"勝って同条件" なし クラス分けルール変更
「前走を勝って同条件」こんな表現がもう見られなくなる。今年の夏競馬からJRAはクラス分けのルールを変更、「勝てば昇級する」のが基本原則になるからだ。 500万クラスでは『3歳500万円・4歳以上1000万円以下』という条件だったのが、『3歳以上500万円以下』だけになる。例えば、未勝利しか勝っていない5歳馬の本賞金は400万円。これまでなら500万条件を勝っても本賞金は800万円のため、再度500万に出走できた。しかし、新ルールでは500万を勝てば本賞金も500万円加算される。そのため、上記5歳馬のケースは1000万クラスに昇級することになるのだ。
忘れてならないのは4歳馬は春季競馬が終わって夏季競馬が始まる前に、それまでに獲得した収得賞金が半分になる点。 4歳夏に一斉に降級する馬が出てくることになるが、導入初年度である今夏だけは、5歳以上馬も収得賞金が半分にされる。上記5歳馬の場合、400万÷2=200万円が本賞金。 500万下を勝つと、200万円+500万円=700万円で昇級となる。勝って同条件の例外は、収得賞金0の未勝利馬が500万下を勝った場合、 500万円が加算されるケースぐらいだ。 0+500万円=500万円。
>>JRA「競走馬のクラス分けのルールが一部変更になります」
ルール変更の背景には準オープン馬の充足、入厩馬の回転を早めたいといった思惑があるように見受けられる。『準オープンの在籍頭数は平成12年が385頭だったのに対し、16年には268頭に激減。 147レースあった準オープン競走は105レース。このうち23レースが9頭以下』(サンスポ)だという。出走頭数は馬券の売り上げと直結してくる。除外ラッシュの下級条件と少頭数に悩む準オープンのアンバランスは、主催者としては是正したいところだ。また、昇級して頭打ちになった馬は賞金を稼げなくなり、地方へ転出を余儀なくさせられる。残った能力のある馬で魅力あるレースが組めるようになるだろう。
だが、こうした狙いが上手く進むかは分からない。同じ条件で入着一杯を繰り返している馬などは、勝って昇級してしまうことを馬主や調教師が望まないことも多くなろう。八百長ではなくても、2、3着がバンザイのヤラズが増えてしまうかもしれない。また、準オープン、オープン馬を増やすということは、それだけクラスの質を薄めることになる。この辺りは不透明だが、増えたオープン馬のせいで重賞クラスの除外が目立つようになることも考えられる。いずれにせよ、ファンはこれまで以上に走らせる側の思惑を馬券検討に加味する必要がありそうだ。
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