後続を突き放して、歴史的な勝利を飾った。サムソンは10着。これが競馬だ。これが凱旋門賞だ。

ザルカヴァの鞍上でスミヨンが何度もこぶしを突き上げた。全身で喜びを表現するジョッキーと勝ち馬に、観衆から惜しみない拍手が鳴り響いた。後ろを振り返ると、スタンドの全員が立ち上がり、尊敬のまなざしをザルカヴァに向けていた。どの顔も、まるで国を守った英雄を迎えるかのような表情だった。涙を浮かべている人々もいた。表彰式で掲揚されるトリコロールと、演奏されるラ・マルセイエーズ。この時、私は初めて凱旋門賞という価値の高さと、優勝馬の関係者が受ける栄誉の重さを痛感した。この栄光を手にすることは容易ではない。だからこそ、挑んでみたい。過去数十年、何度も壁に跳ね返されながら、異国からチャレンジを続けてきたホースマンの気持ちにも触れた気がした。いつか、あの場所に日の丸が掲げられる時、もう一度、ここに来よう。そう心に誓ってブローニュの森を後にした。

子どもたちも大勢来ていた 一番人気はハンバーガー?

帽子はファッションの華 VIPほど上の席

歴史的名牝となったザルカヴァ 日本代表・メイショウサムソン

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2008.10.07

凱旋門賞から一夜 ザルカヴァの強さに賞賛の声

ザルカヴァが圧倒的な強さで凱旋門賞優勝を果たしてから一夜。 ”Merci Zarkabva !””Zarkava I'imperatrince””Zarkava,I'invincible” フランスの各紙朝刊はこの3歳牝馬の歴史的偉業を一面で大きく伝えている。焦点はザルカヴァの今後の動向に移っており、来年、現役を続行するのか、どんなローテーションを取るのかが関心の的だ。もちろん、ジャパンカップに参戦するなどという言及は一切ないようで、出走の可能性があるのは敗れたデュークオブマーマレードやヴィジョンデオタだろう。メイショウサムソンについても、コメントがあったが原文を書いておこう。興味ある方は訳してみてほしい。

MEISHO SAMSON
Rapidement a l'arrie-garde,cote corde, a fini correctement en retrait,mais sans jamais pouvoir menacer les pre-miers. (France-Soir LUNDI 6 OCTOBRE 2008)

フランスの一般紙一面

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2008.10.06

遥かなり凱旋門賞 夢は次の世代へ引き継がれる 

強い風と断続的な雨のなかで開催された凱旋門賞。メイショウサムソンは最後にゲートへ誘導されると、すぐにスタートを切られるアウェイの洗礼を受ける。後方3番手からの苦しいポジション。乾坤一擲、内側から抜け出すことに賭けた武豊だったが、直線では激しく馬体をぶつけられた。サムソンも意地を見せる。そこから必死の伸びを見せようとしたのだ。しかし、タフなコースの前に力尽きて10着。タラレバは必要ない。これが最高峰の舞台で闘うことの厳しさだ。サムソンは良く走った。それ以上にライバルが強かったということだ。

去年、万端整えながら、災禍で遠征を断念。それでも、陣営は多くのハードルを乗りこえて、再びロンシャンの地をめざした。だから、大歓声の中、サムソンがトップホースたちとともに入場してきたときには、グッとこみあげてくるものがあった。優勝したのはザルカヴァ。何度もコブシを突き上げて歓喜を表現するスミヨン。そして、勝者に贈られる観衆のスタンディングオベーションと敬意の眼差し。この日、この場所に来て凱旋門賞の価値が初めて分かった気がした。そう易々と欧州最高の栄誉は手に入れられない。

ありがとう、メイショウサムソン、高橋成忠師、武豊騎手、遠征を支えた多くのスタッフの方々。日本のホースマン、ファンの夢は今年も叶わなかった。だが、ひとつひとつの挑戦が礎となって、いつか実を結ぶ時が来るだろう。バトンは次の世代へと引き継がれる。遥かなる凱旋門賞。きょう、その夢の実現にまた一歩近づいた。

