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2006年12月の15件の記事

2006.12.31

2006年 馬券日記オケラセラ主要記事目次

01/02 2006年 地方競馬のグランドデザインを描け
01/04  打ち初め 南関東にミスターピンク見参!
01/21 昭和の職人 大塚栄三郎ジョッキー引退へ
01/25 ライブドアショック 堀江貴文と競馬界の深い縁
01/26 公正競馬を害するとしてホリエモン所有馬が競走除外
02/05 シービスケットの故郷 サンタアニタ競馬場を観戦する
02/10 ホリエモンクラブ活動休止 配当金は24円
02/11 牧原由貴子騎手が増沢師長男と結婚
02/14 ハルウララ7000万円で馬主が売り込み。社台グループ拒否
02/17 白井寿昭師の息子が児童虐待で逮捕
02/18 吉田照哉がテレビ中継でルメールの通訳を買って出る
02/19 9億円馬・ミスターセキグチがデビュー戦で敗退
02/19 Subject: 至急
02/21 ホリエモン売却へ 高知で現役続行
02/28 ミッキー祭り実行委員会の熱い一日
03/01 映画評『雪に願うこと』 馬の雄姿が勇気を与える
03/11 アネモネSでアンテヴォルテに大井の和田譲治
03/20 高知・黒船賞 協賛金を募って念願の開催
03/23 安藤勝 サクラメガワンダー蹴ってキャプテンベガを選択
03/24 黒字転換の笠松競馬 存続感謝祭
03/28 ハーツクライ、ユートピアがドバイミーティングで優勝
03/29 ソフトバンク オッズパークをオープン
03/29 武豊 フサイチジャンクよりアドマイヤムーンを選択
03/30 個性派集団オダギラー いかす馬名をマッテルゼ!
04/01 サクラメガワンダーの鞍上に内田博幸
04/03 メジロマックイーン逝く あまたの名ドラマを遺して
04/05 楽天が南関東と提携 混迷深めるネット販売
04/09 ブックメーカーに500億円出資 ソフトバンクの狙いは?
04/12 関東が外厩導入 境町トレセンは再生できるか?
04/22 『廃競馬場巡礼』 戦後の熱気を伝える貴重な外史
04/30 漢・藤田伸二 "マッキーマックス2着は堅いで!"
05/02 ディープ天皇賞春圧勝 日本競馬史上に最強馬誕生す
05/03 ユートピアがゴドルフィンに400万ドルでトレード
05/06 『海外競馬 完全読本』 読み物として楽しめるビギナー書
05/14 コスモバルクが地方馬初の海外GⅠ制覇
05/20 内田博幸が関東リーディングトップに
05/22 赤本まつりレポート サンデーなきPOGをどう戦うか
05/23 オークスは無敗でカワカミプリンセスが制す
05/30 メイショウサムソンがダービー優勝で二冠達成
05/31 週刊プレイボーイでハルウララ生存確認
06/04 春のGⅠで清水成駿が神懸かり的予想を連発
06/06 安田記念で香港馬がラフプレー
06/08 18歳の町田直希が東京ダービーを勝つ
06/10 ドンコ遠征記 ドテめし食して東海ダービー
06/22 検証 ディープが走れば株価は上昇する!?
06/27 帝王賞でカネヒキリとアジュディミツオーが激突
07/02 ダンスインザムード キャッシュコールマイル楽勝
07/03 相武紗季の女神予想 最低人気馬を見事1着に
07/04 44億円の奇跡の馬 ラムタラが2750万円でイギリスへ売却
07/06 JRA天下り 毎日新聞が一面トップで批判
07/07 ダーレーの馬主申請却下 外資は馬産地を滅ぼすか?
07/13 セレクトセール トゥザヴィクトリーの仔が6億円で落札
07/16 戦火からの復興 レバノン競馬観戦記
07/17 増大する影響力 知られざる騎手エージェント
07/23 うらかわ優駿ビレッジAERU 温泉疑惑で営業中止
07/26 イギリスでジダン騒動 騎手が馬に頭突き!?
07/30 ハーツクライがキングジョージで3着
08/05 岡潤一郎 北の大地を照らす夏の太陽のように
08/07 書評『競走馬の科学』 "速い馬" の秘密を徹底分析
08/08 大穴ジョッキー・江田照男 ヤンチャ盛りの34歳
08/09 佐藤隆騎手(船橋)が逝去 落馬事故で意識戻らず
08/12 旧・境町トレセン 南関東初の外厩に認定
08/17 米・バーバロ 粉砕骨折と蹄葉炎から奇跡の快復
08/18 一等星、夜空へ還る 真の名牝ベガ安らかに
08/23 競馬界のブログ女王? みのり姫☆彡御殿
08/27 夢の未勝利戦? 3頭のオークス馬の娘が激突
08/30 酷量62キロ コスモバルクが札幌参戦を敢行
09/02 高知・エスケープハッチ 最多勝記録に挑戦
09/05 奇跡は二度起きず 船橋・厩舎火災で9頭死亡
09/06 ファンに見通し示せ 一口馬主の課税強化
09/12 "最後方強襲" 吉永正人 寺山の最も愛した騎手
09/14 悠仁さまご生誕 慶事馬券を演出する馬は?
09/24 長谷川浩大 脳震とうも下馬せず完走させる
09/29 革命の時は来た 世界を決する武豊のゴーサイン
09/30 ハルウララ主戦・古川文貴騎手が引退
10/02 ディープ凱旋門賞3着 再び世界へ歩みだそう
10/04 2分26秒3 凱旋門賞のタイムは5秒速かった? 
10/06 まだまだっ! 老い知らず岡部幸雄の八面六臂
10/11 "死は生と共に終わらず" モンタヴァルの血の呪い
10/12 馬耳東風 サイト開設10周年
10/15 ディープ 51億円の史上最高額で種牡馬入り
10/16 「生まれ変わってディープの子どもになりたい」中学生自殺
10/20 ディープから禁止薬物 冷静に徹底的な調査を
10/21 「薬物汚染」「発覚隠蔽」 危うい世論のミスリード
10/27 GⅡ大将バランスオブゲームが引退
11/07 チベット競馬祭 民族の心を次の世代へ
11/11 男・藤田の超攻撃的自伝 『特別模範男』
11/12 エ女王杯 カワカミプリンセス1位入線も降着
11/17 寝ワラから薬物摂取 不注意の大きすぎた代償
11/21 パートⅠ国昇格 ”何も変わらない”一等国入り
11/23 作家・高崎武大氏 拙ブログから多数の盗作行為が発覚
12/01 ばんえい競馬 存続へ土壇場の逆転なるか?
12/04 フジキセキ産駒 南アフリカでクラシック制覇
12/08 ばんえい競馬存続へ ソフトバンクが運営会社を設立
12/10 鳴海章さん ”団結小屋””ブログ”でばん馬存続支援
12/11 香港遠征 日本勢惨憺たる結果に
12/16 ばんえい参入 ソフトバンクの真の狙いはどこに?
12/19 内田博幸 国内の年間最多勝記録を更新
12/22 テイオー復活 田原成貴の涙は嘘かホントか?
12/26 さよならディープ 英雄去れども競馬は続く
12/27 暴行容疑で騎乗停止 藤田伸二は”真の男”になれるか
12/30 ディープインパクト 伝説が生まれた2006年という時代

