« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »

2007年7月の9件の記事

2007.07.30

関口フサオ落選 派手な選挙活動もファンには届かず

29日に投開票された第21回参議院選挙。自民党は40議席に届かず、非改選議席と併せて過半数維持に必要な64議席を大幅に下回る歴史的大敗を喫した。競馬関係者として国民新党から比例で立候補した富豪馬主・関口フサオ(房朗)氏は、2万7000票を得たものの当選には至らなかった。国民新党が比例で獲得したのは1議席だが、関口氏の得票は党内で9番目だった。関口氏は2001年の参院選でも無所属で愛知選挙区から立候補、4万票余を得たが落選している。この時は選対幹部が公職選挙法違反で有罪判決を受け、関口氏も連座制適用から同選挙区からの 5年間立候補禁止の処分を受けている。今回、そのリベンジを果たそうと全国各地で精力的な遊説を行ったが、ダービーで人気になったフサイチホウオーのように直線でも脚は伸びなかった。

関口氏が第一声をあげたのは大阪・ミナミ。亀井静香代表代行が「金さえあればいいという社会でいいんですか!?」と格差社会是正を訴える横で、カルティエの腕時計など"総額2億円ルック"に身を包んだ関口氏がいたことが話題になった(デイリー)。2億円のフェラーリを落書き台にするパフォーマンスも注目を集めた。また、大井競馬場など競馬関連施設の近くで街頭演説を行ったり、選挙期間中に新潟競馬場を訪れて武豊とともに表彰式に出るなど、競馬ファンへのアピールも強く行った。関口氏は「世界で唯一の日米ダービーオーナーとして、日本競馬の発展と活性化を図る。払い戻し率の引き上げや、多様なニーズに応える競馬の実現を目指す」と公約を掲げていたが、競馬ファンの胸には響かなかったようだ。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2007.07.29

小倉記念予想 コース巧者アップドラフト◎!

サマーシリーズも折り返し地点。先週の函館記念ではエリモハリアーが三連覇を果たしたが、ローカルコースの適性がいかにモノを言うかを認識させられた。小倉記念も小倉重賞4勝のメイショウカイドウをはじめコース巧者が揃った。しかし、そのカイドウは一年ぶりの鉄砲に加えて、59.5キロのトップハンデ。代わって取り上げたいのが昨夏の小倉準オープンで勝利を挙げているアップドラフト。休み明けの前走、七夕賞では道中でなし崩し的に脚を使わせられながら、コンマ6秒差に踏みとどまった。ハンデ54キロで狙ってみたい。調子を維持している実績上位のスウィフトカレント、好調サンレイジャスパーが続く。

◎アップドラフト ○スウィフトカレント ▲サンレイジャスパー
△ニルヴァーナ、ヴィータローザ、ソリッドプラチナム

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.07.28

大衆競馬とは何か? ダーレー来襲で揺れる日本

アドマイヤムーンのトレード交渉がまとまった。現オーナーの近藤利一氏からシェイク・ムハンマド殿下率いるゴドルフィンが40億円で購入。殿下の傘下にあるダーレー・ジャパン・ファームに譲渡されるのだという(netkeiba)。 18日付けでダーレー・ジャパン・ファームは中央競馬の馬主登録を認可されており、アドマイヤムーンは松田博厩舎のまま、服色だけ変えて秋の天皇賞をめざすことになりそうだ。 JRAは海外に居住する外国人の馬主資格を認めておらず、ダーレー・ジャパン・ファームも日本人が代表者を務める、日本の生産法人という扱いがされている。しかし、本国の機関の意向で買い上げ、日本法人が所有するという形が許されれば、外国人馬主の受け入れと、その方便としての名義貸しを半ば公に認めることになるだろう。すぐさま海外で走らせるのではなく天皇賞参戦にこだわったことが、歴史的なターニングポイントを生み出したことになったやもしれない。