歓喜のスミヨンとザルカヴァ

※ 凱旋門賞の観戦記は後日、改めて更新したいと思います。これからパリを発って陸路でワルシャワをめざし、帰国は14日になる予定です。 Tシャツ、ネックストラップなど凱旋門賞グッズをお土産に購入しました。希望する読者の方々にプレゼントできればと考えています。詳細はのちほど。

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2008.10.05

凱旋門賞当日のパリは曇り空 サムソンに勝機はあるか

パリは今、朝の8時半。窓の外から聞こえる雨の打つ音で目が覚めた。カーテンをあけると灰色に塗られた空が広がっていた。道路や屋根も随分と濡れている。ここから数キロ離れたブローニュの森も変わらないだろう。ほどなく雨はあがったが、陽は差さず外気は冷え込んでおり、柔らかく、重い馬場でレースは行われることになるのかもしれない。昨日、晴天のロンシャンを訪れたときには、また雨が落ちてくるとは思わなかったが。フランス競馬はスピードよりスタミナの勝負になるのは周知の事実だが、この雨で一層、持久力を求められるレースになるのではないだろうか。距離不安の囁かれるデュークオブマーマレードなどは歓迎できない馬場だ。

昨日、ロンシャンで帰り際に買ったパリ・テュルフ(PARIS TURF)では、一面から無敗のザルカヴァの写真を載せて、アキーダ以来、 3歳牝馬の凱旋門賞優勝なるかと大きく取りあげている。ヨーロッパのファンにとって、初めて一線級牡馬と対戦するザルカヴァの走りに最大の注目が集まっている。日本で言えば、無敗のメジロラモーヌやファインモーションがジャパンカップに出てきたようなものか、いやそれ以上か。対抗馬とされているのは、同期の仏ダービー馬、ヴィジオンデタ。自国贔屓というだけではない。凱旋門賞に強いフランス3歳牡馬、それに最も相性のよいステップ、ニエユ賞を勝ったことが評価されている。

一部に”SAMOURAI”の見出しも躍ったメイショウサムソンは、扱いは6、7番手というところ。フランスメディアはステップをパスしてロンシャンにぶっつけで挑むことに懐疑的だし、ディープインパクトやエルコンドルパサーではないという冷静な見方をしている。先日、武豊へインタビューしている様子を見たが、「本当にチャンスがあると思っているのか?」と、少し失礼な聞き方もしていた。但し、父はオペラハウス、母の父はダンシングブレーヴと、ヨーロッパゆかりの血統であることも紹介されており、難しいだろうが頑張ってほしいという思いも感じられる。重い馬場がどう影響するかは未知数だが、体調のよさと血統の力を信じたい。歴史的な一戦になることに胸を高鳴らせて、私もロンシャンへ向かおう。

当日のパリは曇天 一身に注目を集めるザルカヴァ

>>PMUオフィシャルサイト(凱旋門賞はLONGCHAMPの6レース)

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凱旋門賞直前リポ 手応えつかんだサムソン陣営

いよいよメイショウサムソンが挑戦する凱旋門賞が直前に迫っている。土曜日はサムソンより一足早く、僚友のファンドリコンドルが G2のマイル戦に参戦するとあって、日曜日を待ちきれない私もロンシャン競馬場に応援に駆けつけることにした。ロンシャン競馬場は凱旋門に近いポルトマイヨー駅からバスで15分ほどの距離にある。フランスの競馬は午後から始まるが、すでに昼過ぎのバスには日本人数人の姿もあった。この日のパリは快晴。入場料4ユーロを払い中に入ると、鮮やかなグリーンのコースが遠方からの客を出迎えてくれた。今年からフランスギャロはカタール競馬・馬術クラブと凱旋門賞に関して独占スポンサー契約を結び、賞金総額も400万ユーロ(6億4000万円)と倍増した。場内はスポンサーカラーの紫で彩られ、華やかなムードを演出していた。

気になる馬場状態だが、今週の雨の影響は多少は残ってそうだが、直線に設けられた仮柵が外されることを考えれば、まず問題ない馬場で行われるとみていいのではないか。これはもちろん、メイショウサムソンにとってという意味だが。本番は明日だというのに、いたるところで日本人ファンと出会った。少なくとも個人旅行者で50人、バッジをつけた団体客?を含めれば、 100人ほどはいたのではないだろうか。凱旋門賞グッズを扱う即席のテナントは飛ぶように商品が売れており、明日は買えないかもしれないと私も購入してしまった。一昨年のディープインパクトの印象が強いのか、日本人スタッフの常駐するテントもあって、日本語の馬券投票用紙を配っていた。これを窓口で渡せば買い間違いも起きまい。