※日付は記事掲載日

歴史的な2006年。ざっと見返すと、やっぱり色々なことがありました。年の初めはライブドアショックが競馬界にも広がっていたんですね。その後、ホリエモンは元気に走り続け、今月24日のレースでも2着に頑張っています。もう誰も話題にしませんね。春のクラシックはトップジョッキーがどの馬を選ぶのかに注目が集まっていました。結果的には石橋二冠だったわけですが。ハーツクライ、ユートピア、コスモバルク、ダンスインザムード、デルタブルースが海外で勝利をあげました。秋以降は凱旋門賞3着、そして失格、 JC、有馬での復活とディープ一色でした。暮れになって、ばんえい競馬の存続がクローズアップされ、ソフトバンク参入という予想外な出来事も待っていました。

名馬、名騎手、名伯楽との悲しい別れもありました。メジロマックイーン、ベガ、ラインクラフト、ダイナコスモス、アローキャリー、コスモサンビーム、ハートランドヒリュ、パワフルレディ、エレクトロキューショニスト、オンワードメテオ、ヒシアトラス、ハードクリスタル…。落馬事故で亡くなった佐藤隆騎手。ミスターシービーの主戦、吉永正人師。一線から退いていた二本柳俊夫師、伊藤修司師、松山吉三郎師、西塚十勝師。今月には尾形充厩舎の和田清厩務員もトレセン内の事故で亡くなっています。御冥福をお祈り申し上げます。

今年、競馬界を牽引してくれていたディープやハーツクライが引退。来年は有馬記念で好走したポップロックやダイワメジャー、メイショウサムソン、ドリームパスポートらに日本競馬を盛り上げてもらわなくてはなりません。ラジオNIKKEI杯を快勝したフサイチホウオーと、ディープの弟・ニュービギニングとの対決も面白い一戦になるでしょう。 3月のドバイミーティングは地方からアジュディミツオーが参戦を予定しており、日本勢の活躍に注目が集まります。2007年も今年以上にエキサイティングな競馬が繰り広げられることを期待しましょう。拙サイトは来年も読者の皆様とともに、存分に競馬を楽しませていただければと願っております。どうぞよろしくお願いします。

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2006.12.30

ディープインパクト 伝説が生まれた2006年という時代

2006年は日本の競馬界にとって、歴史的な一年だったのは間違いがない。もちろん、その中心にはホースマンが憧れ続けてきた凱旋門賞という舞台に、一番人気で挑戦したディープインパクトなる偉大な存在があった。三冠達成後、有馬記念で不覚を取ったディープに課されたのは、国内最強馬であることを再び確認させた上、世界最高峰へ立つというものだった。凱旋門賞こそ様々な要因が重なって3位入線の残念な結果に終わったが、日本中を興奮の渦に巻き込んだ功績は讃えても讃えきれるものではない。自らのレベルアップを実感しながらも、どこか次の局面へ閉塞感に覆われていた日本競馬をブレイクスルーさせたのがディープだった。今年の足跡を振り返ってみたい。

思えば、春の天皇賞こそ、この馬の底知れぬ能力に衝撃を受けたレースだった。「ゆっくり上って、ゆっくり下れ」淀の掟を無視して、坂の登りから一気の超ロングスパートをかけたディープ。並の一流馬なら直線でバッタリのはずだ。しかし、ディープは上がり4ハロン44秒8【11.3-11.0-11.2-11.3】という超人的なラップを刻んだ上、不滅と言われたマヤノトップガンが追い込みで記録したレコードより1秒も速くゴールしたのである。道中、「しめた!」と喜んだ横山典リンカーンの期待を見事に裏切り、手綱を取った武豊をして「世界にこれ以上強い馬がいるのかと正直思う」と言わしめた。ハーツクライの参戦はなかったが、競馬を知る人なら誰もが未曾有の名馬が出現したことを認めざるを得なかったのではないか。

