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2006年10月の12件の記事

2006.10.27

バランスオブゲーム 惜しまれる”G2大将”引退

26日、美浦トレセンで天皇賞秋に向けて追い切りを行ったバランスオブゲームは、追い切り後に左前浅屈腱不全断裂を発症。競走能力を喪失したため、このまま引退することになった。バランスオブゲームは宗像義忠師の管理馬で、父フサイチコンコルド、母の父アレミロード。 01年の新潟2歳Sから06年のオールカマーまで重賞7勝をあげて、息の長い活躍を続けてきた。グレード制導入後、GⅡ6勝はJRA最多勝。今後は種牡馬入りが予定されている。

バランスオブゲームは25日に追いきりを予定していたが、歳を取って恒例となっていたゴネ癖を出して馬場入りを拒否。木曜追いに変更され、北Cコースで5ハロンから追われて絶好の動きを見せていた。しかし、発汗しながら引き揚げてきた同馬は歩様が乱れ、脚元を痛がる素振りを見せたため異常が発覚した。馬場入り拒否が故障の兆候ではないだろうが、前哨戦を勝ち、三冠馬も出走しない天皇賞秋はチャンスも大きかっただけに非常に惜しまれる。

同馬は99年のセレクトセールにおいて870万円という手頃な価格で取り引きされている。収得賞金は6億円を超えており、実に落札価格の70倍も稼いだ馬主孝行な馬だったといえる。その馬主はダービースタリオン作者の薗部博之氏。薗部氏は20頭あまりを所有しているが、社台など大牧場の生産馬や外国産馬が大半で、荻伏のヤマダファーム産の同馬は珍しいほうだ。スタープログラマー、リセットボタン、サヨナラゲームなどゲームに因んだ馬名を冠することも多く、バランスオブゲームもそうした1頭だった。

いつもGⅠの壁には跳ね返されてきたものの、一転してGⅡでは無類の強さをみせることもあり、"GⅡ大将"と呼ばれるほどだった。弥生賞のイメージが強いためか、逃げ馬と勘違いしているファンも少なくないが、ハナを切ったのは3度だけ。弥生賞、中山記念は勝ち、宝塚記念は3着に健闘している。毎日王冠優勝もあるが、本質的には中山のような小回り中距離コースで、息を入れながら先行するのが勝ちパターンだった。とにかく重馬場と鉄砲は強かったのも特徴だ。

バイプレイヤーらしく、生涯29戦で1番人気は新馬戦を含む2回だけ。 3歳時にGⅡを2勝して獲得賞金が多かったこともあって、古馬になってもGⅠ、GⅡばかり使われてきたという背景もある(例外は06年根岸S)。鞍上は田中勝23戦、木幡5戦、武幸1戦。中央GⅠで不滅の連敗記録を続けるカッチーが主戦というのも、最後まで大きなところに手が届かなかった因縁を感じる。次回ダビスタには種牡馬として登場するだろうが、現実の世界でも父の果たせなかったGⅠ優勝を叶える産駒を出してほしい。

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2006.10.21

「薬物汚染」 「発覚隠蔽」 危うい世論のミスリード

一般メディアでも大きな騒ぎとなってしまったディープインパクトからのイプラトロピウム検出。前日も記したように、今、求められるのは投与にいたるまでの経緯を徹底的に調査することであり、結論が出るまで拙速な判断は避けなければならないと考える。最も怖ろしいのは、恰もディープ陣営がドーピングのために薬物を使用していたかのようなスキャンダラスなイメージが植え付けられることだ。

この点、幸いなのはフランスギャロが「不正の意図はなかった」と明言して、冷静に規則に沿って処分の手続きを進めていることだ。今後、ギャロは日本側と事実関係について書簡によるやりとりを行い反論を聴取することにしており、手続きには半月から1ヶ月かかる見込みだ。今回の検出はあくまで人為的なミスによるもので、ディープの戦歴や陣営の名誉を貶めることがないよう配慮されねばならない。だからこそ、誰もが納得できる事実を明らかにすることが必要なのだ。

