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2007.02.04

現役外国馬導入の波紋 見え隠れするダーレーの影

大井競馬が海外の現役競走馬の移籍、出走を認可することを決めたことが波紋を広げている。これまで海外でデビューした馬の出走は地方競馬では認められていなかったが、大井はレベルアップと魅力あるレースを提供することができると内規を改める方針を打ち出した。但し、外国馬への門戸開放については、毎年の移入頭数を20頭としたり、馬主当たりの所有頭数の上限を3頭にするなど、一定の歯止めをかける予定だ。内規は4月には改定されることになっており、他の南関東3場もこれに追随するのか注目される。

一方、こうした動きに国内生産者らは強く反発している。 1日、生産者7団体は羽田空港内のホールで抗議集会を行い、現役外国馬導入反対をアピール。その後、大井競馬場へ移動して撤回を求める要望書を提出した(馬市ドットコム)。日本軽種馬協会の今原照之副会長は「あまり好ましくないが、全面戦争になる」(サンスポ)と述べており、生産者団体が主導するJBCクラシック、スプリントの大井開催の取りやめもちらつかせて徹底抗戦の構えを見せている。両者の意見は大きく隔たっているが、開放は既定路線になりつつある。

生産者サイドは、内国産主体で運営されてきた日本競馬の根幹を揺るがすものになりかねないと危惧している。日本は外国産馬の輸入は認められているものの、香港などと異なり、生産と開催は一体不可分のものだとされてきた。そのため、わずかな頭数とはいえ、現役外国馬の輸入が認められれば、いずれ在籍枠が広げられて基本原則がなし崩しになり、生産者に打撃を与えると不安を持っているようだ。 JBCを人質に取るかのようなアピールが戦略的に正しいとは思えないが、なりふり構っていられない心情は推察できる。

去年、JRAはダーレーの馬主申請を却下したが、これには生産者団体の強い圧力があったと言われている。かたや、大井ではダーレーの良血馬が大活躍しており、今回の規制緩和も著名馬をダーレーが引っ張ってきてくれるのではないかとの期待が透けて見える。実際、外国資本が馬主登録を行うのに様々な障害がある状況では、高い輸送費を払って、わざわざ賞金の安い地方競馬に馬を入厩させる可能性があるのはダーレーぐらいしか思い浮かばない。大井は日本への本格進出を狙うダーレーをくすぐりつつ、売り上げ回復策に利用するつもりだろうか。

だが、マクトゥーム一族はずっとしたたかだ。大井が来年の売り上げ増を目論んでいるのなら、ダーレーは十年後に日本競馬を同社の世界戦略にどう組み込むか見越している。日高に生産拠点を築き、アルカセット、ファンタスティックライトら大物種牡馬も繋養するなど、巨額の投資は進行中だ。 JRAはパートⅠ国入りで外国馬主の認可を求められており、今年はダーレーの中央進出に抗しきれないかもしれない。生産者団体は一律の禁止を求めるだけではなく、譲歩できるラインを値踏みした上で、将来のヴィジョン、枠付けを提示したらどうか。内国産競馬を支持している大勢のファンを味方につける戦術も意識してほしい。

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