海外遠征は一戦だけと決めた陣営は、宝塚記念をステップに凱旋門賞へ向かうことにした。宝塚記念では3歳時に見せていたテンションの高さが影をひそめ、重い馬場に対応できたのは収穫とされた。だが、サラブレッド、とりわけ能力が高い馬にとって、レースに出走することが大きなリスクであるのならば、宝塚記念はディープにとって価値のあるものではなかっただろう。一方、結果論としてペリエらが凱旋門賞の前に前哨戦を使うべきだと主張していたことは、もう少し傾聴せねばならない内容だったかもしれない。もちろん、宝塚記念より優れた適鞍があるのか、ディープが間隔をあけた方が良いタイプではないかといったことから、安易に結論づけられることではない。

ディープの凱旋門賞挑戦は自然な成り行きに見えるが、テイエムオペラオー、スペシャルウィーク、シンボリクリスエスら時代の現役最強馬のように、国内専念という選択肢を採ることも考えられたはずだ。高額賞金を捨てても名誉にかけるオーナーや調教師の強い意志がなければ、ディープの海外遠征は実現しなかった。サクラローレル、マンハッタンカフェ、ホクトベガのように異国で競走生命を断たれる可能性も低くない。引退後、金子真人オーナーが「来年もディープの勝負を見るには私のハートは小さすぎた」と胸の内を吐露したが、馬主にも調教師にもファンの想像を絶するプレッシャーがあったに違いない。まず、私たちファンは彼らに感謝の念を投げかけるのが筋ではないか。

凱旋門賞の敗因を客観的に分析すれば、展開、斤量差、ローテーション、アウェイの調整など、幾つものファクトがあげられよう。だが、私が惜しむらくはディープ本来の競馬をしなかった点に尽きる。ポンと出て先行する優等生の手綱さばきは、様々な思惑や状況から武豊がディープに余所行きの顔を強いざるを得なかったが故だろう。しかし、天皇賞春で証明された絶対能力を伏線として、ロンシャン掟破りの擬似直線で最後方からのロングスパートという破天荒な競馬こそ、個人的には見てみたかった気がしてならない。肉を斬らせて骨を断つ。そうしたチャレンジが許されないまで、ディープの挑戦は国民的な関心事に高まりすぎていたことも理解はしていてもだ。

レース後、禁止薬物が検出されて失格処分となったことは、次回に活かすためにも冷静に受け止めなければならないことだ。寝藁から摂取したという発表については、真相を語っていないという指摘も根強い。いずれ新事実が明らかになるのかもしれないが、ドーピングでなく治療目的だったのは明白で、ディープ陣営の挑戦は競馬史の輝かしい誇りであることに変わりはない。ジャパンカップはダークになりかけたイメージを払拭した復活劇だった。次走の有馬記念はエピローグの一部分であり、物語の本筋は既に結ばれていたと見るべきだ。ラストランの入場者数が予想を下回ったことも、そのように感じたファンが多かったからかもしれない。ディープの末脚を見せつけられるほど、凱旋門賞の先行策を悔やんでしまうのは余計な副産物だろうか。

ディープが国民的なスターにまで上り詰めた一方で、JRAの過剰なディーププロモーションや、それによって発生したディープファン、アンチを許さなかった雰囲気に対して、批判を投げかける識者たちも多い。ディープ馬像を競馬場に飾った JRAの見識は問われるが、衰退傾向にある競馬人口に一定の歯止めをかけたことは評価すべきではないか。確かに金子服を着て少額の単勝を握るディープファンは売り上げに貢献しなかったかもしれない。だが、同じことをアイネスフウジンの中野コールをして、オグリぬいぐるみを買い求めたファンにも突きつけていたことを忘れたのだろうか。今、私と同世代の少なくないファンは、この時期に競馬を始めている人たちだ。十年後、残ったディープ世代が競馬ファンのコアになっていることを期待したい。

オールドファンもディープ世代も、競馬ファンはディープインパクトによって、世界の頂点をめざす夢のような時間を共有させてもらったのではないか。それは現実のものとはならなかったが、競馬というエンターテイメントがプロセスに価値を置くものなら、ディープは間違いなく最高の名馬だった。ディープが生み続けたドラマを超越した”伝説”は、いつまでも語り継がれるだろう。そして、これほどの馬が大きなケガなく競走生活を終えて、父親として次の世代へと夢を託す仕事に就いてくれたことに深く感謝したい。ありがとう、ディープインパクト。君の走った時代に競馬ファンだったことを心から嬉しく思う。

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2006.12.28

東京大賞典 アジュディミツオー三連覇だ!

2006年もあとわずか。残るGⅠはただひとつ、大井競馬場で行われる東京大賞典だ。見所は何といっても帝王賞以来の登場になるアジュディミツオーの走りだ。順調なら日本テレビ盃で復帰する予定だったが、右前脚の骨瘤のために調整に時間がかかった。大井二千は6月の帝王賞でカネヒキリを下した得意コース。今回、同厩ナイキアディライトがペースメーカーとして引っ張り、ミツオーをアシストするだろう。八分のデキでも三連覇の可能性は高いと見る。 ドバイワールドカップへ向けて負けられぬ一戦となる。