24日、JRA六本木事務所で開かれた記者会見には、近藤氏と生産者のノーザンファーム・吉田勝己代表が出席した。ノーザンファームはデビュー後にアドマイヤムーンの一部の権利を買い戻したとも噂されており、実際、市場取引馬されたことを表すマル市マークは馬柱から消えている。馬産関係者とみられるブログでは新馬戦直後に9000万円で半分の権利を得たと報じるところもあるが、真偽のほどは明らかでない。近藤氏は会見で「応援してくれたファンや日本競馬の売り上げに貢献するため」秋の天皇賞に出走することを譲渡の条件にあげていた。近藤氏とノーザンファーム側としては、「金でスターホースを外国に売り払った」という最悪のイメージを払拭することに心を砕いたように思える。阪神馬主協会会長を務める近藤氏はダーレーが対象になった馬主登録審査会を欠席し、馬主団体代表として唯一反対票を投じなかった(サラブnet)。瓜田李下の教えによれば決して褒められた行動ではなく、近藤氏の胸にも引っかかるところはあったのかもしれない。

外国資本参入に警鐘を鳴らすライターの河村清明氏は「『大衆の競馬』から『お金持ちの競馬』へ大きく舵を切っているような気がする」「はたしてお金持ちの競馬を志向して、『長く親身に応援してくれるファン』を多数獲得できるのだろうか」(“競馬場通り”の住人)と疑問を投げかけている。さらにムーンの40億円での購入は「日本の大物馬主の懐柔策」だと言う。この点、近藤氏を懐柔するためと断じるだけの具体的な証拠は何もなく、軽率な批判は控えるべきだろう。むしろ、多少はそうした意味合いがあったとしても、今年も現役のイギリスダービー馬などを買い求めているゴドルフィンの行動からは、ドバイで高いパフォーマンスを見せたムーンに触手を伸ばすことは自然なことではないか。もちろん、結果的に去年までダーレー参入に反対してきた近藤氏と社台グループのスタンスを百八十度転換させるのに何らかの影響があったなら、ゴドルフィンはしてやったりだろうが。

ところで、河村氏の言う「大衆競馬」とは何を意味するものだろうか。札幌大学の岩崎徹教授は著書のなかで、日本競馬の特徴は大衆競馬にあるとした上、「競馬を支える馬主、生産者、ファン」が特権階級でない庶民的、大衆的な性格を持っていると指摘している。馬主に関して言えば、平均所有頭数は2頭強しかなく、中小企業の社長や医者、タレントなど零細馬主が中心であるという。また、生産者も家族経営が多く、一般ファンもクラブ法人を通じて安価に馬主気分を味わっているとする。だが、こうした大衆競馬の基盤は崩れつつある。馬主数はピーク時の4分の3まで落ち込んでしまう一方、社台グループやキンコンカンに代表される大馬主の寡占化が進んでいる。馬産地では社台ひとり勝ちと日高・家族牧場の衰退は顕著であるし、ファンの馬券購買額の減少には歯止めがかからない。小さな問題かもしれないが、一口馬主の課税強化問題にJRAが手を打たなかった(打てなかった)のも、傾向に拍車をかける一助になったかもしれない。

では、ダーレーの本格参入は大衆競馬を突き崩すことになるのであろうか。賞金のπは限られているから、ダーレーが日高の牧場を次々と買収し規模を拡大していけば家族牧場は隅へと追いやられ、社台、ダーレー、他の有力生産者の争いになることは間違いない。ダーレーはオーナーブリーダーだから、その構図は馬主の世界にも持ち込まれる。同一馬主の馬が同じレースに何頭も出走するという事態を招き、公正競馬を疑われるケースも出てくるかもしれない。ライバルの馬を陣営の仲間で取り囲む作戦も容易にできてしまう。しかし、ファンに社台グループの寡占化を強く印象づけてしまっている現状では、大衆競馬を旗印に外資反対を叫ぶのは支持を得ることが難しかろう。私自身、たくさんの人々が馬主になることができる仕組みは残していくべきだと考えているが、その施策は馬主の収入要件や共有馬主制度の規制緩和などによって行うべきで、それは地方競馬を含めた日本競馬のグランドデザインから見直さなければ解決しないことだと感じている。

サンデーサイレンスの登場で一気に加速した社台グループの寡占化は、従来の大衆競馬を変容させつつあった。ファンに内在するダーレー待望論があるとすれば、社台一極集中のカウンターパートを求めるが故であろう。そうだとすれば、大衆競馬が壊れつつあることが、さらに大衆競馬を変えてしまうだろう外資参入を期待させる皮肉な結果を招いていると言える。私は従来から主張しているように、外資参入をどう役立てていけるか考えるべきだというスタンスに変わりはないが、対極的な位置にいる河村氏の「日本の競馬の目指すべき方向があいまいなままの方向転換は危険が伴う」という意見には賛成だ。攘夷論、開国論という単純な二分法的思考に陥るのではなく、変えるべきは何なのか、守るべきは何なのか、議論していく必要があると思う。やはり、この島国を揺り動かすのはいつの時代も黒船のようだ。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.07.25

逆境の武豊 最多勝記録達成から始まる大逆襲!?