一方、過熱する報道には、世論をミスリードする危ういものも少なくない。 21日、毎日新聞は「ディープインパクト 再挑戦が汚名そそぐ道だ」と題した社説を掲げた。「当代一の人気馬が薬物で汚染されていた」で始まる大新聞社の社説は、競馬ファンとしては極めて残念な内容だった。

関係者の重大な落ち度で日本の代表馬と日本競馬の信用を傷つけてしまった。ことが競馬だけの話にとどまればまだしも、野球、サッカーをはじめ多くの日本人スポーツ選手が海外に活躍の場を広げている中、「日本は薬物への対応が甘い」というイメージを世界に広めてしまった危険性だってある。…オーナーはレース後の11日、今年限りでレースから引退させると電撃発表して競馬ファンを驚かせ、また落胆させた。その引退発表と、今回の薬物検出とは何か関連があるのだろうか。… 今一度、クリーンな体で凱旋門賞にチャレンジさせてみてはどうだろう。ディープインパクト自身も望んでいるのではないかと思うのだが。(毎日新聞・社説)

そもそも気管支拡張剤の投薬期限が数日ずれていたことで、ディープは「薬物汚染」されていたと言うべきだろうか。薬物検出が発覚するのを恐れて電撃引退させたかのような疑惑を提示しているのも荒唐無稽な見方と言わざるを得ない。さらに「クリーンな体」で凱旋門賞に再挑戦させろとは、どんな展望を持って結論づけているのだろうか。その論拠が「ディープ自身も望んでいる」というのであれば、社説とは思えない無責任な放言に過ぎない。

もし、調教師やスタッフが過去のカフェイン投与などと同様、競走能力を不法に高めるために気管支拡張剤が与えたのなら、「薬物汚染」「クリーンな体ではなかった」と指弾されても仕方ない。だが、現段階でその可能性は極めて低く、調査を行っているギャロ側も否定している。事件をきっかけにして、競馬がダーティーなものと喧伝されたり、海外遠征を萎縮させるような結果になってはならない。そのためにJRAと競馬マスコミは正確な情報提供と事実の評価に心を砕いてほしい。

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2006.10.20

ディープから禁止薬物 冷静に徹底的な調査を

19日、凱旋門賞に出走したディープインパクトから、フランスで禁止されているイプラトロピウムが検出されたことが発表された。これは呼吸器系に作用する気管支拡張剤で、渡仏中にこれを用いた治療が行われていた。同国の規定では馬の治療はフランスの獣医師の資格を持った者にしかできないが、レース後にも体内に残留するような時期に誤って投与された可能性が高い。今後、フランスギャロは最終的な調査結果を待って、ディープに失格処分をくだすものとみられている。

JRAの高橋政行理事長は「世界最高峰のレースとして栄誉ある凱旋門賞に汚点を残す結果となり、誠に残念でなりません」とのコメントを発表した。一方、関係者の故意によるものとは考えられず、最終的な結果が出る前に「汚点」という強い言葉を使ったことには違和感がある。サンケイスポーツは「理事長の“翻意”」、須田鷹雄氏は「頭おかしいんじゃねえのか」と批判している。ともかく、この一件で凱旋門賞挑戦の価値がすべて失われるわけではなく、今後、間違った印象を引きずらないためにも、冷静、且つ徹底的に事実関係を明らかにすることが求められる。

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2006.10.19

菊花賞か天皇賞秋か 悩み深きマルカシェンク

メイショウサムソンの三冠がかかった今年の菊花賞。しかし、ディープインパクトやナリタブライアン、あるいはルドルフ、シービー、シンザンと比べて、ライバルたちと絶対的な能力の開きがあるように感じられないのも事実だ。サムソンがアタマひとつ抜けていることは認めても、付け入る隙も充分にあると各陣営は踏んでいるのではないか。吉凶は分からないが、トライアルで勝利に導いた高田を降ろしたドリームパスポート陣営も、その勝負への非情さは不気味なまでだ。

