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2007年11月の13件の記事

2007.11.29

高齢者の星・オースミレパード 処分寸前で命を救われる

戦後生まれのサラブレッドのなかでは、日本最高齢の現役馬として活躍してきた高知のオースミレパード。ナリタブライアンと同期生で16歳になった今年も29戦を戦い、この秋には通算33勝目をあげた。高知競馬は高齢者の星としてファンやメディアにアピールし、特製のスタンプを押した健康長寿のお守り馬券は名物になっていた。苦しい高知の台所事情に貢献したのは間違いない。ところが、今月11日のレース後、脚元に異変が起きた。「以前からの持病だった左前屈腱炎を再発。乗馬に転向するのも困難なほど」(日刊スポーツ)で、陣営は悩んだ末に処分を決断したという。走れなくなった馬のほとんどは殺されてしまうのが競馬の悲しい現実。オースミレパードは九州の屠殺場へ送られてしまい、最期のときを迎えるばかりとなった。

しかし、14年間、ひたむきに走り続けたレパードには思いを寄せるファンがいた。いつもパドックで応援幕を張り出している女性がレパードの消息を追跡。県内の養老牧場・土佐黒潮牧場で受け入れの手配を整え、 27日、処分寸前のところでレパードを救い出すことに成功したのだ。まさに奇跡の生還だった。経済動物ゆえ、競走馬が処分されていく現状は変わらないが、 1頭の馬の命が救われたという事実に安堵し、レパードの功績をファンが報いてあげたことに素直に喜びを感じる。もちろん、こうした幸運なストーリーは滅多にあるものでなく、公にできなかった厩舎が責められるべきではない。新天地には同い年のナムラコクオーもいる。レパードの静かな余生を祈りながら、多くのファンが何かできる仕組みはないのか、考えさせられた一件だった。

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2007.11.28

レジェンドハンター去る 笠松の歴史に伝説を刻んで

笠松競馬から中央へ殴りこみをかけ、ファンを大いに沸かせた2頭の名馬が惜しまれつつ引退する。 2年連続でデイリー杯3歳S優勝を笠松にもたらしたレジェンドハンター(牡10)とフジノテンビー(牡9)だ。まだ中央入り前の安藤勝を背にしたレジェンドハンターは朝日杯3歳Sで1番人気に推され、地方馬として初めて芝G1を勝てるのではないかと期待された。果敢に先行したレジェンドハンターだったが、エイシンプレストンに差しきられて 2着に敗れてしまう。この4年前、安藤勝はライデンリーダーで牝馬クラシックを闘い、その雪辱を賭けていたこともあって、レジェンドハンターの挑戦は大いに注目を集めた。同馬の父がマイナーなサクラダイオー(その父マルゼンスキー)というのもファンの心をくすぐった理由であった。

ユニコーンSでも2着したフジノテンビーは、28日の古太尽特別に出走。 10頭立て9着で現役生活を退いた。レジェンドハンターは29日、いろり火特別がラストランになる。あの朝日杯から8年。安藤勝は中央を代表するジョッキーになり、笠松は廃止の危機に直面しながら関係者の不断の努力で経営改革を続けている。長い間、笠松のトップホースとして活躍し、笠松を支えてきた両馬に心から敬意を表したい。 29日のメインレースは第3回笠松グランプリ(SPⅠ)。前身は交流重賞だった全日本サラブレッドCで、04年には中央勢を蹴散らしてレジェンドハンターが勝利を収めたこともある。その後は東海・北陸・近畿・中国交流となり、今年は笠松の雄・ミツアキタービンが連覇に挑む。来年への楽しみをつなぐ強い勝ち方を期待したい。

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2007.11.27

アドマイヤムーンJC制覇 ダーレーに初勝利もたらす

下馬評どおり、スローペースとなったジャパンカップ。前半6ハロンは1分12秒8だったが、これは今年のダービーとほぼ同じラップだ。勝ったアドマイヤムーン、2着のポップロックはいつもと違う前々での競馬で、内をロスなく立ち回った。岩田ムーンは追い出しを我慢して、一瞬の切れ味を最大限に活かすことができた。決して得意とは言えなクラシックディスタンスでG1制覇を成し遂げたことで、天皇賞秋の敗戦で落としていた評価を再びあげることができた。これで引退となるが、500万円の種付け料に恥じないラストランになったのではないか。ポップロックはペリエの好騎乗。レース前から穴気配を漂わせていたが、お陰でメイショウサムソン本命の私も馬連3660円を抑えることができた。そのサムソンは中団から外々を回る競馬。武豊は安全策を取ったのだろうが、上がり勝負の不向きなサムソンは差しきることは難しかった。天才と言えど、人気の重圧はあるものか。内容は最も強かったが、虎穴にいらずんばという奴である。