青空のロンシャン競馬場 馬場状態は心配なし

この日は日本のファンにとって、見逃せない馬がG1に出走していた。短距離戦線の最終戦、フォレ賞のナタゴラだ。レーシングプログラムの父欄、 ”Divine Light(JPN)”の文字が燦然と輝いて見えるのは私だけだろうか。英1000ギニー以来、勝利から遠ざかっているものの、フランスダービーで牡馬相手に3着と好走するなど、その実力はトップホースのにも引けを取らない。私も単勝(シンプルガニャン)と馬連(カップルガニャン)を買って、ディヴァインライト産駒の好走を祈った。好スタートから番手で折り合うナタゴラ。直線では人気のパコボーイに差されたものの2着を死守。7倍の馬券をプレゼントしてくれた。 10年前、「ロンシャンのG1でディヴァインライトの仔から流して的中」なんて、誰が想像できただろう。本当に幸せなことだ。

そして、ファンドリコンドルが出走するダニエル・ウィルデンシュタイン賞。 500万で二桁大敗を繰り返してきた同馬にとって、家賃は高すぎるレースではある。それでも、父は凱旋門賞2着のエルコンドルパサーだ。その血は再びロンシャンへと帰ってきた。エルっ仔はグイグイとパドックで厩務員を引っ張り、強豪相手でも臆する様子はない。武豊を乗せると、パドックを半周ほど回ってコースへ。騎手にとっても、凱旋門賞の騎乗イメージを膨らませる大切なレースになる。やはり日本馬のゲートは速い。勢い良く飛び出した同馬だが、うまく落ち着かせて3番手を追走。フォルスストレートも慌てることなく、直線まで追い出しを待つ。結果、約6馬身差の6着ならば、予想外の大健闘。戻ってきた武豊と高橋成忠師も笑顔で言葉を交わしていた。本番は明日。日本代表、前日は充分な手応えを掴んだと見たい。

ナタゴラは2着 ファンドリコンドルのレース後、笑みがこぼれる

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2008.10.03

初的中はフランスの田舎町で 競馬の神様に導かれ

木曜日、パリのホテルを出て、有名な世界遺産、モンサンミッシェルを訪ねることにした。だが、生来の行き当たりばったりの性格で適当な時間に列車(TGV)に乗ったために、バスに乗り換えるはずのレンヌ駅で途方に暮れることになった。午後1時すぎに着いたのに、夕方5時半までバスがないというのだ。もう一本、早い列車に乗れば、きっちり目的地に到着できたのに…。限られた時間を無駄にしてもしょうがないと、ローカル線に乗って近くの駅を目指すことにした。時刻表を調べると次の列車でモンサンミッシェルの最寄り駅の一つ手前まで行けるらしい。そこからバスか何かあるかもしれない。まったく無計画な性格は何処かで直さなくてはなるまい。

ところが、降りた駅は観光客など来る由もない田舎町。ロータリーにはバスもタクシーもない。あいにく強い雨も降ってきて、体が凍える。駅前に唯一あった小さなカフェで温かい飲み物を取ることにした。悲しい気分に浸りながら、ここで2時間後の列車を待とう。カウンターでカフェオレを注文。席につく。だが、何か様子がおかしい。普通のカフェではないのだ。一心不乱に新聞を凝視する紳士。壁に貼られた馬のマークが描かれたポスター。テレビに映るサラブレッド。そして、店の隅に置かれた自動券売機。ここは馬券が買える競馬カフェか! テレビでは障害を飛越するサラブレッドたちと、下段にはオッズが流れている。こんなところで競馬とは、何と言う偶然、いや必然。競馬の神様の導きか。