一方、出走すれば上位人気になりそうながら、未だに菊参戦に迷いを見せているのがサムソンと同僚のマルカシェンク。ようやく間に合ったダービーでは馬群が捌けず4着と敗退したものの、 2歳時から評価されていた能力の高さを証明するレースになった。そして、秋初戦に瀬戸口師が選んだのは毎日王冠。 BMSが全欧2歳チャンプで母は伊1000ギニー馬ということもあり、マイルから2000メートルがベストと判断したのではないか。毎日王冠の結果は4着。予想以上の健闘で天皇賞秋へ、ということになるはずだった。

ところが、天皇賞秋の出走優先順位は19位(フルゲート18頭)。登録全馬が出走すれば、除外されてしまう。マルカシェンクの命運を左右するのがディープの選択。府中で調整は続けられているものの、「出否は未定」と相変わらず池江師は態度を保留している。天皇賞秋に出走したいマルカシェンクだが、除外対象のままなら菊花賞へ向かうことにしている。陣営は追い切りを木曜日に遅らせて、ディープの不出馬宣言を待っている。もし菊を勝つようなら、僚馬の三冠阻止という複雑な状況になる? ひょっとしてオグリキャップの瀬戸口厩舎だけにGⅠ連闘もありうるか?

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2006.10.15

ディープインパクト 51億円の史上最高額で種牡馬入り

11日、金子真人オーナーが池江郎師を通じて発表した「ディープインパクト年内引退」51億円(8500万円×60口)のシンジケートが組まれ、社台SSで種牡馬入りすることになった。凱旋門賞前からダーレーなど海外生産者を含めたディープ争奪戦が繰り広げられており、一説にはトレードマネーは100億円を超えると報道されたこともあった。しかし、凱旋門賞の敗戦で大きく評価は下がり、国内最高だったラムタラの46億円を上回るとはいえ、最終的には妥当な範囲内で購買されたとみるべきだろう。種付け料は1500万円前後か?

オーナーからの引退通告は関係者にとっても寝耳に水だったようだ。池江郎師は「突然の話で寂しい」と語り、武豊は「前向きに気持ちの整理をつけるしかありません」と戸惑いを隠さなかった。帰国後は凱旋門賞再挑戦、来年も現役続行など、希望的な観測?も見受けられたが、もしかしたら関係者も同じような情報を得ていたのかもしれない。しかし、種牡馬としての価値を損なわないためには、これ以上、戦歴に傷をつけるようなチャレンジは必要なく、至極、真っ当な判断をしたと言える。

ファンとしては、これほどの不世出の名馬の走りを見られなくなるのは残念だし、ブリーダーズカップドバイワールドカップに挑戦する第二幕を期待しないわけではない。凱旋門賞のパフォーマンスからは世界の一流馬相手でも常に優勝争いできることは明らかだし、こうした能力を持った馬が次に誕生するのは気が遠くなる時間を要するかもしれないからだ。一方で、国内GⅠで"八冠"を達成するためだけに現役を続けるのは意義を感じず、無敗のクラシック三冠、凱旋門賞3着の実績の前には蛇足に過ぎない。

現在、東京競馬場に入厩しているディープは、天皇賞秋も視野に入れて調整が行われている。ジャパンカップ、有馬記念と3連勝して、古馬中長距離GⅠ完全制覇の可能性もある。今年の天皇賞秋は悠仁親王殿下御誕生の慶祝競走とされているため、 JRAがディープ参戦を熱望していることは想像に難くない。だが、出走すること自体がリスクであることを鑑みれば、ファンへのお披露目レースは一戦、それならば海外勢をホームで迎え撃つジャパンカップが適当だと思う。オーナーの勇断を期待したい。

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2006.10.12

御礼 "馬耳東風" サイト開設10周年

12日、「馬耳東風 競馬データ予想」開設10周年を迎えることができました。年を追うごとに多くの方々にご訪問いただけるようになり、トップページのカウンターも 150万を超えました。また、3年前に半ば独立させることになったブログ「馬券日記オケラセラ」にも、たくさんの読者にお越しいただいております。これまで拙サイトを支えてくださった皆様に心より御礼申し上げます。

