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2006.07.07

ダーレーの馬主申請却下 外資は馬産地を滅ぼすか? 

4日、馬主登録申請を審議する馬主審査委員会は、ドバイのシェイク・モハメド殿下のダーレー・ジャパン・ファームの馬主申請を却下した。同ファームは殿下の日本代理法人・ダーレー・ジャパンの傘下にあり、日本人の高橋力氏が社長を務めている。委員会はJRA職員、馬主、学識経験者らで構成されるが、出席した委員全員が反対を表明した。一部では申請が認められるのではという見方もあったが、今年中の認可は見送られることになった。

ダーレーは3年前に地方競馬で馬主資格を取得し、北海道の牧場を買収するなどして馬産も行っている。アルカセットら種牡馬6頭、繁殖牝馬54頭を所有しており、今回は国内生産法人として登録申請をした。却下理由は「財務状況が基準を満たしていない」(スポニチ)というものだった。言うまでもないが、世界のダーレーに中小牧場でも認められるような経済的な裏づけがないはずがない。却下されたのは実質的な支配権が日本人代表者ではなく、海外在住の殿下にあると判断されたためだろう。

去年もダーレーは同様の申請を行ったが、海外資本の参入に反発している生産界に配慮して申請を取り下げていた。例えばラフィアンの岡田紘和社長は、外資が参入すればJRAの賞金も海外へ持ち去られ、日本産馬のレベルを支えてきた「いい馬の保持が困難」になると主張している。つまり、国内の生産者が今以上の種牡馬、繁殖馬を所有できなくなり、いずれは外資に席巻されて馬産は立ち行かなくなるという論理だ。去年、国内最大の社台グループも日本競走馬協会を通じて、JRAに申請を拒否することを求めている。

JRAの賞金は欧米と比べて高額なため、開放すれば安価で強い外国産馬が押し寄せて馬産は崩壊すると、常に国内の生産者・馬主は鎖国の正当性を訴えてきた。一方で、不況下で馬主の成り手がなく、生産界そのものが縮小傾向にあるなかで、オイルマネー流入によって再活性化が図れるとする声もある。また、社台の運動会になっている中央のレースに、ダーレーという新勢力が入ってくるのは、競争を促して全体をレベルアップさせる効果もあるかもしれない。

「委員の1人は『将来的には条件付きで認める方向で進むのではないか』と受け入れの余地をつくる考えを示した」(日刊スポーツ)とも報じられている。もし、外国人馬主を受け入れざるを得ない状況になるならば、外国産馬の所有頭数の制限など、一定の歯止めは必要だろう。拙速な市場開放は避けられるべきだが、現在でもダーレーが本気になれば地方から中央に殴り込みをかけることは可能だ。どのような仕組みなら外資導入で馬産振興が図れるのか。反対一辺倒の大牧場、大馬主も共生可能なヴィジョンを提示する局面にきている。

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コメント

見ている方は毎度毎度社台の運動会を見せられるよりはよっぽど興味が持てるんですけどね。頭数制限でもして少しくらい入れてみればいいのに。

投稿: スイフトセイダイ | 2006.07.07 02:31

ダーレーの場合、JRAで稼いだ賞金を海外に持ち去るだろうか。国際レースにきた香港馬の方がよっぽどこの危惧に当てはまるような気がする。国内生産法人なのだから、稼いだ金は国内の牧場の経費や設備投資に使われると予想するほうが自然だろう。零細牧場にとっては、市場を席巻するのが社台だろうがダーレーだろうが大差ない。ダーレーは、矛先を変えてクラブ法人運営に乗り出しませんかね?今回、声高に異を唱えている人にとって、この方がショックが大きいのでは?この場合、賞金の海外流出という危惧はまったく当てはまらなくなる。ダーレーのクラブ所属馬のためにデットーリが短期免許を取得して乗りにくる、とかあると話題性あると思うけどなあ。結構、繁盛すると思いますよ。

投稿: yoshimasa | 2006.07.08 06:25

中小牧場にとって社台の寡占とダーレーの参入はどう捉えられているんでしょうかね。ファンにとってはダーレーは面白い存在になると思います。クラブ法人ができたら入会したいけれど、馬主団体に敵意をむき出しにしない限り、やらないでしょうね。

投稿: ガトー@馬耳東風 | 2006.07.09 02:36

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一口馬主の課税問題、ダーレージャパンの馬主申請却下と馬主関連の話題が最近あったのだが、なかなか複雑な問題なので、あまりコメントをつけずにいた。とりあえず時間ができたので、ちょっと考えてみる。結論から言えば、これは日本競馬そのもの存在価値、在り処に直結する問題なので、構造が変わらないと小手先じゃ解決しないよなというありきたりな結論。 ◆ダーレージャパン馬主登録、JRAが申請を却下 ◆脅威か福音か ダ...... [続きを読む]

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