4着には最後方から追い込んだウオッカが入った。秋華賞での待機は理由があったが、今回の四位の位置取りには首をひねらざるを得ない。直線もサムソンのさらに外で、上がり33秒6は能力をフルに発揮できたと見ていい。府中は間違いなく合っているだけに、もう少し考えた騎乗をしてほしかった。 5着にはデルタブルース。使われて体調が上向いており、距離延長も良い結果につながった。有馬記念では馬券圏内に入ってくるかもしれない。角居厩舎は2、4、5着と3頭とも掲示板に乗ったことになる。外国馬はペイパブルの7着が最高。人気もなかったが、日本馬との実力差は歴然としていた。来年以降、どれだけの馬が来日してくれるのか、ディラントーマスの件も含めて心配になってしまう。 3番人気インティライミは伸びず10着。次はダービーのような先行力復活を試す競馬を見てみたい。天皇賞秋で斜行したコスモバルクは13着。今回は真っ直ぐ走った。乗り替わった松岡の「乗りやすい馬です」というコメントはどう理解しようか。

一方、土曜日に行われたジャパンカップダートは人気のヴァーミリアンがレコードで完勝。 JCとは対照的にエイシンロンバードキャンディデートらがハイペースで飛ばし、武豊のヴァーミリアンは中団で先行勢を眺めながら追走した。直線半ばでは横山典が内で完璧な競馬をしたフィールドルージュが先頭に踊り出るシーンもあったが、武豊はまったく慌てなかった。追い出しのタイミングを待って、ライバルを捻じ伏せる横綱競馬。馬に凄みが生まれてきた感じで、ドバイワールドカップ再挑戦が本当に楽しみになった。これでエルコンドルパサー後継として、繁殖にも恵まれるのではないか。離された3着にはフェブラリーS勝ち馬のサンライズバッカス。府中巧者の面目躍如か。 2番人気の3歳馬、ドラゴンファイヤーは6着。3角からヴァーミリアンを追ってあがっていったが、直線では詰め寄るだけの脚はなかった。今後の成長に期待したい。距離もマイルぐらいがいいか。

ところで、アドマイヤムーンのジャパンカップ優勝は、馬主登録後、ダーレー・ジャパン・ファーム(DJF)にとって記念すべき初勝利となった。DJFは高橋力代表が90%出資した生産法人だが、 11月1日に高橋氏は本家ダーレーからダーレー・ジャパンの代表解任通告を受けたことが話題になった。高橋氏は競馬ブックのインタビューのなかで、アドバイザーであるジョン・ファーガソン氏との方針の食い違いが背景にあることを示唆している。日本での急激な発展を望むファーガソン氏と、慎重に事を進めてきた高橋氏との間の溝は広がっていて、外国人スタッフが送り込まれるなど高橋氏の権限を弱める動きが進んでいるという。解任通告との関係性は不明だが、40億円で購入したムーンの天皇賞敗戦がひとつの引き鉄になっていたならば、 JCの同馬の勝利は高橋氏を勇気付けるものになっただろう。距離不向きのJC出走を強く推したのは高橋氏で、惨敗していれば責任を追及されていたからだ。そういう意味では高橋氏が大博打に勝ってダーレー内の影響力を回復したとすれば、今年のJCは競馬史の意外な部分も左右することになったのかもしれない。

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2007.11.25

日本代表馬の意地 人気も◎メイショウサムソン!

断然の1番人気に推されているメイショウサムソン。逆らえば、他に幾らでも魅力のあるライバルがいるのも確かだが、敢えて王者の貫禄を信頼してみたい。この馬の良いところは体調の変動が少ないところ。昨秋の不振を除いては、距離も鉄砲も苦にせずに力を発揮して結果を残している。父はテイエムオペラオーと同じオペラハウスだが、サムソンもオペラオーのように古馬になってから中身がしっかりと入ってきた。追われる立場になってマークされる弱みがあるが、それでもしぶとく勝ちきってしまうのが血のなせる業。天皇賞秋は他馬の不利ばかりが強調されるが、不利のない競馬であってもサムソンが逆転されていたとは思わない。 3日連続、武豊の中央重賞勝ちというのも十分にありうる話。凱旋門賞馬・ディラントーマスとの対決で遠征断念の雪辱を果たすことができなかったのは残念だが、ダービーを制した府中2400で高らかに再び世界への挑戦状を叩きつける。