時期を同じくして、予想コンテンツ「今週のデータ解析」500回の節目となります。10年前のこの週、第一歩を踏み出したデータ解析で予想したのが第1回秋華賞でした。本命にしたエアグルーヴが敗れ、ファビラスラフインが驚く快走をみせました。以来、更新を重ね、振り返るとハズレ馬券の山ができていました。それでも、先日のアンケートでは読者の好評を得ていることが分かり、恥ずかしながら今後も予想を続けていこうと決意しました。

この10年間、競馬界もインターネットも大きな変貌を遂げました。昨日、ディープインパクトの年内引退が発表されましたが、内国産馬が1番人気で凱旋門賞に参戦するなど誰が想像し得たでしょうか。かつては、競馬サイトといえば、個人が趣味で予想を披露するものがほとんどでした。今ではJRAや競馬マスコミ、データベースを提供するサイト、そして無数のブログが存在し、大量の情報が瞬時、かつ容易に手に入るようになりました。

こうした激動期にあって、馬耳東風もコーナー再編、メルマガの発行と廃刊、ブログへの活用など、時流に沿って試行錯誤を続けてきました。また、予想とともに、一ファンとしての拙い意見も発信してきたつもりです。その結果、たくさんの反響やご支持をいただいたこともありましたし、ご批判を受けたり、ご迷惑をおかけしたこともありました。しかし、ファンとともに競馬を楽しみ、盛り上げ、時には競馬界に厳しい目も向けていく姿勢は、開設当初から変わらずに守ってきたと自負しています。

「上善如水」という言葉があります。水のようであることは最上の善だと言うのです。水は器によって形を変えます。それでいて万物を潤し、低きに流れ、功名を争わない。馬耳東風はネットの片隅に息づく小さなサイトですが、競馬を愛する人たちの一滴の水のような存在でありたいと願っています。読者の方々のご意見やご指摘を糧にして、謙虚な気持ちで更新を続けていけたらと考えております。今後とも末永くご贔屓いただければ幸せです。

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2006.10.11

"死は生と共に終わらず" モンタヴァルの血の呪い 

寺山修司が遺した良く知られるエッセイに「モンタヴァル一家の血の呪いについて」という一章がある。「モンタヴァルの子で二度幸福が続いた馬はいない」というのだ。モンタヴァルは1953年フランスで生まれ。キングジョージを制し、 1961年に日本に種牡馬として輸入された。重賞ウイナーを出して2歳リーディングサイアーにも輝いたものの、1965年に早世している。

「生が終わって死が始まるのではなく、生が終われば死も終わる。死は生につつまれていて、生と同時にしか実存しない」というのが、私の死についての感想であるが、モンタヴァルの場合にかぎっていえば、死は生と共に終わらなかったのではないだろうか?モンタヴァルの死だけが生きのびて、それが産駒の血の中で騒ぎ出す。伝説がまさしくこの家系を支配しているのだとしたら、この不幸の連続は、まさに父親モンタヴァルの意のままだったということになるかもしれない。(寺山修司・馬敗れて草原あり

モンタヴァルの血の呪いとは如何なるものだったのか。産駒のナスノコトブキは「菊花賞を勝ってようやく本格化し、春の天皇賞をめざしてふたたび京都へ遠征したが、そこでまったく突然に死んでしまった」。皐月賞馬ニホンピロエースはダービーで「逃げるどころか先行の一団にさえ加わることさえできなく」惨敗した。「走るお墓」と囁かれた小柄なメジロボサツは土砂降りの嵐にクラシックのチャンスを奪われた。

不運が偶然であると晴らすため、寺山が期待をかけたのが朝日杯を勝ったモンタサンだった。しかし、皐月賞を前に思わぬアクシデントに見舞われる。「馬丁ストライキ」だ。長い稽古休みの間にモンタサンは飼い葉を食わなくなり、すっかり痩せ細ってしまったのだ。出走に漕ぎ着けたダービーは惨敗。秋はセントライト記念を勝ったものの、「飼料に混じった農薬を食べて」菊花賞をあきらめざるを得なくなる。「血統への復讐」は叶わなかった。