中央勢の一番手はGI2着9回のシーキングザダイヤ。どんな馬場でも展開でも銀メダル。去年の東京大賞典も当然のごとく2着だった。しかも、今回の鞍上は横山典弘。2着固定の馬単は信頼性が高い。 JBCマイルの覇者、ブルーコンコルドはJCDと同じく距離が課題になる。 2戦連続して二千メートル以上を使ってきたのは、それなりに勝算ありと見ているからか。地方勢からはボンネビルレコード。末脚勝負の馬だけに展開には左右されるが、 3着候補からは外せない。叩き2戦目となるシーチャリオットの復活があれば、ドラマになろう。

◎アジュディミツオー ○シーキングザダイヤ ▲ブルーコンコルド
△ボンネビルレコード、シーチャリオット、カフェオリンポス

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2006.12.26

さよならディープ 英雄去れども競馬は続く

ディープインパクトが自ら花道を切りひらいた有馬記念。 3コーナーから進出していく、あのゾクゾクする走りを堪能させてくれたレースだった。上がりは33秒8。不得意な中山コースで34秒を切ったのは初めてであり、最後は手綱を緩める余裕さえあったことを考えれば、歴史的な名馬のラストランに相応しい内容だったと言えるのではないか。今回、”飛んだ”かと聞かれれば、”飛んだ”のだろう。 レースレベルが高いものではなかったため、天皇賞春の驚異的なパフォーマンスには及ばないものではあった。だが、人々が望んでいたのは走破時計やラップではなかったのだから、誰が文句を言おう。

コアなファンに根強く批判されてきたJRAのディーププロモーションは、有馬記念優勝という予定調和的なフィナーレで無事に幕を下ろした。凱旋門賞失格のイメージを払拭するためには、ジャパンカップ、有馬記念とディープ勝利は成し遂げられなければならなかった。故に、どちらのレースも他陣営がどんな手を使っても負かしに行く、という状況が生まれず、凱旋門賞後に新たなストーリーが展開することにはならなかったのは少し残念ではある。好敵手ハーツクライが能力を喪失した不幸があったのも大きかった。そんな期待を終章にかけるのは贅沢すぎるという向きもあるには違いないが。

他馬に目をやると、2着はメルボルンCでも銀メダルだったポップロック。ペリエの巧さを再認識した。3着にダイワメジャー。内ラチで粘る自分の競馬ができたが、 1ハロン距離が長かった。この秋、見違える競馬を続けてくれた。4着ドリームパスポートは直線でのロスが響いたが、メイショウサムソンを抑えて3歳馬最先着。来年の主役だろう。デルタブルースは6着。早めの競馬をしなければ持ち味は活きない。岩田の乗り間違い。 7着トウショウナイトも同じことが言える。馬体も重め残りだった。ペースメーカー、アドマイヤメインは出走する必然性があったのか。スイープトウショウ、コスモバルクは体調が完全でなかった。

レース後、観客の半数にあたる5万人がディープの引退式を見届けたそうだ。金子オーナーの勝負服に身を包み、ディープコールに酔いしれた”新競馬ファン”たち。一世代前のファンには決して一体化できないノリではあったが、停滞していた競馬界への良い変化を与えるきっかけになったのではないか。 16年前、オグリキャップのラストランを中山で体感した私が今でも馬券を買い続けているように、彼らの少なくない数が競馬場に残ってくれるのではないか。ディープは去れども競馬は続く。ディープのライバルが、弟が、仔らが織りなす物語に今度は耳を傾けてほしい。

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2006.12.22

”テイオー復活” 田原成貴の涙は嘘かホントか?

有馬記念と言えば、復活がキーワードであることは良く知られる。オグリキャップ、シルクジャスティス、グラスワンダー、そしてトウカイテイオー。 93年、前年の有馬記念以来、364日ぶりに出走したテイオーは、長期休養明けが嫌われ4番人気まで支持を落としていた。しかし、レースでは3コーナーから徐々に進出すると、直線で先に抜け出したビワハヤヒデを鮮やかな差し脚で半馬身かわして優勝。「奇跡の復活」とアナウンスされた。レース中、鞍上の田原成貴は「がんばれ! がんばれ!」とテイオーを叱咤したとされる。

表彰式、田原は涙を見せながら「競馬の常識を覆す偉業を成し遂げたテイオーを誉めてやって下さい。彼自身が自分の手で歴史をつくったんです」と声を詰まらせて語った。再起不能と言われたアクシデントを乗り越えたテイオーの復活劇は、田原の男泣きによって伝説へと昇華させられ、多くのファンを感動させることになった。ところが今年、弟分の藤田伸二が著書 「特別模範男」のなかで涙は演技だったと内幕を明かし、ちょっとした話題になった。一方、田原は今月発売された競馬最強の法則で、涙はホンモノだったと反論した。

涙は全部演技。実はアレ、嘘泣きだったのだ。ファンを感動させるために、競馬を盛り上げるために、時には役者にもなる。 …あんなことができる人は成貴さんくらいしかいなかった。表彰式が終わり、検量室に戻ってきたとき小声で真っ先に俺に聞いてきた。「どやった? ファン、酔うてたやろ?」 (特別模範男)

「前の年の有馬記念で結果を出せなかったオレに先生がもう1度チャンスをくれたこと。…テイオーが常識を覆す走りをしてくれたこと。この2つのことで感極まって思わず泣けてきたんですよ」-でも、藤田騎手の著書には、あれは「全部演技」だったと…。「普段からヤツらの前で強がっていた手前、ああでも言うとかなカッコ悪いからね」(競馬最強の法則1月号)

最強の法則の記事は「伸二はやさしいヤツだから、オレには涙が似合わないと考えて、強がりをそのまま活字にしてくれたんだろう」という田原の言葉で結ばれているが、このコメントこそ田原の強がりではないだろうか。一読すれば分かるが、藤田の著書はつまらない気遣いが一切ない。有馬記念の涙も演技だと信じているから、そう書いたに違いない。演出家として過剰すぎるほどの意識を持つ田原にとって、「涙は演技」と舞台裏をバラされることの方が気恥ずかしかったのではないか。