相手はエリザベス女王杯を取り消ししたウオッカ。外傷の影響を感じさせぬ坂路追いを披露し、状態面に全く心配は要らない。むしろ、心配なのはテンションの高さだが、このあたりは当日の気配次第というところ。スローの上がり勝負になるようなら、牡馬を一刀両断したダービーの差し脚が再び爆発する。そろそろ狂った歯車を戻したい。単穴はペリエ操るポップロック。距離不足の天皇賞秋は脚を計っただけの4着だったが、適距離に戻れば本当のパフォーマンスを見せてくれるはず。凱旋門賞馬である父譲りのスタミナで勝負できれば。以下、穴には鉄砲は歓迎のドリームパスポート。有馬記念の予定を繰り上げての復帰は調子の良い証拠で、ディープの2着だった去年のJCを忘れられているのなら複勝も抑えたい。鞍上がアンカツというのも、無視はできない大きな理由だ。外国馬のサデックスアルティストロワイヤルは3着候補まで。 日本馬の層は厚い。

◎メイショウサムソン ○ウオッカ ▲ポップロック
△ドリームパスポート、サデックス、アルティストロワイヤル、アドマイヤムーン

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2007.11.24

父に捧げるJCD連覇を 本格化なった◎ヴァーミリアン!

8回目を迎えるジャパンカップダート。来年から阪神に舞台を移すため、東京での開催は今年が最後となる。ヴァーミリアンは前走でJBCクラシックを危なげなく完勝。7ヵ月ぶりの休養明けだったが、ドバイWCで世界の強豪を相手にして4着に好走した実力は伊達ではなかった。これまでコロっと負ける脆さがあったが、怯まずに落ち着いて馬群を突き抜けてきた様子からは「本格化」なったことを伺わせた。この馬が圧巻だったのは今年1月の川崎記念。アジュディミツオーを1.3秒も突き放し、驚異的なタイムを叩き出した。父・エルコンドルパサーはデビューからダートで3連勝を飾った馬で、去年もアロンダイトで JCDを制覇している。ヴァーミリアンのダート適性は中央の砂でも落ちることはなく、ここを勝って早世した父の血を次の世代へと繋いでほしい。

ライバルも面白いメンバーがそろった。500万条件から4連勝中のドラゴンファイヤーはブライアンズタイム産駒。前走のシリウスSでは直線、前が壁になりながらも、進路を探す余裕を見せてラスト1ハロンで突き抜けた。時計以上に濃い内容で、勢いのある3歳馬はJCDの勝ちパターンだ。アメリカのスチューデントカウンシルはBCクラシックを回避してJCD参戦。ポリトラックで行われたパシフィッククラシックを勝ち、そのデルマーの新コースと似た東京のダートは合うのではないかと判断したようだ。パシフィックCとJCDを連勝すると1億円のボーナスがJRAから払われることになっており、陣営は目の色が違うだろう。武蔵野Sで全く不向きな展開と馬場を追い込んできたフィールドルージュも侮れない1頭。ノリの自信は怖い。

◎ヴァーミリアン ○ドラゴンファイヤー ▲スチューデントカウンシル
△フィールドルージュ、メイショウトウコン、ブルーコンコルド、フリオーソ

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2007.11.20

ディラントーマス出走断念 外国馬にチャンスはあるのか

エリザベス女王杯に続いて、また直前で非常に残念な出走取り消しがあった。バゴ以来、3年ぶりの凱旋門賞馬の挑戦として注目を集めたディラントーマスが、ジャパンカップを回避することが発表された。同馬は競馬学校の国際厩舎で輸入検疫を受けていたものの、届出伝染病に指定されている馬ウイルス性動脈炎(EVA)の抗体検査で陰性確認ができなかったという。これにより入国が認められず、出走も叶わなくなった。同馬はブリーダーズカップ出走後にアメリカでEVAワクチンを接種したことが確認されている。一般的にワクチンは弱めた病原体を体内に注入することで抗体をつくるものだが、今回の抗体検査との関係は明らかではない。日本で種牡馬入りするわけでもない同馬の電撃的な参戦は世界的な話題となっていたし、渡仏ならなかったメイショウサムソンウオッカとの対戦が幻となってしまったのは、返す返すも惜しいことだ。