それから40年。先週、府中の3歳未勝利戦で、1番人気に推された牝馬が競走を中止した。右第一指関節脱臼、予後不良となった。馬の名前はメジロアレグレット。名牝メジロドーベルが初めてターフへ送り出した仔だ。好素質馬と評判だったが、デビュー戦で大きな不利を受けてから歯車が狂ってしまった。最後のレースでは砂を被って嫌がる仕草を見せていたという。アレグレットを偲んで、ふと血統表を開いて背筋が凍った。 4代前の母メジロボサツ、その父モンタヴァルの名前を見つけたからだ。

なみだを馬のたてがみに
こころは遠い草原に

酔うたびに口にする言葉は
いつも同じだった
少年の日から
私はいくたびこの言葉をつぶやいたことだろう

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2006.10.10

ディープ参戦? 天皇賞秋の勢力図は混沌

毎日王冠、京都大賞典のふたつの天皇賞秋を占うステップレースが終わった。毎日王冠は厳しい流れのなか、ダイワメジャーダンスインザムードの先行した2頭がワンツー。1分45秒5の好時計で決着した。これまでダイワメジャーは府中では今一歩の成績だったが、外枠から気分良く先行できたのが良かった。持続力を要求される流れも合っている。ノド鳴りの影響も感じられず、皐月賞馬の完全復活か。本番の好走は内枠などで揉まれないことが条件になるだろう。

ダンスインザムードは完全に精神面での不安が払拭されたのが大きい。天皇賞秋は一昨年2着、去年3着とベストに近い条件。勝ちきるまでのイメージは持てないが、上位には食い込んできそうだ。マルカシェンクは3歳馬で最先着の4着。天皇賞秋は除外対象だろうが、古馬相手でも十分やれることが分かった。5着のカンパニーも流れ次第では着順をあげてきそう。1番人気アサクサデンエンは最内から先頭を伺うも、ズルズルと後退して13着。息ができていなかったのだろうか。巻き返しはあっておかしくないが、買いづらい存在になった。

京都大賞典はスローの上がり勝負となり、内を抜けた牝馬・スイープトウショウが快勝した。2分31秒5は凱旋門賞で誤って計時されたタイムと同じだ。スイープはオークス2着もあるように、距離自体はこなせるタイプ。府中二千へ舞台が変わるのは好材料で、末脚が活かせる展開になれば崩れることはない。一方、1番人気に推されたインティライミは良いところなく7着に惨敗。 2着のファストタテヤマ以下は能力が分かっている馬ばかりで、天皇賞秋で馬券に絡むことは難しそうだ。ストラタジェムは変わってきそうだが。

フランスから帰国したディープインパクトは、検疫のため府中に入厩。天皇賞秋を視野に入れて調整されることになった。凱旋門賞から天皇賞秋とは、まるでダビスタローテ。一度叩かれて馬が完全に仕上がってしまったのだろうか。有馬記念まで調子を維持するのは難しいと判断したのかもしれない。今年の天皇賞秋は悠仁親王ご生誕を祝う慶事競走とされており、JRAがディープ参戦を熱望しているということか。いずれにせよ、ジャパンカップをスキップするような結果にはなってほしくないものだ。

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2006.10.09

南部杯 2着はいらないシーキングザダイヤ

岩手競馬の最高峰、マイルチャンピオンシップ南部杯。去年の覇者、ユートピアはここからドバイへと飛び立っていった。今年は中央勢5頭、地方勢9頭で争われる。中心は休養明けの日本テレビ盃を勝って勢いに乗るシーキングザダイヤ。これまでダートGⅠでは2着が7回というシルバーコレクター。去年の南部杯も2着だった。だが、この馬の全6勝で手綱を取っている武豊なら、勝つ乗り方をしてくれるはず。