この日は平地はないようで、それぞれ別の競馬場で障害競走と、車を引く繋駕競走が行われていた。発走はいわゆるゲートを使わず、合図をもとに一斉に走り出すか、先導する車の両脇から伸びた翼のような仕切りがパタンと閉じられてスタートとなる。見たことがないぞ! 早速、馬券の買い方を店のおばちゃんに教えてもらう。ガニャンが単、プラッセが複なのは知っている。カップルガニャンが馬連、カップルプラッセがワイドらしい。トリオは三連複か。 Cはレース番号、Rは競馬場名。これらをマークカードに塗るか、券売機のタッチパネルで選んで買う仕組み。最低単位は1.5ユーロだ。手元に新聞がないので、オッズで買い目を決めることにした。 1レース目、まず人気馬の単勝を買ってみるが、かすりもしない。店の奥からはオヤジたちの絶叫が聞こえてくる。

2レース目。馬連ボックスで勝負。しかし、そのうち1頭が最初に落馬だ。長い距離を走り、いくつもの障害を飛び越える度に、落馬するものも増えていく。まさにサバイバルレースだ。最後の飛越を終えて、ゴール前に2頭が抜け出した。 7番、1番。残った2頭で奇跡的な的中。初めてのヨーロッパでの当たり馬券、まさか名も知らぬ田舎町で手にすることになるとは思いもしなかった。1.5ユーロが7倍で10.5ユーロだ。カフェでは仕事を終えたオヤジたちが立ち寄り、ビールやエスプレッソを片手に一喜一憂。競馬が庶民の娯楽として根付いていることを実感し、残ったバウチャーをレジで換金してもらい外に出た。時には無計画な性分も悪くはないねと見上げると、雨も上がっていた。

田舎町の競馬カフェ 馬券はこんな感じです

※皆様、コメントありがとうございます。なぜかこちらから返信できません。ひとまず御礼まで。

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2008.10.01

凱旋門賞 3歳牝馬ザルカヴァが26年ぶり快挙なるか

昨日、JAL405便は定刻通り現地16時半ころ、シャルル・ド・ゴール空港へ到着した。パリの空は灰色に覆われ、時折、雨に見舞われる天気。肌寒く、コートやマフラーを身につけている人々も多い。すでに晩秋の気配だ。空港から列車のホームへと向かっていると、凱旋門賞のポスターを発見した。馬の頬に古の戦士たちの闘いの様子が彫られ、歴史の重みが表現されている。やはり、凱旋門賞は特別なレースなのだ。今週のパリは予報によっては不安定な天気が続くようで、あまり欧州特有の重い馬場で競馬をしたくないメイショウサムソンにとっては、晴れてくれることを祈るばかり。決戦は今週の日曜日に迫っている。

空港のポスター

今年の凱旋門賞に出走するライバルたちのプロフィールを確認しておこう。断然の1番人気に推されているのは、3歳牝馬のザルカヴァ。もともと3歳馬が斤量的に優位な凱旋門賞だが、無敗のザルカヴァは G1を4連勝中。仏1000ギニーでは同日に行われた牡馬の2000ギニーをコンマ4秒上回るレースレコードで快勝、仏オークスも3馬身差の圧勝で、鞍上のスミヨンをして「仏ダービーでも勝てた」と言わせたほどのポテンシャルを持つ。前哨戦のヴェルメイユ賞は出遅れて後方一気の競馬ながら、2分26秒0という勝ち時計を叩き出した。このタイムはニエユ賞より1秒、フォワ賞より2秒も速い。3歳牝馬が凱旋門賞を制せば、アキーダ以来、 26年ぶり、古馬牝馬と併せてもアーバンシー以来、15年ぶりの快挙となる。

古馬はキングジョージを含めてG1で5連勝を飾ったデュークオブマーマレード。オブライエン厩舎の所属馬だ。シーズンオフ、骨折した箇所に埋めていたボルトの再手術を行ってから馬が一変した。デインヒル産駒でクラシックディスタンスでは距離不安が付きまとっていたが、キングジョージはペイパブルをねじ伏せて優勝。それでも、1ハロン長いのではないかという声が人気を押し下げている。同じオブライエン厩舎からはガリレオ産駒のソルジャーオブフォーチュンも出走する。去年の凱旋門賞は2番人気の評価を受けたが、不利を受けて5着。本番一本に絞ったローテが怖い。ザルカヴァの陰に隠れているが、仏ダービー馬のヴィジオンデタもニエユ賞まで6戦6勝。単勝で買ってみたいタイプだ。

>>凱旋門賞オフィシャルサイト

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