以前から田原のキャラクター故か、演出だと指摘する声は聞かれていた。また、田原が競馬界を追放になったこともあって、ベタに田原の涙と絡めてテイオーのラストランが活字にされることは少なくなった。だが、例え演技と暴露されようとも、私たちファンの間では、オグリキャップのマイルCSが南井の涙とともに綴られるのが如く、テイオーの有馬記念も田原の涙なしに語り継がれることはないだろう。一度、焼き付けられた写真は誰も変えることなどできないように。

今週、往年の大調教師、松山吉三郎氏が89歳で亡くなった。60年に有馬記念を制したスターロッチも管理馬。同馬はオークス優勝後、不振に喘いでいたが有馬記念を9番人気で勝利した。”復活”は松山氏が元祖なのかもしれない。ご冥福をお祈りします。

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2006.12.21

ラジオNIKKEI杯展望 クラシックの主役は誰だ?

ディープインパクトの引退レースとなる有馬記念は非常に楽しみだが、それに負けず劣らず注目したいのがラジオNIKKEI杯2歳Sだ。朝日杯は東スポ杯3着だったドリームジャーニーが勝ち、1番人気3着だったオースミダイドウは戦線を離脱。さらにクラシック候補の呼び声高かったアドマイヤオーラは 2戦目とはいえ、牝馬ダイワスカーレットに完敗してしまった。となれば、残るはラジオNIKKEI杯。例年、ハイレベルなメンバーが揃うレースだが、今年もクラシック勢力図を決める面白い闘いになりそうだ。 6年前のアグネスタキオン、クロフネ、ジャングルポケットのような名勝負を期待したい。

1番人気は東スポ杯をモタれながら直線200メートルだけで快勝したフサイチホウオーか。2、3着馬とは決定的な実力の違いがあったが、その馬が朝日杯を制してしまったのだから、同馬の非凡さが分かろうというもの。父はダービー馬・ジャングルポケット、 BMSはサンデーサイレンス。3代母は仏クラシック二冠馬で、配合にも奥深さを感じさせる。追い切りも古馬に2馬身先着して好調をアピールした。但し、父もこのレースで2着に敗れているように、広々とした府中、京都向きの血統であることは確か。まだまだ荒削りな部分も多く、取りこぼす可能性は低くない。

ライバルとして浮上してくるのは札幌2歳Sを勝ったナムラマース。 6月から9月までに7戦を闘ったタフネスホースで、今回は3ヶ月ぶりの実戦となる。キャリアを重ねながら強くなっていくのはメイショウサムソンと通じるところがあり、こちらも血統は地味。負かしてきた相手も強いとは言えないが、手綱がペリエというのは侮れない。キャリア6戦のマイネルソリストも軽視はできない馬。何と言っても前走では阪神JFを好タイムで制したウォッカを破っている。かかり癖があるだけに思い切ってハナに行かせてしまうだろう。自分のペースに持ち込めればしぶとさを発揮する。

半姉にローズバドらがいる薔薇一族、ローズプレステージも本命候補の1頭。兄ローゼンクロイツは一昨年の本レースで1番人気2着している。父がダンスインザダークに代わって早熟性が後退したように思えるが、京都2歳Sは最後方待機で勝ち馬に逃げきられるミスでの敗戦。今回はもう少し前につけることになりそう。不思議と京都2歳S組は相性が良い。新馬、特別を連勝してきたアサクサキングスは最大の惑星馬。父はホワイトマズル、叔父にジェニュイン。意外性に溢れていそうな馬だ。1戦1勝ヴィクトリーはリンカーンの半弟。多士済々の好メンバー、どんなレースが待っているのだろうか。

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2006.12.19

年間506勝 中央・地方で吹き荒れた内田博旋風

18日、内田博幸が浦和競馬場で今年506勝目(中央を含む)をあげて、佐々木竹見の持つ年間最多勝の日本記録を40年ぶりに塗り替えた。内田は平成元年デビューの36歳。一昨年、鉄壁の牙城と思われていた石崎隆、的場文を抑えて南関東リーディングを奪取してトップジョッキーへ躍り出た。時期を同じくして中央での騎乗も積極的に進め、去年は31勝をあげて全国区にウチパク、ウッチーの名前を轟かせた。代表的な騎乗馬は船橋・川島厩舎のアジュディミツオーシーチャリオット。ダーレーからの信頼も厚く、 500勝目の全日本2歳優駿はダーレーのフリオーソであげている。

今年、最終週を残して内田が中央であげた勝ち鞍はふたつの重賞を含めて61勝。蛯名正に続いて、堂々の関東リーディング7位につけている。今春、毎週のように中央遠征をしていた頃、ウチパク旋風は凄まじかった。一日6勝の地方ジョッキーの記録を打ち立てただけでなく、 5月半ばには柴田善らを上回る勝利数で関東リーディングトップに立ったのだ。この瞬間、前人未踏の完全関東制覇を成し遂げていたことになる。サクラメガワンダーハイアーゲームとのコンビも印象的だった。美浦の騎手には申し訳ないが、関東で最も信頼できるのは内田だろう。