対抗はエルムSを制して勢いに乗るヒシアトラス。ダート重賞の常連にしては珍しく交流重賞は2度目の挑戦。マイルは短いとみる向きもあるが、思い切って先行してスタミナ勝負に持ち込めば型に嵌る。単穴は道営所属のジンクライシス。かつてJCダートで3着した世界級の力が戻ってきた。得意の左回りであっと言わせることができるか。以下、 JBCスプリントを制しているブルーコンコルドなどを3着候補に。

◎シーキングザダイヤ ○ヒシアトラス ▲ジンクライシス
△ブルーコンコルド、タイムパラドックス、ウツミジョーダン

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2006.10.06

まだまだっ! 老い知らず岡部幸雄の八面六臂

元騎手としてJRAと異例のアドバイザリー契約を結んだ岡部幸雄。38年間の騎手生活を引退後、調教師という道を選ばず、サークルの外側から中央競馬を支える貴重な存在として活躍している。先日の凱旋門賞では現地で実況アナウンサーの隣に座り、一流騎手ならではの的確な解説と、「まだまだっ、まだまだっ!」と大川慶次郎「ライアン!」ばりの熱い雄叫びで存在感を示した。

今月にはテレビCMへの出演も発表された。JRAとアサヒ飲料がタイアップして発売する缶コーヒーのCMだ。舞台はサラリーマンが働くオフィス。GⅠのファンファーレが鳴り響く中、「勝負服ジャージ」に身を包んだ岡部が電動「4輪ミニバ(馬)ギー」にまたがり颯爽と登場。勝利した時に見せたガッツポーズを披露するという。いつものクールなイメージとは違った面を見ることができそうだ。

さらに書店の新書コーナーで平積みになっているのが、先月に発売されたばかりの自著「勝負勘」 。勝つために騎手はどうレースを組み立てているか、勝負を分けるポイントは何かなど、騎手生活を振り返りながら語っている。代打騎乗だったオグリキャップの有馬記念では、長年、培われてきた勝負勘を結実させて、最高のコース取りとペース配分、仕掛けのタイミングによってタマモクロスを負かしたという。

サークルの外にいるからこそ明かせる真実も綴られている。体調が下降線を辿っていたのに渡米せざるを得なかったシンボリルドルフ。クラシックで無理をさせたが故、勝利と引き換えに命を失ったマティリアル。夏休みを与えられずにストレスを溜めたビワハヤヒデ…。馬とともに成功や失敗を繰り返しながら、弛まぬ努力を続けてきたことが2900勝ジョッキーの勝負勘を育ててきたのだ。そして今、第二の人生を謳歌する岡部、老け込むのは「まだまだっ!」の大活躍である。

CMタレントとしてもブレイク間近

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2006.10.04

2分26秒3 凱旋門賞のタイムは5秒速かった? 

近年で希に見る少頭数、ペースメーカーの不在、2番手で先行したディープインパクト、レース後の「スローになることを予想していました」という武豊と池江泰郎師のコメント、そして2分31秒70と発表された公式タイム。 2日の東京スポーツ一面で清水成駿は敗因についてこう分析している。「好天に恵まれたとはいえ、勝ちタイムは2分31秒70。ダービーを2分23秒3の速いタイムで楽勝したディープに、この深く重いロンシャンでも『跳びなさい』という方が、やはり無理難題であった」と。

凱旋門賞については、「上がりの速い直線だけの決着」(柏木集保)というのが衆目一致した評価だったし、それ故にディープは実力を出し切れずに終わったのではないかと指摘されもした。私自身、まったく疑うことはなかった。しかし、一夜明けて、レーシングポスト紙のサイトに掲載されたタイムは違った。 " Rail Link 2m 26.30s " なんと5秒以上も速いではないか。ディープが敗れたショックで気づかなかったが、映像を見直すとゴールした瞬間の時計は2分25~26秒だ。手元のストップウォッチで計測しても同じ。ラップの取り方が違っても5秒は狂わない。

