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2007.10.18

無敗ロックドゥカンブ 南半球産馬が菊の大輪を咲かす?

64年ぶりに牝馬が優勝したダービー、初めて外国産馬がクラシックを制することになったオークス、重賞レース史上で970万円という最高額の配当が飛び出したNHKマイルC。今年の3歳G1は記録ずくめとなるならば、菊花賞も「初の南半球産馬による制覇」なる偉業が達成されても不思議ではない。牝馬に世代の頂点に立たれ、プライドを引き裂かれてしまった2004年産の牡馬たち。本来なら最強馬決定戦になるはずの菊花賞も、ウオッカへの挑戦権を獲得する予選のような状況だ。クラシックで本命視されていたフサイチホウオーの体たらくもあり、低レベルと揶揄されることも多いが、やはり菊花賞も軸馬不在の混戦模様。その中で無敗の4連勝を飾り、一躍、京へと上ってきた南蛮生まれの若武者に期待がかかるのは無理からぬところか。負け犬根性は知らぬうちに身につくものだそうだが、ロックドゥカンブだけは勝利の喜びしか味わったことしかない。

ニュージーランド産のロックドゥカンブは北半球の同世代より半年遅く、9月29日に生を受けた。競走馬の1年は人間の4年に該当すると言われるが、育ち盛りのロックドゥカンブは 2歳も3歳も上級生のライバルたちと戦ってきたことになるのかもしれない。 3月に1800メートルの新馬戦を番手から抜け出す危なげない競馬で勝利を収めると、一息入れた6月には小回りの中京で届かないと思われた後方から差しきり勝ち。非凡な能力を見せ付けた。初めてオープン級と対戦したラジオNIKKEI杯は早め先頭で初重賞制覇。そして、セントライト記念も外から被せられても動じることのない大人のレースぶりで、好位から楽に抜け出してのゴール。1馬身1/4の着差以上の完勝だった。鞍上の意のままに動くセンスの良さはピカ一と言えよう。他馬より2キロ軽い55キロの斤量で出走できるのは鬼に鉄杖、ライバルからすれば盗人に追い銭か。

もちろん、不安材料はいくらでも指摘できる。父・レッドランサムは日本ではユノペンタゴンやアポインテッドデイなど、早熟のマイラー色が強い。海外ではドバイWCを勝ったエレクトロキューショニストなど中距離G1馬も輩出しているものの、スピードの勝ったタイプであることは間違いない。セントライト記念の勝ち馬がシンボリルドルフ以降、菊花賞を制していないのも嫌なデータだ。歴代の優勝馬を眺めてみると、中距離ホースばかりが名を連ねており、ロックドゥカンブも例外ではないだろう。鞍上の経験のなさも取捨の大きな要因になる。柴山雄一は笠松競馬の出身。 1次から騎手試験を突破した異色の地方ジョッキーだ。中央入りした一昨年は80勝をあげる大活躍を見せたが、去年は52勝、今年は35勝と尻すぼみの成績。一時期は極度の不振に陥ったこともあった。美浦所属の柴山は京都3000メートルは未体験で、長距離のキャリアは一歩も二歩も劣る。

シンボリルドルフ以降、ロックドゥカンブのように無敗で菊花賞に挑んだ馬は3頭しかいない。春の二冠を制したミホノブルボン(2着)、ディープインパクト(1着)は別格。あとは未勝利、400万、900万と3連勝していたマチカネイワシミズ(7着)。ダビスタの"種付け料無料"で有名になったが、同馬は13番人気での挑戦で比較対象外にすべきか。ロックドゥカンブとイメージが重なるのは、無敗でも春クラシック未出走でもないが、夏から馬が変わったように3連勝して菊まで勝ってしまったマチカネフクキタルか。この馬もクリスタルグリッターズ×トウショウボーイとスピード色の強い配合だったが、スローペースを味方につけて33秒9の電撃的な差し脚で距離を克服した。自在性あるロックドゥカンブ、やはり淀の三千を乗り切れるかは柴山の手綱次第となるのだろう。

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コメント

ロックドゥカン「ブ」ですよー

投稿: a | 2007.10.18 17:58

面目ない。ありがとうございます。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2007.10.20 00:52

単なる馬券ベタの勘ですがロックドゥカンブの1着って
のは絶対ないと気がするんですよねえ。なんか生産者の
怨念が競馬場上空を渦巻いてるようで(笑)
今年はざっと見てて春のクラシック不出走の馬が面白い
かなあとか思っています。心情的にホクトスルタンに
勝ってもらいたいですがアルナスラインだとかデュオト
ーンあたりも戦績みててなんか匂ってしょうがないです。

とりあえずロックが勝っちゃったら今年の3歳内国産
牡馬は近年稀に見る大ハズレだったってことっすね。

投稿: ジュサブロー | 2007.10.20 02:33

ロック、お見事。人気を背負うとそれだけ自分の競馬ができなくなるものですね。JCで結果を出さないと、3歳牡馬のレベルは疑われますね。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2007.10.24 03:23

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