根岸Sのリミットレスビッド(6番人気)、オーシャンSのネイティヴハート(14番人気)と、人気薄で重賞を勝っているためか、穴馬を豪腕で持ってくるイメージを持っているファンも多いかもしれない。だが、中央61勝中57勝は3番人気以内の馬。内田の単勝は人気で買うのが基本か。また、40勝はダートでのものだが、特筆すべきはマイル以上での成績だ。連対率は4割弱、複勝率は5割を超える。次いで良いのが芝2200メートル以上の中長距離戦で複勝率は4割。さらに府中より中山を得意としているから、ドリームパスポートに騎乗する有馬記念は期待大か。

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2006.12.13

ばんえい競馬交渉合意 ソフトバンク売上80億円想定

ソフトバンクが新会社を設立して、ばんえい競馬の運営に乗り出すとニュースが報じられたのが先週8日。 十勝毎日新聞などによれば、13日、帯広市とソフトバンクの交渉が大枠で固まった模様で、砂川市長は帯広市単独で存続させる旨、 14日の市議会で報告することが明らかになった。この後、17日の北海道市営競馬組合(旭川・帯広・北見・岩見沢)の正副管理者会議で組合解散が決まり、累積赤字や補償は4市が均等負担して清算。来年度からソフトバンクによる新生ばんえい競馬がスタートする。

運営会社は馬券販売からファンサービスまで包括的な委託を受けるとともに、赤字が発生した場合の損失も引き受ける。「開催日数は夏場を中心に120日間、売上額は80億円強を想定している」(十勝毎日)という。地方競馬の包括的民間委託は初めてのケースになるが、ソフトバンクが経営を再建すれば、岩手や笠松など存続危機にある競馬場も民間企業に委託しようという流れが起きるのは必至だ。一昨年、ライブドア騒動で大きく揺れた地方競馬への民間参入は、ソフトバンクよって動き始めようとしている。

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2006.12.12

エビショー最後方一気! こんなESPなら文句なし

簡単だが、朝日杯FSの回顧を。勝った蛯名正義のドリームジャーニーは、出遅れて最後方からの競馬。エビショーは出遅れ率が高いことで知られ、ESP(蛯名スペシャル)と月刊誌で名付けられたほど。ESPとは出遅れ、マクリ、直線失速の負けパターンを揶揄したものだった。だが、今回は出遅れたものの最後方で折り合いをつけ、ゴーサインを出したのは直線。そこから14頭をゴボウ抜きにしてしまった。こんなESPなら大歓迎だ。同馬は池江ジュニアの所属馬で、父ステイゴールド母の父メジロマックイーンは池江パパにGⅠをプレゼントしたアイドルホース。小柄な身体から繰り出す差し脚は父の香港ヴァーズを彷彿とさせた。追い込みが嵌るタイプかもしれない。

2着はローレルゲレイロ。鞍上が本田、父キングヘイローとは、勝てばカワカミプリンセス降着の無念を晴らす出来すぎた物語だった。 3着は1番人気オースミダイドウ。下見所から発汗が激しく、レースでもかかり気味。やむなくハナに行かせたが、直線で伸びきれなかったのは仕方あるまい。クラシック級の力は秘めているはずだが、気性面の成長が待たれる。左前脚の骨折は残念。データ解析本命のフライングアップルは4着。やはり2000メートル前後で押し切る競馬がベストか。朝日杯を踏まえて2歳戦を振り返ると、ハイレベルだったのはデイリー杯、東スポ杯のようだ。となれば、ラジオNIKKEI2歳Sのフサイチホウオーが真打ちという可能性も高いし、ホウオーを負かす馬が出てくればクラシックの最有力候補になろう。

ところで、CX系「スーパー競馬」「うまッチ!」を長らく休養していた司会の若槻千夏が有馬記念の週に復帰することになった(サンスポ)。若槻は潰瘍性大腸炎を患っていた。しかし、年内をもって卒業ということで、復帰回が最終回ということになる。競馬ファンを無視した「うまッチ!」の演出はともかく、司会は意外にソツなくやり遂げたなぁというのが印象。お疲れ様でした。一方、関西テレビ「ドリーム競馬」も司会の宮川一朗太水野麗奈の年内降板が明らかにされた。関テレ側から「もっとライブ感を出したい」と言われたそうだが、宮川は「よく分からん(笑)。一瞬気を失いかけました」(Shrine River)と未練がありそう。東京の人間としては、水野麗奈はぜひこちらにとお願いしたいところだが。

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2006.12.11

弱り目に何とやら ほろ苦かった香港遠征

10日に行われた香港国際競走4レースは、日本勢にとってはほろ苦い結果になってしまった。最も惜しかったのが香港カップ(2000メートル)。凱旋門賞2着のプライドを猛然とアドマイヤムーン(武豊)が追い詰めたものの、わずかハナ差だけ届かなかった。あとゴールが数メートル先であったらと悔やまずにいられない。ムーンは直線入り口で進路がなくなったものの、外の福永がコースをあけ、数テンポ遅れの追い出しになった。ディープインパクトのリベンジならず。しかし、やはりムーンは2000は相当強い。来年へとつながるレースになったのではないか。

ウィジャボードが取り消して、チャンスと思われたヴァーズ(2400メートル)は、ソングオブウインドが最後方から追い込んで4着。逃げたアドマイヤメインはブービー負け。その後、ソングは右前脚屈腱を負傷していることが明らかになった。世界の壁は厚い。香港勢を軽視しすぎたのではないか。マイルのダンスインザムードは全く伸びを欠く12着。馬場が合わないのか。スプリントのシーイズトウショウは追走いっぱいで大敗。メイショウボーラーは馬体に異常はないのにスタートから走ろうとせず競走を中止した。

