バランスオブゲーム 惜しまれる”G2大将”引退
26日、美浦トレセンで天皇賞秋に向けて追い切りを行ったバランスオブゲームは、追い切り後に左前浅屈腱不全断裂を発症。競走能力を喪失したため、このまま引退することになった。バランスオブゲームは宗像義忠師の管理馬で、父フサイチコンコルド、母の父アレミロード。 01年の新潟2歳Sから06年のオールカマーまで重賞7勝をあげて、息の長い活躍を続けてきた。グレード制導入後、GⅡ6勝はJRA最多勝。今後は種牡馬入りが予定されている。
バランスオブゲームは25日に追いきりを予定していたが、歳を取って恒例となっていたゴネ癖を出して馬場入りを拒否。木曜追いに変更され、北Cコースで5ハロンから追われて絶好の動きを見せていた。しかし、発汗しながら引き揚げてきた同馬は歩様が乱れ、脚元を痛がる素振りを見せたため異常が発覚した。馬場入り拒否が故障の兆候ではないだろうが、前哨戦を勝ち、三冠馬も出走しない天皇賞秋はチャンスも大きかっただけに非常に惜しまれる。
同馬は99年のセレクトセールにおいて870万円という手頃な価格で取り引きされている。収得賞金は6億円を超えており、実に落札価格の70倍も稼いだ馬主孝行な馬だったといえる。その馬主はダービースタリオン作者の薗部博之氏。薗部氏は20頭あまりを所有しているが、社台など大牧場の生産馬や外国産馬が大半で、荻伏のヤマダファーム産の同馬は珍しいほうだ。スタープログラマー、リセットボタン、サヨナラゲームなどゲームに因んだ馬名を冠することも多く、バランスオブゲームもそうした1頭だった。
いつもGⅠの壁には跳ね返されてきたものの、一転してGⅡでは無類の強さをみせることもあり、"GⅡ大将"と呼ばれるほどだった。弥生賞のイメージが強いためか、逃げ馬と勘違いしているファンも少なくないが、ハナを切ったのは3度だけ。弥生賞、中山記念は勝ち、宝塚記念は3着に健闘している。毎日王冠優勝もあるが、本質的には中山のような小回り中距離コースで、息を入れながら先行するのが勝ちパターンだった。とにかく重馬場と鉄砲は強かったのも特徴だ。
バイプレイヤーらしく、生涯29戦で1番人気は新馬戦を含む2回だけ。 3歳時にGⅡを2勝して獲得賞金が多かったこともあって、古馬になってもGⅠ、GⅡばかり使われてきたという背景もある(例外は06年根岸S)。鞍上は田中勝23戦、木幡5戦、武幸1戦。中央GⅠで不滅の連敗記録を続けるカッチーが主戦というのも、最後まで大きなところに手が届かなかった因縁を感じる。次回ダビスタには種牡馬として登場するだろうが、現実の世界でも父の果たせなかったGⅠ優勝を叶える産駒を出してほしい。
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