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2006.11.21

パートⅠ国昇格 ”何も変わらない”一等国入り

20日、JRAは2007年より日本が ICSC(国際セリ名簿基準委員会)が定めるパートⅠ国に承認されたと発表した。これまで日本は賞金や主要レースのレベルなどは充分にパートⅠ国の水準に達していたものの、外国調教馬の出走できるレースが少なく ”鎖国競馬”を続けているとしてパートⅡ国に分類されてきた。しかし、平成17年から国際交流競走を増やす施策を採り、来年度はICSブックに記載された競走の過半数が開放されたことから、パートⅠ国への昇格することになった。 アジアでは3年前に承認されたUAEに続いて2ヵ国目となる。

以前、「パートⅠなど飾りですよ。偉い人にはそれが分からんのです」と本質をズバリついた人がいたが、偉い人、つまりJRAにとっては十数年来の悲願でもあった。 92年、『外国産馬出走制限緩和(5ヵ年計画)』を策定し、安田記念など幾つかのGⅠ、GⅡを外国調教馬に開放。また、混合競走の編成率を55%に引きあげ、最後まで抵抗の強かったクラシック、天皇賞も外国産馬が出走できるようにした。内国産保護を求める馬産地をたしなめつつ、こうした段階的な地ならしを経て欧米列強と肩を並べる ”競馬一等国”と認めさせたのだ。

では、国際会議でJRAの発言権が増す以外に、パートⅠ国入りして、日本競馬は何が変わるのだろうか。来年度は60のレースが国際格付けを得られる。そのため、JRAによれば「日本産馬の国際的評価向上、日本の競馬の一層のレベルアップ、ブランドイメージの向上、日本産馬の輸出促進などの好影響」がもたらされるという。しかし、実際は外国馬が大挙して押し寄せることもなければ、天皇賞馬や有馬記念馬が海外種牡馬として買い漁られることもない。韓国や中国への輸出が馬産地の経済の大きなウェイトを占めるまでには長い時間が必要だろう。すぐに何か変わるわけではないのだ。

だが、これまでJRAが進めてきた外国産馬、外国馬へのレース開放が競争を促し、国内のレベルアップにつながっていたことは間違いない。そもそも競馬がロマンやプライドを提供する娯楽産業であるならば、世界に対して胸を張れるパートⅠ国の地位を得るのは大きな”飾り”だ。将来的な話としても、日本産馬輸出にプラスになってもマイナスになることはない。むしろ、「外国馬の出走制限緩和は馬産地を滅ぼす」と主張していた人々の危惧とは裏腹に、実質「何も変えずにパートⅠ国入り」を成し遂げた石を穿つJRAの戦略を讃えるべきか。

2006年はドバイシーマクラシック、メルボルンC制覇、凱旋門賞、キングジョージでも日本産馬が台風の目となったエポックメイキングな年である。国際化の集大成であるパートⅠ国昇格が重なったのは、実に相応しいと言える。だが、残念ながら今年のジャパンカップは史上最低の2頭しか外国馬が参戦しない。その背景にはJRAがダーレー・ジャパンの馬主申請を却下し、マクトゥーム一族の機嫌を損ねたためとも囁かれている。来年、ダーレーの申請を認可することが、国際化計画の点睛になるとすれば、その時は「何も変わらない」わけにはいかないだろう。

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