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2006.11.12

カワカミプリンセス降着 15年前の因果は巡る!?

15年前の秋、競馬界を震撼させた大事件が起きた。史上初のGⅠ1着入線馬の降着処分である。この年の天皇賞秋で 1番人気に支持された武豊メジロマックイーンは、プレクラスニーに6馬身もの差をつけて1位入線した。しかし、スタート直後に大きく内に切れ込み、他馬の進路を妨害したとして18着に降着処分となった。この時、勝ち馬から7秒遅れてゴールした被害馬がプレジデントシチー。鞍上は本田優だった。因果は巡るというのか。

今年のエリザベス女王杯はシェルズレイが引っ張る淀みのない流れとなった。 1000メートルは57秒4。後続集団の先頭はアサヒライジング。有力馬はフサイチパンドラカワカミプリンセススイープトウショウの順序で、それぞれがマークしあう形。ほぼ折り合いを欠くことなく、各馬とも坂の下りから仕掛けのタイミングを図る。この流れではスタミナの誤魔化しは効かず、中距離で実力を発揮できる馬でなければ上位には来れなかっただろう。

カワカミは4角前で遅れて加速しはじめたものの、外にパンドラ、スイープが並んでいては、その内を回すのは常識的な判断だった。直線を向いて、開けていたのはシェルズレイとアサヒの間。だが、シェルズレイが失速し、アサヒが若干、内へ寄せる素振りを見せる。カワカミと並んでいたヤマニンシュクルも同じ進路を取ろうとしており、ここで致命的な不利を受けるわけにはいかない本田としては強引でも割って入るしかなかった。「前の馬が内にモタれていたので早めに動いた」という当人のコメントが全てだろう。

ゴール後にシュクルが下馬したことも含めて、降着処分はやむを得なかったと言えよう。とりわけ、直線に入ってからの加害行為は着順との相関性が見えやすいだけに、重い処分の対象になる可能性が高い。直前に左鞭を連打したのも印象を悪くした。裁決の不透明性や降着基準の曖昧さは常日頃から批判されていることではあり、改善されなければならない問題ではあるが、今回の処分は妥当とせざるを得ない。個人的にはスイープ流しの馬連4180円が的中した。

脚のなかったシェルズレイが馬場の真ん中に出さなければ、もう少し4角でカワカミの加速が早ければ…、降着は免れたかもしれない。さらに遠因に思いを巡らせれば、GⅠ1着入線馬の降着の前例がなければ、裁決も躊躇したかもしれない。そう考えると、やはりプレジデントシチーに本田が騎乗していたことや、ひとつ前のレースで本田が被害馬となってペリエが降着になっていたのも、因果を感じずにはいられない。ただ、カワカミの強さが古馬相手でも底を見せなかったことは喜ぶべきことだった。無敗伝説は終わらない。

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