ハナを切ったアイリッシュウェルズ、途中でディープの前に出たシロッコはともに馬群に沈んでいる。 1、2着のレイルリンク、プライドは後方で脚を溜めていた馬だ。先行勢で残ったのはディープだけ。京都の倍以上の高低差があり、芝も深いロンシャン。確かに時計の出る馬場だったが、スローと言えるだろうか。前後半とも1000メートル1分01秒ぐらいか?息の入らない厳しい流れだったようにも思える。その中をフォルスストレートで順位を上げ、ラスト400から追い出したとしたら、3キロの斤量差のある差し馬に交わされたのも不思議ではない。

フランスの主催者が発表した公式タイムは2分31秒70のまま。訂正されるのかどうかは知らないが、私たちがこの時計を頼りにしてレース結果をあれこれ批評することは避けた方が良さそうだ。負けたという事実は何も変わらないし、フランスのファンは時計など意味がないと言うのかもしれない。だが、同じ位置にいたBCターフ勝ち馬が惨敗を喫したレースで、最後まで踏みとどまって差し返す場面さえみせとすれば、日本のファンも少しは溜飲が下がるのではないだろうか。

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2006.10.02

再び世界へ歩みだそう ディープの挑戦を誇りにして

3着。残念な結果だったというのが素直な感想だろう。その上でディープインパクト陣営と武豊騎手には感謝の意を表わしたいし、ディープが日本代表として恥じぬ走りを見せてくれたことに誇りを持ちたい。レース後、武豊は相当なショックを受けていた様子だった。中継では合田直弘氏の質問に答える余力もなかったが、オフィシャルサイトにはまもなくコメントが掲載された。

最後の競り合いの場面、いつものディープインパクトなら、あそこからもう1枚の超トップギアが出てきて突き放していたはずですが、今日はそれがありませんでした。馬場や展開は思っていた通りでしたし、ディープの力を100%引き出せていたら、決して負けることはなかったと思うのです。本当に悔しいです。勝ちたかったです。(武豊日記)

レースは予想通り、少頭数でスローな流れ。ディープは普段より良いスタートを切ったため、アイリッシュウェルズの2番手を進むことになった。追い込みが身上のディープにとって、初めての正攻法の競馬だったが、先行することは陣営は想定していたようだ。坂の途中でシロッコを先に行かせ、3番手に下げる。課題とされていた折り合いはフォルスストレートでも欠くことはなく、 4角も充分な手応えでまわってきた。これまでにない優等生的なレースぶりは、違う馬を見ているようだった。

直線ではシロッコを前に見ながら、最大のライバルとされたハリケーンランを内に閉じこめる格好。武豊としては最高の形になったと思ったのではないか。この2頭を負かすには、ラスト400を過ぎて追い出したのも好判断だった。だが、解説の岡部幸雄が「まだまだ、まだまだ」と叫んでいたのは、ディープを徹底マークしていたレイルリンクが視野に入っていたからだろう。スローの上がり勝負なら、マークして仕掛ける馬の方が圧倒的に有利だ。斤量差もある。一度は差し返すファイトは見せたものの、ゴール前は脚があがった。

直線で追いだした時に突き放せなかったのは、武豊の敗戦の弁のように「ギアが出てこなかった」のか、スローで差がつかなかったのか、相対的な能力の問題なのか、断言はできない。但し、天皇賞春で発揮した驚異的なスタミナを引き出させられることなく、ロンシャン400メートルの瞬発力勝負に敗れたとは言えるだろう。そして、まるでシービーがルドルフとの対決で採った先行策と同じく、破天荒な競馬をしてきた馬が他馬を意識して"常識に適った"乗り方をしたことに、一抹の不完全燃焼感は求められるのかもしれない。

日本競馬界にとって、ディープ敗戦は大きな挫折となることは認めねばなるまい。ディープの超えられなかった世界の壁に、一から挑戦しなくてはならないのだ。しかし、5年、10年、20年の歳月をかけてでも、彼の地にスーパーホースを連れて行く気概を忘れずに歩んで行こう。ディープの偉業を糧にして…。最後につまらない繰り言になるが、重圧を背負った騎手に静かにするようたしなめさせたり、パドックで無神経にフラッシュを焚いていたファンは、何のためにフランスまで出かけたのか、良く考えてほしい。

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