他の外国馬にはチャンスはあるのだろうか。ディランに替わって大将格を任されるのが英・ペイパブル。父は99年に来日して4着に敗れた凱旋門賞馬モンジューで、 2400メートル前後のG2、G3を転戦してきた。一線級相手に力は見劣り、馬場適性にも疑問符がつくとなれば狙いは立てづらい。独・サデックスもサドラーズウェルズの直仔。日本の馬場は微妙と言わざるを得ないが、 3連勝後、一息入れた凱旋門賞が不利があって6着。どこかJCに照準を合わせたようなローテは不気味な感じがする。 95年のランドのようにドイツ産馬は遠征に強いイメージがある。米・アルティストロワイヤルはデインヒル産駒。BMSもマニラで軽い馬場は合いそう。前走は強敵を破って久々の勝利をあげ、JCが叩き3戦目。従来の詰めの甘さが解消されていれば、あっと言わせるシーンもあるかもしれない。英・ハリカナサスは2400メートルは未経験。春から既に10戦を消化しており、上積みは難しい。馬券はもう少し検討して結論を出したい。

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2007.11.17

岩手競馬に存続宣言 コストカットの連鎖を断ち切れ 

今年3月、一度は知事による廃止表明にまで追い込まれた岩手競馬。直後、県議会に緊急提出された融資案が1票差で可決され、薄氷を踏む逆転劇で今年度の存続が決まった。但し、その最低条件は収支均衡。その見通しが立たなければ年度途中でも廃止という約束を呑んで、背水の陣での再出発を余儀なくされた。そして、今月12日、岩手の達増知事は「(本年度の)黒字がほぼ確実になったので来年の存続もほぼ確実と言っていい」と述べて、来年度も引き続き開催を行えるとの認識を示した。知事が存続に向けて強い自信を明らかにしたことは、競馬ファンとしては非常に心強い。昨春は地方競馬の巨人と言われた岩手競馬が廃止されることで、競馬産業そのものの土台を揺るがす事態が誘発されることも、かなり現実味を帯びるところにあったからだ。まずは瀬戸際で踏みとどまれた事実に敬意を表したい。

しかし、今回の知事の発表を手放しで喜んでばかりはいられない。収支均衡の見通しを示すため、岩手競馬は売り上げ目標の下方修正と、帳尻を合わせるための度重なるコストカットを行ってきたからだ。岩手競馬の当初計画の発売額は274億7200万円。ところが、今年度の開催を始めて以来、売り上げの減少には歯止めがかからず、各期ごとに設定した目標達成率は期を追う度に下がり続けた。 1期(4~5月)が93.9%、2期(6~7月)が87.9%、3期(7~10月)が77.1%。競馬組合は収支計画を厳しく見直し、発売目標額を42億400万円減の232億6800万円まで押し下げた。その分、必要になるコストカットは3回行われ、賞金や運営費、人件費は大幅に削減されてきた。今月8日に決まった追加コスト削減では、賞金や出走手当て(賞典費)が1億2100万円、広告宣伝費や優待バスの本数を減らすことで1億4500万円を切り詰めた。

収支均衡が崩れれば即廃止という条件下では、増収が見込めない以上、経費を削減していくしか生き残る道はない。一方、開幕時に18億円余のコストカットの対象とされた賞典費については、さらなる削減を続ければ岩手競馬の基盤を危うくするという声もある。賞金が少なくなればレベルの高い馬が流失し、レースの面白さもなくなる。その結果、ファン離れが加速し、売り上げ減少を招き、また賞金を削らねならないという、負のスパイラルに陥ってしまうというのだ。実際、なかなか転入馬がやってこないという事態が起きているそうで、厩務員のリストラにもつながっていると聞く。厩舎スタッフだけでなく、競馬組合の職員も冬の賞与は全面カットされることになり、岩手競馬全体の再建へのモチベーション低下も心配されるところだ。コストカットの繰り返しでは、近いうち限界がやってくる。問題を先送りせず、スパイラルを断ち切ることが必要だ。