怪我に競走中止とツキにも見放された感じの日本勢だったが、弱り目に祟り目とはこのことか。6日のインターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップに参戦した武豊が落馬事故の審議対象となり、騎乗停止処分を受けることになった。制裁期間の先送り措置で有馬記念の騎乗は可能になったが、後味の良くない香港遠征になってしまった。また、スプリントで本命視されていたテイクオーバーターゲットは薬物が検出されたため、出走することが叶わなかった。今年の香港は何とも慌しかったようだ。

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2006.12.09

香港国際競走 世界のトップに胸を借りる4レース

10日、香港の沙田競馬場では4つの国際GⅠが行われる香港国際競走を迎える。メルボルンCを制したデルタブルースが出走を希望しながら、 JRAから検疫の便宜が受けられず断念するという一騒動もあった。それでも菊花賞馬ソングオブウインド、ダービー2着アドマイヤメイン、天皇賞秋3着アドマイヤムーンなど、有馬記念に参戦すれば人気になったであろう馬が遠征を選んだのは、香港の価値が高まっていると解することもできる。凱旋門賞でディープに先着したプライドもジャパンカップをパスして、こちらを選択した。もう少し日本は危機感を募らせるべきかもしれない。

まずは香港ヴァーズ(2400メートル)から見てみよう。まともな競馬になれば、ジャパンカップでも3着した女傑ウィジャボードの圧勝だろう。だが、9日に左前脚に痛みを発症し、出走取り消しとなるアクシデント。思わぬチャンスが巡ってきたのが、日本馬ソングオブウインド(武幸)、アドマイヤメイン(武豊)の2頭。ソングは前々日の計量で468キロと馬体を減らしているのが気がかりだが、ラジオNIKKEI賞は同じ体重で2着している。メインは菊花賞と同じような逃げを打つと思われる。武豊がどんなラップを刻むのか、追い込みにかけるソングとの武兄弟の戦略が見所だ。

香港カップ(2000メートル)には凱旋門賞2着、英チャンピオンS圧勝と波に乗るプライドが人気を集める。このレースは去年もクビ差で2着しており、本格化した今なら他馬を寄せつけまい。ハリケーンランをことごとく打ち負かしてきたのだから、比較で言えばハーツクライ以上。去年の覇者、香港のヴェンジャノブレインにリベンジを果たす。日本からはアドマイヤムーン(武豊)とディアデラノビア(福永)がプライドに胸を借りる。弥生賞、札幌記念を快勝しているようにムーンにとって、この距離はベスト。平坦コースも合っており、世界のトップにどこまで迫れるか。

香港マイル(1600メートル)はダンスインザムードに期待がかかる。長く活躍してきた同馬も、ここが引退レース。米GⅢ勝ちとGⅠ2勝は、いずれもマイル戦だった。国内ではダイワメジャーに煮え湯を飲まされてきただけに、天敵のいない海外で有終の美を飾りたいところ。実力的には充分なチャンスがある。但し、香港勢のマイル層も厚い。安田記念1、3着のブリッシュラックジョイフルウイナーに加え、新興勢力のアルマダ、フサイチペガサス産駒のフローラルペガサスも侮れない。イタリアのラモンティは時計に対応できるか。安田記念のラフプレーで悪名を轟かせたザデュークの走りも注目。

最後に香港スプリント。これまで直線1000メートルで施行されてきたが、今年から1200メートルの周回コースとなる。アベイユドロンシャン賞を勝ったデザートロードは直線競馬に慣れているし、北米で連勝してきたファーストパレードは右回りに戸惑わないか。となれば、スプリンターズSを優勝して転戦してきた豪州の賞金稼ぎ、テイクオーバーターゲットがここでも大威張りできる。復調気配のサイレントウィットネスが地元の意地を見せられるか。最近の国内スプリント路線のレベル低下からメイショウボーラー(福永)、シーイズトウショウ(池添)は難しいかもしれない。

香港国際諸競走の出馬表(JRA)

☆3R 香港ヴァーズ(芝2400メートル)
 14:00(日本時間15:00)
☆5R 香港スプリント(芝1200メートル)
 15:10(日本時間16:10)
☆7R 香港マイル(芝1600メートル)
 16:20(日本時間17:20)
☆8R 香港カップ(芝2000メートル)
 17:00(日本時間18:00)

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2006.12.08

ばんえい競馬存続へ ソフトバンクが運営会社を設立

>>ばんえい帯広存続へ ソフトバンク全面支援(北海道新聞)

存続問題に揺れていた北海道ばんえい競馬。 北海道新聞によれば、IT業界最大手のソフトバンク(孫正義社長)が来年度から新会社を設立し、帯広市から包括的な民間委託を受けて、ばんえい競馬の運営に乗り出すことが明らかになった。現在、帯広市とソフトバンクは最終的な協議を進めており、今月中旬には投資額や収支計画などで合意、帯広市による単独開催での存続が正式発表される見込みだ。北海道遺産にも登録されているばんえい競馬の廃止は当面免れる。

運営会社は馬券販売、入場料徴収など、法律上可能なすべての業務の委託を受ける。これは包括的民間委託と呼ばれるもので、同じく廃止寸前だった浜松オートがこの経営方式を取り入れることで今年度、存続した例がある、開催にかかる費用は運営会社が支払うため、売り上げが伸びなくても帯広市が赤字を負担する必要はない。ソフトバンクは数千万円の設備投資を行い、新たな中継カメラやナイター開催のための照明施設を設置して、売り上げ増のテコ入れを図るという。

ソフトバンクは地方競馬の馬券販売を行うオッズパークを運営している他、イギリスの大手ネットブックメーカーに500億円を出資するなど、ネットギャンブルの分野で積極的な事業展開をしてきた。同社はブロードバンド事業や、携帯電話への参入を見ても明らかなように、巨額の先行投資でシェアを一気に拡大する戦略を得意としている。今回の投資は比較的少額で済み、競馬運営のノウハウを得ることができると判断したのではないだろうか。ばんえい競馬のケースが上手くいけば、民間委託による地方競馬再編が地滑り的に起きる可能性もある。

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2006.12.05

阪神JF回顧 ギムレットには早すぎる!?