21日、武豊は小倉競馬12レース有明特別でヒシワンスモアに騎乗して1着となり、 JRA通算2944勝をあげて歴代最多勝記録を更新した。これまでの記録は岡部幸雄の持つ2943勝だった。武豊は1987年の初騎乗以来、20年4ヶ月、1万4104戦をかけて前人未到の領域に達したことになる。とにかく競馬界にとって不世出の騎手であることは間違いない武豊は、新人の年間最多勝記録(69勝)、JRA年間最多勝記録(212勝)を始めとしてありとあらゆる記録を樹立してきた。これまでJRA重賞は245勝、G1は58勝。また、そうした中央競馬の活躍だけでなく、地方競馬を盛り上げようと交流競走に頻繁に参加したり、海外への挑戦も粘り強く重ねて日本競馬の地位を高めてきた功績も大きい。さらには競馬の社会的認知を獲得させたスマートな立ち振る舞いは、他の騎手では替わることができなかっただろう。

武豊が初めてG1を制したのはデビュー2年目の1988年。スーパークリークとコンビを組んだ菊花賞だった。直前まで出走権のなかったスーパークリークの騎乗に固執したため、岡田繁幸が所有馬を回避させた逸話はあまりに有名だ。翌春の桜花賞、大外枠に入ったシャダイカグラは出遅れを逆に利して優勝したが、世間では武豊は故意に出遅れさせたのではないかと噂された。こうした武豊の風評は1990年暮れの有馬記念で、「終わった」と評されたオグリキャップを勝利に導いたことで伝説へと昇華した。 94年スキーパラダイスで日本人初の海外G1制覇、98年シーキングザパールで日本調教馬初の海外G1制覇を達成。国内でもメジロマックイーン、ベガ、ダンスインザダーク、エアグルーヴ、スペシャルウィークらで数々のG1を総なめにし、ディープインパクト無敗の三冠で全てをやり尽くしたかのように思える。

しかし、歴代最多勝記録に達した今年、皮肉にも武豊はこれまでにない逆境に苦しんでいる。長年、築いてきたリーディングトップの牙城が地方出身の岩田らによって崩されようとしているのだ。現在、武豊のリーディングは関西3位。不振の原因は他騎手のエージェントの台頭で包囲網が形成され、今までのように自由に馬を選べなくなったことだと指摘されている。また、サンデーサイレンス産駒が少なくなり、同産駒とのコンビで得意としていた瞬発力を活かす競馬が足枷になっているとの声も聞かれる。これが原因だと断言することは今の時点では難しいだろうが、実際、ダービーではアドマイヤオーラを降板させられ、岩田に取って代わられるという屈辱も経験した。だが、武豊にとってはマンネリ化した国内競馬のモチベーションを再び高める発奮材料になったのは間違いない。下半期、リーディング争いは武豊がどれだけスパートをかけて岩田を差し切れるか、例年になく面白い勝負になるはずだ。

もうひとつ、下半期、武豊の存在感を示すことになりそうなのが、メイショウサムソンに騎乗する凱旋門賞。敬愛する先輩、石橋守のお手馬をいただく格好になっただけに、それなりの覚悟をもって依頼を受諾したはずだ。輝かしい経歴のなかで、凱旋門賞だけは武豊は目をそらしたいレースではないか。 94年、有力馬のホワイトマズルの手綱を任されたものの、消極的なレース運びで6着。「何もしなかった」日本人騎手に現地の関係者やファンからは厳しい批難が浴びせられた。そして、去年のディープインパクト。ディープの気性、日本とのスタートの違い、ペースなど様々な要因を考えれば、誰が乗っても1位で入線させることは難しかったのかもしれない。しかし、レースに最も悔いを残しているのは手綱を取った本人だろう。不振と言われた2007年も終わってみれば、リーディングの指定席は明け渡さず、凱旋門賞優勝の偉業も成し遂げる、武豊なら見事にやってのけそうな気もしてならない。天才の逆襲から目が離せない。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007.07.22

函館記念予想 滞在競馬でサクラメガワンダー◎!