紅葉美しい水沢競馬場 小回り故かスピード感は楽しめる

ファンとパドックの距離は近いが、野次は少なめ 売り上げ不振は続くか人出はある

決して経営側も手をこまねいていたわけではない。6月には「ルネッサンスプラン」を策定。客単価が落ち込むなかで、ファン感謝デーの開催、携帯サイトでの映像配信、産直市などイベント実施でファン獲得をめざし、入場者数を増加させる実績もあげた。今月11日、私は水沢競馬場を訪れたが、ひどく老朽化した施設にも関わらず、少なくないカップルや家族連れの姿があったことに驚かされた。この日は「ご当地グルメ市」と銘打って各地の名物料理を売る露店が出ていたり、レースの度に馬券を持っていくとリンゴやジュースなどが抽選で当たる JAとタイアップした企画が行われていた。このほか、アイドル・ふじぽんらによるレース予想や、子供向けゲームセンターもあり、来場したファンを楽しませようという姿勢が伺えた。そこには馬を走らせておけば勝手に穴場に金が入るという、前時代的な役所競馬の発想は感じられなかった。それだけに売り上げ減少が止まらないのには、歯がゆい思いだろう。

賞典費や人件費に関しては、これ以上のコストカットは望むことはできまい(業務委託費は分からないが)。ギリギリの予算のなかでファンを呼び込むイベントや、地元企業との連携も進んでいるように見える。オッズパークグランプリLJSなど、ネット販売企業から強力な支援もあった。それでも売り上げが足りないのなら、盛岡、水沢のどちらかに開催を集約するなど、根本的な改革に手をつけなければならないのではないか。自転車操業で景気が好転するのを待つような、旧来の悪い神頼み意識には戻ってはならない。来年度の収支計画は恒久的な黒字が出せるよう、現実と向き合ったものにしてほしい。苦境の岩手競馬だが、ひさしぶりの明るい話題もある。額にハート形の流星を持つトレジャースマイルの人気ぶりだ。デビュー戦は5着に敗れたものの、全国メディアに取り上げられ、多くのファンが応援に駆けつけた。単勝馬券にハートのハンコを押すサービスも実施し、通常より300万円ほどレースの売り上げも増えたそうだ。ハートのエースになってくれとは言わないが、岩手で頑張る人々を勇気付けてくれたらと願う。

勝ちそーの予想コーナー。隣の中央実況がうるさくてかわいそうだった トレジャースマイルに寄せる期待は大きい

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2007.11.13

オレが福島へ行くよ! LIVEで観た裏開催のドラマ

先般、ちょっとした話題になった「福島へ行け!」発言。だが、福永の怒髪天を突く勢いにも関わらず、終ぞ五十嵐が福島に出向いたという話は聞かない。そう言えば、我が身を振り返っても、秋の福島に行ったことはなかった。夏の表開催はいざ知らず、この時期にわざわざ東京から赴くファンは素っ頓狂だろうか。しかし、裏開催を知らずしてローカル競馬を語るなかれ。福永さん、オレが福島に行くよ! ということで、この不肖モノが五十嵐の代わりとして、秋の福島競馬にどっぷりと浸かって進ぜよう。 時は先週の土曜日(10日)。 1レースに間に合わせるため、早朝の新幹線に乗ってみちのく路へ旅立った。この日は福島記念が組まれているとあって、市内のビジネスホテルはどこも満室。競馬場に向かうローカルバスも埼京線状態で、「FEEL LIVE 福島!」という熱気が感じられたぞ。とにもかくにも、 9時半ころ到着し、ゴール前のA指定席を1500円でゲット。ここを根城にして、福島全レース勝負を敢行することにした。

まずは1レースとなるわけだが、実は愛馬シルクパナシアが出走しており、予想も何もない。盲目的にがんがれ馬券を購入。6着に散って、一番の目的は終了(えー)。以降は冷静にレースを観ていくことにした。福島は修行の場というだけあって、中央場所では乗り鞍の少ないジョッキーが挙って押し寄せている。リーディング表を上から見ていくと、全国トップテンに入っていたのは、ミスターローカル、9位の中舘だけ。修行中の若手では田中博、中村将、石橋脩、津村、的場勇あたりがブイブイ言わせており、そこに佐藤哲、上村、太宰、安藤光らベテラン勢がピリリとした味付けをしている馬柱が並ぶ。じっくり眺めると、なかなかオツな東西の面々ではないか。但し、重賞が施行される日とあって、15位・池添、19位・藤岡佑、23位・吉田豊ら上位騎手の名もあった。ちょっとしたゴールデンデーなのかもしれない。