リニューアルされた阪神競馬場で初めてのGⅠとなった阪神ジュベナイルフィリーズは、タニノギムレットの初年度産駒、ウオッカが2歳の日本レコードで優勝した。勝ちタイム1分33秒1は、前日の準オープンより1秒速い。準オープンがスローペースだったことを差し引いても、時計は優秀だ。大跳びの馬で内枠は不安材料だと思ったが、外回りと474メートルの直線では問題なかった。クビ差だったアストンマーチャンともども、クラシックレベルには到達している。

ウオッカの母は桜花賞に出走したタニノシスターで、母系はシスタートウショウらを輩出し、シラオキまで遡る由緒正しき一族。冠はつかないが、ウォッカもタニノで知られるカントリー牧場・谷水雄三オーナーの所有馬だ。まさにカントリー血統の結晶と言える。タニノギムレットは皐月賞で無理な位置取りから追い込んで敗れ、調教師の逆鱗に触れた四位が降板させられた。同じ勝負服でその馬の仔に跨った四位がGⅠを勝つのも不思議なもの。差しきった武豊は次走から乗り替わった騎手でもある。

ウォッカという牝馬らしからぬ名前だが、父より強い馬になってほしいとの願いからつけられたそうだ。ギムレットはジンをベースにしてライムをシェイクしたカクテル。ウォッカのほうが度は強い。ならば、もしウォッカが橙色の枠に入ったら、さしずめスクリュー・ドライバーということになるのだろうか。確かに大跳びの馬には外枠が良い。度数の割に飲み口は滑らか、レディキラーとしてライバルを蹴散らしてしまうかもしれない。だが、それでも父と比すれば「ギムレットには早すぎる」というところか。

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2006.12.04

フジキセキ産駒 南アフリカでクラシック制覇

幻の三冠馬と評されたフジキセキが種牡馬として初クラシック制覇を成し遂げた。しかも、舞台は南アフリカだというから驚きだ。 2日、ケニルワース競馬場で行われた同国のクラシック第一弾、ケープフィリーズギニー(3歳牝・芝1600)は、フジキセキ産駒のサンクラシーク(Sun Classique)が人気に応えて差しきり勝ちを収めた。サンクラシークはフジキセキがシャトル種牡馬として供用されているオーストラリア産馬。母の父は日本でもお馴染みラストタイクーンという配合だ。このような馬が遥か喜望峰を臨む異国で走っていると思うと、実に不思議な気分になる。

フジキセキだけでなく、サンデーサイレンス系の種牡馬は世界に広がりつつある。同じくオセアニアに供用されたバブルガムフェロータヤスツヨシは、現地でGⅠ馬を輩出している。一方、フランスにはローゼンカバリーアグネスカミカゼディヴァインライトが輸出されており、アメリカでも現地で競走生活を送ったフサイチゼノンエイシンマサムネが種牡馬入りしている。この他、ダーレーが日本に繁殖を移送して誕生させたレイマン(米国産)が来年からフランスで種牡馬入り。現役馬サイレントネームもアメリカで種牡馬となる予定だ。

かつて、名馬の墓場と揶揄された日本から、サンデーのネームヴァリューに助けられているとはいえ、日本産馬が輸出されて血を還元できるのは素晴らしいことだ。だが、例えば欧米に輸出されたサンデー産駒は競走成績は今一歩で、現地でも繁殖牝馬に恵まれているとは言い難い。国内でサンデー系が飽和状態になっていることを考えれば、競走成績や母系に恵まれたサンデー産駒を譲り渡しても良い頃ではないか。ハーツクライなど最適なケースだったと思う。ディープインパクトがスタッドインすれば、サンデー系サイアーのパイはさらに狭まるのだから。

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2006.12.03

9531勝 ラッセル・ベイズが歴代最多勝樹立

世界の歴代騎手、最多勝記録と言えば、ラフィット・ピンカイ・ジュニアが持つ9530勝が不滅の金字塔だった。しかし、アメリカは広い。 1日、カリフォルニア州ベイメドウズ競馬場で、ラッセル・ベイズ騎手がレコードとなる9531勝をあげた。ベイズは48歳。父ジョー・ヘイズもジョッキー。 74年にデビューして、4万2570回目の騎乗での記録達成だった。これまでベイズは7度の全米リーディングを獲得しているものの、米三大クラシックなど大レースに縁がないこともあって、日本での知名度は高くない。

評論家のアンドリュー・ベイヤー氏は「レベルの低い地方競馬場だから達成できたこと」(東京スポーツ)と辛口のコメントを出したそうだが、今年も350勝をあげている強靱な肉体と精神は、レベル云々を凌駕して賞賛されるべきだろう。日本の最多勝記録は鉄人・佐々木竹見の7153勝、中央所属では岡部幸雄の2981勝であることを考えてみればいい。ちなみに記録を破られたピンカイ(引退)は、世紀の瞬間を現地観戦して新記録を讃えたという。イチローとシスラー遺族の関係のようで清々しい。いつもスポーツの記録やタイトルは正々堂々とありたいものだ。

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