かつて、荒れるレースの代名詞だった函館記念。しかし、5年前を境にして人気馬が必ず連対する落ち着いたレースへと生まれ変わってしまった。去年はエリモハリアー以下、人気順に1、2、3着と入線。それでも3連単は70倍を超えていたから、穴馬にも小銭を張っておこうというファン心理はまだまだ根強いのかもしれない。今年、注目したいのはサクラメガワンダー。ラジオたんぱ杯を勝った時分にはクラシック候補のトップに躍り出たほどの馬だった。その時、ハナ差で降したアドマイヤムーンは海外G1のタイトルを得て、40億円のトレードマネーがつくまでになった。双璧と言われたメガワンダーも、そろそろ復活と行きたい。とにかく長距離輸送だと入れ込む馬で、関東での競馬は【0106】。前走の安田記念もひどかった。一方、関西では【4012】と安定した成績を残している。函館は輸送のない滞在競馬となり、力を出し切れる可能性が高いとみた。

◎サクラメガワンダー ○アドマイヤフジ ▲ナムラマース
△マチカネキララ、シルクサクセス、メイショウオウテ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.07.20

移籍金40億円! アドマイヤムーンがゴドルフィンへ

ドバイデューティーフリーや宝塚記念を制したアドマイヤムーンが、シェイク・ムハンマド殿下が率いるゴドルフィンへおよそ40億円で売却される見通しであることが明らかになった。早ければ今月中にも近藤利一オーナーとゴドルフィンは合意に達する見込みで、今後は海外で競走生活を送った後、種牡馬入りすることになる。現役G1馬の海外移籍はユートピアに続く2頭目。去年5月、金子真人氏が所有するユートピアを購入したのも同じゴドルフィンだったが、この時のトレードマネーは4億5000万円だった。今回はその10倍近い額となる。種牡馬として売却されたケースを含めて、これほど大きな額で海外へトレードされたことは過去になく、否応なしに世界的なフレームに組み込まれている昨今の日本競馬を象徴する一件と言えるのかもしれない。

サンスポによれば、近藤オーナーは「セレクトセールがあった10日に、現地(北海道苫小牧)で正式に話を聞いた」とし、ゴドルフィンが40億もの「価値を認めてくれたこと」に心を動かされたとしている。どんな馬主でも40億も提示されては手元には置いておけまい。 一方、管理する松田博調教師は「そういう話は早くから聞いていた」 (報知)と述べており、ドバイでの優勝後、水面下で折衝が続けられてきたことが伺える。そのような邪推の上に立てば、香港クイーンエリザベス2世Cで武豊の騎乗に激怒したのは金額交渉に影響を与えかねないという心情からだったとの見方もできる。セレクトセールで2頭のアドマイヤムーンの半弟を5億5000万円で購入したのをはじめ 13億4550万円を使ったのも、カネのために手放したと見られたくないが故にも取れる。

また、交渉の間、ダーレー・ジャパン・ファームの馬主資格を巡って審査が行われていた。馬主登録審査委員会には馬主団体の代表が数名含まれており、阪神馬主協会会長の近藤オーナーの発言力は極めて大きい。今回、ダーレーが参入を認められたことに関して公私混同はないと信じるものの、移籍発表時期などに微妙な影響を与えたと捉えるのは自然なことだろう。かつて、フサイチの関口房朗氏が所有していたフサイチペガサス(ケンタッキーダービー馬)はクールモアが84億円で購入したと言われている。去年、スタッドインした金子真人氏所有のディープインパクトは 51億円でシンジケートが組まれた。単純な比較はできないが、これでキンコンカンは揃って種牡馬ビジネスで多額の利益を得ることになりそうで、近藤オーナーの溜飲も下がろうというものだ。

ゴドルフィンが購入したユートピアはフォーティナイナー産駒。アドマイヤムーンの父エンドスウィープ(死亡)もフォーティナイナーの仔。米最優秀2歳牡馬の同馬は、日本輸出後に産駒が大活躍して米リーディングサイヤーに輝いた経緯を持つ。ダーレーがアドマイヤムーンに40億円の値をつけたのは、血統的な背景が大きい。日本の生産界にとっても貴重な血統であることは間違いないが、母の父がサンデーサイレンスであることを考えると他のサンデー系サイヤーと競合せねばならず、海外のほうが優秀な繁殖に恵まれる可能性が高い。現役トップホースの流出が競馬人気に与える影響は心配しなくてはならないが、ひとまずアドマイヤムーンの秋シーズンの活躍と種牡馬としての成功を祈りたい。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2007.07.13

帯広ばんえい競馬 藤田、安藤勝らが異種格闘技戦?