秋の福島はけっこう美しい ここは中館先生の絶対王政

2レースの新馬戦は4番人気、梶のコスモグラマラスが勝利。若手のはこれが2勝目だそうが、そんなに勝っていない騎手なんて買いづらいよなぁ。しかも新馬で。3レースはダート千七の500万下。人気サイドから三連複で勝負したものの、3着に人気薄の川島信の馬がぶっ飛んできて波乱に。「当たんね。もう福島なんて来ねーYO」と帰り支度を始めようと思った時、長い審議が始まった。そして、まさかの川島降着。初馬券ゲッツですよ。パトロールフィルムを観ると、内を進んだ川島は直線で前が壁になったため、隙間とも言えない隙間に突進して、他馬を外に弾き飛ばしている。はっきり言って五十嵐のコスモバルクなんか比ではない。道は自ら切り拓く。斜行ってのは勝ちに行くための情熱が溢れ出たもんなんだ、ヘタレの騎乗ミスと一緒にするなという、福永への熱いアピールに違いない。これぞ福島クオリティだ。

4レースはダート二四の長距離戦。人気は的場勇のヒシポラリス。内枠を利してスローに落とし込み、余裕の勝利を飾るのだろう。という、私の安易な予想は甘すぎた。レースは佐藤聖らが激しいハナ争いに絡むハイペース。すっかりヒシポラリスもバテて圏外、差してきた田中克が9馬身差の圧勝ですよ! これって、厳しい展開っつーか、おまえら馬を御しきれてないだけだろ。そこで中舘先生ですよ。5レースのスプリント戦。先生がハナを切ると、ピタリと流れが落ち着く。中館-池添で決まり、まるで中央場所を見るような安心できるレースへ大変身。6レースも吉田豊-池添の人気サイド。やっぱリーディング上位のジョッキーが走らせると違うわ。そんな私の感心に待ったをかけたのが、ベテラン・芹沢。 7レース、前2走とも二桁大敗の馬を先行策で1着に導く妙技。人気でぶっ飛んだ吉田豊の同枠ということで、ひさびさに枠連を買っていた私の懐も厚くしてくれた。代用サイコー。

パドックの応援幕もしぶい 誰だか分かりますか?

勢いに乗りたい8レース。私は6番人気、石橋脩の単複で勝負。人気のない若手の先行馬は買いなのです。佐藤哲の後塵は拝したものの、思い切り良い競馬で2着に粘ってくれた。いや、そろそろ福島に慣れてきたぞ。9レースは池添が人気サイドで1着。 10レースは鉄板っぽい中舘を村田が押さえ込んだ。上位ジョキーの安定性を信じるか、若手の思い切った騎乗を買ってみるか、ベテランの燻し銀に期待するか。それに馬の実力や展開を加味して、答えを出していくのが福島競馬の予想の醍醐味なのか。そして、福島記念。悩んだ末、藤岡佑タマモサポートを本命に。しかし、やっぱり福島の重賞には福島を代表する騎手が勝つもの。道中は内で折り合わせ、絶妙な位置取りから抜けた中館アルコセニョーラが優勝。2着にはベテランの太宰、 3着に騎乗停止を受けた川島信が意地を見せて、3連単60万円を超える大波乱となった。

正直、これまで秋の福島開催を一日通して観た記憶はなく、レベルの低い馬と騎手が集まって、G1の裏でコソっとやってる暗いイメージを抱いていた。客観的に見れば、そうしたステレオタイプな見方も間違ってはいないのだろう。だが、その裏開催で様々なドラマが繰り広げられ、発展途上の若手、騎乗依頼の減ったロートル、晴れ舞台より勝ち星を選んだジョッキーがキラリと光るレースをしていることに、きちんと注目したことはなかった。最終レース、武英-勝浦の人気馬がワンツーするなか、津村が必死の追い上げで 3着に食い込む様子を目にしながら、そんな反省が頭を過ぎった。例の発言がなかったら、今回の旅路もなかったかもしれない。だから、福永に感謝。そして、裏開催をFEEL LIVEしたことのないファンに叫ぼう。「福島に行け!」と。

快適なA指定席 G1はなくてもG1焼きはある!

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2007.11.12

エリザベス女王杯回顧 アンカツの術中に全馬策なし

エリザベス女王杯の当日、ファンの多くはがっくりと肩を落としたのではないだろうか。1番人気に支持されていたウオッカが取り消し。ダイワスカーレットとの再戦は持ち越されることになってしまった。原因は右後肢の蹄踵部に発生した違和感。ウオッカは脚を地面につけない状態だったという。夏、ウオッカは同じ右後肢に蹄球炎を発症、凱旋門賞遠征を断念している。その時との関連性は不明だが、今回の異変も外傷性のものであるとすれば、何とも不運としか言いようがない。取り消し時点で発売額の6割がウオッカ絡みの馬券だった。馬連や単複は返還されるが、枠連の購入者は背筋が凍っただろう。前日の京王杯、私はイイデケンシン流しの枠連を買って代用で的中。すっかり枠連の良さに目が行っていたが、取り消しのリスクを改めて思い知らされた。軽症ということなので、ジャパンカップで巻き返しを期待したい。

