卒業・入学シーズン 内田博は17頭がスタンバイ
競馬界は卒業、入学シーズン。先週は6人の調教師が勇退した。関東ではトップジョッキーとしても活躍した加賀武見、増沢末夫、ギャロップダイナを管理した矢野進、個性派ツインターボを育てた笹倉武久の4人。ダービーでトウショウボーイを怯ませた加賀クライムカイザーの伝説的騎乗はビデオでしか観たことがないが、逃げの増沢は私が競馬を始めた頃はバリバリの現役だった。ユキノサンライズでダイイチルビー、メジロライアンを相次いで完封した中山牝馬S、中山記念は今でも鮮烈な印象に残っている。長い間の競馬界への貢献にお礼申し上げたい。笹倉厩舎は成績不振から馬房を埋められず、経営難に陥っての引退。なお、山田要一厩舎も調教師の体調不良から3月中に解散することになっている。
関西では松元省一と福島勝。松元省はトウカイテイオー、フラワーパーク、スティルインラブを管理し、 G19勝をあげた歴史的調教師だった。特に師が思い出深いのはトウカイテイオーのジャパンカップだと言う。ルドルフの仔として父子制覇した皐月賞、ダービーもワクワクしたが、惨敗を重ねて臨んだジャパンカップでナチュラリズムとの叩き合いを制したシーンは、私にとっても最も感動したレースだった。最近では日本馬がホームアドアンテージでジャパンカップを勝つのは当たり前になっているが、当時はまだ世界の壁が厳然とそびえていた。師も同じ想いだったことは非常に嬉しい。 厩舎を手伝ってきた奥様が5年前に倒れたのが定年前の引退を決心した理由だとか。惜しまれながらターフを去った。
さて、今週はニューフェイスが登場する。目玉は何と言っても大井から移籍した内田博幸。メインの中山記念はディアデラノビアの故障引退で騎乗はないものの、デビュー週から17頭がガッチリとスタンバイしている。厩舎サイドの期待は予想以上に高い。とりわけ、藤沢和厩舎は4頭を依頼。水仙賞(3歳500万)のスマイルオンザラン(母スマイルトゥモロー)は鉄板の気配すらある。他にも何頭か持ってきそうな馬もいる。また、ニュージーランドTでは 2歳チャンプのゴスホークケンの手綱を任されることも決まっており、トップと18勝差の関東リーディングを逆転するのも先の話ではないだろう。後藤や横山典はどこまで意地を見せられるか。
高知と同じく旧姓での登録が認められた鷹野宏史は、二ノ宮厩舎に所属することになった。 43歳にして初めての中央騎乗とハンデは大きいものの、「中年の星」ブームを巻き起こしてもらえれば。年々、競馬学校出身者の育成環境は厳しさを増しているが、今年度は選りすぐられた少数精鋭3人がデビューする。三浦皇成(河野)はいきなり重賞騎乗。中山記念でトラストジュゲムでコンビを組む。競馬学校時代の思い出は「財布に入れておいたコンドームを教官に見つかったこと」だそうで、水も漏らさぬゴム三浦の手綱さばきを楽しみにしたい。この他の2人は父が障害で名を馳せた大江原圭(作田)、伊藤工真(古賀史)。一流騎手への一歩を踏み出してほしい。なお、競馬学校のブログでは「新人ジョッキー応援キャンペーン」が行われている。
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