中山記念回顧 横山典のプロフェッショナルに脱帽
まったく横山典という男に驚かされたレースだった。戦前、カンパニーが楽々と2番手を追走するとは誰が予想しただろうか。私自身、カンパニーの力は以前から高く評価していて、 G1で単勝を買ったことも何度かある。しかし、いつもカンパニーは一歩足りないレースを繰り返していた。追い込み一辺倒の不器用な脚質が原因だ。だから、府中や新潟のような広いコースでは鮮やかな脚を炸裂させても、中山のようなコースでは勝ちきることが難しかった。とりわけ、中山記念は逃げ、先行馬が有利なレースで、本命を打つには躊躇せざるを得なかった。
横山典は馬場状態を考慮して、ゲートが開く前から積極策を取ることを決めていた。テン乗りにも関わらず、これまでと正反対の競馬をさせるのは勇気の要ることだっただろう。無理なポジション取りでリズムを崩して惨敗というケースも予測できたはずだ。リスクを恐れず、自らの責任で勝ちに行く競馬に挑んだ横山典は、真のプロフェッショナルと言えるのかもしれない。内田博幸の移籍が発奮材料になったか。新境地を開拓できたことで、カンパニーのG1優勝もグッと近づいた。 G2勝ち以上の収穫のあったレースになったのではないか。
2着は蛯名のエイシンドーバー。大外枠は不利かと思われたが、早めの仕掛けでしぶとく差してきた。こちらも騎手のファインプレー。逆に3着のエアシェイディは後方待機の位置取りが敗因になった。後藤は先行するつもりだったようだが、流れのアヤ、悲観する内容ではない。 5着には4角15番手から追い込んだアサカディフィート。前走の小倉大賞典勝ちはフロックではなかった。不向きな展開でこれだけの脚を使えるなら、10歳の今年もまだまだ活躍が続きそうだ。私が本命にしたコンゴウリキシオーは逃げて13着。状態が本物でなかった。馬体が減っていたのもマイナスだった。
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コメント
時々サイトを訪れては拝見しております。今回の横山騎手の事。
あまり誉めないで下さい。それでなくても東のトップ騎手といわれている人たちはいつも競馬メディアにチヤホヤされすぎて自分の腕を勘違いしているようです。
「ノリちゃんが、ごっちゃんが、ヨシトミが、エビちゃんがどうのこうの?」とか新聞紙上の活字でよく表現されていますが、記者、トラックマン、騎手の馴れ合いみたいなにおいを感じて読んでいて不愉快です。彼らも何か大いなる勘違いをしています。
関西のトップ騎手に比べてなんと頼りないことか?
単勝1,5倍くらいの人気馬で簡単に飛んでしまう無責任さ?。
それかと思うと西から武さんがやってくると、日ごろのいい加減な乗り方から一変して猛然と邪魔をして潰してしまう乗り方。
「お前、そんな腕を持っているのなら、日ごろからその様な乗り方をしろ。」と強くそう思います。
今回のリンカーンは明らかに勝負がかりでしたよ。関西の一部の日刊紙はそのような報道をしておりました。あれは横山の腕ではないですよ。
投稿: 健 | 2008.03.05 09:38
今回の横山典騎手の乗り方は、
中山記念に勝つためだけの乗り方ですね。
上がりは最速のアサカディフィートに1秒遅れ。
あんなレースでは安田記念も秋天も勝てないでしょう。
横山典騎手も音無師も浮かれてる場合じゃないと思いますが。
投稿: sam21c | 2008.03.07 09:34
>健さま
いつもご覧いただきましてありがとうございます。マスコミもきちんと是々非々で評価できればいいのでしょうけれど、そうならないのが残念なところですね。
>sam21cさま
G1でどう乗るのか、福永に戻るのかもしれませんが、非常に楽しみなところです。
投稿: ガトー@馬耳東風 | 2008.03.08 00:59