ダーレーの馬主資格承認 遂に外資への門戸開く
複数の報道によれば、3日、中央競馬の馬主登録審査委員会が都内で開かれ、去年は却下されたダーレー・ジャパン・ファームの馬主申請が認められることになった。 4日のJRA審査会を経て、正式に認可される。ダーレー・ジャパンはJRAの獣医師だった高橋力氏が代表を務めているが、アラブ首長国連邦のムハンマド殿下の傘下にあることは言うまでもない。今回、申請が認められるダーレー・ジャパン・ファームは北海道で生産活動を行うグループ内の法人のひとつ。やはり代表は高橋氏とはいえ、言葉は悪いが本家ダーレーの名義貸しなのは間違いなく、遂に中央競馬で外国人馬主に門戸が開放されることになると言って良いだろう。 JRA、馬主団体、馬産地と、頑なに非居住外国人の馬主登録に反対してきた競馬界の方針は、パート1国入りとともに実質的な転換を余儀なくされたことになる。
去年の馬主登録審査委員会では出席した委員全員が反対したが、今年は15人のメンバーのうち反対したのは5人だけだったという。馬主団体以外のJRA職員、学識経験者らの委員は賛成に回ったものと推測される。これまで馬主団体や生産者は、莫大なオイルマネーを背景にしたダーレーがやってくれば、日本の高額賞金が根こそぎ海外へと持ち去られ、国内の競馬産業が衰退するという脅威論を唱えてきた。ラフィアンの岡田繁幸総帥は世界中の有力な馬主が拠点を開設するようになり、「国内の生産者及び馬主は、おそらく7割くらいは消えてゆく」と警告を発してきた。「自国で調教を施して能力を見極め、成功する確信をつかんでから国内に送り込むという効率的なシステムを造り上げれば、海外に止まった場合よりも何倍も稼げる」と言うのである。
だが、現実としてダーレーはそのような収奪的な手法とは裏腹に、日高の中小牧場を買い取って生産拠点をつくったり、一流種牡馬を海外から輸入して安価に供用するなど、日本国内に腰を据えて活動を行っていく姿勢を明確にしてきた。 BCターフなど大レースを制して2年連続でワールドシリーズ・レーシング・チャンピオンに輝いたファンタスティックライトの種付け料は350万円、ジャパンカップをレコード勝ちしたアルカセットは250万円と、社台SSに繋養されているアグネスタキオン、スペシャルウィークの800万円と比べると割安だ。今年のダーレーの種牡馬は日高の生産者の間で高い人気になっていたそうだ。ダーレーは他牧場の生産馬を買い上げるなど、今や馬産地に資金を還流させる日高復興の救世主的な存在になりつつある。ただ賞金を海外へ持ち去っていく簒奪者でないことは、誰しも認めざるを得ないだろう。
競馬界は社台グループを除いて、かつての好況を取り戻せず、相変わらず閉塞感に包まれている。縮小傾向にある馬産地は、外資によって再活性化が図れるとする声もある。新勢力の登場で"社台の運動会"と揶揄される中央のレースは、マンネリから脱出して再び競馬ブームに火がつくきっかけになるかもしれない。外資の参入は無条件で歓迎するものではなく一定の制限は必要だが、すべて後ろ向きに捉えるべきではない。今回の馬主登録は日本法人に認可されるものだが、いずれ海外からの要求に応えて純粋な外国人馬主も受け入れる日が来るだろう。その時に備えて、日本の競馬界はこれまでのように反対一辺倒を声高に叫ぶのではなく、いかに資金を国内還元させるか、外資を利用して産業を繁栄させていくかを議論していかなくてはならない。ひとたび開かれた扉は閉じられることはない。
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コメント
ひと昔前にグリーンファームに馬を卸していた伊藤さんに対しても岡田さんはクールモアが攻めてきたとか日高中に言いまわっていた記憶が・・・。
そんなことはさておき、今の社台グループってのは独占禁止法にひっかからないんでしょうか。あれじゃ種付料だのなんの値段なんか好き勝手につけられるからボロ儲けですね。モハメドさんの軸足はあくまで欧米で動かないでしょうし新しい資本が流れ込むことがそんな悪いことなんでしょうか。いまのままでも中小牧場が苦しいのは変わらないだろうし。
投稿: ジュサブロー | 2007.07.07 14:04
ファンとしては短期的には強力なライバル出現は面白いですよね。馬産地に良い影響が出るような参加の仕方であれば良いのですが。
投稿: ガトー@馬耳東風 | 2007.07.13 11:04