16日(月・祝)、帯広競馬場に6人のスタージョッキーが集まり、ばんえい騎手となってエキシビジョンレースを繰り広げる。ばんえい競馬は去年、廃止の危機に直面したが、帯広市の単独開催となって存続。今年はナイター開催を行うなど、経営の立て直しが進められている。今回は藤田、安藤勝、四位、横山典、勝浦、池添らが新生ばんえい競馬応援しようと、イベントに駆けつけることになった。ばんえい競馬は通常の競馬と違って、馬に引かせたソリの上に騎手が乗り、長手綱を操りながらゴールをめざす。同じ競馬とはいえ、まったく求められるものは異なる。サラブレッドの扱いに長けた中央騎手は巨大なばん馬も動かすことできるのか、ばんえい独特の仕掛けのタイミングを巧く判断できるのか、とにかく非常に興味深いレースになることは間違いない。

日刊スポーツの報道によれば、イベントを開くために最も汗を流した騎手は藤田だという。ばんえいの馬主協会の理事が安藤賢一調教助手(元騎手)に相談し、安藤助手の呼びかけにいち早く藤田が手を上げたとする。北海道出身ということもあって、去年の廃止危機の際も組合を通じて存続の署名集めをしたそうだ。去年暮れの暴行事件で騎乗停止になり、復帰してからも公式なコメントもなく、 JRAのファン向けイベントには参加せず、NHKマイルCの勝利ジョッキーインタビュー拒否騒動も記憶に新しい。だから、ばんえいイベント参加からは、決してファンや公のために汗をかくことが嫌なのではない、藤田なりの憤りがあって協力しないのだという彼なりの姿勢も感じる。だが、それが何なのかは藤田自身が言葉にしなければ、ファンには届かないのもまた事実だろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.07.11

セレクトセール 近藤利一が意地の兄弟まとめ買い

9日から11日まで北海道・苫小牧のノーザンホースパークで行われているセレクトセール。2日間を終えたが、今年も数々のミリオンホースを輩出している。去年はトゥザヴィクトリーの娘が6億円で落札されるなど、山本英俊ら新興馬主やダーレー・ジャパンが大暴れして荒れ模様になったが、今年は関口房朗が参院選のため参加しなかったこともあり、比較的、落ち着きを取り戻している印象も強い。だが、初日の1歳セールは108頭が落札され、総売り上げ額は32億8440万円、平均落札額は3041万円と、去年より総売上で1億2960万円、平均落札額で91万円ほど下回るに留まった。 2日目の当歳セールは総売上49億5800万円、平均落札額3041万円で、それぞれ去年より2億250万円、617万円のマイナス。トゥザヴィクトリー産駒が価格を押し上げていたことを考えると、盛況な取り引きが行われていると見るべきだろう。

今年、セレクトセールの主役を務めているのはアドマイヤの近藤利一。アドマイヤムーンの弟になるマイケイティーズ2007(父クロフネ)3億円マイケイティーズ2006(父フレンチデュピティ)2億5000万円と、いずれも世代最高価格で落札した。ドバイデューティーフリー、宝塚記念を勝ったムーンは4年前のセレクトセールで 1600万円で落札されたお買い得馬だった。もし、ムーンの弟を競るのに途中で降りたりすれば、アドマイヤの沽券に関わると意地でも落とすことにしたようだ。それにしてもフレンチデュピティ産駒に2億5000万円とは景気がよい。一方、キンコンカンの一角、金子真人エアグルーヴ2006を2億4500万円で落札。 4億9000万円の値がついたザサンデーフサイチの全弟にあたる。陰りの見えるダンスインザダーク産駒であることを考えれば、やはり十分すぎる額ではないか。