ウオッカ取り消しとなれば、ダイワスカーレットの敵はいない。それでも、モヤモヤした気分を晴らしたくなって、馬券はフサイチパンドラの単勝と連勝を買うことにした。レースはハナに行くと思われたアサヒライジングが出遅れ。ついている馬はどこまでもツキがある。ダイワスカーレットは楽にハナを奪うと、前半3ハロン36秒2という超スローのラップを刻む。そして後半、十八番になった早めペースアップ。この必殺技が決まると、少なくとも同性のライバルに付け入る隙はない。前年の覇者、フサイチパンドラが完璧なルメールの騎乗で並びかけようとするが、切れ味では勝負にならなかった。アサヒライジングの出遅れを最も恨んだのは、スタミナ勝負に持ち込みたかったフサイチ陣営ではないか。柴田善の責任ではないだろうが、レースの面白みも半減させた。

3着には一昨年、このレースを制したスイープトウショウが入った。気難しさから追いきりも満足にできなくなり、往年の力はなかったが良く健闘した。鶴留師はパドックで池添に「これが引退レースになる」ことを伝えたそうだ。角田を主戦として阪神JFまで戦った2歳戦、秋華賞での悲願G1奪取、ハーツクライを差しきった宝塚記念など、本当に息長く思い出深いレースを残してくれた馬だった。ウオッカのステイブルメイト、ディアデラノビアは4着。自分で動けない馬では仕方がない。デアリングハートは距離だろう。アンカツの術中に嵌った今年のエリザベス女王杯。どんな展開になってもダイワスカーレットの勝利は動かなかったと思える内容だったが、秋華賞の強さを知りながら、誰も鈴を付けに行こうとしなかったのも、不完全燃焼感が残ったG1だった一因かもしれない。

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2007.11.11

新たな地方最強決定戦 第1回オッズパークグランプリ

月曜日(12日)、水沢競馬場で「オッズパークグランプリ2007」が開催される。このレースはオッズパークがスポンサーとなり、優勝賞金1000万円をかけて、全国の主催者から推薦された馬たちが激突するお祭りイベント。初めての施行となる今回は笠松からミツアキタービン(ダイオライト記念・オグリキャップ記念)、金沢から上がり馬・エフテークリニックが参戦。この2頭を岩手の女傑サイレントエクセル(ビューチフルドリーマーC)、テンショウボス(赤松杯)らが迎え撃つ。注目は岩手転厩初戦を3.1秒の大差をつけて勝ったタイガーマスク。賞金の一部を児童養護施設に寄付するとして話題になった "あしながホース"だ。キングマンボ産駒とあってダートで激変、一気の大物食いで寄付金を稼ぐことができるだろうか。

実は前日の日曜日(10日)、私は初めて水沢競馬場に足を伸ばしてみたばかり。オッズパークグランプリを盛り上げようと、場内ではさまざまな催しが行われていた。ハズレ馬券と引き換えにクジが引ける抽選会、全国のご当地グルメが出店した屋台村、ふじぽんが後半レースを予想する「勝ちそー」リベンジ大会などなど。厳しい経営が続く岩手競馬だが、そんな暗い話が出るのが不思議なほど場内は盛り上がっていた。水沢観戦記は後日、改めるとして、まずはオッズパークグランプリの馬券予想を楽しもう。雨の影響で馬場が軽くなった水沢は、内枠の先行馬が非常に有利になっている。1枠に入ったサイレントエクセルは優位。水沢は【8113】と鬼だ。相手は脚元との戦い続くミツアキタービン、ひょっとすると岩手の看板馬となるかもしれないタイガーマスク。

>>「オッズパークグランプリ2007」公式サイト

◎サイレントエクセル ○ミツアキタービン ▲タイガーマスク
△ニシノグレイシャ、テンショウボス、エアウィード

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2007.11.10

選択したのは背水の陣 ウオッカが期す三度の正直

※ウオッカは出走取り消しとなりました。

ダービー馬・ウオッカを桜花賞、秋華賞で破ったダイワスカーレット。チューリップ賞でウオッカの後塵を拝した後は、完璧なレースを続けている。前日売りでは秋華賞と同じく人気はウオッカに軍配が上がった。それだけ人々に印象付けたダービーのパフォーマンスは衝撃的だったということだろう。本来なら休養明けの秋華賞を叩いた後、世代頂点に立つダービー馬として、ジャパンカップをめざすのが王道ではあった。しかし、ダイワスカーレットに敗れたままでは済まされないと考えたのか、陣営は敢えてエリザベス女王杯での再戦を選択した。だが、三度負ければ、最優秀3歳牝馬の座を失うことになりかねず、 64年ぶりの牝馬ダービーがノンタイトルとなる可能性さえある。どこかの放送局の陳腐な台詞を借りれば、ウオッカ陣営にとって「絶対負けられない戦い」に間違いない。

宝塚記念、秋華賞の連敗でウオッカに力の陰りがあるとする見方もあるが、私は正しくないと思う。不運が重なった宝塚記念もそうだが、秋華賞もとても地力だけで勝つことは難しい展開になった。 G1レベルでは考えられない中盤13秒6のスローラップが出現、 2番手で追走していたダイワスカーレットに勝って下さいと言わんばかり。対するウオッカはタメていくことを決めていたため、縛られたように後方に待機するしかなかった。結果として、上がり33秒2という限界に近い脚を繰り出したものの、先に抜けたダイワスカーレットを捕らえられなかったのは当然としか言いようがない。今回、舞台は京都内回りから、直線で内の開きやすい外回りに変わる。ひと叩きされたウオッカが前走のような不完全燃焼の競馬に終わるとは考えづらい。G1での三度目の正直。ウオッカか、ダイワスカーレットか。個人的には背水の陣を期すダービー馬の雪辱を観たい。

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2007.11.08

ジャパンカップダート 来年から阪神1800に

9日付け東京スポーツによると、来年からジャパンカップダート阪神ダート1800メートルを舞台に施行されることが明らかになった。これまでJCダートは原則としてジャパンカップ前日の土曜日に行われてきたが、今回の条件変更に伴って日程もジャパンカップの翌週に移行される。そのため、阪神JF、朝日杯FSも一週ずつ繰り下げられ、有馬記念までG1レースが谷間なく組まれることになった。今秋、JCダートの阪神移行は一部で囁かれていたが、当初の噂されていた 2000メートルではなく1800メートルに距離変更された理由には、スタート地点が芝になることを避けたものと思われる。また、ワールドスーパージョッキーズシリーズと同じ週に行うことで、トップレベルの騎手と馬を集める狙いもあるとみられている。これまで招待馬の質に恵まれていなかっただけに、JCダートが阪神で新たに生まれ変わることを期待したい。

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2007.11.06

女たちの華麗な戦い レディースジョッキーズS開幕!

中央、地方で活躍する女性ジョッキー11人によって争われる、レディースジョッキーズシリーズ(LJS)の第一ラウンドの火蓋が水沢で切って落とされた。LJSは荒尾で行われていた全日本レディース招待競走を3競馬場の持ち回りとしてシリーズ化したもので、今年で2回目の開催となる。各地で2レースずつ、合計6レースを対象にポイント制で順位が決まる。去年は荒尾、高知、名古屋を転戦し、3勝をあげた名古屋の山本茜が優勝した。今年の舞台は水沢、荒尾、浦和。5日の水沢では地元の皆川麻由美が初戦を制してトップ。 2戦目を勝った山本、堅実にポイントを稼いだ高知の別府真衣が僅差で追っている。セクハラ訴訟を取り下げたばかりの山本は、精神的な影響はあるのだろうが、競馬はしっかりと乗れているようだ。

中央からはマッキー改めマッスー?になった増澤由紀子西原玲奈が参戦している。先週、増澤はLJSの準備のためか、1年ぶりに2鞍騎乗。ハナと最後方待機という極端な競馬だったが、良いリハビリになったのではなかろうか。実際、初戦で増澤は果敢に逃げて3着に粘る手綱さばきを見せており、残り4戦でチャンスも巡ってきそうだ。増澤も西原も最近3年間、勝ち星のない寂しい状況だけに、LJSでは久しぶりの美酒を味わってほしい。LJSを盛り上げようと、オッズパーク楽天競馬ではレアグッズのプレゼントやポイント付与などのキャンペーンを行っている。NARの特設サイトも充実しており、普段、地方の馬券は敬遠しているファンもお祭り気分で参加してみてはいかがだろうか。この後、第二ラウンドは荒尾で13日、第三ラウンドは浦和で22日に施行される。

>>「レディースジョッキーズシリーズ2007」特設サイト

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