他のミリオンホースでは、ラインクラフトの半弟・マストビーラヴド2007(父キングカメハメハ)をアドマイヤが1億5500万円で落札。 05年に2億1000万円で落札されたダノンマスターズが新馬戦で惨敗していなければ、もう少し値があがったかもしれない。キングカメハメハの半妹・マンファス2007 (父アグネスタキオン)は1億2000万円。リングレット2007(父ファルブラヴ)は9800万円(金子)。エヴリウィスパーの2006(父ジャングルポケット)は1億7000万円、フサイチリシャールの全弟・フサイチエアデール2006(父クロフネ)は1億4000万円。これらの馬は来年、再来年のPOGで注目を集めることになるだろう。一方、中央馬主資格が認められるダーレ・ジャパンはアルカセット、ファンタスティックライトやサンデー系の産駒などを上場して高い人気を集めた。セレクトセールでも社台一極集中に風穴をあける兆しが感じられる。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007.07.06

ダーレーの馬主資格承認 遂に外資への門戸開く

複数の報道によれば、3日、中央競馬の馬主登録審査委員会が都内で開かれ、去年は却下されたダーレー・ジャパン・ファームの馬主申請が認められることになった。 4日のJRA審査会を経て、正式に認可される。ダーレー・ジャパンはJRAの獣医師だった高橋力氏が代表を務めているが、アラブ首長国連邦のムハンマド殿下の傘下にあることは言うまでもない。今回、申請が認められるダーレー・ジャパン・ファームは北海道で生産活動を行うグループ内の法人のひとつ。やはり代表は高橋氏とはいえ、言葉は悪いが本家ダーレーの名義貸しなのは間違いなく、遂に中央競馬で外国人馬主に門戸が開放されることになると言って良いだろう。 JRA、馬主団体、馬産地と、頑なに非居住外国人の馬主登録に反対してきた競馬界の方針は、パート1国入りとともに実質的な転換を余儀なくされたことになる。

去年の馬主登録審査委員会では出席した委員全員が反対したが、今年は15人のメンバーのうち反対したのは5人だけだったという。馬主団体以外のJRA職員、学識経験者らの委員は賛成に回ったものと推測される。これまで馬主団体や生産者は、莫大なオイルマネーを背景にしたダーレーがやってくれば、日本の高額賞金が根こそぎ海外へと持ち去られ、国内の競馬産業が衰退するという脅威論を唱えてきた。ラフィアンの岡田繁幸総帥は世界中の有力な馬主が拠点を開設するようになり、「国内の生産者及び馬主は、おそらく7割くらいは消えてゆく」と警告を発してきた。「自国で調教を施して能力を見極め、成功する確信をつかんでから国内に送り込むという効率的なシステムを造り上げれば、海外に止まった場合よりも何倍も稼げる」と言うのである。

だが、現実としてダーレーはそのような収奪的な手法とは裏腹に、日高の中小牧場を買い取って生産拠点をつくったり、一流種牡馬を海外から輸入して安価に供用するなど、日本国内に腰を据えて活動を行っていく姿勢を明確にしてきた。 BCターフなど大レースを制して2年連続でワールドシリーズ・レーシング・チャンピオンに輝いたファンタスティックライトの種付け料は350万円、ジャパンカップをレコード勝ちしたアルカセットは250万円と、社台SSに繋養されているアグネスタキオン、スペシャルウィークの800万円と比べると割安だ。今年のダーレーの種牡馬は日高の生産者の間で高い人気になっていたそうだ。ダーレーは他牧場の生産馬を買い上げるなど、今や馬産地に資金を還流させる日高復興の救世主的な存在になりつつある。ただ賞金を海外へ持ち去っていく簒奪者でないことは、誰しも認めざるを得ないだろう。

競馬界は社台グループを除いて、かつての好況を取り戻せず、相変わらず閉塞感に包まれている。縮小傾向にある馬産地は、外資によって再活性化が図れるとする声もある。新勢力の登場で"社台の運動会"と揶揄される中央のレースは、マンネリから脱出して再び競馬ブームに火がつくきっかけになるかもしれない。外資の参入は無条件で歓迎するものではなく一定の制限は必要だが、すべて後ろ向きに捉えるべきではない。今回の馬主登録は日本法人に認可されるものだが、いずれ海外からの要求に応えて純粋な外国人馬主も受け入れる日が来るだろう。その時に備えて、日本の競馬界はこれまでのように反対一辺倒を声高に叫ぶのではなく、いかに資金を国内還元させるか、外資を利用して産業を繁栄させていくかを議論していかなくてはならない。ひとたび開かれた扉は閉じられることはない。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

« 2007年6月 | トップページ | 2007年8月 »